goo

語りえないことについては沈黙せねばならない












ブルージュ、groene rei。義理の父撮影。

彼の現在の一番の趣味は写真とフォトショップ。
今年はフォトショップのウァークショップに参加するため、2度渡米したほどの熱の入れようだ。

また、チェスと、P.ツェランの詩と、ヴィトゲンシュタインと、実験的な現代音楽と、孫娘を愛し、デイトレで遊ぶなかなかステキな男である。



さて、写真が完成したら見せたくなる。感想、主に賛辞が聞きたくなる。もっともだ。
それで美しい革のアルバムに収められた数々の作品を見せられ、コメントを求められるわけだが、わたしは語彙が豊かな方ではないので、いつもありふれたことしか言ってあげられず(何かに本当に感動させられたら、腹の底から出す、うぉー!とかいう音しか出てこない)、申し訳ないと思っている。





ある日、現代美術館のミュージアムショップ(<大好き!!)で見つけた虎の巻...
Harold Pepperell 著,Art Criticism 101 - You too can be an art critic-

ようは日めくりカレンダー式に、できるだけabsurd!なアート批評のフレーズが101個掲載されているのである。そしてご丁寧なことにギャラリーにおけるこれらのフレーズの発し方(多くを語らず...とか・笑)まで綴られている。

例えば5番。
"Seeks nothing less than the intuitive revelation of universal truth."

13番。
"While this work presents itself as an abstraction,
yet when its conceptual underpinning are exposed,
it ooze with human qualities."


モンティパイソンのシリーズの中で、哲学者が「牛の糞アーティスト」と揶揄されていたのを味わい深く思い出してしまう(笑)。
訂正いたします...後日、夫から「あれはモンティパイソンではなくて、メルブルックスのヒストリーオブザワールドですよ」と指摘された。


当然こういうナンセンスは何にでもあてはまるバーナム効果のようなもので、悪い冗談ではある。しかし実際こういう賛辞をこそ喜ぶアーティストもいるわけだ。
いや、わたしはこういう遊びは非常に好きですね。詭弁。潤滑油。ヴィトゲンシュタイン的、沈黙を超えた体験の真摯な告白(と思う人はさすがにいないだろうけど)。



あ、義理父の作品に対してはこの本を使用したことはありません,,,(笑)。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )