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Brugge Style
紙魚
わたしは紙が好きだ。
手触り、匂い、音、脆さ、強さ...
前世は紙魚だったのかもしれない。
もしこの人生で店を出すチャンスがあるとしたら、絶対paper sourceのような、紙のおもちゃばこをひっくり返したようなお店をするのだ、と心に誓っている。
あるいはもっとシックな商品だけに絞った取り揃えで、店舗自体は最近のミニマリズムを全面に押し出したショコラティエみたいな感じにして...とか。
うわ~やりたいわ~。
妄想がある限り、わたしは紙魚にも、紙屋の店主にも、七つの海を旅する大富豪未亡人にもなれるのである。幸せ。
ところで今年のクリスマスカード。
少し前、Macのオンラインで注文したアルバムのクオリティが優れていたので、iphotoもバージョンアップしたことだし、クリスマスカードも注文してみようと思いついた。
さすがにカードのデザインで気に入るものは少なかったが、気持ちがもはや「Macで注文」モードに突入していたため、今更街へ行ってカードを探したり、写真を別途焼き増ししたりする気になれず、一番ましだと思ったデザインのカードで頼んだ。
Mac画面で見る限り、紙のざらっとした感じもよさそうで、結局は悪くないかも、と思ったのだ。

カード自体が写真だったのである。
説明する。
ここに一枚の手透きのカードがある。
色は生成りで畝が浮き出た素敵な紙だ。
模様にはエンボス加工が施してある。
これを高感度な技術で写真に撮るか、スキャンするかして、つるつる紙に印刷して大量生産したところを想像してくれたまえ。
ええ。Macのカード、そういうカードだったんですよ。
内側に入れた家族写真の質はやはりいいのですけどね...
雑誌の表紙?みたいな味気ない紙質ですよ...
以前、エルメスの革かばんの写真をプリントした布かばん(で遠目には革かばんに見えたりする・笑)があったが、味気なさはあれと同程度だと思う。しかし、あれはまだ洒落にはなっていたな...ビニールにクロコ型押しのかばんの寂しいズルさに似ている、と言った方がふさわしいかな...
とにかく!
紙フェチのわたしとしてはこのカードは破棄して、クレインか、ロイヤルミルか、パピエ・プリュスに走ろうかと思ったほどがっかりしたのである。しかし大量にできて来たカードをなかったことにするのは犯罪めいているから、中身には少々細工をして、つるつるを多少ごまかした(つもり)。
やっぱり紙は手触りと匂いと音と脆さと強さ!!
メールのクリスマスカードもいいものだ。例えば住所を知らない人にも気軽にカードが出せるし...でもわたしは断然手書きのカード万歳派である。一年に一度、一人一人のお顔とお声を思い出しながら、落ち着いて手書きする時間を取ることこそ、人生の幸せだと思うのだ。
わたしにメルアドしか教えていないお友達は、絶対に住所を教えてくれるべきですよ(笑)。
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