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灰の水曜日




わが家は夫と娘がベルギー人でカトリック、わたしももの心つく前からキリスト教系学校に通わせられていたのではあるが、宗教心に篤いわけでは全くない。

しかし今年は特に、暦というものが自然のサイクルにのっとって制定されてあり、人間もその一部であることを痛感させられる。

今年は昨日2月17日が「灰の水曜日」だった。

「灰の水曜日」は、カトリック教会で、復活祭の46日前の水曜日である。
この水曜日から復活祭の前日(聖土曜日)までを四旬節と呼び、この期間中は質素な食事を取りつつイエス・キリストの受難に思いを馳せる。

ちなみにこの禁欲期間に入る前に許された馬鹿騒ぎがカーニバル(肉よさらば)である。今年は世界中で自粛されたそうだが。

身も蓋もない由来としては、冬の間、備蓄してあった食物がいよいよ尽きる頃にあたり、春までの40日あまりの日を、粗食でしのがなければならなかったかららしい。

クリスマス(冬至)に一度死んだ季節が、いよいよ蘇るのである。
日本よりも春の訪れが遅い欧州でも、いよいよ復活の季節がそこまできているのだ。


英国では昨年12月8日にワクチン接種を開始した。

政府は、2月15日までに、優先順位の高い上から4グループ(医療従事者、介護施設の入所者と従業員、70歳以上、臨床的弱者)1500万人に一回目の摂取を完了させるという目標を提示、それよりも一日早い14日、1506万2189人に達した。

今週からは65歳以上の摂取が始まり、このままのペースでいくと夏には英国の18歳以上が2回ずつの摂取を受けられる計算だそうだ(ある新聞の試算ではもっと早く、初夏ごろ)。


わたしが住んでいるイングランドではクリスマス前に突入した3回目のロックダウンが続いている。

街は生活必需品を扱う商店しか営業しておらず、外出は医療と教育を受ける以外は禁止。
教育を受けるといっても、一部の特殊なケースを除いては休校中だ。
通勤はやむを得ない場合に限る。数週間前には、不必要にオフィス出勤する人が五人に一人いる、と調査結果が出ていたが、ロンドンのオフィス街もハルマゲドンの後かというほど閑散としている。

わたしもクリスマスの前から、10日に一回の食料品の買い出しにしか外出していない。散歩も近所でのみ許されているので、夏のようにハイキングコースまで出かけたりはできないのである。

46日後には「春」が来るというような明るい話でもないと、気が滅入ってもう1日たりともやっていけないこのごろなのである。
禁欲をする気力も残っていないほど...
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