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ロンドンより愛をこめて




Happy Valentine's Day


こちらでは男性から女性に花を贈るのが一般的だ。

一方、医師の娘はこのところ患者さんからしょちゅうお花を頂いてくるので、「いつもありがとう」的な、義理チョコほどはドライではないが、やさしい気持ちを込めてチョコレートを贈る的な、そういう意味合いもあったりするのだろう。


花屋さんも売り場を拡大、スーパーマーケットやキオスクもヴァレンタイン花商戦に挑む。
広場や駅のコンコースなどにも臨時の売店が出て、赤い花を商う。

普段より5割以上、わたしの感覚では7、8割は値が上がっているかなあ。
まあ男性は普段、赤薔薇がいくら...とはご存知ないでしょうな。

男性が次々とやってきては、花を買っていく姿を見るのをわたしは毎年楽しみにしている。
ジェントルマンと花束の組み合わせほどすてきなものが他にあるだろうか。

こういう季節の情景を、お茶をしながら眺めて楽しんでいる人ってわたし以外にもいるだろうか...



ベラスケス『鏡のヴィーナス』17世紀
@ナショナル・ギャラリーただいま改装中で展示が少ない


聖ヴァレンタイン、そして愛と美と豊穣の女神ヴィーナスくらいかなあ、と思ったが、彼女は自分の恋愛に熱心で、人間には興味がないかも(笑)。
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天城峠で越えるという



浄蓮の滝は『天城越え』の歌詞からして激しい大瀑布かと想像していたが、典雅な趣だった
扇型に形成された柱状節理も見事なバランス


2ヶ月前(2024年12月)の日本一時帰国時のハナシの、書きさしがいくつかあるので、完成させて載せることにした。
今後数回は日本に舞い戻ります。今日は中伊豆。


...


「あなたと越えたい天城越え...」

修善寺のお宿アルカナから、観光タクシーで伊豆観光へ。

『天城越え』で歌われている伊豆の名所をぜひ訪れてみたいなあ...
程度の浅い知識しか持ち合わせていなかったものの、同年代の観光タクシーの運転手さんとは昭和の話で盛り上がった。

なんせ夫(ベルギー人)は『天城越え』という名曲を知りませんからな!




「天城峠というのは昔は交通の難所でね、ここを誰かと一緒に越えるということは、世間体や過去を振り切って乗り越える、そういう意味があるのよ...」と説明したが、分かってくれただろうか。

ベルギーでは珍しい「滝」に気を取られていただろうか(ベルギーは南部はともかく、どこまでもどこまでも真っ平な土地なのです。山がない、のです)。

まあ、いいや。
人間同士は分かり合えないのがデフォルトである。自分のことすら分からないのだし。
わたしが彼とかれこれ27年も一緒にいるのは、分かり合えなくても愉快に一緒にいられるからである。


ちなみにわたしが石川さゆりで忘れられないのは、コマーシャルでしか聞いたことがない『ウイスキーが、お好きでしょ』のサビの部分の最後「それでいいの今は」。

悲しいまでの透明さで相手に語りかけた前半に対し、「それでいいの今は」で一気に内の声の描写になる。彼女の声の質の落差が人間の感情の重層を表し、強烈に印象に残る。天才。

この歌詞の人も「分かってもらえない」のである。でもそれでいいの。




運転手さんにはいろいろ教えていただき、特にわたしが火山によって形成される柱状節理に関心を抱いたので、予定と時間を調整して旭滝にも連れて行ってくれた。




また今年も同じ時期に同じお宿に泊まって、同じ運転手さんにお願いしたいなあ...



わさび沢が広がる、浄蓮の滝
ここでは「テレビ(の撮影)ですか?」と聞かれた(笑)。えっ「モエさんぽ?」?
修学院離宮でも「テレビ見ましたよ」と言われた。誰(笑)?!
わたしはほとんどいつも手ぶらだからだと思う。


今年はぜひ浄蓮の滝でアマゴ釣りをしてみたい。

この辺りでは、蕎麦はわさびを食べるために存在するんですって!! なんと粋な。




こちらは運転手さんも「知らなかった!」とおっしゃった、富士山の見えるハイキング道のスポット。
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太陽を抱えて北へ帰ろう




太陽を思わせる鮮やかな黄色のミモザは春の訪れを象徴する花でもあり、希望や幸福を感じさせる。

英国ではあまり見かけないのだが、大陸ヨーロッパでは1月から店先を飾る。

太陽を抱えて北へ帰ろう...
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霧島神宮で神霊に出会う



白象の意匠。普賢菩薩系統の象?


2ヶ月前(2024年12月)の日本一時帰国時のハナシの、書きさしがいくつかあるので、完成させて載せることにした。
今後数回は日本に舞い戻ります。今日は霧島。


・・・


友達との恒例の旅行、2024年12月は鹿児島へ。

わたしが鹿児島を訪れて桜島を見たかった理由はすでに書いた(「鹿児島のひと」)が、次に楽しみにしていたのは霧島神宮参拝だった...といっても過言ではない。

旅のプランを立ててくれた友達は、面積の広い鹿児島では、移動だけでかなりの時間ロスになりかねないところを、うまくスケジュールに組み込んでくれた。

霧島神宮の近所に鰻の名店があるというのも魅力だったし...こちらのお店、ほんとうにおいしかったですっ。


しかも、霧島から特急電車に乗って鹿児島に到着するとき、湾沿いを走る車窓(おもちゃの電車に乗って、パノラマの中にいるよう!)から眺めた、わたしにとって初桜島の雅やかでゆったりとした美しさと言ったら....!!



地元出身の友達に「こちら一択!」と紹介してもらった城山ホテルから、早朝の神々しき桜島を仰ぐ。
コンシェルジェの、われわれ3人が密かに「姫」と呼んだ方もすばらしかったです!


霊峰・霧島連山の麓に鎮座する霧島神宮、ご神体は、霧島連山の一つである高千穂峰だ。

深い森に包まれる高千穂は、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、高天原から降り立った地である。

「天孫降臨」とは、実際には後からやってきた勢力(渡来系または新興勢力)が、もともとこの地にいた部族(例えば「隼人(ハヤト)」)と、その神々を征服・習合した歴史を反映している可能性が高い。

そうだ、この地域には、もちろん天孫降臨以前から、独自の信仰を持つ人々がずっと住んでいたのであり、彼らが信仰していたのは、おそらく山や噴火などの自然現象を司る神々だったであろう。



側溝から湯煙が立つ...
そりゃ神業! あるいは神霊?


実際、境内には温泉があちこちで湧き出ている。なんと神秘的な。

と、奥まったところで、「山神社(やまじんじゃ)」という、とても小さな祠に出会う。




「山神社」は、文字通り「山の神」を祀る社であり、山の神は、山の多い日本各地で古くから信仰されてきた存在である。
山神、大山祇神(オオヤマツミ)は、山岳信仰の中心的な存在であり、火山や温泉とも関係が深い。

霧島神宮が現在のような形になる前、この地では自然崇拝(アニミズム)をベースにした山岳信仰が行われていたと考えられよう。

しかも、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の子であり、霧島に80年住まったという彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト))別名:山幸彦の名を見よ。火がボウボウと出ているではないか(笑)!

火山の噴火や温泉の湧出を、神の力の顕現と見る信仰は、わたしにはとても自然なものと感じる。
人間は自然を、人為の及ばないものと畏れ、身をつつしむことを時々思い出すべきだ。




霧島神宮は現在、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を主祭神としているが、その根底にははるか昔から続く「山岳信仰」や「火山信仰」が息づいている。

霧島神宮の境内で立ち上る温泉の湯気は、かつてここにいた神々が今もなお存在し続けている証か。

まこと、九州は日本の源ですな!


鹿児島は、食も豊かでほんとうにすばらしい! 
上記の鰻もだが、魚介、鶏、牛、豚...
かるかんも実は初めて食べました。友達の手引きでいろいろな名店のものを食べ比べ...!
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横浜ハーバー




2ヶ月前(2024年12月)の日本一時帰国時のハナシの、書きさしがいくつかあるので、完成させて載せることにした。
今後数回は日本に舞い戻ります。今回は横浜。


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横浜港
ヨコハマ・ハーバー。

神戸っ子、勝手に親近感を覚える。

港には、独特の雰囲気がある。
出会いと別れ。
未知への希望と、あきらめ。
新旧の交わり。
外に向かって開ける海と空は、無限への可能性を象徴しつつ、同時に故郷への回帰をも想起させる。

神戸っ子、神戸に帰ってきたような、神戸がますます恋しいような気持ちになる。




カハラ・ホテルからタクシーで山下公園まで行き、ぶらぶらと歩き回って...




ハイライトは地元っ子のAさんにご紹介いただいた老舗天ぷら屋さん!!
夫は里芋の「焼いたん」の美味を今も言う。

食後は、娘が2024年春の東京短期留学中に、翌日日本を去る友達と乗って「彼女の最後の夜にふさわしかった!」と喜び、わたしたちにもぜひ乗るよう勧めてくれたエア・キャビン...
いい大人、往復乗って盛り上がる。




横浜ハーバー、英国へ持ち帰るつもりが次の宿泊地、伊豆は修善寺のお宿、アルカナに到着するなりさっそく開けちゃった...!!

柳原良平氏のイラスト好き!


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