*アメリカ赴任当時に書いた文章です。
インターネットで在庫をチェック。車探しの始まりです。とりあえず、近場のオートセンターをブラブラ見てみることにしましょう。近場で見つかれば、それに越したことはないもんね・・・いきなりブルーのカマロ発見。はやっ!年式は95年式なので、ギリギリOKです。しかもこれは・・・Z28じゃないですか!噂の5.7L!外観は、年式相応だな。一応、ディーラー車だし(ホンダディーラーだけど)。予算は$12000ドルと2000ドルほどオーバーだが、ちょっとカマロがどういうものか乗ってみようかな・・・ということで、早々に試乗することになりました。
エンジン始動から”ドルウンッ!デロデロデロデロ・・”これこそアメ車!というサウンド。マスタングV6とはスタートから違います。ばかでかいドアを開け、シートに身を沈めると、なんとも形容しがたいインパネが御出迎え。さて、試乗スタート!ハンドル重いなあ・・・ウインカーかたいっ!なんでこんなところが・・・しかしこのエンジン、アクセルに足を乗せておくだけで市内は充分です。なんていうか、ほとんどクリーピングで走ってるってかんじ。これが大排気量車の醍醐味かも。店員が高速に誘導してくれたので、ちょっとアクセルを踏みこんでみよっと”ズババババババ!!!!”ぐおぅふ、はええ!なんていう加速!これは、今まで乗った車の中で最速の加速です。インプレッサに匹敵します。インプレッサが宇宙船のワープなら、こちらは投石器で投げ出されたようななんともプリミティブかつホホが引きつるような加速です。これこそ俺がイメージしていたアメ車だ!!そんな訳で、最初の店で即決。でも、しっかり3000ドルも値下げしてもらいました。
◎走り:★★★
加速命っ!このヒトコトにつきます。あとは、すべて苦手。まず、車重が1.5t以上ありますから、止まるのが大の苦手(笑)。ブレーキ、けっこう堅くて、しかもききません。もちろん、曲がるのも苦手です。っていうか、ステアリングインフォメーション?なにそれ?ってかんじなので、とても怖くて高速コーナーなんかつっこめません。足回りはとうぜん、ゆるめです。でも、のりごこちはかためです(笑)。ちょっと路面があれてくると、着陸時の飛行機みたいな振動を発生します。まがるのも苦手ですが、まっすぐはしるのも苦手です(爆笑)。これはアライメントが狂っているのかもしれませんが、ハンドルを握りしめていないと、すぐ右へ右へ行こうとします。
まあ、かなりボロクソに書いてきましたが、当然良いところもあります。何と行っても、エンジンの余裕です。特に1500回転80kmくらいでデロロロローーーと流すときのフィーリングは、非常にGoodです。市販車最高回転数を誇るS2000オーナーから石を投げられそうな転身ブリですが、本当に低回転が気持ちいいです。高速でも2000回転くらいしか使いません。当然、アクセルをひと踏みすれば暴力的な加速が待っています。
◎居住性:★★★
横幅がバカでかいおかげで、室内の横方向は広大です。縦方向は、外寸ほどは広くなく、後部座席はオマケに近いです。トランクも見た目より浅いのですが、ハッチバックなので後部座席を倒せば結構荷物が入ります(家具の運搬に重宝しました)。とりまわしは、結構きついです。まだアメリカは広いのでましですが、日本では確実に持て余すでしょう。最低回転半径が6mもありますから。。。典型的なクサビ型フォルムのおかげで、前も後ろも見えません。内装は、駄菓子のオマケを彷彿させるような軟質プラスチッキーさです。でも、デザインはエグさは、無国籍化が進む昨今の自動車の中では、新鮮なエグさがありGoodです。
◎まとめ:★★★★
グローバル化が進み、車がどんどん無国籍化する中、このカマロはいかにもアメ車!といった匂いがプンプンする1台です。広大な土地、果てしなく続くフリーウェイ、そして分かりやすい価値観。カマロはそんな一昔前のアメリカらしさが詰まってます。正直、アメリカで走っている車の1/3は日本車で、1/3はヨーロッパ車です。マスタングは結構走ってますが、カマロはあまりみかけませんが、それも理解できます。ハードとしては、確実にマスタングの方が良くできているからです(ルックスも)。でも、私みたいにちょっと変わった車好きには、イマドキOHVでしかも5.7Lもあるカマロの方が楽しめるようです。なにしろ、歴代の所有者の中では、最大排気量、最大馬力&トルク、最大重量、最大サイズと最大のオンパレードですから、本当に今までとは違う味わいを堪能できます。あとは、壊れないことを祈るだけです(1年乗りましたが、窓以外は壊れませんでした)。
CAMARO 1967-2010 ~シボレー・カマロ完全読本~ | |
マガジンボックス | |
マガジンボックス |
カマロ (ワールド・カー・ガイド (26)) | |
ネコ・パブリッシング | |
ネコ・パブリッシング |