沖縄県知事選では、辺野古新基地建設問題が最大の争点となっている。
デニー知事は、防衛局の設計変更申請を不承認とし、「辺野古新基地は造らせない」と訴えているが、防衛局は埋立土砂搬送作業を加速させている。
特に本部塩川港では、北部土木事務所が昨年4月から土砂積込みのためのベルトコンベア設置を許可してしまった。県政の柱を「辺野古新基地建設阻止」であるというのに、県が、埋立土砂搬送を加速させるベルトコンベア設置を許可することは認められない。
許可は1ケ月単位で出されるため、本部町島ぐるみ会議は、毎月末、北部土木事務所に対して、翌月分の許可を出さないことを求める交渉を続けてきた。
8月の交渉は25日と決まっていたが、その直前、北部土木事務所から「所長が濃厚接触者となり、登庁できない。文書回答だけにしてほしい」と連絡があり、交渉は中止となってしまった。
我々が事前に提出していた質問書に対して、北部土木事務所から、29日に文書での回答があった。ほとんどの質問に対して正面から答えようとしない不誠実なものだが、その詳細については後日、説明しよう。
ここでは、辺野古の海上警備業務を受注しているセントラル警備の金武湾港違法使用問題に対する北部土木事務所の無責任な対応について説明したい。
昨年12月10日、沖縄タイムスは、辺野古の海上警備業務を受注しているセントラル警備が4年前から、金武湾港を県港湾管理条例に違反し、無許可で使用していることを1面トップで大きく報道した。金武湾港も北部土木事務所の所管であるため、我々は本部塩川港のベルトコンベア設置許可問題とあわせて、この金武湾港の違法使用問題についても追及してきた。
昨年12月の交渉では、北部土木事務所は、「①プレハブ2棟の設置、②コンテナハウスの設置、③警備艇の陸上仮置き、④警備艇の岸壁使用については、2017年4月から無許可で使用していることを確認した」。「⑤敷地内での連日の大人数のミーティング、⑥60台ほどのマイカー駐車」については事実確認の上、判断する」と説明した。県の指導により、セントラル警備社は、これらの違法物件を撤去し、金武湾港の使用を中止したという。
県の港湾管理条例では、港湾の無許可使用に対しては罰則規定が定められている。当然、違法行為に対して条例に基づく過料を課し、4年間の使用料を遡って徴収しなければならない。
ところが北部土木事務所は、その後の毎月の交渉では、「現在、事実確認中の案件であり、今後の手続きに支障が出ることからお答えできません」と、一切の回答を拒否するようになってしまった。8月29日の文書回答でも、「現在、手続き中の案件であり、お答えすることはできません」としてる。
昨年12月に問題が発覚して以来、すでに9ケ月も経過しているのに、今も、「事実確認中」として、説明を拒否し続けているのだ。
また、「金武湾港の使用を中止したが、現在、同社は何処の港湾を使用しているのか?」という質問に対しても、「現在、何処の港を利用しているのかは把握しておりません」という。
これだけ大規模で長期間のきわめて悪質な違法行為に対して、北部土木事務所は何故、毅然とした対応を取らないのであろうか?