沖縄県が、辺野古への土砂海上搬送が続いている本部塩川港で、県民が懸命の思いで続けているダンプトラック前での牛歩行動を県条例違反の禁止行為と決めつけて中止を求める警告看板を出したことは、4月4日のブログで詳しく説明した。
私たちは、この問題がデニー県政の基本にかかわるきわめて重要な問題であるため、その後はブログにも書かずに慎重な対応を続けてきた。その結果、今日、照屋・池田両副知事が看板の撤去を約束し、問題は解決したので報告する。
4月4日のブログにもあるように、私たちは知事宛に3月3日、この警告看板の撤去を求める要請書を提出したが、県からは長い間、何の返答もなかった。催促を続けたところ、4月15日になってやっと知事からの回答文が届いたが、「本件の警告看板等は、庁内において必要な連絡調整を行い、適切に処理しました」というものであった。担当の課長に連絡しても、「回答文が全てです。この問題で皆さんと面談はしません」というだけだ。
やむを得ず、本部町島ぐるみ会議として、オール沖縄会議の現地闘争部会に諮った。その結果、県への申入れ行動をしようということが確認された。
今日(24日・月)の午後、県庁1Fロビーは大勢の人たちであふれた(資料を100部用意したのだが、足らない人が多かった。参加者は100名以上だったのだ)。
山城博治さんが趣旨説明、私が経過報告をし、本部町島ぐるみ会議からの挨拶の後、代表者6名が両副知事との面談に向かった。県からは、照屋、池田両副知事、そして前川土木建築部長が対応した。
最初に照屋副知事から県としての次のような説明があった。
「デニー知事も交えて三役で話をしました。(2月17日に設置した『大型車両の往来を妨害する行為等港湾施設の機能を妨げる行為は県港湾管理条例第3条第5号で定める禁止行為に該当する。禁止行為を行った場合には、条例にもとづき過料を科することがあります』という)2ヵ所の警告看板は撤去します。
また、(「作業中危険 作業中の立入はご遠慮ください」という)その後に出した4ヵ所の看板についても、元の状態(以前からあった2ヵ所の小さな看板)に戻します。
ただ、看板を設置した県の趣旨については理解していただいて、現場の安全確保については十分に注意してください。」
また、池田副知事からも次のような説明があった。
「知事の辺野古反対の思いは全く変わっていません。今回は、皆さんとのコミュニケーション不足だったことを反省しています。今後は、突然、文書を出すようなことはせず、事前に皆さんと十分に意見交換させていただきます。」
前川土建部長は、「安全が確保されるということを確認してください」と繰り返したが、同席した本部町島ぐるみ会議の本部町議2名からは、「私たちにとっても、現場の安全は最重要課題。危険な行為はしないようにしています」と答えた。私たちの牛歩行動は、何よりも安全に最大限配慮して行っているのだ(「危険な行為をしているのは、ブレーキランプが故障したダンプトラックを走らせている防衛局だ。安全管理をいうのなら防衛局を指導すべき」とも指摘しておいた)。
その他、防衛局は当初、地元に「1日に160台」と約束していたことや、我々が離島航路の車両にいかに配慮していることなどを説明した。副知事らは、「今日は、初めて聞く話が多く、参考になりました」と驚いていたが、現場から三役にきちんと報告がされていないようだ。
交渉はあるいは難航するかもしれないと覚悟をしていたのだが、両看板の撤去という私たちの要求は全て受入れられた。警告板が出されてすでに2ケ月以上、この問題の解決のために苦労してきたが、それがやっと報われたのだ。さすがにほっとした。何よりも、県庁ロビーに集まった100名以上の皆さんのおかげだ。
交渉を終え、ロビーで待っていてくれた皆さんに報告集会。「完全な勝利です。私たちが求めていたことは全て認められました!」と報告すると、大きな歓声と拍手が沸き上がった。
一時は、「知事は、辺野古反対で頑張っている県民の思いを分かっていないのではないか?」という批判の声も出ていたが、知事はよく踏みとどまってくれたと思う。今回の教訓をもとに、県、県民が一体となって辺野古新基地建設反対に全力をあげていきたい。
(向こう側、左から照屋副知事、池田副知事、前川土建部長)
(看板撤去の報告に湧く、参加者ら(Nさん撮影))
<追加>
4月25日の新聞