沖縄タイムスが、連日、辺野古新基地建設事業の警備業務の問題点を鋭く追及し、大きな反響を呼んでいる。5月11日は、海上警備業務を請け負っているマリンセキュリティ社が残業手当未払いで労基署の指導を受けているということ、12日は、同社が社会保険に加入していないこと、そして14日には、同社の警備員が海上行動に参加している市民を特定して防衛局に報告していることなどを次々と暴露した。内部の複数の従業員からの取材によるというが、素晴らしい報道だ。
そして、今日(15日)も1面トップで、海上警備業務・陸上警備業務の総額が2年半で約159億円以上にもなるということを大きく報道した。1日当りに換算すると海上警備費で1200万円、陸上警備費を合わせると2000万円を超える期間もあるという。海保や機動隊等の費用以外にも、防衛局が直接契約した警備費がとんでもない大きな金額になっているのだ。
沖縄タイムスは、この問題を強く批判し、「巨額の警備費は民意を無視して無理な工事を進める失政の象徴に映る」、「湯水のように税金を使い、なおかつ基地建設は進まない。建設に賛成でも反対でも、このような無駄遣いを許す人はいないだろう」と厳しく指摘している。
(公文書公開請求で入手した海上警備業務の特記仕様書、内訳明細書)
今日のタイムスにもコメントが掲載されたが、私は、防衛局に対してこれらの警備業務の特記仕様書や内訳明細書等の公開請求を行ってきた。開示された文書は、重要な点がほとんど黒塗りされていたが、それでもいくつかの問題点が分かった。まず、これらの警備業務は一般競争入札で行われたが、いずれも落札率(入札価格に対する予定価格の割合)が、100%近いのだ。
・シュワブ(H27)海上警備業務 落札率 99.5%
・シュワブ(H27)陸上警備業務 落札率 99.8%
・シュワブ(H27)海上警備業務(その2) 落札率 99.9%
・シュワブ(H27)陸上警備業務(その2) 落札率 99.2%
このような99%を超える落札率は通常ではあり得ず、事前に防衛局から予定価格が漏れていたとしか考えられない。私は沖縄に移住する以前、オンブズマンの運動にも関わっていたが、全国市民オンブズマン連絡会議は、「落札率95%以上---極めて談合の疑いが強い」、「落札率90~95%---談合の疑いがある」と指摘している。今回のような99%を超える落札率の契約は、官製談合だったと言わざるを得ないのだ。
(海上警備業務のボート。市民らの抗議船の映像・写真を撮り続けている。こんな業務に1200万円/日も支払われているのだ。)
他にも、一般競争入札といいながら、応募してきたのは1社だけであること。また、受注した業者にだけしか見積書の提出を求めなかったこと等、多くの問題がある。この点については改めて指摘したい。
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5月14日(土)は、東アジア米軍基地問題(環境・平和)国際シンポジウムに出席。
(韓国からの参加者が、済州島カンジュン海軍基地問題を報告)
(5月15日(日)、2500名が参加した「復帰44年 5.15平和と暮しを守る県民大会)