5月16日(月)、連日、大きな問題となっている辺野古新基地建設事業の海上警備業務について、県選出野党国会議員団が沖縄防衛局長への申入れを行った。照屋寛徳、赤嶺政賢、玉城デニー、仲里利信、糸数慶子議員ら全員が参加された。問題としたのは次の3点だ。
第1点は、海上警備業務を受託している業者の残業手当未払いの問題。第2点は、同業務の落札率99%という入札経過の問題。そして第3点は、海上行動に参加している市民の名前を特定したリストを作成し、その行動を防衛局に報告させていた問題である。
・「辺野古警備費約2年半で159億円 一方で警備員の残業代は?」(QABニュース 2016.5.16)
(うりずんの会 国会議員団による防衛局長への申入れ)
以下、申入れの主な記録を掲載する。解説は省くが、防衛局の回答の問題点について分かってもらえるだろう。
1.海上行動警備員への残業手当不払い問題について
<局長>海上警備業務については、㈱ライジングサンセキュリティサービス社(以下、「ライジング社」)と委託契約を締結しています。ライジング社は、マリンセキュリティ社(以下、「マリン社」)に、業務を一部再委託しています。
労基署から5月13日付で是正勧告が出されました。8名の警備員に対して残業手当を支払っていなかったことは、労基法37条1項に違反しているとして、過去2年に遡って不足分を支払うよう同社に求めています。
この勧告を受け、防衛局としても、ただちに勧告に従った措置をとるよう指示するとともに、今後法令遵守の再徹底を求めています。
<国会議員団>今回、労基署に訴えたのは8人だったが、問題はこの8人にはとどまらない。他の人や辞めた人たちに対しても不払い分を支払うべきだ。
<局長>発注者として適切に対応します。
<国会議員団>違法なことをした業者との契約は、すぐに解除すべきだ。
<局長>私どもとしては、今は、勧告に従って措置するよう求めています。
2.落札率の問題について
<国会議員団>99%を超える落札率は通常、有り得ない。どういう認識を持っているのか?
<局長>海上警備業務は、会計法令にのっとり一般競争入札として適切に行われたものです。まず、3社に見積もりを依頼しましたが、そのうち2社が見積もりを辞退してきました。マリン社1社だけから見積書をいただき、それを参考に予定価格を決めました。
<国会議員団>限りなく官製談合に近いではないか?
<局長>法令にのっとり適切に行われたと認識しています。
<国会議員団>見積もりを依頼した他の2社というのはどこか?
<局長>それは調べて後ほど回答します。
3.抗議市民の特定リスト作成問題について
<局長>新聞で報道されている内容については、現在、受注業者に事実確認を求めているところです。
<国会議員団>防衛局に報告された文書があるかどうかはすぐに分かるではないか?
<局長>それを含めて、事実関係を確認している最中です。確認が終わったら、あらてめてお答えします。
(中央が井上防衛局長)
(うりずんの会の5名の国会議員さんらが全員参加された)
今日は、午後、衆議院の本会議があるため議員さんたちの時間がなかったが、この問題は今後もますます大きくなってくるだろう。あらためて防衛局への追及を続けたい。