昨日、完成したばかりの那覇空港第2滑走路埋立事業で、陥没や空洞が発生していることが判明した。第1滑走路から第2滑走路につながる連絡誘導路の8か所で、38回もの陥没や空洞発生が続いている。
護岸の捨石の上に設置された防砂シートが破れたため、埋立材が護岸内に流れ込み、陥没や空洞が発生したという。このままでは、さらに陥没が続き、誘導路にまで影響することが危惧される。きわめて深刻な事態である。
沖縄総合事務局は、15日、専門家による技術検討会の会合を開き、原因究明と対策工事を検討するという。
今回、陥没等が発生した個所では、当初から、防砂シートが損傷した場合、裏込材の吸出しによる誘導路の不等沈下リスクが予測されていた。そのため、フィルター層設置等の対策が講じられてきたのだが(『月刊 基礎工』2019.12 「那覇空港における吸出し・陥没対策」)、それにもかかわらず、今回の事態となったのだ。
辺野古新基地建設事業でも全く同様の工法が行われている。下の写真は、2018年12月、辺野古側での土砂投入が始まった際のものだが、外周護岸の内側に白く張られているのが、防砂シートである。
埋立作業時に重機によって破れたか、護岸の捨石部分が尖っていたためにシートが破れたものと考えられる。
辺野古新基地建設事業でも、防砂シートの仕様を見直し、抜本的な対策を講じることが求められる。
(辺野古新基地建設事業での防砂シート 2018.12 沖縄ドローンプロジェクト撮影)
以下は、沖縄総合事務局が公表した資料から。
2021.1.14 沖縄タイムス