シュワブ基地ゲート前の抗議行動に参加していると、いつも何人かの方から現在の辺野古新基地建設事業の進捗状況や課題等について質問を受ける。ゲート前の集会で発言の機会を与えられた時は、できるだけその説明をしているのだが、最近は多忙のためこのブログでその点についてしばらく触れることができなかったので、再度、まとめておきたい。
まず、コンクリートブロック(CB)投下による岩礁破砕問題のその後の経過について説明する。
5月18日(月)、翁長知事は臨時記者会見で、ハワイでのオスプレイの事故への抗議、大浦湾に張り巡らされたフロートの撤去問題に加えて、この岩礁破砕問題について説明した。そこで知事は、すでに最初の申請から3ケ月が経過しようとしているが、昨年8月28日の岩礁破砕許可(埋立区域部分)外に投下されたCBの調査が未だにできていないことについて、「大変理不尽」と強く抗議している。
2015.5.19 沖縄タイムス
米軍は、県が時制限区域内で立入調査をすることについては、すでに許可を出す方向で、防衛局と県で調査内容を調整するよう指示したという。ところが防衛局は、臨時制限区域(工事施工区域)の外周部での調査は認めるものの、臨時制限区域の内側での調査については、「その内側にはCBはない」として頑なに拒否し続けている。しかし、外周部だけではなく、内側にもCBが投下されていることは新聞報道の写真等でも明らかだ。この防衛局の頑なな態度は何故だろうか。
防衛局は、岩礁破砕許可(埋立区域部分)外の臨時制限区域の外周部に49ケのCBを投下したことは認め、各地点について四方からの写真や座標値、深さ等の細かい資料を県に提出している。防衛局は、これらのCBについては、「アンカーを含む浮標の設置については、県から申請の必要はないとの指導を受けた。」として、漁業調整規則違反ではないと主張している。
ところが、もし内側にもCBが投下されていることが確認された場合、そこは「浮標の設置」とは関係のないところへのCB投下だから、防衛局の上述の主張は全く通用せず、漁業調整規則違反を認めざるを得なくなってしまう。そのため、なんとしても内側での調査を阻止しようと必死なのだ。
県は、いつまでも待つ必要はない。こんな調子では立入調査はどんどん遅れ、現場の状況は大きく変化してしまう。防衛局が今までに提出した資料でも、許可区域外にCBが投下されていることは十分確認されるのだから、今すぐ、昨年8月28日の埋立本体部分の岩礁破砕許可を取り消すべきだ。防衛局は再度、農水大臣に行政不服審査請求を行い、知事の指示を無効にするだろうが、ともかく県の毅然とした姿勢を示さなければならない。 知事がアメリカに出発する27日までになんとか取消決定ができないものか。