今日(25日・金)は、オール沖縄会議として違法ダンプ問題について沖縄総合事務局への申入れを行なった。高里鈴代、仲村司共同代表、山本事務局長、本部島ぐるみ会議から2人、そして私が参加した。伊波洋一参議院議員も同席された。
<申入書は末尾に全文掲載>
辺野古新基地建設事業では、2017年以来、違法ダンプトラックの使用が続いている。市民らは今までに7回、所管の沖縄総合事務局にダンプの写真を提出し、問題はないかと尋ねてきた。沖縄総合事務局はその都度、道路運送車両法・ダンプ規制法に違反しているダンプが使われていることを認め、車両所有者にハガキで報告を求め、発注者である沖縄防衛局にも是正の指導を行なってきたという。
しかし、すでに7回も指導を重ねているにもかかわらず、同じような違法ダンプが跡を絶たない。ハガキだけの指導では、事態は改善されないことは明かである。
(運輸部長(左から2人目)への申入れ)
(中央が運輸部長)
そのため、今日の運輸部長への申入れとなったのだが、部長の回答はひどいものだった(以下、●:部長らの回答、〇:オール沖縄会議)。
●これまでの情報提供を受け、所有者にハガキで違反事実の有無を確認し、是正の報告をもらってきた。発注者である防衛局にも連絡して関連する資料を送ってきた。防衛局は、発注者として改善の指導をされてきた。これまでの対応で効果をあげており、今後も同様の対応をとっていきたい。
〇7回も同じことが繰り返されている実態をどう考えるのか? 効果など全くあがっていない!
●違反が指摘された車両は改善されている。
〇違反が指摘された車両が改善されるのは、罰則規定まである違法行為だから当たり前だ。問題は、政府の発注した公共工事で、同様の違反車両が次から次へと出てくることだ。道路運送車両法に基づく現地調査を行なえ。また拘束力のないハガキでの報告を求めるだけではなく、きちんと整備命令を出すべきではないか?
〇防衛局へも改善を求めたというが、口頭だけではないか? きちんと文書による指導をすべきだ。
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〇(伊波洋一議員)今まで聞いていたが、沖縄総合事務局から防衛局への指導がやはり不充分だったのではないか? 少なくとも文書を出さなければならない。国会でもこの問題を追及していきたい。
●今日、ご指摘いただいた内容については、運輸部としても検討していきたい。
申入れは1時間以上にわたったが、最後に、「今後、同じような違法ダンプが確認された場合は、もう今日のような回答ではすまない。そのことだけは強く申入れておきます」と伝えて、交渉を終えた。
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沖縄総合事務局運輸部長 石谷俊史様 2019年1月25日
申 入 書
オール沖縄会議共同代表 (稲嶺 進、高里鈴代、高良鉄美、親川 盛一)
日々、沖縄の振興のためにご尽力されておられることに敬意を表します。
さて、土砂等を運搬するためのダンプトラックについては、交通事故の防止や公害防止等のために、ダンプ規制法、道路運送車両法、道路交通法等の法令が定められています。
現在、沖縄防衛局による辺野古新基地建設事業が進められていますが、この事業で使用されているダンプトラックには、繰り返し多くの法令違反があることが確認されています。
私たちは2017年から合計7回にわたって、キャンプ・シュワブの工事用ゲート、土砂を海上搬送している本部港(塩川地区)、さらに名護市の琉球セメント安和桟橋等の前で撮影したダンプトラックの写真を沖縄総合事務局に提出し、違法車両の確認を求めてきました。
沖縄総合事務局はその都度、多くの車両にダンプ規制法(不正改造・整備不良)、道路運送車両法違反(番号表示なし)の疑いがあるとして、下記のように、車両所有者、発注者である沖縄防衛局に是正の指示を行なってきました[1]。
・2017年9月(キャンプ・シュワブ工事用ゲート前)
41台(51件)が道路運送車両法違反の疑い、5台がダンプ規制法違反の疑い
・2017年10月(キャンプ・シュワブ工事用ゲート前)
20台(22件)が道路運送車両法違反、ダンプ規制法違反の疑い
・2018年4月(本部港塩川地区前)
51件が道路運送車両法違反の疑い、20台がダンプ規制法違反の疑い
17台の積載オーバーの疑いのある車両については、県警に情報提供
・2018年5月(キャンプ・シュワブ工事用ゲート前)
22台(39件)が道路運送車両法違反の疑い、1台がダンプ規制法違反の疑い
・2018年12月(琉球セメント安和桟橋前)
25台(41件)が道路運送車両法違反の疑い、4台がダンプ規制法違反の疑い
なお、1月初めには、このうち5台が、違反箇所を是正しないまま使用していることが確認された。
・2019年1月(琉球セメント安和桟橋前) 上記5台について、沖縄総合事務局が指導
・2019年1月(キャンプ・シュワブ工事用ゲート前)
6台が道路運送車両法違反の疑い、3台がダンプ規制法違反の疑い
このように、沖縄総合事務局が何度も是正の指示をしても、違法ダンプの使用は後を断ちません。ダンプ所有者、そして事業の発注者である沖縄防衛局の責任が問われています。
不正改造や整備不良等の道路運送車両法違反は、環境破壊や交通事故の原因となることから、政府も各省庁をあげて「不正改造は犯罪です!」として、不正改造車を排除する運動に全力をあげています。それにもかかわらず、政府の公共事業で、このような違法車両が、再三の是正指示を無視して繰り返し使用していることは絶対に許されません。
このような現状について、私たちは、沖縄総合事務局に根絶のために必要な措置を取るべきだと訴えてきました。2017年9月15日には、基地の県内移設に反対する県民会議として、直接、運輸部長への申入れを行なったところです。
その後も事態が改善されないことから、以下のとおり質問・申入れを行います。
記
1.2016年以来、沖縄防衛局の公共事業で違法ダンプが繰り返し使用され、沖縄総合事務局の指導にもかかわらず改善されない現状をどう認識しているのか明かにされたい。
2.事業の発注者である沖縄防衛局には、従来、どのような指導をしてきたか?
それにもかかわらず、事態が改善されていない現状は、沖縄総合事務局の指導そのものに問題があるのではないか?
3.従来のように、道路運送車両法第100条1項にもとづく報告を求めるハガキを発送するだけでは事態は改善されないことは明かである。
道路運送車両法第54条第1項又は第54条の2第1項の規定による整備命令の措置を行なうべきではないか?
4.これだけ連続して違法ダンプが確認されているのであるから、市民らの訴えを待つのではなく、沖縄総合事務局の職員が、直接、現地でダンプトラックの現状を確認すべきではないか?