3月28日(月)午後、赤嶺政賢衆議院議員が今回の「和解」をめぐる「工事中止」の問題等について沖縄防衛局の担当者を呼び、質問をするというので同席させていただいた。
防衛局からは福島調達部次長ら2名。陸上警備業務、海上警備業務等の質疑の後、シュワブ内で建設が予定されている生コンプラントについての質疑に入った(生コンプラントについての詳細は本ブログ2月14日号を参照されたい。)。
(キャンプシュワブ内に建設が予定されている生コンプラント。高さが22mもある。)
私は、この間、公文書公開請求で入手した資料をもとに、「シュワブ基地内に生コンプラントが設置され、埋立工事で必要な大量の生コンが製造される。新基地建設を阻止するためにも、当面、生コンプラントの建設を許してはならない。」と訴えてきた。防衛局は生コンプラント建設計画を隠し続けていたが、各方面に訴えた結果、次第にこの計画に対する危惧の声が高まってきた。
この生コンプラントは、当初、本年3月7日からの着工が予定されていた。そのため、「和解」後の衆議院安全保障委員会や、参議院外交防衛委員会等で、辻元清美議員や糸数慶子議員らが政府側を追求してこられたが、政府は生コンプラントの設置計画そのものは認めたものの、新基地建設事業のために使用するかどうかについては言葉を濁し続けている。
今日も防衛局の福島次長は、赤嶺議員の質問に対して、「キャンプシュワブ内におきましては、普天間代替施設建設事業と直接関係のない建物を機能的かつ効果的に再配置するために、平成19年度以降、代替施設の飛行場区域とは異なる地域において、隊舎の整備等に係わる工事を実施しております。生コンプラントはそのためのもので、普天間代替施設建設事業を念頭に置いたものではありません。」と繰り返した。
我々からは、「『念頭に置いたものではない』というような曖昧な言葉ではなく、このプラントは代替施設建設事業のための生コンを製造するものではないと約束できないのか?」と追求したが、次長はそれについては確認せず、同じメモを繰り返して読むだけだ。
「もし、新基地建設事業のために使うのなら、今回の『和解』の『工事中止』の対象になるが、どう考えているのか?」と質問しても、「具体的な内容につきましては、和解の当事者である沖縄県側の認識と異なることのないよう、よく確認し、適切に対応してまいります。」、「現場の一つひとつの状況については回答を差し控えます。」と回答を拒否する。
以前のブログでも説明したが、この生コンプラント建設工事は、昨秋、国場組と契約した「シュワブ(H26)厚生施設新設建築工事」の中に変更で追加された工事である。今後、防衛局は、「厚生施設新設建築工事」は、「隊舎の整備等に係わる工事」だから、生コンプラント建設工事は、「工事中止」の対象とはならないと言い出すことは目に見えている。
しかし、辺野古新基地建設事業では約6万個のブロック類(消波ブロック、被覆ブロック等)、埋立護岸の躯体工、そしてその後の飛行場整備工事等のために膨大な量の生コンが必要となる。「隊舎の整備等に係わる工事」はH19年度から続いているのであり、今頃になって突然、そのための生コンプラントが必要になったというのは有り得ない。今回の生コンプラントは、主に新基地建設事業のために設置されることは明らかだろう。
生コンプラント建設について防衛局が言葉を濁すのは、やはり製造された生コンを新基地建設事業のために使用するからとしか考えられない。今のところ、生コンプラント建設工事はまだ着工されていないが、ゲート前の県民の監視体制が弱まれば、鋼材等の資材搬入が始まる可能性がある。ゲート前の監視を続けなければならない。