チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

10月30日、辺野古代執行訴訟の口頭弁論を傍聴。知事の明瞭な陳述にもかかわらず、即日結審!--- このままでは敗訴か? 県は、埋立承認の再撤回を! /// 「パレスチナに平和を!」スタンディング

2023年10月31日 | 沖縄日記・辺野古
 今日(10月30日・月)は、辺野古代執行訴訟の口頭弁論。朝から傍聴券を求めるために裁判所に行った。10倍近い倍率だったが、幸い、傍聴券を入手することができた。
 午後1時、裁判所前の公園で、オール沖縄会議主催の事前集会が開かれた。法廷で陳述に立つデニー知事の挨拶に、集まった500名ほどの人たちから、「デニー知事、頑張れ!」と熱い声援が寄せられた。
 その後、口頭弁論を傍聴するために法廷に入った。
 午後2時、口頭弁論が始まった。国の陳述の後、デニー知事が証言台に立った。知事は最初、少し緊張した感じだったが、すぐにいつものように明瞭な言葉で、「県民の民意こそが公益。国は対話に全く応じようとしない」と裁判長に訴えた。陳述を終えた知事に、思わず、拍手。
 その後、県代理人の加藤弁護士が県の準備書面の内容を陳述した。本件は「地方自治法が定める代執行の3つの要件、①法令違反があること、②他の方法がないこと、③「著しく公益を害することが明かであることのいずれにも該当しないので、国の請求を棄却すること」ということが分かりやすく述べられた。
 
 しかし裁判長は、県の陳述が終ると、「これで審理は終結します。判決日は追って指定します」とだけ言って、退出してしまった。傍聴席からは、「えー?」というため息があがった。
 
 本来なら、提訴した国の側がこれらの3要件について具体的に主張・立証すべきだから、裁判長は国に対して、「3要件についてさらに具体的な主張・立証しなさい」と指示すべきだったのだ。それもしないまま審理を打ち切ってしまった。やはり県にとって厳しい判決が予想される。
 ただ、判決日が指定されず、「追って指定」とされたのは意外だった。知事は弁論後の会見で、この点について、「裁判所もしっかりと内容を審査しようという考えではないかと受け止めている」と述べたようだが、私はそれほど楽観的な見方はできない。
 
 なお、今回の裁判での県の主張について一つだけ気になる点がある。
 
 県は、今までの裁判で、災害防止、環境保全等の承認要件に該当しない」と主張してきた。しかし、今回の代執行訴訟では、県はその点について全く触れていない。
 この点についてやはり、記者からも、弁論後の知事記者会見で質問が出た。知事に代わって加藤弁護士が、「国が、公有水面埋立法の承認の要件を充足しているというのなら、その点を準備書面等で主張しなければならない。しかし、国は、是正の指示が適法と主張しているだけだ。立証責任は国にある。国が書いていないのだから、県がその点について反論する必要はない。そのため、国の請求自体がおかしいということにとどめた」と説明した(琉球新報の2023.10.30 知事記者会見映像記録より)
 
 しかし、立証責任は確かに国にあるとしても、裁判所はそれを指摘せずに結審してしまった。このままでは、軟弱地盤問題や耐震設計の不備等、公有水面埋立法の埋立承認の要件について裁判所が触れないまま終わってしまう。軟弱地盤問題や耐震設計の不備等により、護岸の安全性は確保されず、12年での運用開始は到底無理となるから、普天間の危険性は何時までも固定化される。これこそが「著しく公益を侵害する」に該当する。県の方からこの点を準備書面で指摘し、学者等の証人申請をすべきだったのではないだろうか? もう、代執行訴訟も結審したのだから、軟弱地盤や耐震設計の不備等を司法の場で争う機会はなくなってしまった(後述のように埋立承認の再撤回をすべき)
 
 弁論後、オール沖縄会議主催の報告集会が開かれた。弁護士さんらが打合せのために参加することができないというので、傍聴に入った私に、口頭弁論の様子を報告するようにとの要請があった。
 固辞したが、他に報告者がいないというので、私がマイクを握った。代執行の3要件について説明した後、今日の知事、加藤弁護士の陳述内容について報告した。
 本当は、「県が敗訴する可能性が高い。このままでは大浦湾の工事が始まってしまう。そのためにも、埋立承認の再撤回を!」ということを訴えたかったのだが、今日はその点にはほとんど触れなかった。
 
 これからの課題については、後日、改めて提起したい。
 
     (口頭弁論前の事前集会で訴えるデニ知事)
 
 
  事後集会で報告(Kさん撮影)
 
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 裁判所前の集会が終った後、午後5時から県庁前広場で、「パレスチナに平和を!」を訴えるスタンディング行動に参加した。ガザの死者はすでに8000名を超え、地上侵攻も始まるなど、ますます事態は深刻化している。しかい、事前の呼びかけが十分にできなかったため、今日は25名ほどの参加にとどまったのが残念だ。
 ただ、ノルウェーからの旅行者が、プラカードを持ってスタンディングに参加し、ガザの病院復興のためのカンパにも協力してくれるという一幕もあった。
 
 
 
 
 
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