この間、防衛局が辺野古新基地建設事業の申請図書等で、耐震設計や軟弱地盤問題で虚偽説明を続けてきたことが次々と明らかになっている。
まず、設計変更申請の耐震設計問題でとんでもない事実が明かになった。赤旗日曜版10月1日号は、防衛局が旧版の港湾基準を使っているにもかかわらず、技術検討会には新基準を使っていると虚偽の説明をしていたことをスクープした。新基準で設計すると護岸の安定性が確保できないので、より小さい地震動となる旧基準のデータをあえて使った疑いが出ている。
今日(11月2日・木)は、ゲート前集会でこの記事を書いた藤川記者の学習会があるというので、朝から辺野古に行った。ゲート前に着いたところ、藤川記者の講演の前に全般的な話をするよう指名された。ちょうど今日の琉球新報、沖縄タイムスが1面トップで軟弱地盤問題を報じ、私のコメントも掲載されたので、そのことも併せて説明した。藤川記者とは以前から連絡を取りあっているが、何回も辺野古新基地建設問題に関して重要なスクープを出している凄腕の記者だ。
また、今日の琉球新報、沖縄タイムスの記事は、防衛局が2007年の土質調査で、「(辺野古・大浦湾に)軟弱な沖積層が広く、厚く分布している。設計施工にあたっては、追加のボーリング調査の実施を提案する」(『シュワブ(H18)地層調査 報告書』(2017.12 P47)という報告を受けていたにもかかわらず、2013年の埋立承認申請では、同報告書の推定地質断面図の一部だけを引用しながら、上記の軟弱地盤の存在には全く触れていないことを報じたものだ。共同通信の配信記事で、本土の多くの地方紙でも掲載されている。
上記報告書では、「沖積層の厚さは大浦湾海域では10~50mに達する。N値は0~29を示している」と、当時から「N値0」の軟弱地盤の存在まで指摘していた(P45)。しかし2013年の埋立承認願書では、「N値11、砂層」で設計し、県への回答文書でも、「計画地の直下には粘性土層は確認されていない」としていた。全くの虚偽説明だったのだ。私も、共同通信配信記事に「申請時に報告書の内容が分かっていれば、県が承認することは難しかった」というコメントを出したが、埋立承認の根拠が問われる重要な問題である。
ゲート前集会で私は次のように述べた。
「この間、防衛局の耐震設計、軟弱地盤問題の虚偽説明の事実が次々に明かになっている。いずれも辺野古新基地事業の設計の根幹を揺るがすとんでもない問題だ。しかし、是正指示をめぐる最高裁判決で県が敗訴し、代執行訴訟も結審してしまったため、これらの問題はもう司法の場で争うことができない。
これらの問題を浮上させ、辺野古の工事を止めるには、埋立承認の再撤回が必要です。他にも、埋立承認の再撤回の理由があります。埋立承認を早急に再撤回するよう沖縄県に求めていきましょう。代執行訴訟で敗訴すれば年内にも大浦湾での地盤改良工事が始まってしまいます。今、辺野古新基地建設を阻止するためには、埋立承認の再撤回しか残されていません。」
(赤旗・藤川記者の辺野古ゲート前での学習会)
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