国道329号線に面したシュワブ基地の第2ゲートは辺野古弾薬庫に入るゲートである。その向かいの山林一帯は「シュワブ訓練地区」と言われ、実弾射撃や廃弾処理等が行われている。辺野古新基地建設事業ではこの辺りから200万㎥の土砂を採取し、大浦湾の埋立に使われる。奄美大島や九州、瀬戸内海等から土砂が持ち込まれるのはまだまだ先で、最初の埋立用土砂はこの辺野古ダム周辺のものが使われるのだ。
1月下旬頃からこの付近で、国道から山に入っていく踏み跡が何箇所か見られるようになった。うち1箇所は立ち木が伐採され、はっきりとした切り開きとなっている。
(第2ゲートの近くに出来た顕著な切り開き。工事用道路造成のための準備作業が始まった!)
この付近は、下の図のように、一昨年、防衛局が設計概要変更申請を出し、任期切れ直前の仲井真前知事が承認してしまった「工事用仮設道路①」の造成予定地である。第2ゲートの少し名護寄りのところから左側の山林にループ状の道路が造成され、国道329号線を高架橋で渡って大浦湾まで続く道路である。大浦湾の埋立工事のための工事用車両の進入路だ。
防衛局は、昨年12月28日、北勝建設㈱とこの工事用仮設道路①の国道329号線から高架橋にかけての工区の造成工事の業務委託契約を締結した。実際の造成工事は掘削や盛土量が多いため、赤土等流出防止条例等の手続きが必要なため、すぐには着工できないが、測量等の準備作業が始まっている可能性が強い。
国道329号線の高架橋は、幅員13m、長さ56mもの大きなものである。2車線の道路だけではなく、辺野古ダム周辺から採取した埋立土砂運搬用のベルトコンベアーも併設される。大浦湾の埋立は、最初にこの地域の土砂が使われる。この工事用仮設道路①の造成工事、特に国道の高架橋造成を許すわけにはいかない。