沖縄県が、本部塩川港でのベルトコンベア設置を許可してしまったことは昨日のブログでもお知らせした。今日(4月27日・火)、本部町島ぐるみ会議の呼びかけで北部土木事務所との交渉が行われた。
前日の急な呼びかけだったが、いつも本部塩川港で監視・抗議行動を続けている人たちを中心に約30名が集まった。対応した維持管理班長らがあいまいな答弁を続けたため、交渉は紛糾、午前11時から午後4時までの5時間も続いた。
設置許可は所長決裁で行われたため、所長の出席を求めたのだが、本部港でのプレジャーボートの火災事故を理由に所長は頑として出てこない。5月分の許可は今月中に出されるので、それまでに所長との話し合いを求めた結果、明日(28日・水)午後3時半から所長が対応すると約束したので、とりあえず今日の交渉を終えた。
是非、明日の交渉にもご参加ください。午後3時、名護市役所北の県合同庁舎に午後3時集合です。
今日の交渉で最も大きな問題となったのは、何故、県の公共施設である塩川港の3000平方メートルもの広大な部分を、特定の民間業者が排他的・独占的に使用することを許すのかということだ。
現在、業者は朝、フェンスを設置して積込み作業を行い、夕刻、それを撤去している。ところが、今回の許可は、周囲を大きな土嚢のフェンスで囲い、中にベルトコンベアや土砂の桝、テント等を置きっぱなしにすることを認めたものだ。
今まで塩川港での辺野古への土砂海上搬送は、平均、1ケ月に11日間しか行われていない。作業のない日は1ケ月の3分の2にもなるのだが、今回の許可により、作業のない時も3000平方メートルの部分は業者によって仕切られたままとなるのだ。それも1ケ月や2ケ月のことではない。辺野古新基地建設事業は10年以上続く。10年以上もの間、特定の業者に許可を与えることにより、公共施設である港湾の利用が損なわれる。これこそ、港湾法の平等取扱いの原則に違反するものだ。
県の「港湾施設使用許可に係る審査基準」でも、「港湾の利用、維持管理上、支障となるおそれがないこと」「目的及び用途を妨げるおそれがないこと」などとされている。この審査基準によれば、百歩譲って許可をするとしても、夕刻、作業が終れば全て片付けさせなければならない。
さらに皆が追求したのは、予定地の外周部分に延長158メートルにわたって設置される高さ 1.1メートルもある大きな土嚢だ(末尾の写真参照)。
この土嚢の設置の理由は、「外から敷地に水が入るのを防ぐため」、「敷地内の汚濁水が外に出るのを防ぐため」だという。しかし、塩川港のこの敷地に、外から流入する水などない。また、敷地内に土砂を積み上げない限り、敷地内から汚濁水が出ることもない。
また、もし外からの水が入るとしても、何故、高さ.1mもの大きな土嚢を並べる必要があるのか? 大洪水が来るわけではない。小さな土嚢(高さ30cm程度)で水の侵入は止めることができる。
塩川港は復帰前から使われてきた。今まで、外からの水の侵入が問題となったことなどない。また、塩川港の別のバースでは、離島への土砂等が海上搬送されている。担当者らの説明では、その個所でも同様の大きな土嚢を並べなければならなくなってしまう。
結局、この大きな土嚢設置の目的は、県民が現場に近づき、抗議行動を行うことを阻止するためのものであることは明らかだ。
5時間の交渉の間、参加者からは、何故、県の職員が審査基準に基づいてきちんと審査せずに、業者の言い分をそのまま認めるのかという怒りの声が集中した。明日、所長からの納得のいく説明を求めたい。
(周囲に設置されている高さ 1.1mの大きな土嚢。「外からの水の侵入を防ぐ」というような説明など通用しない。大洪水がくるというのか!)