防衛局は、大浦湾では海面下70mまで地盤改良工事を行うとしている。実際には海面下90mまで軟弱地盤が続いているのだが、防衛局は、「海面下70m以深は『非常に硬い粘土層』であり、地盤改良の必要はない」と主張している。
『世界』5月号でも触れたが、この防衛局の説明は全くのデタラメである。大浦湾の海底地盤は海面下70mで変わっているのではない。下は問題となっているB27地点の土質柱状図だが、海面下70mではなく、海面下77mで地層が変化していることが分かる。
また、下は技術検討会に出されたケーソン護岸部の海底地層断面図や安定計算書である。防衛局は軟弱な粘性土層(Avf-c層)を2つに分け、第2粘性土層(Avf-c2層)は「非常に硬い」と説明しているのだが、Avf-c2層は海面下77m辺りよりも深いところだとされている。
今年になって、立石雅昭新潟大学名誉教授ら地質学の専門家グループにより、海面下70m以深の粘土層も、「非常に硬い」とは言えず、軟弱だということが指摘されてきた。しかし、百歩譲って防衛局の言い分を認めたとしても、「非常に硬い」粘土層は海面下77m以深なのである。(専門家グループは4月8日、この問題についても、技術検討会・沖縄防衛局に追加質問を提出した。)
防衛局が「海面下70m」という虚偽の説明を続けているのは、日本には70m以深の地盤改良工事ができる作業船がないためであろう。
「海面下70m」という虚偽の説明に騙されてはならない。