4月21日、防衛局がコロナ禍の真っ最中に設計概要変更申請を県に提出したことに対し、県民の怒りが高まっている。昨日も、先日出版された岩波ブックレット(『沖縄を世界軍縮の拠点に---辺野古を止める構想力』)でお世話になった豊下楢彦さん(関西大学元教授)から、「人の命よりも辺野古が大事か!」という怒りのメッセージが届いた。
ただ、デニー知事は設計概要変更申請提出を「断じて容認できない」と批判したが、「提出された以上、審査を行う」「行政なので法にのっとり対応したい」と述べたという(2020.4.22 琉球新報)。こうした知事の対応は納得できない。
たとえば県は、昨年4月に提出されたサンゴ類移植のための特別採捕許可申請に対してどういう対応をとってきたか? すぐには審査に入っていない。埋立承認撤回をめぐる裁判の決着がついていないことから、「埋立承認を前提とする沖縄防衛局長からの各種申請等は、当該訴訟の最終判断までは処分を行わない」としてきたはずである。そのため、申請から1年以上が経過した今も、特別採捕許可の判断はされていない。
県が提訴した関与取消訴訟については最高裁で却下されたが、これは県の埋立承認撤回が違法とされたものではない。県が訴えたもう一つの抗告訴訟は今も続いており、しかも、住民が提訴した抗告訴訟では辺野古住民の原告適格が認められた。今後、内容についての司法の判断が出される。
県が、設計概要変更申請の審査に入ることは、県自らが裁判で争っていることと矛盾することとなる。
また、設計概要変更申請の審査に入るのであれば、その前にまず、埋立承認の再撤回に踏みきるべきではないか?
昨年2月の県民投票の圧倒的な民意を受けて、我々は埋立承認を再撤回するよう県に求めた。ところがその際、県は「県は埋立承認撤回が有効だという立場だ。再撤回すれば、埋立承認撤回は取り消されたということを認めたことになってしまう」と反論し、再撤回はできないと主張した。
県の弁明は矛盾している。県が埋立承認撤回が有効だという立場に立つのなら、今回、設計概要変更申請の審査に入ることはできないはずである。設計概要変更申請を受理するのではなく、突き返すべきではないか。
(4月23日、防衛局前の抗議行動 (Wさん撮影))