チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

沖縄県はこのままでは辺野古への石材海上搬送のための奥港使用許可を取り消さない!--- 唖然、知事は奥港使用許可申請書を今後1年近く開示しないことを決定した!

2017年12月30日 | 沖縄日記・辺野古

 沖縄県が、辺野古への石材海上搬送のための奥港の港湾使用を許可したことに対して、多くの県民が驚き、抗議した。そのため翁長知事は、11月30日、「今後公益が侵害されるような場合には、許可の取消しを含む重大な決意で臨む」と表明、申請業者にも港の適正使用を求める指示書を出し、「指示を守らなければ港湾管理条例第13条に基づき、許可を取り消すと伝えたという(12月1日、沖縄タイムス)。こうした動きに、県民の間でも、知事はやがて奥港の使用許可を取り消すだろうと期待し、抗議の動きも収まってきていた。

 ところが、12月27日、港湾課長は、「奥港の使用許可を取り消す理由はないと判断している」と言明した。さらに、27日にはとんでもない事実が明らかになった。

 私は、11月2日、奥港の使用許可申請書と許可書の公文書公開請求を行った。県はこの請求に対して、申請者の意見を聴くととして開示決定を30日間延長、12月14日に部分開示決定を行った。しかし、こうした場合には開示までに2週間を置くという条例の定めにより、開示日は12月28日とされた。

 ところがその前日の27日、知事は「(申請者から審査請求と執行停止の申立てがあったので)情報公開審査会の答申を受けて裁決するまでの間、執行を停止する」という「通知」を出してきたのである(下参照) 。知事は自ら行った開示決定の執行を停止するという決定をしたのだ。

 この問題点については、末尾に掲載した、28日に知事に提出した抗議文を参照してほしい。この港湾使用許可申請の文書については、私以外にも多くのマスコミ等も公開請求を行っている。審査会の答申までは数ヶ月(場合によっては1年ほど)もかかると言われている。結局、知事は、これだけ問題となっている奥港の港湾使用許可関係の全ての文書を、1年近くも公開しないという決定をしたのである。とても認められない。

 

 

沖縄県知事 翁長雄志様                         20171228

                  抗 議 文                                                             

 

  私は本年112日、「今年度の奥港に関する、①岸壁の使用許可申請書と許可書、②港湾施設用地使用許可申請書と許可書」(以下、「本件文書」)の公文書公開請求を行いました。この公開請求については、知事から、1214日付の「公文書部分開示決定通知書」で、1228日に部分開示するとの連絡をいただいたところです。

 ところが、1227日、第3者(申請書を提出した業者)から行政不服審査法に基づく審査請求及び執行停止の申立てがあったとして、「(同法第25条第1項に基づき)平成291228日から沖縄県情報公開審査会の答申を受けて裁決する日までの間、執行を停止する」旨の知事からの「通知」を受領しました。

  この「通知」には納得できない点が多く、下記のとおり抗議します。そして、知事が今回の通知を取消し、速やかに本件文書を開示されるよう求めます。

 

                           記 

 

1.本件公開請求に対して、知事は、沖縄県情報公開条例第16条第1項にもとづき、第3者(申請業者)に意見書の提出の機会を与えました。

 しかし、第16条第1項は、対象文書に第3者に関する情報が含まれている場合、第3者に対して意見書を提出する機会を「与えることができる」としたものにすぎません。第3者に意見書を提出する機会を与えなければならないのは、同条例第162項で、「(1)(第3者に関する情報が)第7条第2号イ又は同条第3号ただし書きに規定する情報に該当すると認められるとき、(2)第9条の規定により開示しようとするとき」に限られています。

 しかし、同条第2号は、「特定の個人を識別することができることとなるもの」、「個人の権利利益を害するおそれがあるもの」等の場合の規定にすぎません。それは個人名を伏せればすむことであり(港湾使用許可申請において、「個人の権利利益を害するおそれがある」情報があるとは考えられません)。今回、知事が第3者に意見書提出の機会を与えられたことは納得できません。

 現に知事は、従来、許認可の申請書や許可書の公文書公開請求では、ほとんどの場合、第3者の意見を聴くことなく開示決定されているはずです。 


2.行政不服審査法第25条は、「審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない」としたうえで、「重大な損害を避けるために緊急の必要があると認める場合」にかぎって執行停止できると定めています。

 今回、知事は執行停止を決定しましたが、同法第25条の「重大な損害を避けるために緊急の必要がある場合」とはとても言えず、この決定は不当、違法です。 


3.本件文書は、申請書(添付図面を含む)、許可書からなるものですが、今回、知事は全ての文書について、審査会の裁決まで開示を行わないとしました。

 この点について、本件を所管する沖縄県港湾課は、「文書の一部についても県が公開を決定したが、申請者は非公開を主張し、折り合いがつかなかった」と説明しました(1227日)。それなら、その部分だけを当面、黒塗り等を行って、審査会の裁決まで不開示とすれば済むことです。

 申請者が文書の一部について非公開を求めたにもかかわらず、全ての文書を審査会の裁決まで開示しないとした今回の決定は、「県民の知る権利の尊重」、「県民の参加と監視の下に公正で開かれた県政の推進に資する」ことを求めた本県情報公開条例の趣旨を逸脱しています。

 

4.沖縄県情報公開センターに聞くと、現在、県情報公開審査会には多くの案件が集中しており、裁決が出るまでには数ヶ月(場合によっては1年ほど)を要するのではないかとのことでした。

 本件請求については、既に請求から2ヶ月近くを経過しており、審査会の裁決までさらに数ヶ月、合計すると1年ほどの間、開示が遅れることは、請求人が公文書公開請求をした意味が無くなってしまいます。 

 ただちに今回の通知を取消し、開示決定された文書を速やかに開示されるよう求めます。

 

                                                   

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