チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

<検証>違法であるだけではなく、ダイバーを入れて海底のサンゴ類の確認をしないままのコンクリートブロック投下は許されない! 設計条件の一方的な変更も認められない

2017年02月11日 | 沖縄日記・辺野古

 2月7日から、大浦湾にコンクリートブロックの投下が始まった。この作業は、岩礁破砕許可を得ていない違法なものであるだけではなく、沖縄県の再三の中止指示を無視したものであり許されない。さらに、ブロック投下の際に、潜水士を入れて海底のサンゴ類の状態を確認していないという重大な問題がある。

 沖縄県は、これ以上のコンクリートブロック投下を黙認してはならない。ただちに防衛局に対して毅然とした法的措置を取るべきである。

 (辺野古ブルーのブログ)                             

<コンクリートブロック投下に際して、潜水士による海底のサンゴ類の確認もしていない!> 

 2年前、防衛局は工事の施工区域に沿って最大45トンのコンクリートブロックを総数49ヶ投下した。そのため、海底のサンゴ類が破壊され、大きな問題となった。防衛局が設置した環境等監視委員会も、防衛局の杜撰な投下方法を次のように批判した(2015年4月9日 第4回環境監視等委員会)。

「今回の事件では、防衛省のやり方に問題があったのではないだろうか。---アンカーを設置する際には、下で潜水士が見ていて、サンゴがない所に落とすことができなかったのか」、「この委員会で検討した結果や助言した内容が適正に履行されるということが担保されなければ、同じようなことが繰り返されるのではないか」

 そのため防衛局は、今回のコンクリートブロック投下に際して、ダイバーを入れると約束してきた。以下は、第6回環境等監視委員会の議事録である。

「委員:アンカーブロックの設置は慎重に行っていただきたい。潜水士等が見ながら慎重に行う方法をとるのか?

 事務局:アンカーブロックは、潜水士により状況を確認しながら設置する予定である

 そして、防衛局は沖縄県の「汚濁防止膜の敷設計画に関する再照会について」への回答(本年2月3日)でも、「設置前にサンゴ類の生息・生育状況を調査し、潜水士により海底の状況を確認するなどして、可能な限りサンゴ類への影響が少ない地点にアンカーブロック等を設置します」としている。

 ところが、今回のコンクリートブロック投下は、クレーンで吊り上げただけで簡単に海に投下している。潜水士が入る場合は、潜水中の標識を付けた作業船が出るはずだが、そのような船は全く出ていない。潜水士による海底の確認もしないままコンクリートブロックが投下されているのだ。環境監視等委員会の指摘を全く無視し、自らが約束したサンゴ保護対策にも反した杜撰な投下方法では、またサンゴ類が無惨に破壊されてしまう。


<コンクリートブロックは何故、軽くなったのか?---一方的に設計条件を変更>
 今回、防衛局は「浮沈式」汚濁防止膜固定のために、11~14トンのコンクリートブロックを228投下すると説明している。これもきわめて不可解な話だ。防衛局はすでに3年前に埋立本体工事について業者と契約を交わしている。大成建設を中心とした共同企業体が受注した「中仕切岸壁新設工事」「汚濁防止膜設置工事」に汚濁防止膜のためのコンクリートブロック投下が指示されている。

 ところが、その発注の際の工事設計書では、57トンのものが102ヶ、44トンのものが38ヶ、12トンのものが48ヶの合計236ヶとなっている。ところが、この発注の際の指示内容が、突然、「全て15トン以下」に変更されたのだ。

 何故、そのような変更が可能となったのか理解できなかったが、防衛局から開示を受けた資料等を再度検討したところ、その理由が判明した。

 以前、防衛局が業者に発注した際の「57トン、44トン等」のコンクリートブロックは、浮沈式といっても「中間浮遊型」のもので、設計風速は「30m/秒」で計算されていた。ところが、その後、防衛局は、荒天時は海底に完全に沈下させる「標準型」とし、設計風速を「15m/秒」で計算したため、「全て15トン以下」となったのである。

 防衛局は、「台風時は、海底に沈下させるから、設計風速15m/秒以上の風は考慮する必要がない」というのだが、海底に沈下させる方法やその所要時間等は明らかにされていない。また、「高波浪時には、一時的に撤去する」場合もあるという。自立型汚濁防止膜は、「高波浪時は撤去する」とされている(これらは防衛局の本年2月3日の県への回答文書より)。浮沈式汚濁防止膜は総延長2,244m、自立型汚濁防止膜は延長412mもある。さらに台風時には、鉄棒やロープをつけた総延長6500mものフロートも撤去しなければならない。

 台風の都度、このような対応が可能なのか、きわめて疑わしい。

 


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