なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

ペットショップ

2014年06月23日 | 仕事
と久しぶりにやり合う事態。ケンカして、こちらが勝利。しかしまあ、ペットショップというのは、どうしてこう変わらないんでしょうかねえ?

 呆れたので、ちょっと書いておこう。

 今回は(というか、今回も、か)寄生虫がケンカのネタ元だったわけなんだけど。寄生虫だらけの動物を買い主に渡すなよ~~~、というこちらの主張が間違っているとは到底思えないんだけどな。
 
 それに対するペットショップの主張は以下の2点くらいに集約されてる。

1)頭数が多すぎて、検査の手が回らない。検査に出していたこともあったが、多すぎて結局断られた。
2)店内の消毒等は、保健所の指導の下にちゃんとやってる。

どっちも、寄生虫の性格が見えてないから、対策が全く無意味なんですよ。

1)について
今回問題になったのはコクシジウムとトリコモナスだが。この手の寄生虫は糞便検査で引っかかるとは限らない。特に宿主が子供の場合、じっくり潜伏していて、いきなり増殖する。だから、ルーチンに糞便検査をやったところで引っかかる可能性は低い。いささか乱暴かも知れないが、店内に蔓延している可能性があるなら、検査なんぞすっ飛ばして、入荷したら即駆虫薬をガンガン飲ませた方が効率的だし効果もある。数が多いのなら、個別対応じゃなくて、コロニー全体をどうするか、という視点で疫学的に考えていかないと。

2)これがねえ、問題なんですよ。消毒はやってます、って言うから、じゃあどういう風に消毒してるのさ?って聞いてみたら「ハイターを薄めて」なんて言う。ハイターは寄生虫卵には無効だよ、と言ったら「だって保健所に~~」ときた。
 保健所は寄生虫卵についての知識がないのかなあ?
 とにかくコクシジウムなんてのは、ハイターなんぞじゃ死にませんよ、と教えてあげたのだが。じゃあどうすればいいんですか?これはね、熱湯を使うのが手っ取り早くて効果も高い。お宅みたいな店舗なら、スチームクリーナーを使って、熱蒸気洗浄をするのが確実なんだ、と教えたのだけど。要するに寄生虫卵をゆで卵にすりゃいいわけで。
 それに、ハイターって、手が荒れるでしょ。塩素系の除菌剤なんか、今日日山ほどある、そういうのを使っていった方がはるかに効果もあるし、手も荒れないんだけどなあ。値段なんか、ほとんど変わりませんよ。

 とにかくペットショップは臭い、臭う。ありゃどうしてかというと、ビニールクロスのせいだ。あの壁が汚れも臭いも引き寄せて吸着しちゃうから。それに対する対策は、店を作るときに考えとかなくちゃならないんですけどね。要するにビニールクロスをやめる。代わりに、床材のクッションフロアを壁張りする、とか。これは当院でもそうしているのだが、汚れがつかない、汚れてもすぐ落ちる、ふき取りも楽、いい事ばっかりなんだけどな。スチームだって使えるし。
 お客様をお迎えするのに、そういう臭い対策ひとつろくに考えてないんだから、しょうがないですわね。そんなもんだ、と諦めてる(らしい)客側にも問題は大いにあるけれども。

 しかし、こんな事をタダで!!教えなくちゃならないんですかあ?やんなるよ。
コメント
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