なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

ヴァイオリン

2019年11月19日 | 

のペグを変えた。変えたら、楽器が全然変わってしまった。変えて大正解だった、という事ですね。

 変えたのはこれ。

 ウイットナーのファインチューンペグ。姿かたちは旧来の木のペグと変わりないように見える、だけど、実は中にギアが内蔵されていて、要はマンドリンやギターと同じようにギアを回してチューニングする。ギアが恐ろしくゆっくり回る仕組みになっているから、最初に弦を張る時、弦をペグに巻き取るのは大変なんだけど、その後の調弦は楽勝過ぎる、のだ。弦の交換の時にはこういう

ワインダーを使うといいらしい。楽器の重さもあまり変わらないし。

 このペグを見つけたのは、左手首を骨折しちゃって力が入らないせいで、調弦するときにペグを抑え込めなくて調弦が全然できない、という困った事態になった時。そもそもヴァイオリンのペグは、すごーく原始的な仕組みを使っている。ペグは木でできてて、結局ネック側の木との摩擦でもって動かなくなるように押し込んで調弦するわけ。だから、例えば湿度が変わったりすると摩擦が変化して緩んだり、固くなったり。一方、調弦の時に力任せにペグを押し込み過ぎてネック側が割れてしまって、ネックの修理や最悪交換とかいう事も起こりかねなくて。

 ヴァイオリンのセンセに相談したら、懐疑的なことをおっしゃる。しかーし、今や図々しい人間になり下がっている自分は、なんでも試してみりゃいいじゃないか、と思ってて、信頼できる楽器屋さんがイタリアから帰国してくるのをずうっと待っていた。やっとこの度帰国してくれたので、早速相談&交換してもらう事に。ペグって微妙に太さが違うので、プロにちゃんとやってもらわないと交換が難しいのだ。

 センセは、ギアで調弦=デジタルっぽいイメージだったようで、それじゃあ、きっちり調弦できないんじゃないかと思ってたみたいなんだけど、これだけギアがゆるゆる回るという事は、アナログと同じ、むしろアナログなペグより余程正確に調弦できる。調弦時に余計な力を要さないのも素晴らしい。子供・お年寄り・初心者・正確な調弦が必要なオケの弦楽セクションには絶対必要な道具じゃないかな。

 で、交換してみたら、別の驚きが。楽器が全然変わってしまったのだ。何しろよく響く。こんなに鳴ったっけ?って位。調弦が正確になるから、倍音がガンガン鳴る、2段くらいいい楽器に変わってしまったマジか~~。ついでに自分の音程まで良くなってしまった。今まであいまいな調弦でやってたんだもの、まともな音程が取れるわけがない、考えてみれば当たり前なんだけど。

 でもねえ、音程ってのは、ヴァイオリンのレッスンや練習で必ず躓くし、簡単に解決できない問題とされている。この件で教える側から罵詈雑言を食らってる生徒は相変わらず多い、みたいなんです。道具で解決、あるいは改善する問題なら、さっさと道具を変えりゃいいのに、そうしない、旧態依然が好きという業界は結局衰退する。衰退すれば、それで飯を食える人間も減ってしまう、結局自分の首を絞めることになると思うんだけど。

 同じことは乗馬界でもありますけどね。頭が固すぎてやんなるよ。


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