作品紹介・あらすじ
江戸は神田三島町にある袋物屋の三島屋は、風変わりな百物語をしていることで知られている。
語り手一人に聞き手も一人、話はけっして外には漏らさず、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」これが三島屋の変わり百物語の趣向である。
従姉妹のおちかから聞き手を受け継いだ三島屋の「小旦那」こと富次郎は、おちかの出産を控える中で障りがあってはならないと、しばらく百物語をお休みすることに決める。
休止前の最後の語り手は、商人風の老人と目の見えない彼の妻だった。老人はかつて暮らした村でおきた「ひとでなし」にまつわる顛末を語りだす――。
読書備忘録
「賽子と虻」
虻がそんなに巨大になるなんて・・・語り手 餅太朗の壮絶な話に、生きて帰れてよかった。深刻な話なのに賽子が可愛かった。
「土鍋女房」
神様に好かれてしまったのね。喜代丸はあたしの夫だ。あたしのものだからね。連れて行かれちまいましたね。これ好き!
「よって件のごとし」
人ではないから、ひとでなし・・・吸血鬼ではないし、ゾンビでもないし、ひとでなし。私も、あれ?と思っていました。女房は花代だたのでは?花江とは・・・名前を変えていたのでした。
しばらくお休みと・・・楽しみに待っております。