カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

錦秋の立山・その2

2008-10-18 | ヤマのこと

その1へ

【10/12(日)6:45雷鳥沢テント場⇒立山三山⇒15:10雷鳥沢テント場】

明日に備えて早く寝ることにしたものの、さすがに寒くてなかなか寝付けない。
夜中に起きてみると、テントの外張りは既に凍っていた。
外に出しておいたプラティバスの水も凍っていた。マイナス3度くらいだったのだろうか?


でもいくつもの星が瞬いていて、それはそれはキレイな夜だった。
三脚も持って行ったのに、やっぱり写真は上手く(全然!)撮れなかった・・・


5:00頃にならないとなかなか明るくはならない。
スタートを少し遅らせて、ゆっくり支度を始めると、
大日連山だけに朝日が当たり、にょっきり浮き出ているように見えた。

ゆっくり支度をしたのには訳があった。
寒くて良く眠れなかったせいなのか?2週間前寝違えてからイマイチスッキリしない首だったが、
なんと、こんな大事な日にまたしても寝違えてしまったのだ!
朝起きた瞬間「マ、マズイ・・・なんでこんな大事なときに・・・」泣けてくる。

しかも首だけじゃなく、腰まで痛い、マイッタ。
でもここまできて、登らないわけには行かないのだ!
幸い首は上に向けないだけで、左右には動く。
使えそうな常備薬はキンカンしかない。気休めにキンカンを塗って出発~!


(雷鳥荘あたりから見下ろす)
6:45、テント場を出発する。
低い場所にあるので、朝は日が当たらない。


手前に見える建物が管理棟。中にトイレと水場がある。

後で気づいたのだが、テント場から直接「一ノ越」まで行けるルートが合った。
そっちから行けば若干近かったみたいだが、室堂まで戻り王道から行ってしまった。


その甲斐合ってか?途中、「山崎カール」から立山(ちょうど大汝山辺り)に登る朝日を拝めた。
眩しいイイ天気になりそうだ!今からそこに行くぞー!おー!


日本最古の山小屋「立山室堂山荘」の脇からまずは「一ノ越」を目指す。
「祓堂」までは緩やかな参道。向こうに「浄土山」が見える。


ここからジグザグ登って、8:25「一ノ越山荘」についた。
が、ここはものすごい風が吹いていた!!
寒~~~~~いすでに鼻水ズルズルだよぉ

「稜線は風が強い」と聞いてはいたが、寒いのと首が痛いのとで既に弱気。
手で首の後ろを支えながら見上げてみたら・・・
「こんなの登るんかいな・・・」
「強風で飛ばないのかな・・・」


な~んてここまで来て言ってる場合じゃないので、登る!と気合を入れなおす。
不思議なことに、登っている途中は風の強い場所は2,3箇所で、
あとは穏やかだった。
あっという間にさっきの「一ノ越山荘」は眼下に。


えっさえっさ、もう一息!


9:40「ヤッダァ~~!づいたよ~おじゃまぁ~!」(鼻水ズルズルでまともにしゃべれない・・・)


今年の年始の目標に「3000」という文字を揚げたのはこのことだった。
若干ずるっぽい感じもあるが、紛れもなくここは3003m
360度の大展望!初めて体験する素晴らしい眺めです!(実は怖くて私は即退散・・・)


残念ながら雄山神社は9/30までで閉山しているので神主さんも居ないし、何も買えなかった。
でもこのちょっと空いている時期に来て良かった・・・理由は後ほど。


いっぱいいっぱい色んな山が見えているのに、私は良く解らない。
そう、わかるのは「槍」だけです。
でも槍が見えるとなぜ嬉しくなるんだろう~


超一流の山の名前ばかりが刻まれている展望盤。すごいです~



(色々調べてみたんですが、間違ってたら教えてくださいね)


【訂正】 大天井⇒中央・南アルプス方向


【訂正】大日岳⇒中大日岳 大江山⇒大辻山
(雄山山頂手前より)

と見事な景色をこの目で見ることができ、感動で離れがたかったけれど、
動きを止めると寒いので、先へ進むことにします。

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さて、展望を楽しんだ後、縦走路に向かって出発します。
登山道は「雄山」を右手に、左に「山崎カール」を見ながらトラバースする感じなのですが・・・


(首が痛くて岩にもたれかかるようにひと休み)
赤字のところへ進んでいきます。

次の「大汝山」までのCTはたったの20分。
だけど進みだした私は、またいつもの「高所恐怖症症状」が出てしまったのだ。

一番ダメ、と言われる腰の引けた状態(らしい)でう~う~言いながら歩いていたら、
あまりのスローペースに後ろに人が続き始めた。
まずいよ~

心臓バクバクだけど、少し広い場所まで行って「お先にドウゾ」と譲りまくり。
20人くらい見送ったところでじーっと停まっていた私に、先を行くダンナの激が飛んだ
「なにやってんのぉ~~そこで10分間慣らすつもりぃ~~!」
ためしてガッテン参照

多分・・・普通の人には何のことはない通過点なんだけど、
私は一旦コワイスポットに入ると、次の一歩が出せなくなり、その場で立ちすくんでしまう。
行くしかない、のは解っているんだけど。
どうしてこんなに怖がりなのか?自分でも嫌になるが仕方ない。

自分のレンズの焦点を足元だけに合わせ、出来るだけ廻りはぼやかして見るんだけど、
なぜだかこういう時に限って視界200度くらい見えちゃう(視力1.5デス)
競走馬が着けるブリンカー(注:遮眼革といわれる前しか見えないように作られた革製の装具)
しろ!といつも怒られる。私だって欲しいよ・・・

どこをどう歩いたのか記憶にない私は、やっとの思いで「大汝山」についた。
もう気分がヘトヘトなので、私は下で待っていてダンナだけピークを踏む。
休憩所があるらしいが多分閉まっていた。


(皆さんよじ登っていたらしい)

次の「富士ノ折立」までもおよそ20分。
もう写真を撮る余裕なんて全然ないのでただただ黙々と進むだけ。
こうなるとなにが楽しくて歩いてるんだか?いつも解らなくなるのだ


もちろんココのピークもパス(笑)
いいの、ピークハンターじゃないから(負け惜しみ)

この先、地図上一番危惧していた折立から真砂岳までの下り。
テント場から見てたときも、結構急斜面じゃないのかな~と心配してた。
前方下を見るとまだまだずいぶん下るようだ。
でも先ほどより室堂側の傾斜がゆるいので、そんなに怖くなく、マイペースで降りていった。



が、またしても後ろの15人くらいの団体さんに追いつかれ、
あまりに危なっかしく見えたのか?後ろから顔を覗き込まれ、「大丈夫・・・?」
と声をかけられた。

「スイマセン、私高所恐怖症なんで怖くて・・遅くてゴメンナサイ」
「あら~そうだったのぉ!いいのよいいのよ解るわ!その気持ち!ホントに怖いのよね!
前だけ見てればいいのよ!回りなんて気にしないで!
後ろも気にしないで!ゆっくり降りて頂戴!後ろなんて待たせときゃいいんだからね!
大丈夫よ~~~~!気にしないでね~~!」
って一気に3,4人の先輩方に励ましのお言葉を頂いた。
・・・ものすごく賑やかな一瞬であった。


(下り終わった、安堵の表情)
後ろを振り返ると、たいしたことないじゃん・・・


安心してお腹も空いたし、お昼にしよう~。
今日のお昼は昨日ターミナルで仕入れておいた富山と言えば「鱒の寿司」2個、
これがずっしり重たいのなんのって・・・(テント場までは私が背負った)

そうそう、この日は首も痛いので荷物は全てダンナが背負っていた。
こんな身軽なのに歩けない~・・なんて言ったら殴られそうだ。
体力的に無理だったら「大走り」から下山しようとも思っていたが、
天気も良く、ここから先はゆるやかな縦走路、と聞いていたので頑張ることにした。

長いので続く。