カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

冬の西丹沢・大室山ぐるりっぷ

2011-01-25 | ヤマのこと

2011.1.22(土)~23(日)今月二度目の丹沢へ。


 
小田急線・新松田駅 朝一7:20発のバスに乗り、目指すは「西丹沢自然教室」
ここへ来るのはなんと3年ぶり
シロヤシオの時期の混雑に驚き、すっかり足が遠のいてしまいましたが、
2週間前に行った蛭ヶ岳で、冬の丹沢の気持ちよさを味わってしまった私。
年末の三ノ塔も素晴らしかったし、今年は丹沢再発見の年になりそうな予感・・・?
今日はいつか歩こうと思っていたエリアを行くことにしました。

自然教室のさわやか兄さんに登山届けを出して、9:15出発~。
バスも10人ほどの乗車で予想より人が多かったかな?でも同じ方向へ行く人は誰もいませんでした。

そうそう、朝バスの中から富士山が見えていて写真を撮ろうとコンデジを出したら、
なんとSDカードが入ってない!予備も持ってない!なんてこった・・・

と、私の一眼はただのお荷物となり、今日は1日コンデジ利用となりました。
だから家を出る前に一回カラ撮りしてね、と言ってるのにと・・朝から小競り合い勃発



目指す方向へ進むと、向こうの山の稜線が白い!
なんとこの日は霧氷ができていたのでした、むひょ~~それも目的だったのに。
そこに着く頃にはもう跡形もないよね・・・この青空の下で見たかったぁ・・・残念。で、あの山は何山?


 
車道を歩き、「用木沢出合」へ。
9:40、ゲートを越えてまず目指すは「白石峠」キャンプ場脇にあったこの木はミツマタ?

土曜と水曜は狩猟の日、ということで犬とハンターさん2人ぐらいとすれ違いました。


 
最初はゆるく沢沿いを進んでいきます。
橋が多くて・・右岸左岸に渡りながら進んでいきます。
この日は気温が高かったようで、シモバシラもなく、凍ってもいなかったので歩きやすかったです。


 
ここも「東海自然歩道」のようで、道標はしっかりしているので良いのですが、
まーこちらもあっちもこっちも崩れてザレていて・・丹沢大丈夫かしらん?と心配にすらなります。



東海自然歩道の道標マーク、よく見ると旅人?かわいいですね。


この「白石沢」はかなり上流のほうまで水が豊富で、すぐ手に出来るところを流れているので、
いざとなれば水はこの沢で確保できるな~などと考えながら歩いていました。


 
沢を離れると九十九折に登りが段々きつくなり、「白石の滝」に着きました。

この白石の滝、「大理石の滝とも呼ばれ、この沢の流域が大理石の産地であったことを物語っています」
と説明書きがありました。



 
その後はまたザレて・・・ガレて・・・大きな石をよけながら・・・ただひたすら黙々と・・・


  
地図にはなかった鎖が出てきたり、なかなかの急斜面登り一辺倒となりました。
(鎖は必要ない程度でしたが)

途中から狩猟の発砲音、猟犬の鳴き声がすぐ近くに聞こえてビックリ!朝会った人たちでしょうか?
こわい~!間違えて撃たれるかも?!となぜか熊鈴を出して装備した私(笑)

「オマエみたいに派手な色した鹿はいないから撃たれないよ。」

と言われてしまいました ふん。(そーゆーアナタは岩と同じ色で見分けがつかなくて困るよ・・・)



 
「白石峠0.4km」という道標からがしんどかったなぁ・・・標高差は用木沢から峠まで約670mなのに。

この日、新しいザックを慣らしたかったのと、このエリア水がないからと、
水分4kgを含む18kgザックで登ってきていたので、さすがに苦しくてまたしても冬なのに滝の様な汗

木々の間から見えてきた山が目指す「大室山」かなぁ?
もう見えたから帰っちゃおうか・・・と弱音を吐いた頃・・・



「白石峠」到着。やっと尾根に乗りました。
さすが丹沢は甘くありません、どこを登ってもそれなりに絞られますねぇ 滝から約50分でした。
昼食を取っていた単独男性が一人。ここまでで出会った人は3組でした。



「畦ヶ丸」へと続くこの白石峠。
風の通り道の様で、かいた汗が一気に冷えてしまうので先へ進むことに。
木々の間から南アルプスや富士山が見えていました。



 
緩やかに登って約30分、12:50「加入道山頂1418m」到着。



ベンチが一つ。広々として気持ちの良い山頂でした。
風もなく穏やかなのでここで昼食にしました。



 
山頂から一段下がったところにあった「加入道避難小屋」
中は広くてキレイでした。布団もありました。でもトイレがないんですね・・・



 
昼食を済ませ先へ進みます。
しばらくはなだらかな尾根歩き、前大室まではすぐでした。



前にどかーんと見えるのがピークかなあ?まだかなぁ・・・


 
遠くからひゅるひゅるという風の音がしてきましたが、風を受ける方向を巻いて歩くと、
ぐぐっと下がり、やせ尾根が見えてきました、ここが破風口、風の通り道。
乾燥してカラカラになっているので滑らないように登り返しました。




ここからが今日の見どころかな?
ぐいぐい登り、振り返ると富士山と、道志の山々が。
先々週ほど晴れではないのですが、霞んでいても気持ちの良い眺めです!



かすかに富士山もまだ見えていました。


いよいよ私の好きな丹沢らしい風景に。
葉を落としたブナ達の間から見える青空と、頬にあたる冷たい空気が気持ちよい。



どーん。


 
登山道ではすれ違う人もほとんどいない静かな山歩き、これが冬の楽しみの一つかもしれません。
立ち枯れのブナも多かったようです。



傾斜が緩み、木道が出てきたら・・・


 
14:40、西ノ肩分岐に到着。8名ほどの団体さんがいました。
ベンチにザックを置き、山頂へと向かいます。


 
ほぼ平坦に5分ほど歩くと・・・「大室山頂1587m」到着。
いつも高尾方面から見ていた独立した山はここだったのね。
見ていたイメージと違ったな。もっとごつい感じかと勝手に思っていたけど大らかで落ち着いた印象を受けました。


 
このあたり鹿柵もたくさん。展望はない山頂とのことですが、道志の町が見えていました。

 
山頂で写真を撮ったりしていたら・・この時点で15:00、目指すは「犬越路」ペース上げないと!



THE・丹沢という感じのする笹の登山道をグングン降りていきます。



振り返るとさっきまでいた「大室山」ザックが重くて辛かったのに、下りではもう忘れてる。

 
そろそろかな~・・・雲も多いし段々陽が落ちてきて焦ります。
あ!見えました、「犬越路避難小屋」こんにちは~~


 
っと中は誰もいませんでした。
ウワサどおり素晴らしくきれいです トイレは一旦外に出て隣(様式)とてもキレイ。
山小屋のトイレみたいでした。

この時点で既に16:00を廻りました。
最短距離で用木沢方面に下りれば、18:00台の最終バスには間に合うけど途中で日没になる。
何かアクシデントがあってバス停までたどりつかなかったらシャレにならないので、今夜はここに泊まることにしました。

軽い荷物&普通のCTで歩ける方であれば日帰りコースですが、
私たちは電車とバスを乗り継いで一番早いスタートが9:00、下山時間はギリギリ。
こういう時、避難小屋の存在は嬉しいです。


夕日に染まる「犬越路」と雲に覆われた「檜洞丸」


 
快適な避難小屋で過ごす山の夜は、コンクリートジャングルで暮らす私たちにとっては贅沢な時間。
この日のメニューはマーボ茄子と栗入赤飯&(アマノの)お味噌汁。
食べ終わってもまだ18:00、いつもならまだ会社にいるのにねー(笑)
時間はたっぷり、でも何もすることがない「夜」を楽しみます。


夜には雲も取れ、星空を眺めながら静かに1日が暮れていきました。

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おはよう~ 檜ボラさん!

  
 思ったほど気温が下がらす、小屋内の温度計は0℃ 霧氷は見れませんでした。


 
7:30、普通はこれから「檜洞丸」とか目指すのでしょうが、私たちはゆるゆるなので下山です。
まずは笹の道をグングン降り、ガラガラ岩の枯れた沢を下り・・・


 
ザレ場を通り・・・


 
小さい沢を渡り・・・また派手に崩れているのを見送り・・・



谷間にも段々朝日が差し込んできた。


 
橋を渡ると・・・昨日のスタート地点、用木沢に到着。



そのままバス停へと戻ります。
オートキャンプのコテージはほとんどが埋まってて、まったり朝ごはんの時間。
ご飯の支度の湯気が上がる。朝日が眩しくて気持ちよいなー




自然教室に戻ってきたら、昨日の爽やか兄さんが「お帰りなさい♪コーヒーでも飲んでいきませんか?」
とお誘いを受け・・・時間ギリギリだったのですがせっかくなので。

山が好きでこの仕事を始めたけど、ここに勤務してたら山に行けなくなっちゃった(笑)とおしゃべり。
30年丹沢の山歩いているけど(推定30代なのに!)昔はここも笹に覆われた山だったんです。
だけど鹿が増えすぎて何でも食べちゃうから、笹もなくなり、木々の根もなくなり、
あっちこっちが崩れてしまいとても心配だと仰っていました。
昨日のように狩猟をして1回に10頭捕ったとしても、メス鹿の出産率が高く、狩猟をしてもしても増えていくという現実・・・

他、救助の話や色々な山の貴重なお話を聞かせていただきました



実は中川温泉まで歩いていく予定でいたのが、おしゃべりが止まらなくて・・・
9:15、焦って温泉目指して歩き始めました。温泉までは約1時間ちょっと。

5年前、まだ山をハイキング程度で歩き始めた頃大野山に行って、
雨が降ってガスになって、下山道間違えて沢方面に降りて必死で這い上がったことがあった。
綿のTシャツが雨と汗でびしょぬれになり、着替えすら持っていなくて寒くて中川温泉「ぶなの湯」で温まって生き延びた、
という苦い思い出のあの場所へもう一度行こうと思っていたのです(笑)
今となっては懐かしい思い出。



やっと「ぶなの湯」に着いたと思ったら、温泉のタンク?の上におじさんが・・・嫌な予感。
声をかけたら、
「ごめんねーなんか壊れちゃってお湯が出なくてさ、今日は臨時休業!」

「・・・・・・・・・でたー
なぜいつもすんなり終われないのぉ・・・私たち

よく聞いたら昨日も臨時休業だったとか・・金曜日に電話確認していたのに。
こんな何もないところで放り出されても寒いし、バスは1時間後だし・・・
と言ったら同じエリアの旅館の日帰り温泉に電話してくれて、ほっ。


 
「旅館やまぶき」お湯はまあまあ?貸切だったのでのんびり出来たのがよかったです。


 
バス停まで歩く途中、他に魅力的な宿があったので、次回はそちらを利用しようっと



また丹沢湖を眺めながらバスに揺られ約1時間、新松田駅まで戻りました。


日帰りでも歩けるエリアですが、ゆっくり温泉を絡めて歩くのが好きな私。
週末プチとりっぷで心身ともにリフレッシュできた週末でした。


おしまい。

(又長くなっちゃってスイマセン・・でも文字制限がなくなったみたいgooブログ)