カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

お気楽極楽スノーハイク・黒斑山編

2012-01-25 | ヤマのこと

続きです

その夜、夢を見ました・・・

・・・部屋の窓からは空が見えるのですが、夜中に目が覚めた時、
あんなに降り続いていた雪がやんでなんと!星が出ているのです。
宿の人に「星空の鑑賞会やるから早く集まってー」と言われ外に出ると、
星が弧を描くようにぐるぐる廻っていました。星を眺めながら、
「明日の朝、晴れてたらどうしよう!だってこんなに飲んじゃったんだもん、歩けないよ」
・・・と夢だか現実だか訳わからぬ状態で寝ていた私でした

6:30、目が覚めると外の雪はやんでいましたが、空はまだどんより。
ああ、やっぱり夢だったのね、と起き上がると頭が痛い、やっぱり飲み過ぎだ。
朝湯でも浴びて目を覚まそうと、ふらふら部屋を出ると・・・



昨日は真っ白で何も映っていなかったロビーのライブカメラに、浅間山の姿が

ええーーっどうしよう?行きたかった黒斑山・・・
でも行かない、って決めちゃったし・・・大体この二日酔いでは・・



7:30からは「野鳥の観察会」がありました。
アカゲラには会えなかったけど、数種類の野鳥が見れました・・・が私の頭の中は黒斑山のことで一杯
ゆっくり見学するココロの余裕もなく、外へ出てみたり、天気予報を見てみたり。

部屋に戻り、みんなに「ライブカメラで黒斑山が見えてるんだよ!」と声をかけるも、
「晴れてるのは朝だけじゃないの~?」と当たり前ですがテンション低い。
うん、確かにそうだね、天気予報は雪&みぞれだもんね・・・



とりあえず8:00からの朝食を食べながら考える。
すると窓の外はうっすら日が差してきて、少しだけ青空が見えてきたではないですか

今日のスケジュール変更が可能かどうかを考え、無口になって黙々と食事を取る私。
私が行きたがっているのを知っていたI君(同じく二日酔い・笑)が無口すぎる私に気づき、
「ねーさん、行こう。浅間山、見たかったんでしょ?行こうよ
そして全員意見が一致、黒斑山を目指すことにしました。
(食堂で”星がきれいだったね”という会話を聞いたので半分は夢じゃなかったみたい


そうと決まれば大急ぎでコース変更を宿の女将さんに告げる。
9:00の雪上車で登山口まで行ってくれるとのこと。
出発時間ギリギリの急な変更にも嫌な顔せず対応してくれる、女将さんがありがたかった。

体調がイマイチなのでザックを預け、荷物を軽くして行くことにした。
CTは4~5時間くらい、とのことだった。



9:20、車坂峠で雪上車を降ります。
帰りのお迎え便は14:00、それまでに戻ってこなければ
無理だったら途中まででもいいね、とスタートしました。



「中コース」を登る予定でしたが、昨晩降り積もった雪でトレースがない。
時間的にも身体的にも余裕がないので、トレースのあった「表コース」を行くことに。
(通常なら表コースのほうが時間がかかる)
降りたてもっふもふの雪とカラマツの森を進んでいくと・・・



なんと雲海が
空も明るくなり、景色が見えるようになりました。
昨日は一日真っ白な世界だったので、こんな風に見えていたのかと大喜び
頭は相変わらず痛いけど、テンションはあがります


 
・・・が車坂山あたりを過ぎると急下り。
宿のスノーシュー、登りは良いのですが下りはなかなか上手く歩けない。
ずるずる滑りながら鞍部まで、そして・・・



下りた分、また登りかえし。
目の前にははるか遠くにどーんとそびえ立つ・・・あそこまで登るのかぁ

二日酔いの約二名、ここでもう帰ろうかと真面目に思いました


 
それでもこの朝は気温も高く、無風で帽子もいらないほど。
頬に心地よい程度の冷たい空気の中、右も左も見るもの全てが美しく、来てよかった、と思いました。



登るにつれどんどん天気は良くなり、
振り返ればスキー場、篭ノ登山などが見えるようになっていました。



更に高度を上げれば色んな山が見えてきて・・・あの大きい山は?



シラビソなどの針葉樹林がみんな白いモンスターになって整列してる
とーーってもきれいなで可愛らしい森が眼の前の斜面に広がっていました。
良い山だとは聞いていたけど、こんなに素敵なお山だったのね。




軽い二日酔いの身体はスピードが出ません(笑)暑い暑いという私をI君が気遣って、
私のザックを背負ってくれました。
身軽になって進めー進めー


 
登り始めて1時間40分、やった!見えた!シェルターの手前で浅間山のあたまが見えた。
見たい、見たいと言っていた、浅間山だーー



(ズーム写真:左は登山者・右斜面2頭がカモシカ 後は浅間山の噴煙)
そして前方を見ると、なんとニホンカモシカがいるではないですか!
一度も会ったことがなかったので会いたかったの~~~でも遠すぎて顔が見えない
あそこまで行くのに後何分かかる?ちょっと間に合いそうにありません。


・・・ででででも、あんなとこを登っていくの怖そう・・・



「赤ゾレの頭(槍ヶ鞘)」付近から見る浅間山。でっかーーーい!ド迫力!!



 
山頂目指して進みます。進んでみたら大して怖いところではなかった



はい、頑張って登りますよー! 後ろは今歩いてきた槍ヶ鞘(?)


 
15分ほどで「トーミの頭」到着!ここは遮るものがないのでちょっとだけ風が強くて寒かった。


 
稜線に出たらアイゼンに・・・と言われていたけど、雪がたっぷりなのでそのまま行けそう。
今朝見ていたライブカメラが設置されたところ(火山警報機)を抜けると・・・



キター 11:55、「黒斑山2414m」到着です



やった~ 山頂に着いたら浅間山が隠れちゃったけど嬉し~い
今回は天候不良で登れないだろうと諦めたのに、まさかの天気回復。
寒くも無く無風のコンディションで登らせてもらい、仲間の援護もありここまでこれた。
本当にありがとうの気持ちで一杯でした。



うっすらと陽も差す狭い山頂では、先に着いたお母さん達がランチタイム。
私たちは時間がないのでおやつで終了。
本当はシマシマも見たかった、もっとゆっくりもしたかったけど、これ以上の贅沢は望みません。
下山スノーシューではちょっと怖いので、女子チームはアイゼンに履き替えます。
続々登ってくるので、すれ違いもちょっと大変な場所もありました。



(トーミの頭付近より稜線撮影)
15分ほどの休憩で下山開始。周りはすっかり真っ白な世界になってしまいました。
ラッキーなことに山頂到着までガスも出ず、雄大な浅間山の姿を間近で見られてホント、良かった。
最初の予定通りトレースのなかった中コースを登っていたら、この素晴らしい景色を見れなかったかも。
今回は何もかもが上手い方に転がってくれたみたい、おかしいなぁ・・・



ガスの中、浮かんでいるようなトーミの頭が見えてきました。
あんなところ通ってきたんだー ちょっと雪山みたいでカッコイイね。


 
分岐に戻り、帰りは中コースで下山します。
こちらはほぼ展望のない森の中を歩くコース。



それでも森が切れて眺めの良いところがあり・・・



多分北アルプスとかが見えていたのでしょうね~?素晴らしい眺めでした。


 
その後はなだらかな優しい森歩きで・・・


 
1時間ほどで登山口まで戻ってきました~。
バス停まで行って、また雪上車に乗って宿へと戻りました。




宿では出発前にもう一度温泉に入れるので、再び野天風呂へ。
昨日は何も見えなかったこの場所から、雲海を眺めながら陽の光を受け至福の一湯。


悪天候の予報だったのに奇跡的に穏やかな天気へと回復し、当初の目的も果たせた今回の旅。
全てが上手く行き過ぎて、イベント王としてはなんとなく腑に落ちない点(?)もありますが、
ずっと心に温めていた思い、山の神様が叶えてくれたのかな~、と素直に喜こぶこととします



おしまい。


【交通】東京駅6:50→佐久平8:20 路線バス佐久平8:40→アサマ2000スキー場10:00(往復同じ)
    
【行程】高峯山:高峰温泉→粒ヶ平→高峯山山項→往路戻る (往復約2時間)
    黒斑山:車坂峠→表コース→山頂→中コース→車坂峠(往復約4時間)