諸事情によりウチでは富士山に登る、というのは禁句のようになっていたのですが、
昨年、やっぱり一度は行って見たい、という気持ちになり計画をした。
が、最近ブームの富士登山。
8月に登りたいと思いついたところで、7合目以上の山小屋は9月まで週末全て満室。
富士登山計画は2009年に持ち越しとなった。
★公共機関利用者の悩み
1年間の間に色々作戦を練って(1年も?)みたものの、
前泊したくても仕事が終わってからでは、近辺のビジネスホテルに到着するのも24:00頃。
翌早朝タクシーで1万円以上・・・
公共機関利用では、五合目登山口に着くのが早くても8時台。
帰りのバスの最終が20時~22時頃、間に合わなかったらそこで野宿は、
このトシではあまりに情けない。
やはり日帰りはあまりに無謀と判断し、山小屋に一泊というスタンダードなコース設定とした。
梅雨明け後から台風が来る前の時期、8月の第一週か二週が一番晴天率が高そうと決め、
4月の予約解禁直後に電話予約。
2009.5月の長期予報で「今年の夏は平年並みかやや暑い」と発表したのは誰~
2009夏。連日雨の関東地方。この土日の天気予報も悪かった。
でもこれを流したら、また来年までチャンスはない。
7月の最終週末は強風により8合目以上行くことができなかったらしいから、
曇りだったらヨシ、頂上を目指せるだけでもマシ、なのかも。と雨でも行くことに決めた。
そう、富士山の天気は誰にも解らないと言われているのだヨ、cyu2君・・・
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2009.8.1~8.2 初めての富士登山へ。
【10:50】御殿場駅に到着し、バスに乗り換え、「須走口新五合目」へ到着。
ふじあざみラインは五合目近くなると路駐の車が道路の半分を塞いでいる、その数ざっと100台
(途中で数え切れなくなった・路駐はOKなの?)
おかげでバスのすれ違いに20分ほど待たされ、到着が遅れる。
五合目に着いてから高度順応のため昼食。子供の頃観光で来た富士五合目は吉田口だったのかな?
ここは想像していたよりずっとこじんまりとした登山口だった。
【11:30】
古御岳神社に頭を下げ、出発~!
今回選んだ「須走口コース」スタートは標高2000mと吉田口より400m低い。
が、緑が多く空いている、ということで暑さと人混みが苦手な私はコチラを選んだ。
なるほど緑が多く、いつもの山と同じ感じ。気の早いナナカマドがもう赤くなっていた。
道標の下にあるコメントがお手製でカワイイ。右:外人さんバージョンもあり。
「散歩か」
とダンナからイヤミを言われるくらいゆっくり歩く登る私。いいのいいの。
大体同じような傾斜でゆるゆる登っていくと、樹林帯が切れ、開けてきた。
でも登山道意外何も見えないし、既に汗だくになってる・・・
【13:00】新六合目到着。アレ?ゲンちゃん?(影信山の)じゃない、ビーグル犬。
霧っているが暑いので半袖になる。5分休憩で次へ。
須走口が吉田口と違うのは、山小屋が少ないところ(らしい)
スタートから1時間ちょっとの間は小屋も何もありません。
緑が多く、登山道も広いのでとても快適な登りです。
ダンナは「オマエのペースが遅すぎだからゴミを拾いながら行く」
と、グリーンなんちゃらで袋を頂き、ぶら下げて進みます。
富士山に花が咲いてるなんて思わなかったな~。
ギンリョウソウ、ムラサキメンヅル、ホタルブクロ、小さいクルマ百合、シャクナゲも咲いていました。
【13:51】本六合目瀬戸館到着。ちょっとヨレてます。
新六合目の次は七合目じゃなかったのね・・・。
【15:00】七合目、太陽館到着。
とうとう小雨が降り始めたので合羽になります。でも寒くはありません。
特に調子悪くもないのですが、気休めに酸素のタブレットをカリカリ食べて休憩。
あとは今夜の宿を目指すのみ、GOGO!
前を行く登山者達が後ろを振り返っています、ダンナもなんだか嬉しそうに・・・
みんなの視線の先を振り返ると、ほんの少しですが青空が見えていました。
今日、天気予報では雷とも言われていたけど決行、と決めたときに、
10分でも20分でも青空が見れたらそれでも満足、と思って登ってきました。
【15:45】今夜の宿「見晴館」に到着しました。人生初の標高3200mです。
ここまで約3時間15分(休憩含む)標準的CTでしょう。
が、かなりな汗だくで、こんな曇り空でこの汗なのに、晴れていたら相当辛かっただろうな・・・
と勝手に良い方に解釈するワタシがいます。
小屋に入ると、カワイイ女の子が迎えてくれました。
丁寧に案内され、オーナーの林さんから明日の予定を聞かれます。
一泊二食で¥8000、朝食はご来光ならおにぎり弁当、ご来光を見てから登るなら小屋で、
との案内でした。
ここ須走口は、七合目辺りからどこでもご来光が拝めるルートなのです♪
ここでご来光を拝んでから山頂を目指す方も多いそうです。
当初の予定では、私たちは特に山頂でのご来光を目的にはしていないけど、
あまりに混雑するのはイヤだから、3:00頃出発の時差登山にするつもりで来ました。
どうする?とダンナに確認したところ、小屋も混んでいるし、どうせ眠れないのだから、
早く山頂を目指して下山した方がよいのでは?と言っている。
16:00に小屋に着いているし、ここまで歩いてきてやっぱりせっかく来たのだったら、
お祭り騒ぎといわれる富士山ご来光登山を体験してみるのも良い機会かも!
と私も急に考えが変わり、そこそこの時間に出発することに決めた。
そうと決めたらさ、ビールタイムだ
小屋に着いた時、なんとなく貧血っぽい、視力が落ちた?と思うような感覚があった。
これが高山病の症状か?いや?ただの疲れかも?
と思っていたけど、ビールを飲んだら治った(笑)
そうこうしているうちに、小屋の外が明るくなり・・・外に出てみると・・・
わおっあ、青空がっ!!!
一瞬で消えてしまうかも!と慌てて写真を撮ります。
小屋の前で休んでいた皆さんも嬉しそう!だって、今日初めての青空だもん!!
八合目の小屋が見えているけど、山頂はまだ捉えられない。
すごいすごい!私は今雲を突き抜けたところにいるんだ!二本足で立っているんだ。
ほんのちょっとだけ、虹がかかりました。
こんなに高いところから虹を見下ろすことができるなんて・・・
今日一日、頑張ってきてよかったなー
富士山の天気は誰にも解らないって・・・このことだったんだ。
さっきまでのどんよりとした空がウソのよう。
まるで天空の城にいるような気分・・・
もくもくと綿菓子のような雲の下から、まだまだ登山者達が上がってきます。
雲の間を抜けて歩く気分って、どんなだろう?
刻々と変わりゆく空を見ているとなぜだろう?感動で涙が出そう。
ずーーーっと、ただ、ぼーーーーっと、見ているだけで飽きないこのひととき。
飛行機に乗って見る雲とは全然違う。窓ガラス一枚の差ではないよね、この感覚は。
この雲海の下からの風景しか知らなかった、富士山。
今、自分がその上に二本足で立ち、見下ろしているんだと感じると、
やっぱり日々の悩みはとても小さなことに思えてくるから不思議。
【19:00】今日は山中湖で花火があがるそう。
雲が切れれば、花火を見下ろすことが出来るんだよ、とオーナーさんが言っていたので、
その時間まで待ってみたが、残念ながら雲は切れなかった。
だけどその雲の上ではこんなに美しい月が輝いていた。
明日の登頂を夢見て、カメラをしまう。
だがこの後起こる出来事は、この時には全く予想もしていなかったのだ・・・
つづく。