Mr.Dashのぶろぐ館

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「リーダーは何をしていたか」本多勝一 再読記

2006年10月29日 | 山に関する本やマンガ
9月に新田次郎の「八甲田山死の彷徨」を読んで、パーティを仕切るリーダーと、会社人としての自分に照らし合わせた。共感して、しみじみ、身にしみたことは、当プログでも書いた。

、本多勝一著:「リーダーは何をしていたか」を読んだとき以来の衝撃だった。それで、何年か前に読んだこの本のことを思い出して、もう一度、読み直してみることにした。本棚の奥からゴソゴソと取り出す。

正しい日本語、筋道の通った論旨。改めて本多さんの凄さを感じる。しかし、それ以上に思ったの感想は、以前読んだときとは異なるものだった。

以前は、人を山に「連れて行く」立場として、リーダーの責任がそれほど重いなら、リーダーなんかやりたくないな、というものに近かった。下手に人を連れて行くと、ロクなことないな、という感じ。この考え方は、リーダーとしては逃げの一手だし、「ケガをする人がいたら、その人の技術や体力が足りないのだから、その人のせい」という結論に至ってしまう。

今回の感想は、ずいぶん違うものだった。「リーダーは何をしていたか」に出てくる遭難の事例に対し、「そりゃリーダーが責められて当然だ。本に書かれている人は、本来やるべきことを全然やってない」。というものだ。同じ本を、何年か隔てて読んで、こうも感じ方が違うとは。

ひょっとしたら、この数年で、パーティ登山でリーダーをする自分自身が、少し成長したのか、それともジタバタしない覚悟が備わったのか。

確かに、今は、ひとたび同じパーティになれば、弱い人のために自分がギリギリのところまで生死をかけられる、いや、かけたいとまで思っている。素人当然で、沢登りを10本やって、そのほとんどをオンサイトでリードして、絶対に自分はここで落ちてはならない、死んではいけない、そして、自分が登ったあとは、全員を安全に滝之上に引き上げるんだ、というプレッシャーを、自然に受け止められるようになったようだ。

ただ、まだまだ登山リーダーとしては未熟だ。明らかに技術・体力のないメンバーでも、パーティから切り捨てる勇気がまだ十分に持てない。全体の安全のためには、初めから、パーティのメンバー構成もキッチリ選定しないといけないはずだ。要するに、切らねばならないメンバーもあるということ。この点が、いつまでもつらくて仕方ない。
こういうメンバーに重点を置きすぎるあまり、実力あるメンバーが物足りなく感じていたという「もったいなさ」もある。

今、登山の関係の、ある講習会を受けている最中だ。「我流」でずっとやってきた自分の考えや行動が、どこまで通用するのか。マチガイは謙虚に正し、正しかったことも謙虚に自信として認識していきたい。そして、リーダー登山をもう少し、追求してみたい。

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