以前にMDからシカゴⅦ収録「モンゴヌークレオシース」(JAMES PANKOW作品)について色々とマニアックなことを教えていただきましたが実は1975年にあのイージー・リスニング・オーケストラの大御所パーシー・フェイスがカバーしていたのだ。
時代はディスコブーム真っ盛りの中、パーシーも参戦したという訳ですね。
(シカゴも「ストリートプレイヤー」を発表して賛否両論渦巻きました。)
パーシーの代表作はというと、ほとんどの人達が口を揃えて「夏の日の恋」と言うでしょう。
ところが新し物好きのパーシーは貪欲にこれまでもジャズ、ロックビート、ソウルと吸収しつつ作品を発表。
1975年の時点で67歳のパーシーは自己のアルバムを約80枚(!!!)発表しているのだよ。
その他にも多くの歌手達の編曲や指揮も務めてきたというのだから驚きだ。
さてこの10曲入りのLPには他にもニール・ダイアモンド作品2曲、ポール・モーリアも取り上げた「オリーブの首飾り」などなどがファンキーモード全開でプレイされています。
その中でもやはり「モンゴヌークレオシース」(2:28)は出色の出来。
何といっても一番ハードにラテンロックしています。
トランペットのけたたましい響き(かなりのハイノート)がそれに拍車をかけています。
実は私がこの曲を初めて聞いたのは夜のニュース番組のテーマソングでのこと。
当時シカゴ・ファンの間では相当に話題になりました。
晩御飯時分にいきなりテレビからあの激しいビートのリフとブラスサウンドが連日、飛び出してくるのですから。
それはそれで幸せなひと時でもありました。
しかしそれにしてもめちゃ渋い選曲ですよね。
ヒット曲でもなんでもないけれど、明るく躍動感満点なこの曲。
シカゴは今でもライブでヒット曲「遥かなる愛の夜明け」からのメドレーでこの曲を演奏して会場を総立ちにしています。
「Ⅶ」の解説書でも小倉エージさんが「ビートルズのバースディを彷彿とさせる」と書いていましたっけ。
今のところこの曲をカバーしたのはパーシー以外知りません。
単調で一過性の使い捨てディスコナンバーがゴマンと排出されたけど、それらとは一線を画すパーシーのバージョンは聞き応え十分。