今年、札幌の初雪は戦後、最も遅かったらしく道民はのんびりと冬のお迎えモードかな。
それでも石狩平野を抜けて遠く夕張山脈が見え始めると真っ白です。
二股峠を登りトンネルを抜けると炭鉱の町、夕張入りです。
キーンと染み渡る冷え切った空気にさすが北海道指折りの豪雪地帯・・・と納得。
ついこの間も大雪が降って除雪に大わらわだったそうです。
<<<11月27日(日)11:30 開場 12:00 開演>>>
liberation 20
朝9時半から会場にスタッフや出演バンドが続々と集結。
11時半まで早起き組が軽くウォーミングアップやセッティングに余念がないです。
今回のイベント、ほとんどといっていいくらい告知をしなかったにもかかわらず、蓋を開けてみれば14バンドの参加となりました(常連組、久々組、初登場組と賑やか)。
そのために以前までは午後2時開演で、のんびりと進行していたのですが、今回はその尺ではとうてい収まりきらないため、どんどんとタイムテーブルは前倒しになり、昼の12時にスタートということになりました。
夕張市内は正午になると消防署のサイレンがけたたましく響き渡ります。
これは炭鉱時代の名残なのでしょうか・・・・都会育ちの人たちにはあまり馴染みはないでしょうが夕張っ子たちは当たり前の様に毎日聞いていました、あの空襲警報のような音を。
臆病な子供はアレが鳴るたびに泣いていたとか(笑)。
遊び心を交えてそれを開演合図の号砲に利用させていただきました。
「ラッパ吹きカルテット」
初参加の4人組み。
メンバーの一人がこの後、仕事で東京に行かなければならないためにトップバッターとなりました。
お馴染みラッパ吹きさん率いるサックスカルテット。
ソプラノ、アルト、テナー、バリトンという編成です。
この日の出演者は各自音楽のジャンルがバラエティに富んでいますが一つのユニットでここまで多方面に貪欲に取り込んでいるところはないでしょう。
なんたって演歌からロック、ジャズまでなんでもござれですからね。
シカゴもカヴァーしたデューク・エリントン「A列車で行こう」チェッカーズ「涙のリクエスト」「ギザギザハートの子守唄」「ジュリアにハートブレイク」内山田ひろしとクールファイブ「長崎は今日も雨だった」ビートルズ「イエスタディ」坂本九「見上げてごらん、夜の星を」ラストは「ふるさと」でしっとりとまとめてくれました。
そしてテナーのヒデさんはそのまま、ドラムセットに移動して「たこめいめー公園ず」のはじまり。
このバンドも初登場。
リーダーは夕張清水沢にてメロン店を経営している2代目。
メンバーもその関係者達でファイブペニーのマスターもベースで参加。
このユニークなバンド名は自宅裏にある公園にお子様達が毎日のように遊んでいるそうなのですが、オリジナルでそのように命名したらしく(本当は正式な公園名があるのでしょうね)、このたびそっくりとバンド名に使ったそうです。
好青年、けんたくんによるグランドピアノ弾き語りにはじまり、お次は蛇味線に持ち替えて(彼はマルチプレイヤーです)「なだそうそう」で南国ムードを盛り込む。
加山雄三とヤンチャーズ「ロンリーハーツ」蓑谷雅彦「夢しかなかった」他にもオリジナルソングを絡めてアットホーム漂う演奏を披露。アイバニーズのへヴィーメタルギタリストの若者も安定したソロを弾きまくり。
お次も初登場が続きます「斉藤寛治」さん。
夕張のスナフキンは全曲をオリジナル弾き語りでじっくりと聞かせてくれました。
故郷・夕張に対する愛情溢れる1曲、1曲を丁寧に歌い上げていきます。
「海」「夕張へ帰ろうよ」「シホロカベツ川(この喫茶店のすぐ裏に流れています、炭鉱全盛期は石炭でブラック珈琲のように濁っていましたが今は釣り人たちが訪れる清流に戻りました)」
顔見知りの方も多く見えていたようです。
仕事で多忙の中での参加、ありがとうございました。
盟友でもあり夕張フォーク界の重鎮、おなじみの常連さん「皆川祐爾」さんがサポートギターで加わり、そのまま皆川さんのステージに移行します。
夕張市内に留まらず遠く地方遠征にも足を運んで吟遊詩人人生を謳歌しています。
もうこの方は余裕のライブですね。
ギターソロ、オリジナルソング、そしてほのぼのムード溢れるおしゃべりに心癒されます。
この次は久しぶりに「ラ・フランス」の復活なんていかがでしょうか。
5番目は「anny's」
バンド形態だったerockから数えて3回目の登場。
前回から御夫婦ユニット(南高校OB)に変身して札幌から駆けつけてくれました。仲の良さがこちらにまで伝わってくるようで会場の皆が聞き入っていました(アコギ&ヴォーカル)。
松田聖子「スィートメモリー」レベッカ「フレンズ」ユーミン「卒業写真」美空ひばり「悲しき口笛」そして涙なしでは聞けない「なだそうそう(奥様はとてもこの曲に思い入れがあるそうでこっちまでジーンときちゃいました)」坂本九「上を向いて歩こう(夕張の麓に坂本九記念館があります、観覧料金は無料)」
札幌で喫茶店経営しながら演奏会もちょくちょく行ってるそうです。
毎回、小さな息子さんが応援にくるのですが、この子の成長を見られるのも定期イベントの楽しみの一つですね。
さあ、STAとは今年何度もタイバンを組んだ
「炎魂~fire ball~」
が初来夕です!
小樽を拠点に今年からアクティブに活動していますがリーダー、ヴォーカルのマッちゃんは夕張出身ということでザ・パーティーズの斉藤氏からの紹介でマサが知り合いそれからのお付き合いです。
第3回の時はお嬢ちゃんを連れて遊びに来てくれましたが、その後の幾度にもわたるマサへのまっちゃんの熱いラブコールで今回のイベントが実現したと言っても過言ではありません。
それだけ思い入れのある故郷(南高校OB)への凱旋ライブ。
力の入れようもハンパではありません。
前日にメンバー全員で夕張入り。
実家の隣に合宿をはり夕張名物に舌鼓を打ち温泉でリラックスして気合十分に会場に望みました。
ファミリーの声援の中、燃えるような空間を演出。
B'Zにジギー、彼等のテーマソングのオリジナル(バンド名です)、そしてラストは極め付けディープ・パープル。
「juice」「don't stop believing」「home」「孤独のpunaway」「炎魂~fire ball~」「smoke on the water」
こういう男気溢れる奴がいるということを覚えておいてください!!
がらっとムードを変えて常連さん「はる」 (爽やかな季節から命名)
今回もトリオではなく2人編成。
でも近日中に3人編成復活だそうです。
若さ漲るオリジナル・フレッシュミュージックを元気全開に歌い上げます(夕張に勤務しながら頑張っています)。
生ギター&ヴォーカルにカホン&パーカッション。
メッセージ色濃厚な「今、大切」「スタート」「桜色のキャンバス」。
何度も彼等を見ているオーディエンス達が皆、口々に「はるは物凄く成長したね!!」と驚いていました。
このようにバンドの進化過程を目撃できるのもこのイベントの醍醐味ですね。
「はる」もライブイベントに引っ張りだこの人気者らしく次回彼等のまた一回り大きくなった姿を今から期待しましょう。
この町を拠点に多方面へ出かけているそうですが、バンド練習は今もJR駅構内だそうで、夕張ならではのエピソードですね。
CD-Rも絶賛配布中!!
次に控えしはへヴィーメタル2連発。
初参加の「ワッツ経由」は北高校OBハヤさんがヴォーカルを担当するジャパニーズへヴィーメタルバンド。
「コミックバンドです」と言いながらも骨太な音を轟かせていました。
そんな中、バック陣がソロパートに突入した途端に、バラエティータレントの如く画用紙に書かれたバンド紹介、メンバー紹介、そしてオチに流れるめくり文章で笑いをとるくだりにはやられちゃいました!!
「44マグナム」「聖飢魔Ⅱ」そしてラウドネスのデビューアルバムのオープニングのバンドテーマ「ラウドネス」は強烈の一語に尽きます。
そのまま、ハヤさんはステージに残りベーシストに変身。
「bloody」に引き継がれます。
彼等も3回目の登場。
前回は2人編成によるアコースティックメタルナンバーを聞かせてくれました。
4月の時は夕張選挙当日、しかもブラッディーのドラマー、アツヤ君は立候補して見事にトップ当選を果たしその足で御夫婦で来場、マイク片手にステージで挨拶をしてくれました。
夕張初のへヴィーメタルドラマー議員の誕生です。
で、ここファイブペニーに備え付けられているドラムセットは何とアツヤ君の私物だそうです。
ジャズ喫茶のため、バスドラは18インチなのですが、この日のコンサートの為にわざわざパールの22インチ(バーチ材)を新品購入して置いてくれたそうです。
そしてピアノ講師でもあるアツヤ奥様を迎え入れて5人編成になりました。
ジャーニー「セパレイトウェイズ」ホワイトスネイク「バッドボーイズ」ブラックサバス「ネオンナイツ」MSG「アソールトアタック」レインボウ「ロストインハリウッド」ヨーロッパ「ファイナルカウントダウン」
往年の懐かしい洋楽スタンダードハードロックナンバーの乱射。
3分の2の出演者を終えて次にやってきたのがこれまた初参加の
「secret voice」
女性ベーシストを含む4人組み。
夕張食品会社勤務の若者集団で、はるに負けないくらいのヤングパワー(死語)で会場のムードは一転。
この日、一番の動員を誇りました。
しょっぱなから全員総立ちで全曲のりの良いオリジナルを展開。
ビートのきいた楽曲からラップ調のナンバーまでとてもよく練り上げられたポップロック3曲を披露。
激務の中、時間を見つけては社宅で練習を重ねてきたそうでリハ不足を嘆いていましたがそんあことなかったですよ。
堂々たるステージにアンコールの声が。
結婚したばかりの仲間に捧げる祝福ソング(約束どおり曲のプレゼント。未完成ながらやんやの喝采でした)で締めくくってくれました。
この日、最多出場のヒデさんがドラム担当のマスター率いる
「OH!JEANS!!」
スギさんのスプリングリヴァーブ&超ヴィンテージモズライトが奏でるテケテケサウンドに
包まれて常連さんたちは美味しいお酒を堪能。
本当に「テケテケテケ~~~♪」と弾いただけで拍手がおきるんだからねえ。
加山雄三「碧い星屑」「君といつまでも」オールディズ「悲しき街角」定番のヴェンチャーズ「さすらいのギター」
エレキブームの火付け役だったこれらの大御所の曲を嬉しそうに演奏する3人は一気に10代の頃に思いをはせてとてもいい表情をしていました。
この1960年代の空気を引き継ぐ形で現れたのは、4月に続き2度目の参加
「beer please」
夕張兄貴カートさんをリーダーに活動しているこのバンドは実質的には前回の4月が純粋なデビューだったようで、更なる成長の跡をいやおうなしにでも見せ付けてくれました。
るちゅ&あやのコンビネーションも息ぴったり、
歌におしゃべりにダンスとフロントはこのツイン・ガールズの独壇場。
華麗な衣装も華やかに11曲を演奏(曲が短いのであっという間です)
ハモリもバッチリ「カレンダーガール」あやちゃんの熱唱でエルビス・プレスリー「ハウンドドッグ」オージーンズも取り上げた「悲しき街角」そして驚きのザ・ピーナッツメドレー「恋のフーガ~モスラの歌~恋のバカンス」
続いてはインストでシカゴも取り上げている「キャラヴァン」
ズッキーのテクニカルギター、極めつけはクマちゃんの圧巻ドラムソロ。
本当に凄いバンドになったね。
メンバー間の仲の良さが伝わってきます。
るちゅさんのツイストがかっこいい、そのものずばり「かっこいいツイスト」
ユニークな曲紹介から「恋は曲者」ラストは「素敵な16才」
もちろんアンコールの嵐
無名時代のビートルズが取り上げて有名な「my bonnie」で歓声が起こりました。
ちなみにカートさんからもMASA はこのライブイベントの「今年中に開催熱望メール」を受け取り決断したのでした。
さあ!お待ちかね、夕張が生んだ北海道カントリー界の大御所
「ディーン柴岡」さんの登場です。
いつ見てもディーンさんのステージはとても勉強になります。
時間調整の仕方、スムーズなセッティング、会場と観客のムードに合わせた選曲と軽妙なるトーク。
30分があっという間です。
ディーンさんはこの日、朝の4時まで別の場所でステージを務めていたそうなのですが、そんなことは微塵も感じさせないくらいのクオリティーの高い神々しいくらいのライブを見せ付けてくれました。
プロ中のプロですね。
また曲ごとの語りが絶妙。
江利ちえみ「テネシーワルツ」そして「トゥギャザーアゲイン」「クライングタイム」
なんでもカントリーソングの80%は男が振られる歌だそうですよ。
「ジャンバラヤ」この曲、私はカーペンターズのカヴァーヒットで知りましたが料理の名前だということはこの日に初めて知りました。
「私に人生と言えるものがあるのなら」に続いて名曲「心の夕張」
染み渡ります・・・・。
そうだそうだ、ディーンさん、前回は突然のSTAトラブルで無理言っての2部構成ライブのお願いを心よく受け入れていただきありがとうございました。
あれを無事にクリアできたおかげでこの日があるのです。
また次も渋い喉を聞かせてください。
なんだかんだで一体、どうなることやら・・・と危惧していたこのイベントもたいしたトラブルもなくあっという間に最後のバンドとなりました。
ケンジはミキサー、マサは司会進行と奔走しましたがここからはロックミュージシャンです。
この日、一番うるさく大所帯でやっかいなブラスロックバンド
「the sapporo transit authority」
この日の会場BGMはシカゴニュークリスマスアルバム「33」。
ブラス隊は4人ともお揃いSTAオリジナルTシャツ。
ケンイチは冬仕様の髭をたくわえ、オカチャンはよりスマートになりミツ指導の下、チューニング開始。
***MEMBER***
MASA・・・B VO CHO PER
RONNIE・・・VO CHO PER
MITSU・・・TB PER
NOBU・・・G
KENJI・・・DR CHO PER
OKA-CHAN・・・AS PER CHO
KEN-ICHI・・・TP PER CHO
KEN-SUKE・・・TP CHO PER
~~~SPECIAL GUEST~~~
ZEN-SAN・・・TB PER
RAPPA-FUKISAN・・・TS PER
***SET LIST***
1,FREE(自由になりたい)~CHICAGO
2,QUESTIONS67&68~CHICAGO
3,GET IT ON(黒い炎)~CHASE
4,THAT'S THE WAY~K,C,&THE SUNSHINE BAND
5,MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)~CHICAGO
6,~NOW MORE THAN EVER(愛は限りなく)~CHICAGO
7,I'M A MAN~CHICAGO
8,VEHICLE~IDES OF MARCH
===ENCORE===
9,25OR6TO4(長い夜)~CHICAGO
マサはペーパームーンさん&ビアプリのくまさん製作の似顔絵入りSTAロゴオリジナルⅤネックTシャツを着込んでプレイ。
今回は夏の小樽、岩見沢でも熱唱してくれたダイナマイトヴォイス、ロニーを迎えてのライブ。
よってほぼ忠実に本来のSTAコンセプトに基づいた極上ブラスロックをガンガンに決めまくってみました。(上記セットリスト参照)
体力イッパツ勝負です、この布陣でなければ実現不可能なタフなステージをこなしました。
ブラス隊はミツを中心に一丸となっての吹きまくり。
よく頑張っています。
いろいろなライブ映像を見て研究したかいあって、一皮向けた感アリ。
なかなか堂に入ったこなし技も取得した模様。
しょっぱなから強烈な暴走ナンバー2曲を疾走した後はシカゴのライヴァルバンドの代表ナンバーで有無をも言わさずとどめを刺す。
MCの最中にはおひねりまでいただいちゃいました!!
サーヴィスタイムのディスコでは大合唱に手拍子。
ロニーとマサのコミカルな(?)オオボケやりとりで笑いをとった後は、「4か5」(!)の組曲。
恒例、夕張ゲストのお二方をお招きして(ぜんさん&ラッパ吹きさん)ブラス隊は6人編成に!!
ラッパ吹きさんはトップの出演とトリのゲストなので、その間は何時間もずっと観客として待機していてくれました。
そしてお次の曲は今月、札幌キタエールにてクラプトンとコンサートを行ったスティーヴィー・ウィンウッドの曲。
彼は1960年代のデビュー時には天才少年現る!!と絶賛され数多くの名曲を世に送り出しています。(スペンサーディヴィスグループ、トラフィック、ブラインドフェイス)
シカゴも彼の曲をいくつか取り上げています。
そのウィンウッド来札記念としてラテン系の曲を開始した時、ブラス隊は全員パーカッショニストとして活躍。
オカチャンとケンイチはこの時の為にパーカッションを購入。
各自がそれぞれに用意してきた打楽器を駆使してリズムを繰り出す。
ミツはウッドブロックからイスに腰掛けてボンゴへチェンジ。
両手の指がはれ上がるほどに叩きまくり。
ケンジも豪快にドラムソロでアピール。
メンバー紹介ではロニーのプロフィールに皆が驚嘆。
彼は去年のNHK-BSオヤジロックバンドバトルにて「ベストパフォーマンス賞日本一」に輝き、また占い師として連日早朝STVラジオにて番組の1コーナーを担当しています。
多方面にて名を轟かせているこの男を迎えての最後のとどめの1曲は永遠のごり押しブラスロック。
暖かいお客様達からのアンコールにお答えして見事に有終の美を飾ることが出来たかな!?
帰宅準備をしながら歓談している皆の笑顔が全てを物語っていると思います。
プチ打ち上げでファイブペニーが御馳走してくれたカレーライス、アイスコーヒーにパン、サラダ、フライドポテト、そして最後に振舞われたチーズケーキ、たいへんおいしゅうございました。
五臓六腑に染み渡りました、ご馳走様でした。
special thanks to・・・ikuko&MRpapermoon&sato-san&MRtabigeinin&kan-chan&tsune(muna-sea)&MRtonarinojun-chan&yuki-chanMAMA&MRmitchan&hitomi&teiko&ohineri&sihorokabetsu-river&chicago33!!