THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

HAPPY MAN! SNOW MAN!!

2013-02-26 10:45:40 | リハーサル

夕べの吹雪は凄かったねえ。

スタジオに到着したメンバー達は皆が皆、雪だるま状態(写真は札幌南区定山渓温泉街にて)。

いつものように凍えた指先をストーブで暖めつつウォーミングアップ。

ノブも久しぶりの合流。

「ちょっと間が開くと勘を取り戻すのにどぎまぎしちゃうよ・・・」

シンもロビーでキーボードに降り積もった雪を振り払う。

タツのスーパーカーも、もともとが車高低めだけど馬力があるから雪道もグイグイ押し進む。

ドラマーに返り咲いたケンはこの1週間で相当に個人トレーニングしたらしくその白熱したプレイにマサはしばし感嘆。

タツはニコニコ、ノブはしきりに「あんたはたいしたもんだ。」

もしかしたらここしばらくのドラミングの中でも出色の出来なのではないかなあ。

ミツ直伝の完全シカゴ・パート・スコアをマサが取り出したらタツとノブが食い入るように音符やコードを何度もチェック。

シンも先週から入念に構成をそのスコアで確認済み。

タツはちょっとしたトランペットの疑問箇所をこのスコアで解明してさっそくボールペンで書き込み。

ケンもドラミングの連打部分をマサに2箇所アドヴァイスしてもらい歌詞カードに目を通す。

マサもカウントのタイミング、マイクとの距離、声の大きさをつかみかけてきた。

それにしてもケンは決めパターンを次々にクリアして更にボーカルやコーラスもドンドンとマサから任せられて負担増大だけど貫禄が出てきた。

ドラムソロの展開に聞き入ったマサは3番歌の入り口を一瞬、忘れかけてマイクに慌てて駆け込みセーフ。

ミツがスケジュールの都合がつかず欠席のためにトロンボーン・ソロは何も言わずにタツが担当。

シカゴに限らず大体のロック・ソングってライブよりもスタジオ・テイクってテンポが遅め。

そこは臨場感を考慮してライブ・バージョンを尊重しましょうという結論に落ち着く。

シンは初めて演奏するシカゴ・ソングが今回は4曲もある(組曲含み)。

他のメンバー達も構成を変えた新しいテイクを2つに分解して演じ分けして討論会。

ノブはベースとギターとのコードの違い、マサはスタジオ盤では聞き取りづらかったベース音(他のパートの音も)をカーネギー・ホールから抜粋して解決。

シンはピアノ・ソロ第3弾を初披露。

今までとは趣向をガラッと変えて次に続く曲の性格を重視した模様。

ノブもひたすらにギターを歪ませてワウを踏みつつもペダル操作。

それにつけても何といっても組曲3部作だ。

こいつを皆で集中的に意見交換。

「もっと歯切れよく!」「一瞬たりとも勢いを止めないで、ペースダウンしないで、間を空けないでなだれ込んで。完全コピーにはこだわらなくていいから」「長さはこんなもので」「フェイドアウトはどうするべか?」「回数は??」「お前、高いほう歌ってね!」

ケンも色々と考えて練り上げてきたフィルを叩き出してくれる。

それに皆があわせてみてドンドンと纏め上げていく。

ああ・・早くベースとトロンボーンとのユニゾンを再現してみたいね。

マサもノブと意見が一致したけど「弦楽器運指として弾きにくいフレーズが良く出てくる・・・どこからこういうパターンを思いつくんだろう??」

ここで外の猛吹雪の中で女性ドラマーの車が埋まった・・・との連絡が。

マサはジャンパーを羽織ってマフラーを巻いて手袋とスコップ&スノーヘルパーを手に外へ飛び出していって救出作業(顔見知りのバンドマンたちと車を押し出した)。

その間、STAメンバー達はもう一息の意見調整。

ラスト30分はシン初トライ・ソングを(ケンの肩慣らしとノブの指鳴らしも兼ねて)ぶつ切りではなくぶっ通し演奏。

マサがライブさながらに曲の詳細を紹介。

これで雰囲気は大体把握できたのではないだろうか?

今日からドンドンと気温が上昇するそうで、雪が降ってもサラサラではなくってべた雪とのこと、長い冬ともこれでしばらくお別れです。

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STAN KENTON PLAYS CHICAGO(直筆サイン入りアメリカ盤LP)

2013-02-25 16:45:28 | free form space

トロンボーンのミツがSTAに加入してすぐマサにこのアルバムを教えてくれました。

まったく存在自体知らなかったのですが聞いてみてビックリ。

しかしさすがマニアックなミツです、ジャズサイドからこのような素晴らしい音源をさりげなく紹介してくれるなんて。

内容に触れる前にスタン・ケントンについて。

1911年12月15日アメリカ、カンザス州生まれ、1979年8月25日、満67歳にて没。

ウエスト・コースト・スィング・ジャズ界の巨匠として多大なる変革と影響力を発揮しました。

さてこのアルバムはアメリカはイリノイ州シカゴ、ユニヴァーサル・スタジオにおいてスタン・ケントン・オーケストラとして1974年JUNE4,5,6日のたった3日間で録音されました。

リーダーのスタンはピアノ、そして3人のリズム・セクション以外の15人が管楽器担当のビッグバンド。

もちろんオール・インストウルメンタル、スリリングな演奏を展開しています。

恥ずかしい話、私はドラマーのピーター・アースキンしか知らないのです。

他のメンバー達については、ミツが懇切丁寧に解説してくれることでしょう。

ピーターは22年くらい前、池袋の楽器フェアで見かけましたがスーパー・マリオ似の普通の外人のちょび髭おじさんで、すれ違っても誰も気が付かない・・・。

テクニカル・ドラマー達でもひれ伏すほどの太鼓の達人なのに・・・・。

ウエザー・リポート、ジャコ・パストリアス率いるワーズ・オブ・マウス、スティーリー・ダンなどなど渡り歩いたバンド名を

見ただけでも十分に説得力があるでしょう。

さあ、音源内容ですがLP,A面には全てシカゴを4曲、B面にはBS&Tなどがカバーされています。

言うまでもなく全員が貫禄の火花散る演奏をさらっと余裕で披露。

アレンジもゾクゾクするほどのひねり技満載。

(個人的イメージでデオダートを思い出しましたが、こちらのほうが当たり前ではありますがかなりジャズよりで、デオダートのほうはより都会的なフユージョン・タッチという感触でしょうか。)

シカゴ4曲に焦点を絞って紹介しますと・・・・・まずカバーされているのが「シカゴⅢ」からのみ。

STAの皆がびっくりしていましたが(誰でもそう思いますが)選曲が渋すぎ。

よくぞこれらをセレクトしてくれました、と嬉しくなってしまいます。

まずは「canon(聖典)」J・PANKOW作~組曲エレジーの第2楽章より

シカゴがファンファーレよろしくカチッと収まっていたのに対してこちらのテイクはよりドラマチックに感情の起伏が壮大。

ビッグバンドの利点を効果的に発揮しています。

この曲をカバーしたバンドっていないだろうなあ・・・STAはライブでかなり演奏しましたが。

お次は長尺カバー「mother(母なる大地)」R・LAMM作

ミツがいつかSTAでライブ演奏したい!と夢見ている作品(トロンボーン・ソロが火を噴いている)。

構成はシカゴバージョンをけっこう忠実になぞっていますが、そこはやはりこだわりどころとして怒涛のアドリブプレイ炸裂。

ラテンジャズ風に仕上げてくれていますがこれもカバーを他に聞いたことはないです。

「once upon a time(むかし、むかし・・・)」J・PANKOW作~組曲エレジーの第3楽章より。

オリジナルは美しくもどこか甘く切ない旋律が印象的な曲ですが、スタン・バージョンはシカゴの「フリー・フォーム・イントロ」風ピアノからフルート・ソロ、徐々にビッグバンド・スタイルに盛り上がっていく仕上げ。

改めていい曲だなあ・・としみじみ思いましたね。

これもカバーしたバンドは他には知りません。

最後は唯一のシングル曲「free(自由になりたい)」R・LAMM作

(STAもライブの十八番ですが意外なことにあのテケテケサウンドのベンチャーズがカバーしていて「ライブ・イン・ジャパン」にも収録されています。

バンドカラーがにじみ出ていてひじょうに面白いので聞き比べてみることをお勧めします。)

ピーター入魂のドラムソロから一気にホーン・セクションがなだれ込みそこからはパワー全開、各パートが次々にソロのバトンを渡しあいひねりを加えたエンディングであっという間にA面が終了します。

この勢いは裏面(!!!)でも引き続き維持されてスタケン・ワールドの虜になっている自分にはたと気付く次第です。

いやはやなんともこの時代にこんなアルバムが発表されていたなんて。

ジャズ・フィールドからのシカゴ・テイストに乾杯!!

 

 

 

 

 

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逆光のエゾ鹿&山親父の剥製(定山渓ホテル内ロビー)

2013-02-20 05:43:26 | リハーサル

今月15日発売、大人の北海道人気情報月刊誌「O.TONE」誌にカラー2ページ掲載のSTA記事の反響が物凄い!

あちこちから好意的メッセージをいただいています。(内地からもね)

こういうのって、とても励みになりますね。

 

札幌は異常なくらい雪の量が多い・・・。

うず高く積み上げられた雪山のためにもう雪投げではなく雪上げ作業。

通常は雪祭りが終わると徐々に暖かくなるのにね。

車は埋まるし、ドアはしばれて開かず、折りたたんだドアミラーも元に戻らず、ワイパーもウインドウに張り付いたまま、タイヤハウス内には岩みたいな氷の塊がタイヤを削るしで・・・・うんざりです。

さて小樽エンペラーライブも無事に終了し、次回ホットタイム(3月30日)までは50日のインターヴァルがあります。

疲れた体を癒すために南区の温泉にお出かけしたり(この時もホワイトアウト状態でした)、タツは16日に札幌市民音楽団トランペッターとしてステージに立ちました。

ケンが応援に行ったら(彼はこのジャンルも大好きなんだよね)ゴヘイのF-KINGに会ったそうだよ。

2013年最初のテコ入れ作業を終えて、せっかくの期間だからいろいろとまたセットリストと格闘してみようと思う次第。

スタジオはSTA貸切なのでゆったりのんびりとリラックス空間。

まずはケンがドラマーに返り咲き。

といっても12月までライブで叩きまくっていたから軽いウォーミングアップで慣らしていきましょう。

ケンはヴォーカルの比重も多くなってきているから大変だけど、そういう意味では初プレイ多しのシンも同じこと。

緻密に練り上げられた楽曲を研究するべくマサもスコアを手渡し協力。

結局、この日のリハは新たな2曲のみを徹底的に繰り返し繰り返しプレイ(厳密には組曲なので4曲)。

全てジェームス・パンコウの作品です。

彼はやはり只者ではないですね、さしずめインテリプレイヤー。(普段はとても陽気なアメリカンですが)

そんじょそこいらのぽっと出ロックンローラーには到底なしえない曲作りだ。

トロンボーンなのにいきなりセンスよくハイノートに突き抜けたり(それもさりげなく)、1分ちょっとのインストではころころと相変わらずのリズムチェンジ。

しかもロックにはあまり出てこないようなコード、リズムがビシバシ飛び出してくるさ(タツいわく「このリズムはけっこう難しいよ・・・・」)。

かと思ったらトロンボーンとベースのユニゾン。

コピーしてみて「なんだ?!このメロディは!?でもかっこいい!!」

やたらドラムソロがあるし、これにはケンもメチャ熱くなっていたさ。

しまいにはミキサー方面にスティックを弾き飛ばすパフォーマンス(偶然ね)。

何度も何度も色々なパターンでトライしてみては考え込む。

マサも演奏を止めてアドバイス。

シンもピアノの4つ打ちにとどまらず、センスの良い流麗なるオルガンを絡めてきた(これが妙に心地よい)。

マサとケンが交互にボーカルを兼任して、コーラス部分では高低部分を振り分け。

回数も仮決定したし、あとはエンディングも固めましょう。

というわけでノスタルジーソングと最高の組曲3楽章特別バージョンの仕上げが当面の各メンバーへの宿題です。

 

駐車場に出てみると皆の車が雪を被ってガチガチに凍り付いている。

フロントガラスの氷をヒーターで解凍し、がりがりと削り取って「お疲れ!!」

それにしてもタツのスーパーカーはいかしてるね。

 

 

 

 

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TP-TATSU別の顔!

2013-02-16 17:29:54 | Live告知

トランペッター6人編成。

STAとはまた一味違うタツのプレイを満喫できます。

好評発売中!

チケットのお問い合わせはSTA-TP-TATSUまで!!

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VOL,76 小樽雪あかりの路~協賛イベント~ オールディズライブ5

2013-02-11 06:26:22 | Live Set List

2013/2/10(SUN)・・・8~11日までの開催ですがSTAは10日の出演

会場:エンペラー(小樽市色内1-13 旧手宮線沿い)

4年連続のエンペラー出演ですが去年の北運河以来の小樽ライブ。

この2階建ての建物の中には1階かもめ亭(以前は楽屋でした。シンは出演経験あり)と2階エンペラーの2会場があります。

もちろんSTAは大所帯ゆえ大ホール「エンペラー」ノ舞台に立ちます(10日は12バンド)。

4日間の出演バンドは道内からの選りすぐり合計60バンド!

北海道はここのところ連日の大雪で正直な話、天気が心配だったのですが(以前も豪雪ライブの経験があります)この日は気持ちの良いくらい抜けるような快晴!

でもこの2月という時期はインフルエンザや風邪がもっとも流行するのでメンバー一同用心しています。

実際に過去、数人のメンバーがこの被害にあってとんでもない目にあっています。

う~~ん・・・やっぱりいくら気をつけたり、予防接種していても感染する時はするものです。

この度もメンバー3人ほどが体調不良・・・。

しかもアルトサックスのコノミ嬢が3日前にどうしても避けられない仕事が入ってしまったため出演不可能の事態に陥ってしまいました。

さらに追い討ちをかけるようにライブ当日の朝、今度はトランペットのシゲがやはり高熱のため残念ながら泣く泣く不参加・・・。

それでもその3日間のあいだにコノミ嬢の友人でもミツとも面識のあるミユキ嬢が急遽参加することに決定。

彼女はテナーなのですがスコアの関係上アルトを吹くことに。

もちろんスタジオ&当日のリハーサルはなし、STAのメンバーともミツ以外とは初対面。

こういうシチュエーションの場合だと普通のバンドなら相当にへこむものなのですが、そこは海千山千を幾度も乗り越えてきたツワモノ集団STAの面々。

かえってこの環境を楽しむかのように本来のやる気よりも更に熱気を帯びているかのようです。

 

何度も参加しているイベントともなるとスタッフ、タイバン、音響関係の方達ともすっかり顔なじみ。

久しぶりの再会で盛り上がり握手、そして近況報告、お互いのバンドの情報交換。

STAの企画ライブ「LIBERATION」にも出てくれたミュージシャン等もたくさん来ています。

松原みきの「真夜中のドア」などを歌ったSKY,おなじみのレベッカ・コピー「ラズベリー」も成長著しく嬉しくなってきます、特に可愛いVO/キリコちゃんは人気者、バックも的確にサポート、「くろもり」はボビー・コールドウェル、スティーリー・ダン、デレク&ザ・ドミノス、イーグルス、スタイル・カウンシルと大人のロック、久しぶりの「テイク・オフ」もチューリップの新しいナンバーを導入、「トライベッカ」もレベッカに加えてリンドバーグ、パチスロソングにソロを絡めたメンバー紹介(バックバンドはあのファイアーボールの4人です)、「ラド・マック」はリーゼントに革ジャン姿の若者達でキャロルやロックンロール・スタンダードナンバーを熱演。農繁期以外限定活動の農作業着がステージ衣装の「農協スカパールライスオーケストラ」はそのコミカルなキャラクターにますます磨きがかかっていましたね、もう爆笑の嵐。もちろんハリセンチョップに「魅せられて」「大都会」のオチも健在。個人的には青江美奈の「♪あ・・・あ~~・・・♪」のため息が聞けなかったのがちょっと残念だったけど「君の瞳に恋してる」でダンスフロアがごった返しに。「ホット・ワックス」は粋なスーツ姿のメンバー達(サックスのみ女性)がロカビリーでしめてくれました。

エンペラーはもともとがダンスクラブだっただけに床、ソファー、ミラーボール、天井、そして楽に200以上は収容できるという広さゆえに入場者数が半端ではありません。

ところが今回はそれまでを凌駕するほどの大入り。

休む間もないくらいにドンドンと受付に入場者が押し寄せてきて、あわてて椅子を大量追加する事態となるほど、嬉しい悲鳴です。

 

ミツがミユキ嬢と場所をかえ軽くスコアチェック、しばらくすると戻ってきてマサに「打ち合わせ完了!!」と貫禄のにやり、頼もしいね。

さあてと・・・8人組みSTAは15分押しの中、午後7時35分から演奏開始です。

このステージは3人が初体験・・・・・ミツは例のダニー・セラフィン直筆サイン入りCTA・CAP、マサはトレードマークのテンガロンハット、ヤスはサングラス姿、ノブはここのとろずっとお気に入りのストラトキャスター、タツは白いジャケット着用、シンは本日とてもハッピーな日、ケンはSTAフラッグをティンバレスに貼り付け、ミユキ嬢はぐっとセクシーに。

***SET LIST***(注・今回ももちろん全曲CHICAGO!!!)

1、INTORODUCTION

2、QUESTIONS67&68

3、~FREE・FORM・PIANO・・・SHIN

4、~DOES・ANYBODY・REALLY・KNOW・WHAT・TIME・IT・IS?:::一体、現実を把握している者はいるだろうか?:::

5、~SOMEDAY(AUGUST 29,1968):::流血の日:::

6、SATURDAY・IN・THE・PARK

7、FREE:::自由になりたい

 

***MEMBER***

MASA・・・B VO CHO

MITSU・・・TB

SHIN・・・KB(BIRTHDAY BOY!)

NOBU・・・G

TATSU・・・TP

YASU・・・DR

KEN・・・PER VO CHO

MIYUKI・・・AS

 

スタッフの方々に手伝ってもらいながらのセッティング。

とにかくステージは広いし綺麗だし明るいし機材も充実しているし言うことなし。

一番準備に時間がかかって当然のヤスがめちゃくちゃ早く完了していたのにはマサもびっくり(ツインペダルもあるのに)。

素早い設置もテクニックのひとつ。

ドラムセットとギターアンプは雛壇の上に設けられているため、ヤスは見晴らし良くて気持ちよさそう。

ブラス隊のチューニング、ヤスのウォームアップ、ノブの音出、シンのスタンド組み立てと接続・・・。

時間が相当に押しているので簡単なサウンドチェックを終えたら素早くスーツ姿の専属司会の方に前もって伝達してあったメッセージを読み上げてもらいバンド紹介。 

歓声が沸き起こった中、マサのゴーサインからノブのギターカッティング、ヤスのフィルインが追いかけてきていやが上にも期待感を増幅します。

マサが会場全体に手拍子を要求する中、マイクに向かって「ALL RIGHT,GOOD EVENING, LADIES&GENTLEMEN HEY!YEAH!! SO WOULD YOU PLEASE,GIVE A WARM,WELCOME OTARU EMPEROR HALL,THANK YOU!OK,BABY?ARE YOU READY? WE ARE S・T・A~~~~!!!!」

拍手に迎えられてマサのカウント3つ。

ここから本編スタート。

勢いよく「イントロダクション」のブラスリフが吹き鳴らされて一気に会場全体がSTAワールドに突入。

みゆき嬢もセンターよりのポジションでにこやかに頑張っています。

この曲は地元の小樽や札幌からやって来たバンド仲間達もずっとワクワク楽しみにしていた1曲。

それが初めて小樽の地で初お披露目。

どうだ!と言わんばかりに堂々の展開。

毎回そうですが、もうこの曲1発で会場のほとんどが圧倒されているのがこっちにまで伝わってきます。

STA全員がずっと愛してやまない入魂のオープニング、演奏している自分が言うのもなんですがゾクッと鳥肌が立つほどにカッコいい。

ヤスが独自のアレンジで1番から2番へ移る際のツインペダルが効果倍増。

マサは常にあちこちをうろついてメンバーらにコンタクトをとりまくりアイコンタクトで「どう?この調子でドンドンいくぜい!!」

リハーサルなしなので数箇所にラフな部分があったのは否めませんがそこは迫力と熟練のカワシ技(!?)でクリア。

いつも鬼門となる場所が気持ちよいくらいにかちっとはまったかと思えば、お得意のパートで微妙な状態になったりとまったくもってステージには毎度の事、気まぐれな悪魔が潜んでいるものです。

だからこそこちらもいっそうのこと気を常に引き締め続けて臨まなければなりません。

ちょっとでもスキを見せたものならすかさず足元をすくわれますからね。

まあ、観客にはほとんどわからないバンド内部におけるこだわり範疇のお話なのですが。

演奏している我々がびっくりしたのはこの複雑な進行やリズム、テンポもめまぐるしく変わりムードも多彩(これは3番の歌詞にも出てきます)な曲に観客が目の前で踊り狂っていたこと。

決してSTAはダンスバンドではないですし、踊りやすい楽曲ってあまりないのですがそれでもリズムに乗ってくるくると器用に楽しんでいます。

やっぱり小樽のお客様はノリがぶっとんでいていかしてますね。

(曲と一体になってスイングしていても、またすぐにリズムが変化するのでやりにくいとは思うのですが)

マサのいつもの元気いっぱいMCに導かれてのSTAご挨拶から導かれての「NEXT NUMBER,QUESTIONS67&68!!!」

この曲も内外問わず根強い人気曲。

しかし今のブラスセクションは体力があります。

ここのところのライブではMCは2回ほどしかなくしかも以前のような長尺トークも控えて要約バージョン仕上げ。

つまりはへヴィーな吹き込みが休む間もなく次々と飛び出してくる仕掛けです。

狙いとしては勢いを延々とラストまでキープするということなのですが理想と現実はそう上手く運びません。

肝心の体力が続かなければ夢物語。

それが徐々に数多くの試行錯誤の繰り返しでいい流れが確立しつつあります。

メドレーやソロ、SE、たとえMCを差し込んでも熱気が冷めずに更にヒートアップするようにもっていく裏技。

一度、ここで熱さましの意味もこめて華麗なるシンによるピアノソロ・タイム(ヤスは気配りのスナッピー外し)。

もうひとつのSTAカラーとして次に何が飛び出すのかよほどの通でもないと読めないという事。

この辺も意識的にセットリストを組んでいます。

じらしたり、期待を180度裏切ったりお約束を持ってきたと思ったら怒涛のサウンドに叩き込んだり。

「シカゴの軌跡」の再現で「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」

予断ではありますが最近メンバー内で「その内にシカゴの軌跡を流れでアルバムまるまる演奏したいね」なんていう新しい構想まで沸きあがっています。(これも7割がたは出来上がっていますが)

1曲目共々、この曲にもトランペット&トロンボーンのソロが入っています。

「ビギニングス」にもそれはいえますね。

でもあまりその事実を発見している者がいないのはミツ&タツがいつもさらっとクールにきめているからだと思います。

青筋立てて「ウオ~~!!」ってなあ感じではないですからね。

 最初にも言いましたがお客さんたち、どの曲でも踊りまくってくれます、自由気ままに独自の解釈で。

いやはやありがたいことですね、こっちまで刺激を受けちゃいます。

STAはどの会場でもどのタイバンと組んでも必ずと言っていいほどに浮いてしまいますが(ブラスロックバンドがいないし特殊なジャンルゆえ仕方のないことですが)、それにもっと拍車をかけるような曲「流血の日」のイントロがヤスのシンバルによるリズムによって始まります。

この日はSEは残念ながら使用できませんでしたが、その分中間部分のシュプレヒコールはケンが叫ぶ。

前回よりは進歩したようですがもっともっと熟成期間が必要な曲と痛感した次第です。

そういった事柄を差し引いてみてもミツ、タツ、シン、ヤス達のツボをわきまえたプレイにはいつもながらにしびれます。

誰一人として「俺が、俺が」と我を張ることもなくそれでいてしっかりとおいしいとこどりの燻し銀。

自分の役割をわきまえた上での阿吽の呼吸には感服します。

会場からもそういった事柄を理解している人達からは感嘆の声が自然に沸きあがっていますね。

「残すところあと2曲となりました。その前にこれだけは言わせて!今日はキーボードのシンの誕生日です。皆さん、おめでとうと祝ってあげてください!!」

シン、立ち上がって丁寧にお辞儀をしたくさんの拍手に答えます。

ミツも打ち合わせなしにいきなり即興で「ハッピー・バースディ・トゥ・ユー~~♪」とトロンボーンで旋律を吹き始めたものだからみゆき嬢も満面の笑み。

「それではそのシンによるピアノ演奏で、本日は日曜日ですが土曜日の曲をお送りしましょう!!」

すかさず「サタディ・イン・ザ・パーク」の超有名なイントロをシンが鍵盤から奏でると最前列中央客席からは「OOOHHH!!!!」と感激の雄叫び。

そして一斉にステージ前面のフロアはダンスホールに早代わり。

カメラ片手にフラッシュをたく者、SHALL WE DANCEばりに社交ダンスの見事なステップを踏むカップルも数組見受けられます。

これだからライブって病み付きになってやめられないんだよね。

ピョン、ピョン飛び跳ねながら皆を誘ってSTAに参加してくれる人もいます。

「さあ、泣いても笑ってももうこれが最後です。シカゴでフリー!!!」

ヤスのダイナマイトビートに導かれて本日一番の爆音ナンバーを喉が枯れるまで全力を振り絞っての熱演。

最後はぎりぎりまで引っ張りに引っ張ってマサは右手を振り回しつつもドラム台に片足を乗せて次の瞬間には回転してジャンプでフィニッシュ!

「ありがとうございました!STAでした、また会いましょう、バイバイ!!」

機材の片付けをしていると見ず知らずの男性から声をかけられました。

STAのライブを何度も観戦したことがあるそうで、その圧倒的なステージングには毎回衝撃を受けているとの事。

レパートリーにも精通していてステージ衣装の変遷までよくご存知。「こういったジャンルを演奏するバンドは貴重な宝です。今後も頑張ってください!」

影ながらずっとSTAを気に入ってくれて応援してくれている人達がいるということは何よりのカンフル剤ですね。

またよくスタジオで会う男性は(彼はサックスプレイヤーでSTA旧メンバーともバンド仲間だとか)「動画サイトでSTAはよく知っていましたが初めて生のステージを拝見したらもう言葉にならないくらいのショックを受けました」と握手を求められました。

大好きな「ある晴れた朝(ライトハウス)」を演奏するバンドが札幌にいるということも嬉しいと言ってくれましたね。(シアターブルックがカヴァーしていることまで知っているのだから只者ではないね)

また、ある顔見知りミュージシャンからは「何で長い夜をやらないの?まあクエスチョンズ67&68は聞けたから良かったけど・・・」と言われちゃった。

小樽の街並みは「雪あかりの路」イベントのために観光客で賑わっています。

そんな心温まる情景(外は零下の極寒だけどね)を横目に小樽の街を後にしました。

蟹、いくら丼、うに丼か寿司が食べたいけどラーメンでもいいや(笑)

 

SPECIAL THANKS TO・・・MD&KONOMI&SHIGE&NOZOMI&HITOMI&KEI&YAMA-CHAN&HIKO&KIRIKO&COCA-COLA&THE PARTY'S&DRINK TICKET&P・A STUFF&MR,S!!

 

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4回目の参加、冬の名物ライブ・イベント!

2013-02-10 23:22:44 | Live告知

~小樽雪あかりの路15協賛イベント~ 

小樽雪あかりの路オールディーズライブvol.5出演 

 

<日 時> 平成25年2月9日(土)、10日(日)11(月)の雪あかり祭り期間中、3日間/演奏時間 13:00~21:50

***the sapporo transit authorityは10日(日)エンペラー午後7時20分に登場します!!

小樽、札幌他各地域から色とりどりにジャンル、世代の壁を超越したゴージャスな音楽の素晴らしい祭典です。

 

<会 場>   エンペラー、かもめ亭 (小樽色内1-13 旧手宮線沿) 

   各日15バンド×2会場の合計60バンド

<演奏時間> 30分(バンド転換の10分は別枠)※出演数により変更する場合があります。

入場料金・・・前売り1、500円  当日2、000円(2ドリンク付き)

チケットの問い合わせはメンバーまで。

<主 催>  浅草橋オールディーズナイト実行委員会

 

<協 賛>  小樽雪あかりの路実行委員会

 

<後 援> 小樽市・小樽市教育委員会・小樽商工会議所・(社)小樽観光協会・(社)小樽法人会・(社)小樽青年会議所・北海道中小企業家同友会しりべし小樽支部・小樽市文化団体協議会・北海道新聞小樽支社・読売新聞小樽支局・STV小樽支局・FMおたる・小樽ジャーナル・小樽美容協会・小樽理容組合・小樽公衆浴場商業協同組合・小樽ハイヤー協会・小樽市商店街振興組合連合会

詳細&出演バンドは下段を参照。

お楽しみに!

見に来てね!!

 
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PERCY FAITH DISCO PARTY

2013-02-07 05:56:52 | free form space

以前にMDからシカゴⅦ収録「モンゴヌークレオシース」(JAMES PANKOW作品)について色々とマニアックなことを教えていただきましたが実は1975年にあのイージー・リスニング・オーケストラの大御所パーシー・フェイスがカバーしていたのだ。

時代はディスコブーム真っ盛りの中、パーシーも参戦したという訳ですね。

(シカゴも「ストリートプレイヤー」を発表して賛否両論渦巻きました。)

パーシーの代表作はというと、ほとんどの人達が口を揃えて「夏の日の恋」と言うでしょう。

ところが新し物好きのパーシーは貪欲にこれまでもジャズ、ロックビート、ソウルと吸収しつつ作品を発表。

1975年の時点で67歳のパーシーは自己のアルバムを約80枚(!!!)発表しているのだよ。

その他にも多くの歌手達の編曲や指揮も務めてきたというのだから驚きだ。

さてこの10曲入りのLPには他にもニール・ダイアモンド作品2曲、ポール・モーリアも取り上げた「オリーブの首飾り」などなどがファンキーモード全開でプレイされています。

その中でもやはり「モンゴヌークレオシース」(2:28)は出色の出来。

何といっても一番ハードにラテンロックしています。

トランペットのけたたましい響き(かなりのハイノート)がそれに拍車をかけています。

実は私がこの曲を初めて聞いたのは夜のニュース番組のテーマソングでのこと。

当時シカゴ・ファンの間では相当に話題になりました。

晩御飯時分にいきなりテレビからあの激しいビートのリフとブラスサウンドが連日、飛び出してくるのですから。

それはそれで幸せなひと時でもありました。

しかしそれにしてもめちゃ渋い選曲ですよね。

ヒット曲でもなんでもないけれど、明るく躍動感満点なこの曲。

シカゴは今でもライブでヒット曲「遥かなる愛の夜明け」からのメドレーでこの曲を演奏して会場を総立ちにしています。

「Ⅶ」の解説書でも小倉エージさんが「ビートルズのバースディを彷彿とさせる」と書いていましたっけ。

今のところこの曲をカバーしたのはパーシー以外知りません。

単調で一過性の使い捨てディスコナンバーがゴマンと排出されたけど、それらとは一線を画すパーシーのバージョンは聞き応え十分。

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雪は豊年の瑞

2013-02-06 04:15:43 | リハーサル

札幌雪祭りは猛吹雪の中、開会式を迎えました。

一体全体どこからこんなにも雪が降るんだろう?

あちこちで車がスリップ、追突事故、転んで大怪我する人も。

私もこの間、数年ぶりに自家用車が埋まって出られなくなるも車載してあったスノーヘルパーとスコップのおかげで無事に脱出成功(念のため写真のは知らない人の車だよ、ああ、可愛そう・・・)。

ライブも近いしインフルエンザが流行しているからメンバー達に体調管理をしっかりね、と何度も言っていた自分が風邪をひいてしまいました・・・反省。

今時期はメンバー達も多忙を極めているのですがそれでも8人が終結。

何人かは仕事場からの直入り、本当にご苦労様です。

コノミ嬢を迎えて(彼女はブラスメンバー中1番ノリ!個人でウォーミングアップもバッチリ)シゲも久しぶりの登場。

シゲはもうすっかり怪我も完治して健康そのもの。

ストーブを2台設置して暖房。

ところが熱血漢ヤスはいつもT-シャツ姿、更には扇風機を傍らで回しています(左右に2台使用した時期もありましたね)。

そしてイヤホーンを装着して耳栓として活用しています。

SONYのレコーダーをベストポジションに置いて研究熱心です。

後部モニター専用棚にはヤスの7つ道具箱がいつもSTAを見守っています。

その中からヤスはのど飴(!)、マサはガム(!!)を貰いました。

バスドラム正面に椅子を置いてその上にはケンのTASCAMレコーダー。

まずは6人(ブラス隊はアルトサックス&トランペットの2管)編成で景気よくスタート。

そこへタツが参入。

次いでミツのご到着。

ちょうどトロンボーンソロに突入!!の場面。

ミツ渾身のソロ・・・と思ったらその時、外は猛吹雪。

もちろん途中からの合流メンバーは雪まみれ。

よってミツの愛器もカチンカチンに冷え切っていたために思うように作動しきれず・・・。

やっぱり零下の中での移動は楽器の扱いも相当に神経を使いますね。

でもどんどんとホーンセクションが増えていくのでヒートアップ(いつもコノミ嬢はそこいらのやわな野郎顔負けのパワフルブロー)。

もうスタジオ内はストーブも消して汗だく。

ヤスはここぞと言う時、ベストなタイミングでツインペダルの連打攻撃。

でもこれ見よがしに踏みまくらないところのセンスもうなるものがあります。

そしてダニー・セラフィンによるスネアを中心としたお得意のロールを交えた複雑長尺フィルインをヤスは近々モノにしつつあります。

ダニーの技ってジャズテイスト満載の上に一癖も二癖もあるからとても厄介です。

そこが文句なしにかっこいいし、コピーのしがいがあるってものです。

よく考えてみたら最近のSTAレパートリーにはトランペットとトロンボーンの両ソロが入っている曲がいくつかあります。

もちろんノブの見せ場もおいしいところに用意しているし、シン言わずもがな。

今のメンバー達になってからそういうソロパート、楽曲のバランス、クォリティ、テクニカルそして遊び心とぐっと幅が広がりました。

ヤスの爆裂ドラムが君臨している分、ケンにはヴォーカル&コーラスに比重を置いています。

ケンもパーカッション・プレイでは手袋をしたり素手でヒットしてみたり試行錯誤。

シゲが「やっぱりいい音出したいんなら素手が一番」、そしてボンゴのセッティング角度もアドヴァイス。

ケンの自作スタンドやマイクの取り付け(シュアーのヘッドセット)を見て「なかなかだね!」とシゲはニコニコ。

後半はシゲとコノミ嬢を中心にしての最終調整。

本番さながらに没頭していたのでここいらで冷静に細部変更箇所や微妙な変更パートも逐一伝達。

トロンボーンソロのバックにおけるホーン隊スコアを比較検証。

小樽エンペラーのステージは4回目ですが(ドラムセットのみ雛壇上)今回は初めてブラス隊立ち位置の希望を伝える。

シンのスケジュールがつかず鍵盤不在でしたがその辺はマサが口でピアノのリフを歌ったりしてメドレーのイメージトレーニング。

時々、鍵盤がアクセントになる部分では皆が目印を見失い「???・・・・」となっては大笑い。

というわけでして10日の9人によるSTAの顔ぶれは初です。

いざ、小樽へGO!!!

 

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シカゴの軌跡 LPいろいろ

2013-02-03 07:27:49 | free form space

シカゴが1969年にデビューした際には「the chicago transit authority(C・T・A)と名乗っていました。

セカンドアルバムからは現在のバンド名chicagoに変更。

写真はその唯一のCTAアルバムです。

写真左上は日本最初の発売時の物で帯は上部キャップ方式。

新人が2枚組でデビューということで相当に話題になりました。

前例としては最近ミツのお気に入りでもあるフランク・ザッパ1966年デビューアルバム「フリークアウト」くらいのもの。

レコード会社内部においても、まったく将来どうなるのかもわからない新人バンドが2枚組なんて・・・という予算&セールス面での不安、しかも直前に発売されたビートルズの通称「ホワイトアルバム」2枚組に対抗するかのような真っ黒いジャケットとは思い上がりもはなはだしいと相当反発があったようです。

いざ蓋をあけてみれば大ヒット作、コアなファンに言わせれば最高傑作、今でも必ずステージで演奏される代表曲目白押しという、まあ当のシカゴに言わせれば当然の成り行きという自信があったのでしょう。

2枚組も必要性に駆られた結果とのこと。

1枚には収まりきらないから自然発生的にそのような型に収まったらしいです。

写真上部真ん中はマニアの間では今でも高値で取引きされているQUADRAPHONIC。

日本発売はされていません(同レーベルのバンドやミュージシャン達は日本盤でも発売されていたのに・・・・)。

レーベル面は高級感溢れるゴールド。

写真上部右はこれまた日本発売されていないコアな1枚「ORIGINAL MASTER RECORDING」

レーベル面は白。

写真中段左は通常のアメリカ盤、レーベル面は赤で「360 SOUND STEREO」表示、レコード袋は真っ白い紙製。

写真ど真ん中は同じくアメリカ盤ですがこちらのレコード袋は紙でも数多くのレコード盤広告入り。

レコード番号は同じでもデザインが違います。

またジャケットの紙材質も違います。(一方はつるつるした質感に対して、もう一方は荒くザラつき気味)

写真中段右は貴重なイギリス盤。

レーベル面はオレンジ色。

写真下段左は日本再発盤。

当時のファン達は2枚組のボリュームゆえの価格3600円が相当にきつかったのですが、この緑帯になってからはオイルショックのあおりをうけた塩化ビニールの高騰で更なる値上がりで4000円に。

しかもLPサイズ2枚折りだった豪華歌詞&解説書も1枚ものの縮小版に簡素化・・・・。

最後の盤は日本再々発売でもありアナログ最後の物。

レーベル面はそれまでの白とオレンジのコントラスト・デザインからブルーの雲海フォトに。

 

プロデューサー ジェームズ・ウィリアム・ガルシオ

エンジニア フレッド・カステロ

オール・ブラス・アレンジメント ジェームス・パンコウ

レコーディング 1969 1・20-31(!!!) NEW YORK

LPならではのジャケットに見るロゴの細部にわたる芸術的なる美しさはCDでは絶対に体現できない優越感というもの。

 

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1968年8月29日 シカゴ、民主党大会~流血の日(1968年8月29日)

2013-02-03 04:16:18 | STAのレパートリー

原題 PROLOGUE,AUGUST 29,1968~SOMEDAY(AUGUST 29,1968)

記念すべきシカゴの2枚組(!)デビューアルバム「シカゴの軌跡(THE CHICAGO TRANSIT AUTHORITY)」収録。

1969年発表、全米最高17位、年内にゴールドディスクに認定される(デビュー作のみバンド名はシカゴ・トランジット・オーソリティ)。

その中でもハイライトともいうべきこのメドレーからなる楽曲はニューロック界、ブラスロックにおいても相当実験的、革新的な作品だ。

LPでいえば2枚目のD面1,2曲目、CDでは10,11曲目に収録。

まずはシカゴ育ての親ともいえるプロデューサー、ジェームズ・ウィリアム・ゲルシオ作の「1968年8月29日、シカゴ民主大会」で幕を開ける(0:57)

1968年8月29日、シカゴで行われた民主党大会で当時のハンフリー大統領候補の演説の一節「GOD GIVE US THE BLOOD TO KEEP GOING(神がそれに負けないくらいの勇気を与えてくれるだろう)」と反戦・黒人問題のデモ隊を警官隊が蹴散らした時の群集による合唱シュプレヒコール「THE WHOLE WORLD'S WATCHING(世界中が見守っているぞ)」を録音、2本のテープを繋ぎ合わせて編集したものです。

(ゲルシオはビートルズの擬音効果を活用したレコーディング技術に並々ならぬ刺激をうけブラスロックの元祖とも言えるバッキンガムスの楽曲にすでにそれをプロデュースワークの一環として実験的に導入していました。その発展系としてここに反映されたといえるのかも。)

警官隊の「GET OUT HERE(出て行け!)」が編集部分。

そしてその後のシュプレヒコールがそのまま次の曲「流血の日(1968年8月29日)」の序奏となっていきます・・・・。

作者はロバート・ラム&ジェームズ・パンコウ(4:13)。

初期シカゴはよく反体制的メッセージバンドといわれていましたが実のところ、政治色濃厚な曲は数えるほど。

この「流血の日」のような楽曲におけるインパクトがそうとうに強烈だったのも過激なイメージに拍車をかけたのではないでしょうか。

そのぐらいに思われても決して大げさではないくらいに反戦に対するストレートな歌詞がリスナーの感性に突き刺さってきます。

「君の周りを見渡してごらん。そして何が見えるか言ってくれ。憎しみと恐れに満ちた顔・顔・・・。

何か騒ぎが始まる予感、君が顔を伏せるのはその意味がわかるから?それなら急いで!あいつらが君を捕まえる前に。地面に押し倒された君はその意味がわかるだろう。どれだけ僕等がこの時を待ち望んでいたか。君達にわかってもらうために僕等がどんな風に死んでいったかが・・・。(大意)」

この曲、初期段階ではラブソングだったという事実に驚いてしまいます。

緊張感みなぎるイントロ・・・シンバルの不気味なリズムに引き続き重く重なるベース、フィードバック奏法のギターに不安感を助長するピアノ、ついでヒステリックに覆いかぶさるブラスセクション、一転テンポアップしてからの本編。

最初から最後まで聞く者に息つく暇も与えず完璧ともいえるくらいの完成度を誇る傑作。

ギター・コードも複雑、ベースラインはポール・マッカートニー影響大のピーター独特のライン(リッスンや一体、現実を・・・にも顕著)、ロバートもビートルズを参考にしたともいえる鍵盤捌き(ちょっとひねりも加えています)。

それでいてしっかりとシングルヒット性も加味されているところなんかはさすが(ロバートいわくこの頃ヒット曲を意識的に製作したことはなかったそう。長い夜ではヒット狙いに取り組んだらしいですが)。

ちなみに中間部では再び例のシュプレヒコールが再登場、と場面展開がめまぐるしいくらいに込み入っています。

STAミツはずっとこの曲を演奏するのを夢見ていたほどに惚れ込んでいました。

文句なしにかっこいいもんね。

2013年1月20日クラップスホールでその夢も現実のものとなりました。

ちゃんと事前にリハーサルを入念に行いSEとして「シカゴ民主党大会」もミキサースタッフに依頼して流してももらいました。

(SEはケンがCD-Rに編集して製作)

照明も「戦場風に」と注文。

初期シカゴを当時から聞き込んでいた観客にも好評を得ていましたし、それを知らない人たちも確実に度肝を抜かれていた御様子。

ご本家シカゴもデビュー時から1970年代前半まではライブで好んで演奏していました。

初来日3公演においても2日目、大阪フェスティヴァルホール(1971年6月14日)のみ4曲目で披露しています。

この日に生「流血の日」を体験した人達、羨ましい・・・。(さすがにSEは流していないようです)

尚、最終日の東京日本武道館公演6月16日は当時のライブフォトを観てもわかるとおり(テレビカメラがステージ前方に数台陣取っています)テレビ放映されました。

それを見た人達も羨ましい・・・・今となっては幻の映像です。

最後に、この「流血の日」はここ日本のみシングルカットされています。(4枚目、長い夜の次のシングル。ジャケットはデビューアルバムと同じ)

海外では「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」をA面シングルとしてカットし、大ヒット。

ところが日本では「一体、現実を・・・」はB面、「流血の日」をA面、つまりは両面がヒット曲なんですね。

しかもその「流血の日」を大胆に編集していまして2:48に短縮。

ただ単にイントロやエンディングをカットしたわけではなく、いきなりエンディングの一部がイントロに登場するという掟破りなEP(私はシングルを最初に聞いていたので後からアルバムバージョンを聞いたときのショックと言ったら筆舌に耐え難いほどでしたよ)。

もちろん未だに未CD化。

シングルレコードをターンテーブルにのせる時の真ん中の穴がシカゴはこの盤まで三つ又になっていたのでEP用アダプターは必要なかったです・・・・と言っても現代っ子(!!!おお、私語)には何のことやらでしょうね(笑)

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