THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

chicago map jacket

2014-03-29 15:08:49 | CHICAGO

シカゴのアルバム・ジャケットで似たようなデザインがあります。

片や日本国内企画ものだから海外では認知されていませんが。

「軌跡」~「シカゴⅦ」までのオリジナル・アルバムからのヒット曲を中心としたベスト・セレクション2枚組ボックスでまとめあげられたCBS・SONY恒例の限定豪華特別企画の4年目にしての最終もの。「ニュー・ギフト・パック・シリーズ」。全21曲収録。

地図が描かれたジャケット、その中心やや下部に位置するウィンディー・シティー「chicago」の文字からシカゴ・ロゴがアメリカ国旗を滲ませながら飛び出しているという私個人的にはこの4年連続のギフト・パックでは一番のお気に入りジャケットです。こういうわかりやすいのは見た瞬間に「かっこいい!」と思っちゃいます。

 

そして1977年発表の全11曲収録オリジナル・アルバム「chicagoXI」

テリー・キャス在籍ラスト盤です。このアルバム・ジャケットを見た途端に「あれ!?ギフト・パックと同じデザイン・コンセプト・・・・」と思いました。

ジョン・バーグらコロンビアは日本で以前にこういうジャケット物が出ていたことを知らなかったのかなあ・・・。

こちらはグッと渋めのデザインで見開きジャケットの裏面にまで地図が延長されて描かれています。

「ライブ・イン・ジャパン」で初めて披露されたテリー作「ミシシッピー」がスタジオ・テイクとしてオープニングを飾っています。こちらのほうが洗練されたアレンジで断然イカシテいます。

イントロでのテリーによるファンキーなギター・カッティングはさすがのノリで歯切れよくワクワクしてきますね。テリーの笑い声が切ないですが・・・。

ジミー作の「永遠の愛」では「ボビー、御免なさい・・」と謝りを入れつつ彼自身がピアノとボーカルを披露。リーも自身の作品でボーカルを披露「今度こそは」、ここで聞かれるテリーのギター・ソロは彼の膨大な傑作プレイの中でも突出していると私は思います。決して弾きまくりではなく感情がそのまま指板上で表現されているような芸術の域にまで達したかのような感あり。

テリーがシカゴデビュー期、一緒にツアーを共にして多大なる影響を受けたことは絶対に間違いなしと思われるジミ・ヘンドリックスばりのエネルギッシュなギターが冴えわたる「無情の街」

シカゴ初期の特徴でもある政治に対する風刺的内容を盛り込んだボビー作「僕の公約」

「僕を大統領に選んでくれたらいいこといっぱい、あんなこと、こんなこと実現しちゃうよ!」と皮肉たっぷり。

映画「グライド・イン・ブルー」を彷彿とさせるボビー作「ポリスマン」もサンバのリズムにのってオシャレ感覚なサウンドを聞かせてくれます。

ピーター作で「愛ある別れ」の延長上に位置するファースト・シングル・ヒット曲「朝もやの二人」

ストリングスも華麗に配し、ビーチボーイズからは故カール・ウィルソンもコーラスで参加。

そして日本では残念ながらシングル・カットされませんでしたが「シカゴへ帰りたい」(EPではエディット・バージョン)

ダニーとシカゴの弟分マデュラからデヴィッド・ウォリンスキーが共作した名曲。ウォリンスキーが後に加入するルーファスからチャカ・カーンがソウルフルな声を轟かせています。ピーターはソロになってからもチャカとデュエット・ヒットを飛ばしています。

ラストに収録されている壮大なる3楽章からなる組曲(前出のダニー&ウォリンスキー作)

テリーの事故死によって追悼シングルになるなんて誰が想像したでしょうか・・・。

テリー魂の熱唱「リトル・ワン(愛しい我が子へ)」は涙なしでは聞くことができません。

 

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INNOVATIVE GUITAR OF TERRY KATH

2014-03-27 03:58:38 | CHICAGO

「オーバータイム」の最後にテリーのことを記載したので、ここで日本未発売の「テリー・キャス、トリビュートCD」を紹介します。

ご存じのようにシカゴのバンド、ミッシング・リンクスにおいて若きテリー&ウォルター、そしてダニーが理想を胸に合流した時点でシカゴのスーパー・ヒストリーがスタートします。

テリーは貧しい農家の子として生まれながらも、家族全員が音楽好きという環境の中、ありとあらゆる楽器を独学でマスター。

下積み時代はセッション・ベーシストとして数度のアメリカ・ツアーを経験したのちにギタリストに転向。ワイルドでテクニカル、その超個性的なギター・プレイスタイルはベンチャーズからの影響が1番大きいというのも頷けます。

J・Wガルシオの援助を受けシカゴ(C・T・A)でデビュー、ギター以外にも作詞、作曲、ボーカル、ベースなどを担当。彼はどうも豪快そのものというイメージで見られがちですが、アルバム収録曲にはアコースティック系の美しく切ないバラードやゴスペル風楽曲、繊細でグッと渋めのブルースなど意外にも多方面の音楽性を披露しています。もちろんジミヘンばりのハードで弾きまくり強烈ナンバーもいっぱいありますよ。ひじょうに残念なことに、彼くらい才能に溢れているのに過小評価されているギタリストはいないでしょうね。

シカゴのメンバーの誰からも愛され尊敬されていたテリーでしたが、1978年1月23日、拳銃の暴発事故で31歳の生涯を終えました・・・。

写真は1996年、シカゴの自主レーベルから発売されたものです。

全14曲入り。もちろんテリーの作品や、彼のボーカル、ギターがフューチャーされているものを中心にセレクト。

「長い夜」「ミシシッピー」はライブ・イン・ジャパンからの音源。

びっくりしたのは、ここでしか聞けないテリーのジングルが収められていること。

「ダイアログ パート1,2」「リッスン」「サウス・カリフォルニア・パープルス」「シャワーの時間:組曲」の4曲でイントロ前のシーンとかが確認できます。これは貴重だあ!!

曲目もめちゃレアというか、よくぞ選んでくれました!と唸りたいくらいのマニアックもの。ラストが「フリー・フォーム・ギター」ですからね!!

ヒット曲はライブ含めての2曲のみ(厳密に言えばアイム・ア・マンを入れて3曲ですが)。

他はアルバムのみでしか聞けない(もしくはシングルB面)ものばかり。よく考えてみたらテリーの作品やボーカルはシカゴのヒット曲のなかでも少ないのです。EPのB面は多いですが。

若い時にはロック・フィーリングにばかり気をとらわれてばかりで、核となる魂の部分がよく理解できなかったテリーの楽曲、歌声も年齢を経て今改めて聞きこむとグッとこみあげてくるものがあって感動しまくり、鳥肌ものです。やっぱりテリーは別格ですね。

 

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寒の戻り

2014-03-25 18:18:59 | リハーサル

やっと春めいてきました。昨日は今年の北海道最高気温を記録、本日もますます雪解けムード。外ではお父さんたちがツルハシを手に自宅周辺の氷割に汗しています。それでもやっぱり夕方を過ぎるとグッと冷え込んできますね。テレビの報道を見ると内地では桜が花開き、早くもお花見シーズンですが。

 

さて、いろいろな意味でも忘れられない伝説(!?)を残したホットタイムでの盛り上がりライブ後、初のスタジオ入りには6人が集合。

やはりというか話題は例のバスドラム・ヘッド破れ事件に集中。1曲目の前半でもうすでにいかれちゃっていたそうです。

何か、ノリがいつも違うなあ・・・とメンバーらが同じ気持ちだったことも判明、その謎も解けてスッキリ。

前回のライブでもそうでしたが、今回も懐かしの曲が復活。「イントロダクション」がレパートリーに加わる前にはもっぱらこいつがオープニングで活躍していました。

「アンチェイン・マイ・ハート」と同じ時期にSTAのセットリストから姿を消していたのです。ミツは去年からこの曲をリクエストしていてマサも頃合いを見計らって今のタイミングでゴー・サインを出しました。とてもナイスなセレクトだ!と皆が大喜び。

それもシンのボーカルとピアノ&タツのペットが存在するゆえのこと。

イメージ的にもピッタリ。思ったとおり。ミツも絶賛していました。ノブも「アンチェイン・・・」の時のシンを高評価していましたが、また同じ気持ちなのではないでしょうか。よくこの短期間で自分のものにしたものだと全員が感心。シンもですがタツもこの曲を演奏するのは初。必死にスコアや音源とにらめっこしながら、トランペットを吹きつつ確認。

他のメンバー達は何度もこの曲にはお世話になっているのですが、いざ数年ぶりに音出ししてみたら「あれ・・・?」と見失う個所が数点あり・・・(自宅個人練習では完璧なのに)。

マサが慌ててスタジオ事務所から白いCDプレイヤーとピン・コードを借りてきて、ミキサーに接続。持参のSTA専用CD-Rを再生。写真がそれです。

「あ、キーボード・ソロとエンディングの回数はこうだったんだ。」と納得。この曲は1、2、3番の歌、ピアノ・ソロと4段階でどんどんと構成が長くなっていくのです。しかも3番の部分は中途半端な長さだし・・・。

練習前半にはまだミツとタツが到着していなかったために、ブラス無しの4人で肩慣らし兼手探り。

いかにブラスを目印に頼っているかという弱点が露呈。ミツはあの赤いプラスチック製P-BONEを持ちこみ。シンは初めて実物を見るらしく興味津津。これをこの日はずっと吹き込んでいました。まったく違和感なし。ユニークな憎い1本。

ドラム・イントロとベースとのリズム・アンサンブルの確認(エンディングのブレイク部分も)。

コーラスがハイトーンでグイグイと高くなって引っ張るので強靭な喉が必要になってきます。油断しているとすぐにへたってしまう・・・。シンもやりがいあることでしょう。

ライブ前半で相当に白熱の布陣体制が確立しつつあります。中間のソロも本来ならばピアノだったのですが、シンはまだ加入していなかったので、そういう時には必ずノブがソロを担当(孤独なんて唯の言葉しかり。他にも多数あります)。

でもこのたび初めて本格的にピアノのアドリブ・ソロが入ったのでとてもオリジナルに肉薄してきました。ミツもワクワク。

エンディングではもちろんノブのお得意なギター・ソロがいつものように飛び出してきます。

2時間の枠組みで3曲を集中的にリハーサル。1時間以上は上記の1曲に取り組みっぱなし。みるみる内にある程度の形にはなってきましたね。

マサがイメージを膨らませて「今回はSTA企画ではなく、ライブハウスイベントだから,MC極力減らしてメドレー形式、繋ぎはミニソロでの展開にチェンジするよ」と提案。

また今までおざなりにしていた怪しいプレイ個所も徹底的にパートをほどいて集中的に納得のいくまで繰り返し演奏。

残り時間も少なくなってきたので、このメンツがいる時には絶対やる未完成品で締めくくり。ごくわずかに微妙だけど成長の兆しはあるのではないかな・・・?

 

「シカゴⅥ」のボーナス・トラックにアル・グリーンとシカゴが共演しているテレビ番組の音源が入っていたことでノブがビックリしたようです。あの時代あたりからシカゴは積極的に外部のミュージシャンと共演、テレビ出演も多くなってきていました。ノブはアル・グリーンがお気に入りだそうで、このことにとても喜んでいました。もう一人のアルといえばアル・クーパーも好きなんだよね。

 

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OVERTIME

2014-03-23 21:57:12 | CHICAGO

カナダのブラス・ロック・バンド「ライト・ハウス」を紹介したのだから、ちょっとここで面白いベスト盤を紹介します。

シカゴの2枚組コンピレーションCD「オーヴァータイム」(全24曲収録)

カナダ製品なのでめったにお目にかかることのない貴重なアルバムです。

当時マニアの間では、まだ幻と言われていた「S・O・S」からも2曲収録。

これだけでもありがたいことですが、私が個人的に驚いたのは1枚目の10&11曲目に「サタディ・イン・ザ・パーク」「ダイアログ パート1&2」のライブが収められていたこと。これが何とあの「ライブ・イン・ジャパン」の音源。丁寧にも1972、大阪JUNE 10-12と記載されています。

ただ意外にも「13」からAOR第2の黄金期にかけての曲が1曲も入っていなくていきなりSOSに飛びます。

でも、ジャケット内にデザインされているメンバー達フォトの中にテリー・キャスも同等の扱いで写っているのが嬉しいことですね。

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LIGHTHOUSE LIVE!

2014-03-23 01:51:45 | CHICAGO

シカゴのライブ盤「アット・カーネギー・ホール」欄でちらっと触れたバンドを紹介します。

カナダのシカゴ、BS&Tと言われた「ライトハウス」がそのバンド。

これもカーネギー・ホールのライブ盤です。

1972年2月6日の録音、LPは日本盤の2枚組、CDはカナダ盤の1枚もの。

全10曲入り。

この時点では10人編成、数多くあるブラスロック・バンドの中でもひときわ群を抜いた大所帯。

1968年カナダ、トロントはオンタリオ州にて結成。もちろんバンド名の意味は「灯台」。数度の

活動停止期間を経て現在も不定期ながらもマイペースにて活動中。

驚いたことに初期の人数は13人。リズム・セクションにはチェロとバイオリン担当が2人、レコーディングにはエレクトリック・バイオリン奏者も参加。これによってジャズ、カントリー&ウエスタンというジャンルにまで手を広げることに成功。その後は幾度ものメンバー・チェンジを経て若干人数が減りましたが、それでも10~11人です。

フルートなどもフューチャーしてよりワイルドで攻撃的なサウンドにもチャレンジしています。

1970年には大阪万博でのライブも好評を博し、ここ日本においても知名度を上げました。そこで同じ舞台を踏んだ日本が世界に誇る伝説のバンド「フラワー・トラヴェリン・バンド」を見い出してカナダに呼び彼らの海外デビュー作「メイド・イン・ジャパン」制作に大きく貢献しています。

ライトハウスはアルバムを相当の枚数、発表していますがこの「カーネギー・ホール」は彼らにとって初のライブ音源。

そしてやはり何といっても代表曲は1971年24位を獲得した「ワン・ファイン・モーニング(ある晴れた朝)」でしょうね。

シカゴでいえば「長い夜」的ポジション、ここのライブ盤でもラスト前で演奏しています。

ただしスタジオ・バージョンとは構成がちょっと違います。ちなみにEPはご多分にもれずシカゴの「長い夜」に負けないくらいに大編集されています。STAもよく好んでライブで取り上げてもいます。

私が初めてこの曲をFMラジオで聞いた時の興奮は今も鮮明に覚えています。「これはまるっきり初期ハードだった頃の、シカゴだあ!!」

ボーカルのボブはすでに故人ですが、他のメンバー達はあらゆる方面にて多忙を極めています。

その中でも1番の出世頭はサックスを担当していた元メンバー、ハワード・ショアでしょう。映画通の方ならば彼の名前にピーンとくるはず。

かなりのヒット映画作品の音楽を作曲、もっとも有名なところでは「ロード・オブ・ザ・リング」があります。

 

 

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CHICAGO VS CHAGE&ASUKA

2014-03-22 22:27:57 | CHICAGO

似ているジャケット・シリーズの決定版。

夜の大都会にそびえ立つスカイスクレーパー。

角度といい、ロゴの位置や大きさ、地上の細部に至るまでビックリするくらいに酷似。ジャケット裏は全然デザインが違いますが・・・。

 

シカゴ13はバンド最大の問題作。ディスコに走った!と大騒ぎになったものです。1979年発表。ギターのドニー・ディカスはこの後に「バッド・アティチュード」という理由で解雇されます。

プロデューサーは前作に引き続き故フィル・ラモーン。このジャケットは昔、小林克也氏のVJで「ベスト・ヒットUSA」という洋楽番組がありましたが、あのオープニング・シーンでアルバム・ジャケットがドミノ倒しになる中に「13」もありましたね。

シングルは「マスト・ハブ・ビーン・クレイジー」(B面はアルバム未収録曲。ドニーがスティーブン・スティルス在籍時に発表したセルフ・カバー「クローサー・トウ・ユー」)、そして今でもクラブ系のサンプリングやらで引っ張りだこの「ストリート・プレイヤー」

この12インチは今も超高値で取引されています。2012年の来日公演で本邦初演奏。最高の盛り上がりでしたよ。

全10曲いり。「パラダイス・アレイ」はシルベスター・スタローン主演の同名プロレス・サクセス・ムービーとしてボビーが作ったものですが結局は映画には使用されなかったもの。

私個人的には「ウィンドウ・ドリーミン」が一押し。文句なしのブラスロック。ピーターがドスのきいたボーカルを披露。このかっこいい曲を作ったのは意外にも(失礼!)ウォルター・パラザイダーとリー・ログネネイン。

紙レコード袋に写っているメンバー達がまるでファッション・カタログにモデルのようでほほ笑ましい。ウオルターのカーリーヘア、ボビーの裾ゴム、ピーターのピアスが当時は話題に。

13という数字、欧米においてはとても不吉な数字と言われていますがシカゴは全く気にしていなく、それどころかピーターとボビー共に13日生まれのためにかえって気に入ってるそうです。

 

チャゲ&アスカの「黄昏の騎士」は1982年発表の10曲入り。思わずジャケ買いしちゃいました(笑)

私はSTAライブがモダン・タイムである日、昼の部でチャゲアス公演を月寒グリーン・ドーム(今は何て呼ぶのかな?)で見ました。風邪気味で雪降る寒い日だったので鮮明に記憶しています。ちょうどその頃、小島ヨシオノ「そんなの関係ねえ!」が大流行している時期で、やたらと飛鳥がその真似をして馬鹿受け。

回転円形ステージから繰り広げられるオーケストラを中心としたアコースティック・コンサートは素晴らしかった。

ジェイソンがリード・ボーカル、ビルがコーラスで参加してカバーした「セイ・イエス」はオリジナルに迫るくらいの感動作でした。本家が演奏した時にはさすがです・・・・横のOLが涙ぐんでいましたね。

ところがその後、活動停止宣言、数年たってやっと再始動するところだったのにどうなっちゃうんだろう・・・・・?

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CD/CHICAGO AT CARNEGIE HALL

2014-03-21 14:33:09 | CHICAGO

シカゴは驚愕の2枚組デビュー・アルバムを1969年に発表後、2作目、3作目までをも二枚組で発表。さらにここでとどまらずに発表されたのが初のライブ・アルバム「カーネギー・ホール」です。

LP時代になんと掟破りの4枚組(!!・・・CDは3枚組)。計測タイム2時間59分31秒。

つまり、2部構成のコンサートをすっぽりそのまま収録した形。1971年4月5日から6日間にわたって開催された記録。

実際には当時のシカゴはステージごとに曲順、曲目が違っていました。場合によってはステージその場の空気で曲が変更になる場合もあったそうです(この時代のロック・バンドの多くがそうでした)。

ただでさえ多くのリスクをしょいこむライブ・アルバム、この素材をこのようなモンスター級の内容で発表したのですから、いかに当時のシカゴ人気が絶大だったかが計り知れるというものです。

通算4作目、1971年11月発表、プラチナ・ディスク獲得。ビルボード・アルバム・チャート第3位。キャッシュ・ボックス誌では見事第1位獲得。

会場は音楽の殿堂「カーネギー・ホール」

1891年5月5日チャイコフスキーが指揮を手掛けたニューヨーク交響楽団公演をこけら落としとして幕開け。当初は単にミュージック・ホールと呼ばれていましたが、その後、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの援助によって改名。ニューヨークにおいて歴史あるコンサート・ホールも老朽化によって解体の危機に瀕しましたがアイザック・スターンの助力でそこから免れることができ現在に至っています。ここはキャパ3000人ほどの小ホールですが、人気絶頂でアリーナ級のコンサートが当たり前だったシカゴが初心に帰るべく、それまでに発表した3作からのアルバムの曲を中心としたライブ盤を発表して一区切りをつける意味合いも含めた重要な初期ターニング・ポイント作。

発表された時は、世界中のロック界から注目を集めていましたね。

誰もがレコード店の棚からこのずっしりと重いボックスを手に買う、買わないは別として思わず唸ったことと思います。しかし、10代のシカゴ・ファンにとっては罪なバンドです。2枚組が3作連続、とどめは4枚組(3枚組案もあったそうです)、その後の「ライブ・イン・ジャパン」「Ⅶ」も、2枚組み。企画ベスト盤でも2枚組み多数。おこずかいが火の車でした。

そんなファン心理を気にかけたシカゴは無謀にもレコード会社社長、クライブ・ディヴィスに直談判してなんと5ドルの発売を希望。結局は12ドル98セントに決定。ここにいきつくまでにはそうとうすったもんだがあったようですが。

音楽以外にもシカゴは装丁を金箔特製ボックス、6枚の巨大ポスター、コンサート・プログラム風カラー・ブックレット、チケットのレプリカなどの仕様を希望。

最終的には畳2畳分のジャンボ・ポスター(私はこれを数えるほどしか開いたことがないです。あれを部屋に貼っている人もいまだかつて見たことないなあ)、白黒カーネギー・ホールのポスター、メンバー7人のカラー・ポスター、シカゴのそれまでのコンサート記録(約300回)付きカラー写真集、そして全米50州選挙人登録の手引き書(!)、日本盤には未発表白黒写真付き全曲の歌詞&対訳。

もし100万セット以上売れなければシカゴが赤字補填するという約束でしたが、結果的には4枚組にも関わらず200万セット近い売り上げを叩きだすのです、凄い!

クラシック以外のカーネギー・ホールにおける連続コンサートでもシカゴは偉業を達成します。

最長日数、最多ソールド・アウト回数、更には、あらゆるジャンルの公演では最大観客動員数、最大の興業収益、最大のコンサート・プログラム売り上げ等一挙に6つもの新記録を樹立・・・凄い!凄い!!。

マサもケンも学生時代にアルバイトに汗水流して、お金が貯まると喜び勇んでこのアルバムを買いにいったものです。7800円…・オイル・ショックの煽りで、その後は値上がり。「8600円」のシールが非常にも帯に貼りつけられているのを何度か店頭で見かけました(さすがにバカ売れするものではないですから大型店くらいでしか遭遇しませんでしたがこの箱は遠目からでもすぐに発見できますね)。

音源の話に戻りますと、1曲だけ新曲が演奏されています。「リチャードと彼の友人達」(ロバート・ラム作)

悪名高きニクソン大統領を忌み嫌うシカゴが病めるアメリカを泥沼に引きずり込んだ彼とその側近達を名指しで痛烈に批判した強烈なるメッセージ・ソング。

誰が聞いてもベトナム戦争を想起するギターのフィード・バック、オルガン、ドラム・スネアのリム・ショットが戦闘機の空中戦や爆撃音、銃撃戦、戦車のキャタピラ音を効果的に演出するというショッキングな内容。(ライブ・イン・ジャパンではより発展形の演出がなされていて、ライノ盤「Ⅴ」のボーナス・トラックではスタジオ・デモが収録されています。ボビーいわくアメリカ公演ではウォルターがニクソンのお面を被っていたとか)

また伝説の組曲「栄光への旅路」は本来4楽章ですがここでは楽章追加で5楽章、ボーカル、歌詞、フルート・ソロなどにも新たなアレンジが加えられています。

ウォルターのサックス・ソロが火を噴き、長大なスケールに成長した「フリー」、テリーのギターソロが圧巻の「サウス・カリフォルニア・パープルス」、長い夜の歌メロがちらっと美しく顔を覗かせるピアノ・ソロ「フリー・フォーム・イントロ」、火花散るブラス・バトル「ビギニングス」、よりヒート・アップした「イントロダクション」(リーの華麗なるトランペットソロ中、他の管2人のひそひそ会話が聞こえます)、ダニーの個性溢れるテクニカル・ドラム・ソロ「火星へのモーター・ボート」、KYな観客に向かって一括するボビーのカッコよさ・・・と聞きどころ満載。

ただ残念なことにシカゴはこのアルバムは高く評価していないのです。後に発表する「ライブ・イン・ジャパン」は手放しで褒めちぎっていますが。

たしかに企画提案の時とは話が違い本番当日は規制厳しくマネージャー兼プロデューサーのジェームス・ウィリアム・ガルシオが逐一、舞台袖に貼りついていて数秒おきに駄目だし、指示を口やかましくまくしたてて、とてもじゃあないけれども思う存分に心からプレイするには辛い状況だったようです。

薄っぺらな音、迫力に欠けるアンサンブル、不安定なリズム隊、ズルズルとだれたソロ・・・と酷評オン・パレード。そこまで言わなくても、と思いますが当事者にしかわからない複雑な葛藤があるのでしょうね。

たしかに、「??・・・」な部分も否めませんが、スタジオよりも大好きなテイクもありますし、リアルな熱狂の渦は申し分なし。

写真の上2つは日本で発売されたもの。CBS/SONYの対訳にはMCまで詳細に書きこまれているのが嬉しいね。これ以降、日本盤は未発売。

下はアメリカ盤。

特筆すべきはやはりRHINO。

よくぞ出してくれました、の驚きのボリューム。

オリジナルにはなかったジャケット・ロゴへのエンボス加工。上記の特典モノがすべて縮小サイズで忠実に再現、封入されています。

もちろん完全リマスター。

最大のプレゼントは4枚目のディスクです。

完全未発表のライブ音源が12曲も収録されています。その中でも貴重なところは「リッスン」「孤独なんて唯の言葉」、テリーの手による隠れたブルース組曲「シャワーの時間」がオフィシャルとしては初めて聞けることです。

ラストの「長い夜」はピーターのベースからあのリフを弾くという掟破りな展開。

これに気を良くしたシカゴは翌年の1972年5月22日から6日間にわたって再度カーネギー・ホールでアンコール公演を行っています。

「黒い炎」のヒットもある飛行機事故という悲劇のブラス・ジャズ・ロック・バンド「チェイス」はカーネギー・ホールに公演を断られてあっさり解散してしまいました。またカナダのシカゴ、BS&Tと言われた「ライト・ハウス」もカーネギー・ホール・ライブ盤を発表しています(LP2枚組、CD1枚は1枚)

最後に、この「シカゴ・アット・カーネギー・ホール」は1986年にボス「ブルース・スプリングスティーン&ザEストリート・バンド・ライブ1975ー1985」が登場するまで、ロック史上最も売れたボックス・セットでした。

そのブルースもデビュー当時、同じレコード会社絡みだったからなのか、シカゴのツアーで前座を経験。しかしスタッフ・サイドから酷い扱いをうけたらしく、よほどそれが懲りたようでそれ以降「もう、ああいう同行ツアーは勘弁してくれ」と強く思ったそうです。

 

SPECIAL THANKS TO・・・HIDEYO ITOH

 

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VOL,91 LIVE HOUSE HOT TIME

2014-03-16 22:55:00 | Live Set List

2014,3,15(SAT)

STA企画イベント LIBERATION 32

雪解けも急激に進み、ようやく待ち遠しい春が目前!というムードになってきました。まあ、この日はいきなり季節外れの雪が吹き荒れていましたが。

ススキノのド真ん中に位置するライブハウス「ホットタイム」も3度目の開催です。

思えば第1回目が2014年10月、東京国際フォーラムにて崇拝するシカゴのコンサートをマサが見た翌日でした。

もう会場のムードも把握した状態なので、リラックスした空気感漂う中、午後3時半よりのんびりと準備に勤しんでみました。

いつものミキサー・スタッフは今回遠方へ出張とのことで、オーナーのケネス氏が直々に卓を操作。

マサとケネスくんは25年くらい前から札幌でへヴィーメタル・ライブで何度もタイバンを組んだり、打ち上げ参加した仲。ついその当時の思い出話に盛り上がって笑いあってしまいました。お互いに若気の至り、諸々あり。

今時期は皆さん多忙の渦中なのに気心の知れた連中(バンドも観客も)たちが続々と足を運んでくれました。

毎度のことながらジャンルもバラエティに最後まで楽しい雰囲気で満足のいくコンサートだったと思いますよ。マサは数年前のモダンタイムでのライブにおいてストラップ・ロックピンの金属摩耗により2度もベース・ギターを床に落下させた経験あり。そろそろ交換したロックピンが再びすり減ってきたので(まだもうちょっとはもちそうですが)新品パーツに交換してスタンバイ。

ミユキ嬢もバリトン・サックスをオーバーホールしたてです(一部パーツに行き違いがあったみたいだけど)。

さあ!それではライブ・レポートにいってみましょう!!今回も生モノならではのハプニングがいくつかあったよ。

 

オープニング・アクトはSTAとは3度目のタイバン、でも毎回場所違いで彼らにとってはホットタイム初登場。

遠路はるばる伊達市から元気いっぱいに駆けつけてくれましたクッシー率いる「DOWN UP BEAT」。(太平洋側の伊達市には雪がないので札幌の雪の多さにビックリしたそうです。)応援団も右サイド前列に鎮座。

超テクニカル集団の彼らは全曲をインストウルメンタルで網羅。

冴えわたる実験的効果も盛り込んで見せる、見せる。

シンはじめSTAも彼らの大ファンです。会場を埋め尽くした観客たちも食い入るように演奏を凝視。

とにかくステージの流れはドラマチックにメリハリつけてセットリストを考えているのですがそこの部分をさりげなく装っているのが憎いですね。もちろんバンド名はカシオペアの曲から命名。

1曲目はシャカタクの「ナイトバーズ」でアダルトに開幕。ピアノの旋律も印象的に本来の女性ハミングはヤマハSGギターで奏でます。

のびやかにかつセクシーに演出。

そこから一転早くもソロ・バトル勃発。カシオペアの「ファイアーマン」。メンバー全員による瞬間芸のような火花散るソロが激しくヒートアップ。見ている方も目で追っていくのがやっとです。いやはや何度見てもすさまじいの一語。脱帽です。御見それしました。

チョッパー・ベースからエフェクターを駆使したディレイによってエンドレス・ソロ。挙句の果てにはベースに負けじとギターでもチョッパーをかましちゃうんですからね、参りました。

3曲目はケンのお気に入りイエロー・マジック・オーケストラの「ライディーン」

フュージョン以外にテクノポップもいけちゃいます。でもしっかり自身のバンドのカラーに染まっていて違和感なし、浮いた感じ無し。

更にR&Bのスタンダード・ナンバー、レイ・チャールズから「ジョージア・オン・マイ・マインド」・・・渋いです。

泣きのフレーズ連発。琴線をくすぐります。

テン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リーが速弾きギタリストの称号を独占、その後高中正義もカヴァーした「ウッド・チョッパーズ・ボール」

こいつは練習したからといって物にできる曲ではありません。

アンサンブルもしっかりしていないと様にならないしね。ラストはフュージョン界の名刺代わりにどうぞ!的カシオペア代表曲「アサヤケ」

名曲ですね、いつ聴いてもやっぱり。ドラマーは本業が御住職、今はお彼岸なので多忙なのですが、快くわざわざ札幌まで出向いてくれて普段は木魚を叩いているところをドラムセットに置き換えてハッスル・プレイ。彼にはこの後のSTAライブにおいて言葉では言い表せないくらいお世話になりました。その件に関してはのちほどSTAライブ・コーナーで・・・。

 

セカンド・アクトの「ADDITIONAL TIME」

バンド名はサッカー用語からつけたとのこと。

ギターのイガラシくんもマサとはなんだかんだ言って古くからの知り合い。タイバンも数回一緒していますね。毎回彼はバンドが違うけど(笑)

前回はヘビー・メタル・バンドその名もずばり「アイアン・メイデンネン」でしたからその都度、ジャンルも相当に違います。

この日は欧米の洋楽を新旧取り混ぜひねりのきいたセレクトで演じてくれました。初耳だったのですがほとんど全員での練習はできなかったらしくて慎重にリハーサルで音出し打ち合わせしていました。ところがステージ直前にベーシストが体調を崩してしまい低音抜きの3人編成で急遽ライブをやるという一大事に。

まあ、ミキサー・サイドでバスドラムの音質に厚み&重みの調整をしてもらったおかげであまり薄いサウンドに陥らなかったのが幸い。

懐かしや、元祖ロックンロール・クィーンのスージー・クアトロ「ワイルド・ワン」でワイルドに幕開け。エキサイティングなドラムのビートが肝ですね。このバンドのドラマーは普段ノビーズというバンドで活躍。STAとは何度も小樽で同じ舞台を踏んでいます。

UFO「オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー」はイガラシくんのメロディアスでエモーショナルなギターが最大の見せ場。ちなみにマサも昔パンタロンズでレパートリーに加えていたことあり。 

今も大物ぶりを遺憾なく発揮しているボン・ジョヴィのデビュー・アルバムに収録されていた「シー・ドント・ノウ・ミー」

もっとこういう曲がスポットを浴びてもいいのですがね。当時はグラスルーツの曲に酷似している、なんて話題になったのです。そこに便乗してグラス・ルーツはちゃっかりとベスト盤を発売して帯には「ボンジョヴィのルーツ・ミュージック収録」みたいなことが記載されていた記憶があります。私は両バンドともに大好きですよ。

お次は故ロバート・パーマーから「バッド・ケース・オブ・ラヴィング・ユー」

こういう選曲がマニアックなこだわりの証明。最後は日本での人気が今でも衰えないくらいに市民権を得た感のあるMR,BIG「スティ・トウギャザー」

ポップロックのヒット佳曲をハイトーン・ボーカルで伸びやかに歌い切ってくれました。左サイド前方からは女性陣達から声援が飛び交います。

コーラスやMCのやりとりに苦慮していましたが、よくぞライブを成し遂げてくれました。

 

ド真ん中に現れたのはこれまたSTAとはタイバン&スタジオでよく遭遇する「number nine」

NO,9からスペルを小文字に改名しました。開演中に駆け込み入りでしたが熟練の技を余すことなくプレイ。6曲中1曲を除いて全曲がオリジナル・ロック。

「サブとノノシカ」のしょっぱなからほろ酔い加減のリエ嬢によるブルージーなギター&パワフルなボーカルをフロントに据えてテッシーらによる鉄壁のリズム隊がグイグイとしのぎを削りあいます。

「ナッシング」でもよく練り上げられている構成に妥協なき痕跡が窺い知れます。

ロックバンド最少人数で成立するのは基本的にトリオが理想的といえます。

しかしミーハー感覚でトライすると即挫折するのは当たり前。

比類なき鍛練とセンスが問われますね。一人でもぐらついている者がいたらもうアウトです。

このバンドは3人3様に個性的で主張するべきところは主張する、盛りたてるところはバックからクールに援護するという、忘れかけていた基本的部分を思い出させてくれます。

「スィート・ペイン」がそれを物語っています。「素顔同盟」を熱唱するリエちゃんに「クリッシー・ハインドかボニー・レィットみたいだね」と話しかけても世代的にキョトンとされちゃうのは仕方のないことさ。「パールのショウタにも似てる」と言ったら「それ男??」「・・・・・」

異色のカヴァーが日本初の100万枚突破した(実質的には130万枚!)アルバム、井上陽水タイトルソング「氷の世界」。

これをファンキーなアレンジに料理して自分たちの物にしていました。

リエ嬢のシャープなカッティングも耳に鋭く挑んできます。「真っ赤な休日」で締めくくり。年季入りまくりのフレットレス・プレシジョン・ベースにサンプリング・エフェクターを連結してダンシング気味に腰をくねらせてグルーブを醸し出すテッシーに拍手。

 

いつものようにバンドの入れ替わり時間にはマサによる司会進行が付きます。

この日はライブDVD-R販売,追加料金で飲み放題、お代わり自由の美味しいカレー・ライス等も交えてアピールしたらこぞって注文殺到。カレー・ライス食べ放題はSTA企画の時だけの特別サービス・メニューなんですよ、これが大評判!ありがとう、御馳走様でした、ホットタイムに感謝!

 

トリ前は最年少バンド「NOISE」がエネルギッシュにやって来ました。

ベースのカツとギターのマーシーは以前にマザースというバンドで出演してくれたことがあります。彼らはホットタイムにSTAライブ見学で来たことはあるけれど出演は初。そしてNOISEとしても初ライブだそうです。

マザース時代よりも平均年齢が低くなったためか選曲も、よりアグレッシブ系に。

前バンド時にも取り上げていたビートルズの「レディ・マドンナ」をユニークなアレンジでお披露目。

伝説のグランジ・ロックバンド、ニルヴァーナから2曲立て続けに「ブリ・ド」、「スティ・アウェイ」。ケンゴのスネア・ワークが軽快にローリング。

山場にきてこれをやらなければ納まらないだろうね、同じくニルヴァーナから最高傑作「スメルス・テイク・ティーン・スピリッツ」

この立てノリ・ジャンプ・チューンは自然に体が暴れだしそうな衝動に駆られますね。後半の3曲は日本が誇るパンク・ロック・バンド、ハイ・スタンダードから3曲。マーシーが唯一歌う曲なのですがNOISEの中でも完成度が1番高いよ。

「ニュー・ライフ」ではカツのボーカルが一段とこなれてきましたね。ベース&ボーカル担当って難易度強でしょう。

4人編成の中でも一番の若手でもあるセンター・ポジションのサイド・ギター&パフォーマーくんはカート・コバーンにならってムスタングを構えていますがギターを始めてからまだ日が浅いそうです。

でも逞しい両腕や胸に輝くタトウーも神々しく一時たりともジッとしていなくて一生懸命に腰を落として大股開きでパフォーマンス。ここで大事件パート2が勃発。

本人は熱中していたのでまったく気づいていなかったんだけれど、いつの間にか過激なピッキングが祟って右手が弦によって切れ血まみれ状態に。カツに言われてよくよく見てみたらピック・ガードにも血しぶきが・・・。

弦も真っ赤。血が滴り落ちています。大熱演の代償か・・・。

後方には淡々としたケンゴ、左右両側には明るくふるまうカツ、片やポーカー・フェイスのマーシー(ステージ映えがいいね!)、中央には躍動感溢れるパフォーマー。

今後の成長にも期待したいところです。カツが会場に向かって「キテレツ大百科って知ってますか?」

もちろん多くの観客が「ハーイ!」

可愛いコロスケが活躍する藤子F不二雄のアニメーションですね。エンディング・テーマのあんしんパパから「初めてのチュー」。これを極上の疾走感追加しての「マイ・ファースト・キス」という英語詩に書き換えて演奏。

とてもほのぼのとしたあの曲だとは思えないくらいに立派なロック・ソングとして存在していますね。

「グランド・ニュー・サンセット」を完奏したらすぐに右手を手当しなきゃあ。

 

ライブを目前に控えているのに喉を痛めてしまってとてもつらい状態のメンバーもいますが各自でウォーミング・アップをこなしたのちに楽屋から一斉に楽器を手に足早に駆け上がったSTA,トリでスタンバイです。

***SET LIST***

1、INTRODUCTION・・・CHICAGO

2、ALIVE AGAIN・・・CHICAGO

3、~FREE FORM PIANO・・・SHIN

4、~SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO

5、UNCHAIN MY HEART・・・JOE COCKER

6、FREE(自由になりたい)・・・CHICAGO

7、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

===ENCORE===

8、MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)・・・CHICAGO

9、~TO BE FREE(今こそ自由を)・・・CHICAGO

10、~NOW MORE THAN EVER(愛は限りなく)・・・CHICAGO

 

***MEMBER***

MASA・・・B VO CHO

KEN・・・DR VO CHO

NOBU・・・G

MITSU・・・TB

TATSU・・・TP

SHIN・・・KB VO CHO

MIYUKI・・・BS

===GUEST===

MIKI(B・N・P)・・・VO  CHO PER

ノブの頼もしい応援団がギター・サイド前面にドッと陣取っています。大所帯バンドのSTAがステージで立ち位置を模索、譜面台、マイク調整している間はこの会場名物の巨大スクリーンが降りてきてロック映像を見ることができます。

決して観客をだれさせないよう徹底したビジュアル設備は大歓迎です。スティービー・ワンダー、スィート、フリートウッド・マック、ロリー・ギャラガー、ハンブル・パイ、マウンテン、アレクシス・コーナー、サンタナなどがこの日のメニュー。

それを見ながら皆が各々で語り合っています。話は尽きないようですよ。

頃合いを見計らって始めるとしましょうか!

会場からは早くもあちこちから歓声が飛び交います。ノブのギター・カッティングが轟くと徐々にスクリーンがせり上がる。

STAが姿を現しました。スモークもフラッシュ・ビームもミラー・ボールも効果満点。盛大に全員でかましていきましょう!!

「イントロダクション」 定番の御挨拶ソング。常にノブには声援がかけられカメラのフラッシュもバシバシ焚かれます。いつもよりもメッセージ色濃厚なマサによるアナウンスは早くもアドレナリン大量噴出だあ。

出だしから絶好調の迫力プレイに会場全体がすでに一つの連帯感に結ばれた感じです。

コロコロとリズムが変化するパートでも客席が一緒にリズムをとって揺れています。ソロはTB→TP→G

この日のブラス隊の3人全員が練習で揃ったことはほとんどないんじゃあないかな?しかも3管ホーンでのサックスにバリトンのみというのも初(このウッドウィンズは桁違いの高額楽器)。ミユキ嬢がSTAの音楽性を考察しての回答がこれです。

ブラスロックの性質上、これは正解ですね。

ミユキ嬢はSTAと飛び入りセッションでは合同演奏経験がありますが(それもかなり前の話)フルでの参加は初です。

彼女、普段はお茶目にふるまっているのですがなかなかの頭脳派。スケジュール調整して本番当日にはいざミツ&タツと対等にはり合ってブローしまくっています。

 本人は決して語りませんが、個人で前もって念入りに研究してきたみたいです。

まあ、管の頼もしい先輩2人が横にいてくれてアンサンブルとしてはとても刺激になったご様子。

ズドーン!と1曲を終えてマサが改めてSTA自己紹介、会場を煽って勢いそのままに2曲目突入・・・・の流れだったのですが、ここでこの日第3弾の事件発生。

バスドラム・ヘッドが大破してしまったのです!!長いライブ歴を誇っていてもこういう事態に直面したのは初。これぞライブという感じですね、リアルに。本当にいつもいいますがステージには魔物が常に巣くっていてこういった悪戯を仕掛けてくるのですよ。

弦、シンバル、スティック、シールド、ストラップ、ピック、ペダル、マイク、バッテリーなどがトラブル発生することはよくあることですが今回のモノは大きさが半端ではないです。しばしライブ中断してバスドラム本体そのものをスペアシェルと交換することになりました。(最初はヘッド交換するつもりでしたがこのほうがタイムロス少ないので)。

ケン、オーナーのケネス氏(彼もハードロックドラマー)、そしてなんとダウンアップビートもお手伝いしてくれました。ドラマー3人が入れ替え作業をしている間はマサがウンチク・トークで場を繋ぎます。これはこれで笑いを交えてよいクッション。

ミユキ嬢のバリトン・サックスの重みを観客2人が実体験するコーナー(!?)もあり和やかなに進行。温かいお客様は神様です。スタンドやマイクを改めて固定して「さあ!大変長らくお待たせいたしました。STAライブ第2部の始まりです!!」

歓声や応援がいいタイミングで絶え間なく聞こえてきます。「シカゴ12枚目のアルバムからアライブ・アゲイン!!」

故テリー・キャスに捧げられたシカゴ復活の狼煙ともとてるこの曲あたりになるとミユキ嬢ももうすっかり肩の力も抜けてSTAに溶け込んできましたね。

ケン&マサのツイン・ボーカルからエンディングはノブのギター・ソロというストレート・ブラスロック。叩きこむようなくらいに勢いのよい曲の後はそのままシンのピアノ・ソロへ。

今回もまた新しいエレピ・ソロを奏でてくれたのですが(これで何パターン目だろう?)一体、シンはどれだけの引き出しを持っているのだろうか?

余韻を引きずったままに「サタディ・イン・ザ・パーク」

メンバーらが「クラップ・ユア・ハンド」のジェスチャーをすると自然に観客席からも手拍子が起りました!

マサは今日のバンド達が客席に問いかけをするシーンを何度も見ていたのでアットホーム便乗とばかりに「この曲を知っている人?」。

この時の客からのリアクションは素早かったなあ。間髪入れずに「朝ズバ!!」と粋なお答え。

そんなコール&レスポンスの中、この数カ月のSTAライブではもうすっかりお馴染となったBNPの歌姫ミキ嬢が合流。

実は彼女からの熱烈ラブ・コールで是非歌ってみたいとのことで、このひと月STA練習のほぼ半分近く費やした曲をここで数年ぶりに演奏。

ダウン・アップ・ビートが「ジョージア・オン・マイ・マインド」をセンス漲るインストでプレイしていましたが、STAもそのR&Bレジェンド、レイ・チャールズのもう一つの金字塔「アンチェイン・マイ・ハート」を取り上げました。

タイトルを告げると「おおお!!」と感嘆の雄叫びが会場後方から漏れ聞こえてきました。「でも我々もちょっとこだわりをもってみてソウルフルにいってみよう!というわけであのジョー・コッカーのバージョンでいきます」と言い放ったらさっきよりも数倍の歓喜の声が。実はシカゴもデビュー前の1967~1968年、BIG THINGからTHE CHICAGO TRANSIT AUTHORITY時代にこの曲をレパートリーに取り上げていたという記録が残っています。

さて、ここはシンの独断場。イントロの重厚なピアノ・ソロ、そこに絡みつくようにいぶし銀のボーカル。マサがヒットするパーカッシブなベースが地鳴りのように這いずりまわり本編突入。本当にこの曲は細部にわたって全員一致団結して取り組んだだけあってけっこう満足のいく仕上がり。

ミキ嬢がスタジオでコーラス・ワーク指導してくれたので実戦では十分に効果を発揮できました。努力した甲斐がありましたね。

「努力は決して裏切らない」

サビのお次はノブによる官能的ギター・ソロ。ミキ嬢が「ギター!ノブさん!!」ここでひときわやんやの喝采。

ノブもいつも以上にピッキングに力が入っています。ミユキ嬢は小樽バンド、クラッシュ・ビートでレイのテイクではこの曲を演奏済みですがジョーのバージョンはお初。これはこれで重厚な仕上がりでいいものでしょ。

エンディングは思い切りタメを効かせた幾重ものボーカルによるゴスペル調でフィニッシュ。ミキさんも納得のフィニッシュ。最近のSTAは初期シカゴ一色だったのでちょっと意外な試み。でもたまにはこういうのも面白いね。

それにこの曲を以前演奏していた頃は正直に言いましてメンバーらは全く納得していなかったのです。ピアノ、ボーカル、コーラスなどあらゆる点で消化不良気味。ノブも言っていたけれどシン加入によって大幅に表現力が広がった感があり絶賛でした。(イントロひとつとっても熟練の技が必要。それを短期間で自分のものにしていました)

ここでじっくりとマサの口からメンバー紹介。一人一人にスポット・ライトを当ててもらい名前を告げると拍手、拍手。ひときわ受けが良かったのがミユキ嬢(彼女はステージから観客とざっくばらんに会話までしてました)、ノブは名前を呼ばれて調子にのってギターソロをプチ弾き。ミキ嬢は出身地の博多弁で御挨拶。

あるSTA女性ファンのお気に入りソングをこの日も巧みに導入しましたが次の曲もその一つ「自由になりたい」

2分強ですが濃厚でまったく息を抜く暇がない殺人ナンバーです。ここでもミキ嬢がマサと柔軟にコーラス参加(ナイスなタイミングでのパーカッションもいい仕事しています)。リード・ボーカルはマサが振り分けた構成でケンがヒステリックに、シンはドスの利いたパートを担当。ずっとおぼろげながらにも構想があったのに実現が困難だった個所が見る見るうちにグレードアップ。

「ラストです。これで最後だよ!25OR6TO4!!」ノブによる有名なリフからもうお馴みとなった恒例の爆発ロック。

ノブのギター・ソロではブラス隊が花道を開いてくれます。この無言の呼吸感が連鎖して感情を燃えたぎらせてくれます。

マサもステップ踏んでジャンプして片足上げて右手を振りまわし猛アピール。ミキ嬢は即興でオリジナルどおりに忠実なるコーラス。今までこの曲はコーラス無しの単独ボーカルだったのですが見事にハモってくれているのでこちらとしても歌いながら鳥肌が立ちました。

全身汗まみれでフィナーレ。即座にアンコール!アンコール!。余力を振り絞って組曲バレー・フォー・ア・ガール・イン・ブキャノンから3楽章合体特別バージョンを熱演。

ダウン・アップ・ビートのメンバーも思い入れたっぷりに見入ってくれています。

最後はマサから本日の全タイバン、ケネス氏はじめスタッフ、そして最後まで一生懸命イベント貢献してくれた観客の皆さまへ感謝のお言葉を。

後片付けを終えたミュージシャン達同志が観客も交えてホットタイムのあちこちで歓談&握手しています。客席や何もなくなったステージ、カウンター、楽屋でと話題も豊富に心地よい疲労感に包まれつつ再会をお約束。ミキ&ミユキの女性御両人もエンジョイして意気投合していたしね。

テッシーは「テリー・キャスはハンブル・パイのスティーブ・マリオットに似てるよね」なるほど随所に共通点がありますしね。ああ、2人とも魂のギター&ボーカリストだった。ダウンアップビートからは「ライブはもちろん楽しかったけど、トラブル処理にもバンド同士がお互いに協力し合って手助けするというのもまた企画イベントの良いところですね。」と心温まるセリフを頂戴しました。

またSTAのハイノート・トランペッター、タツはホットタイム・アンプラグド・ライブに隔月単独アコースティック・ギター(エレアコ・メーカーは愛器TAKAMINE)&ボーカルで出演しているのです。スタッフのチエさんがタツの最新ライブ映像を見せてくれました。

タツらしい玉木浩二の「田園」はじめ和やかな選曲でリラックスしたトーク&ライブの姿を見ていたら、次はぜひともSTAリブレーションに参加してもらいたくなってきましたね。ここでハタと気づいたんだけどすっかり風邪が消え去っていて体調が回復。やっぱりライブが最高の特効薬みたいだぞ!!。

SPECIAL THANKS TO・・・COCA-COLA&KEIKO&CHIKA&CHIE&MR,KENNETH&TOYOTA&MR,ISHIKAWA&DATE&BASS・DRUM・HEAD&SUSUKINO&CURRY-RICE&B・N・P&UFO&POCOAPOCO&MIKI&MOTHER'S&STUFF!!

 

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夜のススキノでロック・イベント開催

2014-03-15 03:16:24 | Live告知

LIVE HOUSE[HOT TIME]

3月15日(土)

札幌市中央区南6条西6丁目 第6旭観光ビル5階

STA企画「LIBERATION32」

5バンドの出演

午後5時半 開場

午後6時  開演

入場料金 1,000円(1ドリンク付き)

その他にも1,000円でカレー食べ放題!

3,500円飲み放題!!(但し、開場から全てのバンド演奏終了30分後までといたします、ご了承くださいませ)等いろいろと飲食関係ご用意させていただいております。

1、THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)・・・シカゴを中心とした迫力のブラスロックサウンドを展開!

2、number nine・・・テッシー、そしてリエ嬢からなるオリジナル・ブルース・ロックを中心とした個性派トリオ、必見、必聴!

3、NOISE・・・マザースのカツ&マーシーのニュー・トリオ。ニルヴァーナ&ハイ・スタンダードを披露。

4、additional  time・・・4人編成のロック・バンドが洋楽コピーを演奏してくれます。

5、DOWN UP BEAT・・・伊達市から3たび参戦の超テクニカル・フュージョン・バンドです。目が釘付けになるよ!

他、決定次第順次アップしていきます。

お楽しみに!!

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ORIGINAL MASTER RECORDING  CHICAGO Ⅵ

2014-03-14 11:53:54 | CHICAGO

シカゴのオリジナル・スタジオ・アルバム「シカゴⅥ」(邦題:遥かなる亜米利伽)は3度目の来日直後の1973年に発表されました。

ジャケットに初めてメンバー達が顔を出したとか(全員髭面)、紙幣をあしらったデザインは造幣局で印刷した(もちろんジョークです)、とか相変わらず話題も豊富にアルバムと共に2曲のビッグ・ヒットも生まれています。

ボビーが来日時にも披露していましたが、電子鍵盤楽器をふんだんに駆使、サウンド面において大きく貢献しています。

内容も「Ⅴ」に垣間見えていたポップ寄り路線を更に踏襲、ファンの間で賛否渦巻きました。

このたび、盤面に高級材質を使用、オリジナル・マスター・テープによりさらなる音質向上を果たしたSACDがアメリカで発売されました(国内未発売)

ボーナス・トラックは含まれていませんがそんなことは全く感じさせないくらいに、見開き紙ジャケットも忠実に再現、シリアル・ナンバー入り(私はこういうのに弱いのです・・・笑)と全体の仕様は高級感にあふれていて大満足です。。

肝心の音の方もテクニカル・プレイ、アレンジの緻密さがより繊細に肉薄してきて迫力倍増、改めて楽曲クオリティの高さに感動です。

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