~~~PART,1からの続き~~~
6、19:50~20:20
BGMはスプリームス、ジャクソン5などのモータウン系。
さてさて、いよいよもってオオトリのTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYの登場時間です。
先述どおり、リハにはメンバーが3人しか集まれなかったので、申し訳ないけれどもマサからスタッフに事情説明をして唯一ブッツケ本番バンドになっちゃった。編成の詳細を記した用紙を手渡し、口頭にておおまかなイメージ伝達は済ませておきました。
あとは全員揃ってライブに望む際に各パートの音出しチェック、公開リハを行うことに決定。
その後は他のバンド演奏を堪能しながら、楽屋裏ではバンド同士がコミュニケーション。
あっち行ったり、こっち行ったりとうろついている内に続々とS・T・Aの面々が到着。
中にはとんでもない事態に陥った者もいたけれども、その辺は割愛。
ほぼ2年ぶりのクラップスホール出演。
でもメンバーや人数、パートは若干の変動あり。
まあ、それはいつもの事だけれども、一番のサプライズはトランペットのタツが直前になって参加正式に決定したこと!
ズラッと集まったホーン・セクションが楽屋でスコアを並べてクニを中心に即席の打ち合わせ。
皆、真剣そのもの。神聖なるこの時間を大切にしないとね。他のバンドマン達もマサに「おお!メンバー全員揃って良かったね!」と喜んでくれました。彼等も陰ながら心配していてくれたんだね。
総勢9人!(提出書類は8人だったけど)。半分以上が管楽器。トランペット3人!
全員野郎ばかりの集団で、ガツンと一発かましてやろうぜい!
S・T・Aの前に出演した「KIISS」はドラムセットをフルで持ち込み。
だから彼等の前後は、会場のドラムとの入れ替え作業があるのです。
それが完了するまでS・T・Aは、舞台の袖にて待機。
情勢を見守りながらも各自でウォーミングアップやら、最後の最後まで意見交換。
ゴー・サインが出たのでマサを筆頭にそれぞれのポジションへ。
この日1番の大所帯。そしてキーボードが入っているのもSTAのみ。
全6バンドとも、ジャンルが被る事なく、ひじょうにクオリティの高い演奏を聞かせてくれて受けていたので身も引き締まる思いでS・T・Aは準備に余念がありません。
立ち居地を即座に決定して(シンがキーボードを左右どちらにするかは、会場によって変わります)ミキサーの支持に従い音出しチェック。
ドンドンと素晴らしいサウンドが確立されていくのが、手にとるように伝わってきます。
スタッフがベース・アンプをできうる限り、後方に下げて広大なるスペースを確保してもくれました。
クセのあるS・T・Aのステージング記録はインプットされている模様。
その後は軽く1曲演奏。つまりは観客の目前でリハーサル。初体験なのでとっても気恥ずかしい・・・。
マサ「これはリハーサルです。時間がかかってしまいまして申し訳ありません。もうしばらくお待ちください。
なにせリハやっていないもので・・・(笑)」何故かリハ演奏で拍手をもらうとは・・・・。
すでにタイム・テーブルの時間ははるかにオーバーしていますが、スタッフの皆さんは嫌な顔ひとつせずにじっくりと対応してくれます。
「キース」までは順調に進行していたのに。
シンとノブがお互いの音を出してチューニング。
「よろずや」オダくんが前方中央テーブルに陣取って絶えずエールを送ってくれます(何故か笑顔が絶えないのね)。
***SET LIST***
1、INTRODUCTION・・・CHICAGO
2、FEELIN’ STRONGER EVERYDAY(愛のきずな)・・・CHICAGO
3、DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IS?(一体、現実を把握している者はいるだろうか?)・・・CHICAGO
4、MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)・・・CHICAGO
5、SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO
6、FREE(自由になりたい)・・・CHICAGO
7、25OR6TO4・・・(長い夜)
***MEMBER***
MASA・・・B CHO VO
KUNI・・・TP VO CHO PER
NOBU・・・G
SHIN・・・KB CHO VO
SEKKIE・・・DR
KO-CHAN・・・TS
EBI-CHAN・・・TB
TATSU・・・TP
KURI・・・TP
やっと準備万端整いました。
それらを見届けた後は、ステージ上のスタッフ2人もサイドの階段を降りていきます。
暗転の中、マサがノブへサインを送ります。
かすかなコード・カッティングのギターが、徐々にボリュームを上げていきながらマサによるアナウンスを虎視眈々と待ちます。すでに会場のあちこちからは歓声とどよめきが沸き起こっています。
一体、今からどんなことが繰り広げられるのだろうか?という期待に胸躍らせているのでしょう。
「ハイ!本当に大変長らくお待たせいたしました!!今からが正真正銘の本番です。泣いても笑ってもこのバンドで最後。
この日一番の大所帯。唯一キーボード&ホーンセクションを要する、なにかとやかましくも賑やかなバンドです。
WE ARE BRASS ROCK BAND!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY!!!1・2・3~~!!」
ズドーン!!「イントロダクション」で開幕。
そうですよ、100%初期シカゴを濃厚にお送りします。
一丸となっての波状攻撃開始の狼煙をマサがカウントによってぶちかましつつも、早速左足を前方のモニター・スピーカーにのせて仰け反りポーズを決めます。
序盤から圧倒的に暴れまくる所存。
リード・ボーカルでは振り絞るように前傾姿勢で大股開き。グッと腰も落としてノリノリ。
広々としたステージを我が物顔で縦横無尽に駆け巡る。
クニはトランペット・パートをクリ&タツにお任せして、まずはタンバリンでのパーカッションに専念。
こういった一連のバッキングが、最高の隠し味として効果を発揮するのですよ。しかしオリジナル音源の隅々まで聞いてるんだね。お次はカウベルにチェンジして感心、感心。
変拍子の直後に突然のブレイク。それまで嵐のごとく吹荒れていたブラス隊とバッキングしばしの沈黙。
すかさずクニがウィンドウ・チャイムを絶妙のタイミングで奏でると、美しい音色が流れてパッと場面が明るくなります。
切り込み隊長を担うのは一番若いエビちゃん。
官能的でメロディアスなトロンボーン・ソロで観客を魅了。そこからバトンタッチしてのトランペット・ソロは熟練の業師タツ。
さすがに安定感あるハイノート・ヒッター。
起伏の激しきフレーズもお茶の子さいさい。
あ!言っておきますがこの2人、スタジオ練習なしの正真正銘ぶっつけ本番ですからね。
信じられないね。こいつら怖いもの知らずさ。涼しい顔して淡々とライブに臨んでいます。クニは控えめに今度はクラベスにてアクセントを演出。
3番手はギターのノブがエキセントリックかつブルージーなチョーキングやハンマリング・オンのフィンガリングに徹して唸りをあげています。
セッキーはクラップス・ホールの前に小樽ライブで2ステージをこなしてからやってきました。なんたるヴァイタリティ。
どこからそんなエネルギーがわいてくるんだろうか?
そんなこと、微塵も感じさせないほどにパワフルなフィル・インを轟かせたものだから、歓喜の声が沸き起こっています。
マサが前後左右にステップ踏みながらエンディングで右腕グルグル回転。
一気にジャンプしてフィニッシュ。
「サンキュウ!改めまして、ザ・サッポロ・トランジット・オーソリティです。皆さん、楽しんでますかあ~~!!??」「OH!YEAH!!」
「13年間ずっと頑固一徹シカゴを中心としたブラス・ロック街道を脇目も振らずに貫き通しています。
こんな感じで最後までガンガンいきますのでヨロシク!」「WAO!!」「NEXT NUMBER・・・・フィーリン・ストロンガー・エヴリディ・・・1・2・3・4・・・」
このミディアム・テンポで重量感漲るシカゴⅥからのファースト・シングル「愛のきずな」は現在も本家がライブで演奏している人気曲。
ピーター・セテラとジェームス・パンコウの2人がお互いの楽曲を合体させたラブ・ソング。
S・T・Aが取り上げるのも久し振り。練習でもかなりの時間をかけて練りあげていきましたが、どうしても走り気味になったり、ビートの箇所がずれ込んだり、バラつきが目立ったりと散々。
まだまだ課題が山積み。荒削りに進行していきながらも大きな事故だけは回避できた模様。
ガッチリまとまればとってもカッコイイ作品なんだけど残念です。
あ!これ観客にはそれほどばれていないけれどね。バンド内では深刻な問題です。
それでもシンとマサ、クニが先導しながら場面展開ごとに刺激を与えます。
時にはアイコンタクトを送ったりね。
後半のへヴィー・パート突入から走りまくっていたけど、それと共にコーラスや迫力面も充実させたいという願望があります。
マサのアイディアでエンディングに多少のテコ入れも施しました。
「デビュー時のシカゴはメッセージ性を含んだ楽曲が多く、単なる惚れた晴れたを歌うバンドとは一線を画していました。
次の曲、イントロのリズムは変態的で長いタイトルは哲学的な意味を歌ったものです。聞いてください・・・原題はダズ・エニー・バディ・リリー・ノウ・ホワット・タイム・イット・イズ。
邦題は一体、現実を把握している者はいるだろうか?・・・・・1・2・3・4!」
最近カウントはマサが発します。公開リハで取り上げたこの曲がこの日一番の難所。
だからリハでも演奏しましたが、やっぱり満足のいく出来には程遠い内容に終始。
ほとんどのエッセンスはイントロに集約されているかのようです。そこにファンファーレのごとく高らかにいななくトランペット・ソロを届けてくれたタツは天晴れだ。気持ちいいくらいに伸びやかだったよん。
コロコロとテンション高くリズムが変化するプログレッシブなる問題作だけれども、とてもやりがいのある古くからのS・T・Aメンバー達お気に入りソングでもあります。
照明も曲の表情やイメージに合わせて点滅を施してくれています。
先月のバーン・ライブではディジー・ガレスピー・タイプのベルに角度付いているトランペットを使用していたクリですが、今回はノーマルなルックスのペットを吹き鳴らしています(といいつつも実はとても手の込んだ楽器だったりして。コダワリ派のクリだからねえ)
鬼門とも言える超難解なる極めつけの曲だけど、マサとクニがかなり以前から話し合っていたオリジナル・ナレーションもしっかりと挿入。
シカゴがビーチ・ボーイズを参考にしたというハーモニーはシン&クニ。マサのボーカルにセンスよく絡んでくれています(ノブも絶賛)。
エンディングは、この日初演奏なのにエビちゃんが2度目のトロンボーン・ソロで華を添えてくれました。
「ど真ん中にお送りするのは数あるシカゴ組曲のなかでも常に最高峰に位置する大傑作。
本来ならばフルでの7楽章を演奏したいところですが、今日は時間の関係もありますので第一楽章のみで。
邦題は・・・ぼくらに微笑みを・・・原題は・・・メイク・ミー・スマイル!・・・・・・(拍手喝采)1・2・3・4!!」
これぞブラスロックの極み、お手本、原点と言われているだけあって何度トライしても勉強になり、新たな発見があります。
またもやイントロでばたついてしまった。一筋縄ではいかない曲だから、油断大敵。舐めてかかると大火傷して足元をすくわれるよ。
あれだけ練習したんだけどね。というかここのところはズッとライブに組み込んでいる曲。ここではシンがリード・ボーカル担当。
マサとクニはコーラスで対応。
ホーン・セクションの中では一番の古株でもあるテナー・サックスのコーちゃんが支柱として君臨。
いつもニコニコ顔で黙して多くを語らない男なのですが、ムード・メーカーだけに皆から頼りにされているみたいだよ。
エンディングでは分厚いホーン・セクションと、けたたましく疾走するギターソロで一旦終了。
観客もここいらあたりになると、やっとリラックスして緊張もほぐれてきたみたいで表情が和らぎつつあります。
メドレーでウィンドウ・チャイムに導かれてシンのピアノが軽快に「サタディ・イン・ザ・パーク」を畳み掛けてきます。
アップテンポでシンコペーションがクセモノなんだけど、ほどよくポップ・テイストが散りばめられたシカゴ初のミリオン。
今ではスタンダード・ソングになった誰もが知っている大傑作。
よくよく見渡してみると皆が皆、とってもシアワセに満ち溢れた眼差しで手拍子しながら歌っています。
歌詞の意味を知らない人もハミングしていますよ。愛されているんだね。
誰だあ!この曲でメロイック・サインを誇示しているツワモノはあ!?
マサはベース・ネックの4弦開放の低音からハイポジション、そして4本の弦をまんべんなく駆使して曲のイメージを表現。
ステージギリギリにまでせりだしてアピール。
もう足元にいる観客とバッチリと目が合います。
「日曜日なのに土曜日の曲をやっちゃいました。これは皆も知っているでしょう?(ウンウンとうなずくオーディエンス)。
じゃ70年前後に1大センセーションを巻き起こしたブラスロックって知ってる?(これには一部の人が賛同)。はい!残すところ2曲となりました。
強烈でやかましいメガトン級のを炸裂させてみせます(チラッと後方確認するとセッキーがいつでもオーケー!と構えている)
フリー!!」
間髪入れずにセッキーのハイハットから発するバックビート。それに便乗して重戦車の突進を彷彿とさせるようなリフがガッチリと折り重なってきます。
シンのボーカル、クニとマサによるコーラスがソウルフルに若者達の心の叫びを代弁するかのように延々と歌い紡がれます。
わずか2分足らずのこの曲ですが、はっきり言って拷問のような構成。
最初から最後まで全力疾走しているようなもの。正直な話、過酷ですが、一度取り組んだら病み付きになってやめられないというクセモノ。
中間部の光速インタープレイが肝。
極限状態でギリギリ綱渡りしながら乗り切った気持ち(エンディングのリピートは1回減らしましたが全然違和感なく、かえってコンパクト化に成功)。
いつもよりもとびきり張り切りすぎて、意識が遠のいちゃう場面もありました・・・危ない、危ない・・・・。
不協和音のノイズが不気味に渦巻く中で「最後です。極上のミッド・ナイト・ソングで締めくくってみたいと思います!25OR6TO4!!」
最後の最後に取り出したるはやっぱりこれ。
「長い夜」をやらなければライブをやり終えた感じがしません。当然でしょうね。
ボツにしたら観客からもブーイングが発せられます。
それに応じない手はないですよね。
やったろうじゃんかあ!S・T・Aが一番演奏しているブラスロック・アンセムがこれ。
心して聞いておくれ。
我々は血管ぶち切れ寸前。
マサがヘッドセットワイヤレスマイクを装着しているのをいいことに、歌いながらステージ狭しと動き回ります。
バス・ドラムに駆け寄りシンバルをキック、手の平でバシバシとヒット。
ギター・ソロ中のノブとは床に膝まづいてヘッド・バンキング。
あらら・・・勢いあまってブラス隊の譜面台がぶっ倒れてしまった。
そんな事態に陥ってるのを横目に更なる過激な行動に発展。
ダック・ウォークでピョンピョンと前面を横切っていったマサが、ベースを垂直に立てて振り下ろしたら終焉の目印。
全員が余力を振り絞って加勢。
マサはベースギターを肩から外して、ベースアンプ上のワイヤレス受信機に叩きつける。
前方に構えているオーディエンスの頭の中のヒューズもスパーク気味。
お次はモニターに「グワン、ギャワン!!」と擦りつけ、それでも納得がいかないのか、今度は観客めがけて乱射「ダダダダ!!」
片膝ついたまま、メンバー全員の方へ振り返って「イエー!!」ズドーン!!
完全燃焼。
ここ数ヶ月のS・T・Aはストイックに調子もよく、並外れた好奇心に駆られて貪欲なまでに研究熱心です。
すこぶる良い傾向だね。
「また会いましょう!最後まで残っていてくれてありがとう!バイバイ!!」
天井一面に張り巡らされているネオンライトがピカピカと綺麗だあ。
BGM「迷信(スティービー・ワンダー)」
楽屋に引き上げると、それまで出演していたバンドマンたちが駆けつけきて「お疲れ様でした!」とねぎらいの声を届けてくれました。
ほとんどが初対面なのに、共通の趣味が琴線を振るわせれば意気投合。
これだから辛い事があっても、バンド活動はやめられないんだよねえ。
来月のライブは毎年恒例の小樽屋外ライブ2本立てです!
乞うご期待!!
あの伝説のS・T・A2代目ドラムが返り咲くのもすでに話題になっていますよ。
VERY SPECIAL THANKS TO・・・MR、KOIZUMI&MR、MURAKAMI&MR、FUKUTI&STAFF&TOMIOKAーSOH&HIDE&BUDBAT'S&HOT COFFEE&TIME’S STATION SAPPORO SUSUKINO&WESS&MR、KATANO&FATHER’S DAY!!!