~~ライブ・レポート PART,1からの続きです。それでは早速いってみよう!!~~
6、12:40~13:05
M-scats
J-POP
札幌から初出演の5人組バンドです。
バンドからのメッセージがあります「結成まだ1年少々で、不慣れな中緊張してミスる事もありますが、みんな頑張りますので!」
全曲を女性シンガーのジャパニーズ・ポップ・ロックで占めたコピー・バンドです。
この日一番初々しきバンドが降臨。
フロントに女性メンバーが2人並んでいるだけでも華やかですね(なんたって13番目に控えしSTAは、完璧なる野郎の集団ですからね)。
聞き覚えのあるバンド名だなあ、と思っていたら、今年2月にもここ小樽は公会堂でのイベント「雪明かりの路」にてSTAとタイバンをやったばかりでしたね!
しかしこの日の出演バンドにおける女性ミュージシャンの多い事。大歓迎です!
ここの編成は・・・・・(VOミキ嬢)、(G&CHO)テレキャスター、ブロンドボディカラー、メイプル指板、(B)ジャズ・ベース3トーンサンバースト・ボディ・カラー、ローズ指板、(DR)、(女性KB&CHO。ローランド使用)。
ちなみにギタリスト、ベーシストともにフェンダーの布製ストラップを使用。これ発売されてからずっと超ロングセラー商品。今回も皆が使っているんだから相当の人気商品なんだねえ。
軽くて肩にも優しい。幅もほどよいサイズで値段もリーズナブル。世界中の弦楽器奏者達が愛用しております。
さてさてそうこうしているうちにライブスタート!
何かとコダワリの強い女性シンガーは、ステージ映え満点なセクシーでキュートなファッションでまずは掴みオーケー。
弦楽器コンビはフェンダーを携えてのプレイ。う~~ん、セレクトが渋いね。
1曲目の「ああ、無情(アン・ルイス)」から、超ハイトーン・ヴォイスが空間をつんざく勢いで挑みかかってきます。
コーラス・ガールとの息もピッタリ。
2人とも声域の幅が神ってる!
商業主義にのって大ヒットしたような歌謡曲路線ではなく、元祖ジャニーズ・へヴィーメタル・ポップスクィーンに重点を置いたスタンスが潔し。
黙々と真剣にボトムをキープするベーシストは、愛らしいルックスのシンガーとは対極に、そんじょそこいらのふやけた野郎どもなんか消し飛んでしまいそうな風格すら漂っています。
タンバリン片手に熱狂する観客も出現。
「いいですねえ~ありがとうございます!こんにちは、はじめまして。M-SCATSです。
今日は暖かくてよかったですね。
台風が近づいてきてどうなることかと心配していたけど・・・。
時々、水がかかってくるからてっきり雨かと思っていたら噴水の飛沫だったのですね。
ちょっと風が強いけどお飲み物を持っている方はひっくり返してこぼさないように気をつけてくださいね。
続いての曲もアン・ルイスです・・・・いつもは男ばかりの脂っこいバンドですが、今日はちょっと趣向を変えてみましたよ(笑)」
プログレッシブ臭プンプンなシンセサイザーから「六本木心中」。
そこから力強いバスドラム・キックがバトンを受け取る形で主導権を握り、皆は手拍子。
体全体にズンズン跳ね返る重戦車のような音像も健在。ここまで一気に攻めてくると快感になってきちゃうね。
オフの時には物静かなここのドラマーも、いざライブともなると、あいかわらずメガトン級のドラミングを繰り広げているね。さすがに立派。流行になんか左右されないこのイカシタ楽曲は、いついかなる時でもライブにもってこいです。
他のバンドの女性シンガー達もその白熱したステージングを一心不乱に見つめ続けながらニコニコと声援を送っていました。麗しきバンド愛を垣間見ちゃいましたよ。
アンちゃんってやっぱり女性達永遠のポップアイコンなんだね。
「イエーイ!ありがとうございます。まだまだご機嫌な曲が続きますのでよろしくお願いします!凄い!素晴らしい。」「可愛い!(と、ラブコールが飛んできました)」「皆さんから元気をもらいました。・・・なんかね・・・・業務連絡・・・・・改めて考えてみるとこのバンドは1年が経過しているのですね。ここまでこれたのも皆さんの温かい応援のおかげだと思います。来年はどうなるかわからないけど、私は頑張っていきますよ。察してください・・・・・・水を一口だけ飲ませてください。これからも曲ごとに飲ませていただきます。何を喋るかしっかりと考えてきたんですけど、いざステージに上がると飛んでしまうものですね。
でも今日は心底楽しんでいます。皆さんに支えてもらい盛り上げていただきまして感謝です。
時間もないので、ちゃっちゃといきます・・・・・・ウーマン(アン・ルイス)!」
再び鍵盤楽器が牽引役。重厚なるサウンドが次に起こる展開へとワクワク期待させてくれます。
繊細なるピアノ・タッチに模様替えして焦らしまくり。憎いね。
皆で手を頭上にかざして左右に揺らす情景を見たメンバー達は、アドレナリンが噴出しまくってるんでしょうね。
光速リードギターに、スティック・ワークで挑戦状を叩きつけるドラムス。
「レーサーⅩ」真っ青だあ!
激しいフレーズのシャワーを浴び、分厚い音壁に襲われトドメはボーカルのみでのエンディング。
スリリングな音絵巻。
「ありがとうございます。水を飲みま~す(笑)。
どうしても次の曲は夏が終わる前に歌いたかったのです。アンルイスが続いたので、今の季節にピッタリなプリンセス・プリンセスで・・・・世界でいちばん熱い夏・・・」
パワフルなバックビートがドテッパラ奥深くにビシビシと響くけど、やはりボーカルが懸命にドラマを形成。
歌唱中ずっと目を閉じたままのボーカルも、オーディエンスもお互いに阿吽の呼吸で汗まみれになりながら拳を振りかざして、すっかり一体化しちゃっているよ。
この辺に差し掛かったら、すでにステージ上は灼熱地獄。
ボーカルは「暑い・・・」を大汗かきながら連発。
それを察した親切なお客さんがウチワで扇いでくれる場面もあって、アットホームな「サウンド・エナジー」らしいなあ・・・とにやけちゃいました。
最後の決め技はギター・アーム・ダウンをギリギリまで目一杯に・・・・・・「グィ~~~~ン!!・・・・」。
リズム・セクションが鉄壁なる骨格を築き上げているので、さぞかしプレイヤーもシンガーもエクスタシーの領域で遊びまくれる事でしょう。
メンバー紹介を終えて「今日は真面目な話をひとつ。夏も終りに近づいて淋しいなあ・・・・また冬になったら冬の歌を歌います!
・・・最後まで見守っていただけたらと思います。とっとと最後の曲?話が長くなる押すタイプなもので・・・・最後のちょっと水を飲ませてください。よろしくお願いします。いやあ、嬉しい。汗だくです。じゃあスミマセン・・・。もう1曲だけお付き合いください。!リンドバーグで・・・・今すぐKISS・ME!」
魂の絶叫、クォリティー高すぎでしょうよ!
観客たちから「もの凄い超音波ですね!」と感嘆しきり。
延々とギター・ソロを求める声が鳴り止みません。
女性ポップ・シンガーならば、誰もが一度は歌ってみたいキュートな名曲。
はち切れんばかりに喜び漲るチャーミングなボーカリスト、ミキ嬢。
ホップ、ステップと一瞬たりともジッとしないで全身にて歌を表現しています。
もう今まで数え切れないくらいに見つめ続けてきた光景だ。
「最後まで楽しんで声援を送ってください!!」
この屋外ライブ・イベントもほどよく過ごしやすい時間帯に差し掛かってきただけに、動員も大袈裟ではなく寿司詰め状態。
溢れかえった客層は見るからに現役のロッカー、往年のロッカー、音楽やライブが大好きな方から家族連れ、カップル、ご夫婦等々・・・そしてチビッ子達もあちこちではしゃいでいます(刺激の強い爆音だけに耳栓をしている子もいる)。
アットホームな空気漂う中、イベント大成功の感触を早くも味わっちゃいましたよ。
ありがたいことです。
司会進行役のヤチヨ嬢がこれだけのバンドを見ているとふと思うことがあるそうです
「年齢、性別、居住地、職種も様々な人達がどのようなキッカケで出会って一つの音楽形成に向け一致団結してバンド結成に至るのか興味津津です」とのこと。
7、13:15~13:40
北風PEEPUU
札幌から3年ぶり4回目の出演バンドは6人編成(トリプル・ギター!)。
このグループも名前は知っていたけれど、観るのは初めて。で、驚いたことにアズマッシーズのタッキーが在籍しているではないかあ!!??
バンド仲間のキョンキョンも応援に駆けつけていました。STAとは札幌でも小樽でも、数え切れないほどにタイバンを組んできた仲。
彼らも色々と手広く手を変え品を変えながら音楽の輪を着実に広げているようですなあ。
ジャンルは、お得意のPOP系ミュージック・・・なんてもはや、説明必要なしでしょう。
風のコピーバンド(かぐや姫と猫のメンバー2人が1975年に結成したフォークデュオ)。
だから北風ピープーなんだね。
秋っぽいバンド名だけど。
もう結成7年なんだってさあ。
まあ、楽曲群は爽やかなメロディ満載だから申し分なし。
編成は・・・・女性ドラマーはマユミ嬢、タッキーは生ギターをケーブルで接続してリード・ボーカルも兼任、もう1人のコーラス&ギタリストはスギさんでサンバースト・ストラトキャスター(ローズ指板)、アコースティックギタリストは白鳥さん、女性キーボード奏者はノリ嬢、最後に長髪を後ろで束ねた職人風ベーシストのトシくん(ヘッドレスの黒ボディ、ローズ指板)。
やっぱり2人も女性メンバーが在籍していて、ドラムも女性だと、みるからに華やかですな。
司会進行役のヤチヨちゃんが紹介した途端に、生ギターによるコードストロークにのってバス・ドラムのバックビートがタメ気味にキックされます。
「ささやかなこの人生」で幕開け。
切ない女心を歌わせたら天下一品のタッキーが、ここではまた一味違う切ない男心を込めて歌います。コーラスも重厚にサポート。伊勢正三サウンドを、できうる限りのシチュエーションで再現。
もちろん、観客もそれに合わせて手拍子を打つ。
口笛も、ピューピューと快調に鳴っているよ。
ニューミュージックとは、微妙にニュアンスの異なる良質のジャパニーズ・フォークソング。
ああ、・・・・70年代の香りがほのかに蘇る。
「はい、皆さん、こんにちは。北風ピープーです。
今回も皆さんと楽しんでいきたいと思います。
2曲目は叙情的な雰囲気から、場面転換して・・・・・月が射す夜」
インパクトばっちりのドラマティックな構成がやたらに映える佳曲。
タッキーご自慢の張りのある伸びやかなる陶酔ボーカルに負けじと、バックのプレイヤー陣も華麗に猛攻。
タッキーによるリード・ボーカルに刺激されたのか、ジッと聞き入りながらも体を無意識に揺らすお客さん達。
青春真っ盛りの頃を思い出して口ずさんでいますよ。
和気藹々と和んでいる光景に、こちらまでもが癒されますね。
徐々にコール&レスポンスも波に乗ってきた感アリ!
出だしからとても聞き応えのある贅沢な選曲。
3曲目は「ほんの短い夏」
疾走感溢れる曲の次が、しんみりと落ち着き払ったミディアム・テンポのこれ。
歌詞のひとこと、ひとことがまさにアートの世界。
情景が目に浮かんできます。だって、北海道は本当に短い夏なんだからね。
スネアの一打、一打とピアノの戦慄も良きアクセントを醸しだしています。
でもねえ、このあとのメンバー紹介中、女性2人に対する人気の度合いが男性陣に比べて異常に高いことで少し不満が露呈してしまった(もちろん演出で)。
すかさず会場の男性客達から「可愛い!!」の声。あれ?これってタッキーへの声援なのかな??
「お世辞でも、嬉しいです(笑)。一応メインヴォーカルとギターを担当しています・・・・。」
すると、男性メンバー1人、1人にも声援が飛んできた・・・ただし男の図太い声でね(笑)。
まだまだ交互に愉快なトークは続く。
バンド仲の良さが、垣間見える一場面。
何故だか感心しちゃったよ。
「moon light 」
つぼを心得た憎いばかりのセットリスト。「サウンド・エナジー」スペシャルヴァージョン。このイベントのために特別なメニューを組み立ててきたということが如実に伺えますね。
ベストセレクションを順序だてての配列。
ヒット曲をただ単にセレクトするだけではなく、ちゃんとライブ映えするあたりを持ってくるところなんて策士ですね。
老若男女が受け入れやすく、痒いところに手が届くという心意気が憎い。
北風ピープーの作戦勝ち。
徐々に、ノリがつかめてきたところで「次ラストいきます・・・・・お願いします・・・海風!!」
申し分なき燻し銀の流れに皆、至福の時を共有。
「う~海風~」の繰り返しが多いので妙に印象に残る曲。
手拍子にのって両手を高々と掲げて会場中一体となってのフィナーレだ。
役割分担もスムーズに、両手を頭上にかざして左右に振り付け。
各自が責任重大だけど、それぞれに大役を軽々とこなしていますね。しかもコーラスまでやっちゃってるし。
ヤマ場をこれほど豪勢に飾るなんて・・・。
賑やかなるステージ運びでした。
「先ほどまでの海風が穏やかになってきましたね」
BGMはザ・ナックで「マイ・シャローナ」だ!
8,13:50~14:15
稲葉美紀dear friends
札幌から初の出演となる5人組。
ライブ申し込み締め切り期限ギリギリの滑り込みで参加が決定したスペシャル・バンド。
彼等がエントリーするとしないとでは、イベントとしてのクォリティに差が顕著に現れてしまうことでしょうね。
結果的には良かった、良かったよ。
このバンドのメンツは、全員がSTAとはしゅっちゅうタイバンを組んでいるミュージシャンばかり。
今年の2月、「小樽公会堂・雪明かりの路」でも一緒だったじゃんかア(笑)。すっかりバンド・ファミリー化しています。
ご多分にもれず、ここのメンツもバンド掛け持ちにと多忙。
まずはバンド・サイドからのメッセージが届いていますので、ここでご紹介させていただきますね。
「実力派ヴォーカリストの稲葉美紀を前面にフューチャーして、プレイヤー達は彼女を支え盛り上げるバックバンドに徹するのが基本コンセプトです。
得意とする八神純子を中心にオールジャンルへとチャレンジし、自らだけではなく会場の皆さんと一緒に楽しめるステージをお届けいたします。
どうぞよろしくお願いいたします」
う~む・・・なるほどなあ。
それでは今更説明や解説をするのもなんですが、いきます!(しかし浅草橋も北運河もミキミキちゃんは今年が初参加だとのこと。これって意外だね)。
ヴォーカル&KBに紅一点の華麗なる歌姫ミキちゃん(ローランド使用)。
彼女は多方面のバンドに所属しています(ポップスはもちろんのこと、アニソンから様式美へヴィーメタルまで)。才色兼備とは彼女のことです。
ドラマーは元STAの伊達男セッキー。
彼も、ブレイクスルーを手始めに数多くのバンドを掛け持ちというモテモテ・ミュージシャン。この日は2バンドだけの出演とのこと。これって意外だね。ご多分にもれずひっきりなしに「セキさ~ん!」とラブコールが飛び交っていました。根っからのバンド好き男。セッキーはそのフレンドリーな人柄から想像もつかないくらいの熟練技を発揮。一見の価値アリ!。
ギタリストはマサがいつも「小樽のジェフ・ベック!」と呼んでいるコバちゃん(G&Lテレキャスター。ブロンドのボディカラー。メイプル指板)。
彼ほどギターを持つ立ち姿がかっこよく似合う男はいないでしょう。
長髪、サングラス、ベルボトム・ジーンズ(これはもう履かないからという知人からのプレゼントだとのこと)、贅肉のないスラリとした長身、長い足、そしてありとあらゆるロックフィーリングに精通したテクニックの持ち主なんだから、まさに怖いものなし(この日は夏に相応しくさらりとアロハ・シャツ姿)。
去年もこの会場のSTAライブで、当日にギタリストが高熱で参加不能となってしまった際にも、「ちょっと待って。家にギターをとりにいくからさ!」と軽くひとことを残して、もちろんリハなしの正真正銘ぶっつけ本番で過激な「長い夜」を決めまくってバンドの危機をクールに救ってくれたのでした!
サウスポー・ベース職人のトシさんはフェンダー・ジャズベースのオレンジ・ボディを使用(ローズ指板。)。
2段構えのキーボードはササくん(コルグを使用。マイ・ソウル電気楽団のメンバー)。
去年のベッシーホールでは、インストウルメンタルとボーカルを織り交ぜた変則編成の5人組フュージョン・ロック・バンド、今年1月のスペース・アート・ホールではピアノ弾き語りを中心に据えたバンド編成でしたが、今回はMIKIMIKIヴォイスとトークを目一杯素敵に散りばめてくれました。
で、会場入りした彼等をマサが捕まえて素朴な疑問を投げかけてみた
「ブレイク・スルーとこのバンド、結局どのように区別するのかな?」
とどのつまり、ブレイク・スルーはセッキーによる純粋なる多重プロジェクト。
こちらも表向きはセッキーがリーダーなのですが、実質的に影で取り仕切っているのはミキミキちゃんだとのこと(裏ボスね)。
なるほど!この差はやたらとデカイ(笑)
司会者のヤチヨさんがアナウンス「さあ!一緒に思いっきり八神純子ワールドに酔いしれていただきましょう!」
ミキミキちゃんMC「じゃあ、やりますね!お願いします!・・・・思い出のスクリーン!」
セッキーのカウントにはじまって、ピッコロ・スネアから叩き出される貫禄タップリの切れっ切れボトム・サウンド炸裂!
もうこの瞬間から八神&ミキミキ・ワールドにあなたを誘います。とくとご覧あれ。
ミキミキちゃん愛用のサンバホイッスルを本家同様に使用しているところなんて、気合の入り方が半端ではないですね。
オープニングからグッと大人のセクシーな魅力溢れる、極上のJポップ・ナンバー。
ドップリとお洒落なムードに浸ってください。
ベースのトシ氏は控えめながらも、さすがのチョッパーも交えて、タイトに引き締まったベースラインを描きあげます。
ササくん演じるシンセの優しくて淡いオーケストレーション・サウンドが、そのまま本編へと繋がる心憎い演奏。
臨場感タップリで効果絶大。
コバちゃんのギター・エフェクター操作もセンス抜群で、小技の連発には観客の視線も釘付け。目が離せません。
メンバー全員がノビノビと息のあったプレイに専念。言葉を忘れてウットリとする観客達。
極めつけは流麗なるギターから紡ぎだされるクリアトーンの音像。奇跡のセクシーパワフル・ヴォイスで応じるミキ嬢は新境地開拓。こういう側面もあるんだねえ。その引き出しの豊富さに驚愕。上手過ぎて美しすぎて思わず唸ってしまいます。
これだけ歌えたらさぞかし気持ちいいんだろうなあ。微笑ましくも、羨ましい限り。
遠く澄み切った青空にまで届け!とばかりに、初っ端から遠慮なくぶちかましてくれました。
「こんにちは、はじめまして!え~と、稲葉美紀dear friendsです!小樽の街にはしょっちゅう来ているのですが、北一ガラスやルタオのチーズ・ケーキしか知らなかった・・・このような会場があるなんて全然知りませんでした。今日は皆さんの知っている曲を歌いますので、ジャンルにとらわれず一緒に楽しみましょう!私は八神純子さまがデビューした時から大好きでして、長年・・・御年・・・私の年齢は言いませんが(笑)ずっと願っていた彼女の曲をライブで歌うことが叶ってとても嬉しいです。リクエストがあったので、やっぱりあの曲・・・・・・・・・水色の雨・・・・」
優しい人柄や思いやりをチラホラと覗かせるセッキーですが、笑いをしっかりととりながらも、やっぱり見るからに善人丸出しだ。しかし、いざプレイに入るとなると、キリッと別人のごとく表情も引き締まる。
セッキーによるスティック・カウント。
出た!マサがずっと心待ちにしていた、甘酸っぱくも青春のほろ苦い曲がはじまりました。
一緒になって歌っている人や、ウチワ片手に観戦しているお客さんも見受けられます。
さすがだ、MIKIMIKI嬢。感情移入と表現力は申し分なし。いやはやなんとも参りました。(もうこれをやられたら私は思い残す事は何もありません・・・・。)心に染み入りウルウル状態。
ファッションリーダーだけに真っ赤なTシャツの上へラフな白ワンピース(サイケデリックな図柄が目をひく)も小粋に着こなしていて、憎いほど様になっています。
一部おしゃべりに興じていた観客達も、ハッと我にかえりしんみりと聞き入って癒されていたよ。
その伸びやかなどこまでも果てしない張りのあるボーカルには、ただただ聞き惚れるのみ。
ミキ嬢が再び懇切丁寧なるMC「時代は変わってもいつまでも皆さんご一緒に明るくこのイベント北運河サウンド・エナジーを楽しんでいきましょう!よろしくお願いします!」
常にテンションの高い華麗なるステージングのわりには、トークがとっても和気藹々。このギャップも魅力の一つ。
「ではメンバー紹介をします!(ここでリスペクト目一杯こめて、一人一人を猛烈にアピール)」
なんと7キロの減量に大成功したという太っ腹のリーダー、セッキー。
小樽の凄腕ベーシスト・トシくん。
岩見沢から参加の笑うとめちゃくちゃに可愛いササくん。
何処へ行っても人気者のコバちゃん。
そして男性陣に囲まれていつも女王様状態の紅一点はミキミキちゃん!
「じゃあ次にいきます。八神純子さまのデビュー曲、歌わなくっちゃあ。乞うご期待!・・・・・・思い出は美しすぎて!(ペコリと義理固く一礼)」
ポップ・フレィヴァーに満ち溢れた、美しいしっとり系のバラード。
コバちゃん気合十分に思い切り入魂の泣きギターフレーズで煌びやかに、グッと場面転換しての導入部分。
咽び泣く素晴らしきギターが、極限までのサスティーンを遥か彼方にまで轟かせてキーボードとハーモニー。
ここではシットリとメローで抑え目なフレーズを、普段のロッカー然とした佇まいとはまるで別人のように奏でてくれます。守備範囲の広い男だね。たいしたもんだ。
彼の有り余る才能の片鱗を見せ付けられて、驚愕してしまいました。
MIKIMIKI嬢は本家同様キーボード前へ座って鍵盤を操りつつも切々と透き通るようにかつ、語りかけるように歌い紡いでゆきます。
まるでロマンテックな名画の一場面に入り込んだような錯覚に陥ってしまいました。
叙情的なエレクトリック・ピアノによるバッキングがメインだけあって、どこからともなく溜息が漏れてきそう・・・・。
前半は延々と情感漲る官能のクリスタル・ヴォイスを堪能させてくれます。心にしみじみと染み入りますね。
会場内は水を打ったような静寂・・・・誰もが、演奏に浸ってじっくりしんみりと感傷的。愁いを含んだ爽やかなるそよ風が変幻自在に揺らめきながらステージを包み込んでいます。
おっと、油断していると何故だか鋼の涙腺が緩んじゃいそうだ・・・・・・・・。
安定感抜群のリムショットと、巧みなバスドラム・ワーク。やや抑え目なベースがシンクロして追随。
ミキミキちゃんがここでも伝家の宝刀ともいえるサンバ・ホイッスルを吹いて彩を添えつつ、ドラマティックな展開で迫ってきます。
緊張感に満ちた各パートもしっかりと主張していますよ。メロディに身をゆだねて、静かにリズムをとる観客も。
「ありがとうございました。今度は立って歌います。
座ってばかりじゃあ、皆さんに申し訳ないね。
今日は初出演なのに、態度がでかくて申し訳ありません・・・。
あ!?これからもこのステージに出たいので、来年もよろしくお願いします(笑)・・・
ここまでヒット曲ばかりをやってきましたが、八神純子様のアルバムには他にも素晴らしい曲がいっぱい入っています。
次の曲は・・・・・デジャヴ!!」
身振り手振りを添えながら惜しげもなく全身全霊で思いの丈を込めて、聞かせてくれるMIKIMKI嬢の真骨頂。
一聴しただけで八神節だとわかる、流麗で雄大なるメロディが光を放つ快適な名曲。
男性陣も難攻不落なこのバッキングでは、巧みなトリッキー・テクニックを駆使。トシさんもベースソロを余裕の表情で繰り広げてMIKIMIKI嬢を盛り立てつつもガッシリとボトムから支えます。
次々と矢継ぎ早やに繰り出される、琴線振るわすツボを心得たサビのパートと堂々たるパフォーマンス。
持ちうる限りの高度なインタープレイを、エンディングで火花散るほどにしっかりとつぎ込んでくれました。
この選曲はナイス!嬉しい限り。
数回、彼らのステージを見ていますが、名曲目白押し。レパートリーの豊富さも特筆モノ。
拍手喝采の観客席どこからともなく「MIKIMIKIさん、素敵~!!」
当然でしょうね。またもや、ミキ嬢の力量を目一杯に思い知らされてしまいました。
「とっても嬉しいです。じっくりと堪能しながらシアワセな気持ちになってください。
先ほど言うのを忘れちゃいましたが、私が今着ている服はステージ横にあるアンティークの店で買いました!いい品がいっぱいありますので皆さんも覗いてみてくださいね!
最後にお送りする曲も大好きなんですよ。十八番です。いつもは自宅でこっそりと弾き語りしているんですけどね。リーダーのセキさんがいい!とドヤ顔して言いながら譲らないので。私達も頑張って演奏していきます。
大丈夫かな?・・・・と私は朝から自分に暗示をかけてきました・・・・私は八神純子よ、私は八神純子よ!(笑)
じゃあ皆さんもよく知っているラストは・・・・MR,ブルー~私の地球~(1980年11月5日にリリースされた10枚目のシングル)」
永遠のニューミュージック・スタンダードでトドメを刺す。
名物ダンサー・アベさんが早速立ち上がり、一心不乱に踊る。
(アベさんの訪れるライブ会場にはステージ最前列中央「アベVIPシート」を設けるべきだ!と私は真剣に提案したいと思います。もちろんダンス・フロア付きでね)
やはり最後はこれに尽きるでしょう・・・
これをやらなければ許されない。ステージを降りられないよ。
的確なるドラミングが絡みつく中、アーミング&チョーキングを交えたギター・ソロもこちらに気持ちよく響いてきます。
ギターの滑らかなる決め一音フィンガリングに雪崩れ込み。
コバちゃんが余力を振り絞りながらギターを抱えてフロントにせり出してくると「ワアッ!といっせいにそこへと群がるオーディエンス達。
聞かせどころところでは目一杯に前面に出てきて、引く所では的確にスッと黒子に徹する阿吽の呼吸。
皆、我を忘れて陶酔しています。
ここでも新生面を、垣間見たような思いです。その奥行きの深さと音造りに感服。
MIKIMIKI嬢に導かれて弾かれるメロディアスなサンタナ調ギター・フレーズ・タッチも絶品だ。
和風テイスト満載。こういうのも、なかなかにいいもんだね。
ミキ嬢が、エンディングで綺麗なハイトーンによる圧倒的存在感を演出。
またもや、ミキ嬢の力量を目一杯に思い知らされてしまいました。
もはや独壇場と化して感動的ですらありますよ。下手な言葉では到底表現できないくらいだ。そんなのいくつも並べ立てたって無意味さ。百聞は一見にしかずとは昔の人もうまい事を言ったもんだ。
遠慮無しに、喉を震わせ妖艶にポーズ決めまくり。しかし改めて言わせてもらいます「いい声しているなあ・・・・」
MIKIMIKI嬢の豊かな声量はここにきても全く衰え知らず。恐るべし。益々艶を増しているではないか。「まだまだここで歌っていたいわ!もっともっと私の歌を聞いて!」とでも言いたげ。
「どうもありがとうございました!」好感のもてる安心で信頼度の高いステージングには、とっても満足さ。
今度はできることならば「パープル・タウン」も聞いてみたいなあ!
追記・・・MIKIMIKI嬢はかつてコンテスト&オーディション荒らしでブイブイ言わせていたそうですよ。
それも素直に頷けるというもの。
BGMボニーM(サニー)などのディスコミュージックが流れる中、ステージ前では男女混合で各自がご自慢のステップを披露しながらフィーヴァーしています。
9,14:25~14:50
産業ROCKLIMITED
ジャンルは産業ロック(70、80年代洋楽のコピー)
札幌からの初出演です。
6人編成で、バンド名が示すとおりに一世を風靡した珠玉の大ヒット洋楽ロックを、たんまりと演奏してくれましたよ。
たまりませんね~!本当にこの日の出演バンドはどれをとっても見逃せない、聞き逃せないほどに極上なツワモノばかりだ!
この場に同席できたオーディエンスは、本当ラッキーですね。
編成を紹介します・・・・紅一点のコーラスガールには、脚線美を強調したミニスカートがとてもお似合いのマコト嬢。
ベースはバンマスのワッキー(赤ボディの5弦。ローズ指板)。ギター&CHOにマクリン(シャーベル製の青いジャクソンV。アイアン・メイデンのエイドリアン・スミスが大好きなんだそうですよ)。2段積みキーボード・プレイヤーはこの前に稲葉美紀DEAR FRIENDSで出演していたササ様。ドラムがケイスケ君(ガンズ&ローゼスの黒Tシャツに皮手袋着用)。そして脅威のスクリーミングシンガー・スガちゃん(ギターも兼任。手にするは噂の水色ギブソン・フライングⅤ。)。
マサは過去にスガちゃんとはぶっつけ本番で「ハイウェイ・スター」、リハーサルだけだったけど「アームド&レディ」を共演した仲。
だから、彼の並外れた歌唱力は十分承知しているつもり。
実はこのバンド、マサが主催した澄川モダンタイムにおけるSTAライブイベントに出演しています。
ワッキーはSTAのスーパードラマー、ヤスともZEPP,FREEなどのブリティッシュハードロックバンドを結成しているのです(もちろんSTAとはHOT TIMEにてタイバン済み)。
1曲目から手の込んだプロジェクトを披露。
スガちゃんがさりげなくヘッドセットマイクを装着。
そして真横に陣取るシンセサイザー奏者のササ様と打ち合わせ。
「ただ今、マイクのテスト中。ドウモアリガトウ・・・・・・!!」
あのあまりにも有名なセリフがここで飛び出してきた!
「スティクスのミスター・ロボット」
初っ端から、よくぞまあ、こんなに面倒くさい曲を(!?)選んだもんだねえ。
クリアでスペイシーなシンセ・サウンドのイントロから、無機質なロボット風ヴォイスが歌われる。
「ドモアリガト、ミスターロボット、ドモ、ヒミツヲシリタイ、マタアウヒマデ~」とひじょうにヘンテコリンな日本語を織り交ぜての進行。
男女によるツインボーカルの高低声域が絶妙の味を発揮。
もうただただ拍手、拍手を送るのみ。
演奏中、最前列の友人代表のスタッフがツマミを調整していたシーンが微笑ましい。
いっそのこと、ステージアクションもロボットダンス風に振舞ってくれたら熱狂の渦間違いなしだったでしょう。
そういえばスティクスのプロモーション・ビデオに登場するこのロボット・キルロイはちょっとチープな大仏さんみたいなルックスでしたねえ。
で、残念なことに曲が長いから、ここではエディット・ヴァージョンにて終了。
すかさずメドレーで同じくスティクスからロック通をも有無を言わせずに黙らせる「ブルー・カラー・マン」
ギタリストがトミー・ショウになりきってアクティブにピッキング。
「ありがとうございます。産業ロックリミテッドです」
2曲目はナイト・レンジャー初期の代表作品をぶちかましてきたよ。ヒット曲「DON’T YOU TELL ME YOU LOVE ME」
まさしく衝撃の王道アメリカンハードロックの猛攻。
「産業ロック」って、たぶんここいらあたりから生まれた言葉のような気がします。だからこれはとても説得力のある選択肢。
ここでスガちゃんはフライングVを肩にかける。
唸りをあげて刻み込まれるツイン・ギターがトリルを連発する中で、繰り広げられる男女ツイン・ボーカルが、うるさ型のロックファンをも凌駕するほどに疾走する。
当時のへヴィメタルギターキッズ達はそれぞれに火を噴くようなブラッド・ギルスのクリケット奏法やフロイド・ローズ・アーミング、そしてジェフ・ワトソンの光速8フィンガー奏法を真似て悦に入っていたものです。
ピック・スクラッチが弦上を豪快に滑り込んで「ギュイーン!!」
実はこの曲、ジャニーズのシブガキ隊「ZOKKON LOVE」に、いいトコドリでパクらレているのはロックファンならば承知のこと。
呆れちゃうよねえ・・・・まったくもう。
ワッキーは後方から黙々と、地響きのごとき貫禄重低音で全体を支えています。
「おお!!ありがとうございます!会場内は熱気と混雑がすごい。
さあ、皆さん、それでは次の曲にいきますよ。
A MAN I’LL NEVER BE(ボストン)」
取り上げるバンドは超有名でも、取り上げる曲が拘りぬかれたモノばかりなのが嬉しいねえ。
ピアノのクリアな響きが心地よく、ボーカルの感情移入度合いが計り知れないほどにドツボにはまる。
シンプルでなめらかなバックビートにのってギターがソロで「これでもかあ!」というほどにネック上を上下伸びやかに駆け抜ける。
どこまでも果てしなくハードロック精神を貫いていても、必ずメロディが中心を貫いているので耳触りがスムーズで誰もがニコニコと口づさめるところが売り。
トム・ショルツを完コピしたギターとボーカルとのハーモニーもスペイシーで、これは売れないわけがないよねえ・・・と納得。
女性のコーラスも違和感なく自然に溶け込んでいます。
その利点を熟知しているからこそ、真骨頂を発揮できるのですね。
エンディングでは再びしっとりとしたピアノの旋律で幕を閉じるわけだ。
「暑いですね・・・・普段はあまり汗をかかないほうなんだけど、ギターを持って歌うと緊張します。さあ、残すところは2曲・・・・(と、ここで何やらメンバー同士その場で打ち合わせが始まった・・・)ワチャワチャでごめんなさい・・・・他のバンドではディープ・パープルなんかでハイトーン織り交ぜて歌っているんだけど、実は楽器のソロとかも頻繁に入るから半分くらいは歌っていなんですよね(笑)。でもこのバンドでは歌いっぱなし。
では誰もが絶対に熱狂してしびれる曲をこれからやります!テレビとかでもよく聞くんじゃあないかなあ。ジャーニー・・・・セパレート・ウェイズ!」
大歓声に迎えられて展開された演奏は、随所まで忠実に再現されていて唖然としてしまいました。
ニール・ショーンのギターフレーズ・コピーはもちろんのこと、音質やガッツ溢れるソロにいたるまでお見事のひとことに尽きます。
最大のヤマ場がここにやってきましたね。息をもつかせぬふてぶてしき迫真のプレイを食い入るように見つめる観客。
「僕は80年代のハードロックを他のバンドでも色々とやっています。
でも、僕と他の人達とは微妙に好みが違うんだよね。
ちょっと時間オーヴァーになるかもしれませんが・・・・・
THE FINAL COUNTDOWN(ヨーロッパ)!」
様式美の品格に満ち溢れたシンセサイザーによるクラシカルなファンファーレ。
そして雄雄しき行軍の、イメージそのままに覆いかぶさってくる音壁。
おお!またもや琴線を無性にくすぐる曲がはじまったあ!
個人的にもこの選曲は特別なのです。
何故ってここまでの4曲は全てアメリカン。
でもラスト・ナンバーのこれはバンド名からもおわかりでしょうが、スウェーデンのバンドなのですよ。
リード・ボーカルはギターのマクリンくんが担当。ジョーイのダンディズムに満ちた声には彼が一番フィットしたからご指名がかかったのかな。
ワッキーのちょっとトレブリーで歯切れの良いピッキングがほど良いアクセントになっています。
皆で拳を突きあげて一緒に「ファイナル・カウントダウン!!」
これならば、ジョン・ノーラムも太鼓判を押してくれるかな。
オープニングといい、クロージングといい超絶技巧派集団らしいセットリストにイチコロです。
どの曲もボーカルはもとより、コーラス、各パートの重責が並外れているだけにね。
これだけ売れ線ロック連発で度肝を抜かれちゃった後は、温故知新の70~80年代洋楽ロックヒットがオンパレードでフラッシュバックしてきましたよ。
10、15:00~15:30
J-ROCK
折り返し点バンドは札幌からの7人組。
ジャパニーズヘヴィーメタル界における永遠のディーヴァ浜田麻里のコピー・バンド「Reflection」も初です。
この日一番へヴィーな迫力バンドが降臨。
やはりフロントに女性メンバーが2人並んでいるだけで花がありますね。
編成は・・・・・テライ嬢(VO)、タカちゃん(ヤマハ・ナチュラルボディのローズ指板のパシフィカG)、リーダーのタンピーくん(シースルーレッド・ボディカラーのシェクターG。メイプル指板。PU配列はHSH。う~~ん、セレクトが渋いね。)、キラーちゃん(シェクター。メタリックブルーのボディカラー。メイプル指板。B)、白い恋人のTシャツを着込んだボンゾウ(DR)、キムキム(コルグのクロノスKB)、そして永遠の18歳カリン嬢(CHO)。
何かとコダワリのツインギターご両人。仲良く奏法中では火花をバッチバチに散らせてスリリング。
「イエーイ!ありがとうございます。最後までよろしくお願いします!・・・なんかね・・・・業務連絡・・・・・改めて考えてみるとこのバンドは結成してから3年以上経過しているのですね。ここまでこれたのも皆さんの温かい応援のおかげだと思います。今後どうなるかわからないけど、私は頑張っていきますよ。察してください・・・・・・ヒストリア!」
キムキムの鍵盤楽器が牽引役。重厚で幻想的なるサウンドが次に起こる展開をワクワクと期待させてくれます。
繊細なるピアノ・タッチに模様替えして焦らしまくり。なかなかに憎いよ。
皆で手を頭上にかざして左右に揺らす情景を見たメンバー達は、アドレナリンが噴出しまくってるんでしょうね。
光速ツイン・リードギターに対して、スティック・ワークで挑戦状を叩きつけるボンゾウ。
「レーサーⅩ」真っ青だあ!
激しいフレーズのシャワーを浴び、分厚いメガトン級な爆音に襲われトドメは男顔負けなパワフルボーカルのみでのエンディング。
スリリングな音絵巻。
「わりと今日やる中では比較的ノリやすいので助けてください。一緒に楽しみましょう」
再度キムキムによるプログレッシブ臭プンプンなシンセサイザーから「ハートビート・アウェイ・フローム・ユー」。
ボンゾウの力強い轟音バスドラム・キックがバトンを受け取る形で皆は手拍子。
体全体にズンズン跳ね返る重戦車のような音像も、ここまで一気呵成にやってくると快感になってきちゃうね。
ボンゾウとマサとの再会は久しぶりです。いつもストイックにイヤホーンで音楽を聴いている彼は、「札幌のジョン・ボーナム」の名を欲しいままにしております。
オフの時には物静かなボンゾウも、いざライブともなると、あいかわらずタメの効いた圧巻のダイナマイト・ドラミングを繰り広げているね。さすが立派。道産子のモヴィー・ディックは健在だ。
リズム・セクションの相棒でもあるキラーちゃんも、ベースを手にピョンピョンとスキップを踏む。
ズッシリと重厚なるパワーバラード「プロミス・イン・ザ・ヒストリー」でも、やはりキムキムがイントロの高貴なるドラマをピアノでデリケートに形成。
歌唱中ずっと目を閉じたままのボーカル・テライ嬢もオーディエンスも、お互いに阿吽の呼吸で拳を振りかざして、すっかり一体化しちゃっているよ。
ドンドンと加熱していくコーラス・ガール、カリンちゃんとの息もピッタリ。
2人とも声域の幅が神ってる!
この辺に差し掛かったら、すでにステージ上は灼熱地獄。
テライちゃんは「暑い・・・」を大汗かきながら連発。
それを察した親切なお客さんがウチワで扇いでくれる場面もあって、アットホームだなあ・・・とにやけちゃいました。
最後の決め技はギター・アーム・ダウンをギリギリまで目一杯に・・・・・・「グィ~~~~ン!!・・・・」。
リズム・セクションが鉄壁なる骨格を築き上げているので、さぞかしプレイヤーもシンガーもエクスタシーの領域で遊びまくれる事でしょう。
「あと2曲なので、もう少しお付き合いください。愉快な仲間達をここで紹介したいと思います・・・・」
その流れからいつの間にか、麻里ちゃんが10年前に発表したスピードチューン「レヴォリューション・イン・リヴァース」がはじまっていた・・・・ところがテライ嬢、あろうことかキラーちゃんのみ紹介を忘れてしまっていたあ~~!!
キラーちゃん苦笑いで演奏続行。
テライ嬢は、ただただひたすらに平謝り・・・・。
でもすぐに気を取り直して、超ハイトーン・ヴォイスが空間をつんざく勢いで挑みかかってきます。
商業主義にのって大ヒットした麻里ちゃんと、元祖ジャニーズ・へヴィーメタル・クィーンの両方美味しいトコロに重点を置いたスタンスが潔し。
黙々と真剣な面構えでベースを操作するキラーちゃんは、オフでの人懐っこいルックスとは対極に、ここではそんじょそこいらのふやけた野郎どもなんか消し飛んでしまいそうな風格すら漂っています。
「改めて、今回でリフレクションのライブは2回目のキラーさんを紹介させてください!(笑)
ここは噴水が綺麗で、鳴り止まない拍手も感動的です。
というわけでして、いつもは男ばかりの脂っこいこのバンドですが、今日はちょっと趣向を変えてみましたよ(笑)
おもいっきりはじけてくれたら嬉しいです。最後の曲やります」
麻里ちゃん初期の傑作「ドント・チェンジ・ユア・マインド」ではテライ嬢も魂の絶叫。
めまいしそうなほどにスクリーミングのクォリティーがあまりにも高すぎるでしょうよ!
会場中のバンドマン達があちこちで「血管がぶち切れんばかりのもの凄い超音波ですね!」と感嘆しきり。
ザックザクとギターによるカッティングも切れ味抜群。
もうこのライブ・イベントも早いもので折り返し点を通過している時間帯ゆえに、動員も大袈裟ではなく寿司詰め状態。
客層は見るからに現役のロッカー、往年のロッカー、音楽やライブが大好きな方から家族連れ、カップル、ご夫婦等々・・・そしてチビッ子達もあちこちではしゃいでいます(耳栓をしている子もいる)。
どうやらイベント大成功の感触を早くも味わっちゃいましたよ。
ありがたいことですなあ・・・・・。
~~このライブ・レポートはPART,3へと続きますよん!!ボリューム満点~~