THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

SOMEDAY~AUGUST 29,1968(EP)

2014-09-24 17:27:27 | CHICAGO

「長い夜」に続く日本独自のヒットシングルが「流血の日」(2:48)。写真は見本盤も並べています。白レーベルがそれ。

穴は三叉式。そして「長い夜」の大ヒットでこのEPより見開きジャケットに昇格、出世しました。メンバー達のフォトではなくはじめて「シカゴの軌跡」がそのままジャケット・デザインに使用されています。

歌詞と対訳、解説、ディスコグラフィー付き(LP&EP&コンパクト盤)。

とにかくこの頃のシカゴは急激に人気上昇。そこに便乗して、世界中で改めてデビュー・アルバムからシングルを数枚カットしています。(この時点でアメリカでは「ビギニングス」もカット。でも日本ではその曲はまだ未発売)

で、このシングルですがタイトルからもわかるとおり、甘ったるいラブソングではなくシカゴ民主党大会におけるデモ行進とそれに相対する警官隊との激突シーン、シュプレヒコール「世界中が見ているんだ」を曲の2箇所に導入して恐ろしいほどの効果を生んでいます。

ストレートに反戦を歌っていますが、この強烈なイメージが焼きついてロック界全般から「シカゴは反体制グループ」という烙印を押されるキッカケを生んでいます。

本人達は別に戦争や政治云々を取り立ててバンドの主題に置いている意識はなく「若者、世間一般が感じている事を我々が音楽というフィルターを通して代弁しているだけ」とのこと。

アルバム・バージョンは前奏部分の「シカゴ民主党大会」デモ隊VS機動隊との攻防から幕開け。ある警官の「ここから出て行け(GET OUT HERE!!)なる罵声もしっかりと聞き取れます。

テープ編集の繋ぎでシュプレヒコールが延々と続きそれが一定のリズムに変化した時点で不気味にシンバル、ベース、ピアノ、ギター・フィードバックが重苦しく覆いかぶさってきます。

迫力在るブラス隊が登場した時点で力強いリズムに変身。軽快なるボーカルが開始されます。

作者はジェームス・パンコウ&ロバート・ラム。

メイン・ボーカルはボビー。サビ部分はピーター・セテラ。

よくよく聞いてみるとコーラスにも凝った演出があります。

中間部分で再びイントロのシュプレヒコールがフィードバックに乗って再登場。

エンディングも独特の重厚なるかっこよさでいきなりドラマチックに畳み掛けます。ミツ大のお気に入りソング。

一切の無駄がない極上の硬派ブラスロック。初期にはこのような切れ味鋭い楽曲がたくさん生み出されていました。

ところがですね・・・・このシングルは「ぼくらに微笑みを」に負けないくらいの大編集が施されています。

まず、いきなりの掟破りでエンディングがイントロに飛び出してくるのですよ。ビックリ。

徐々に盛り上げていくやり方だと時間の問題でいただけないとのことで、スパッと本題突入。

実のところ、私はこのシングルを最初に聞いていたので逆にアルバム・バージョンを後追いで聞いて衝撃を受けた口です。そういう人っているでしょう、けっこう。

なんといってもシカゴは2枚組アルバムばっかりだから、当時のロック少年達は金銭的事情を考慮して泣く泣くシングル先行で聞きあさっていたのです。

 しかしこれは大胆な手法。よくこうやり方を思いついたものですね。感心しちゃいます。

ミュージシャンを取り巻くスタッフなどにも熱気溢れる人たちがいっぱいいたんだろうなあ。

最初にも書いたとおり日本独自のシングルゆえに未だにこのバージョンはCD化されていません。祈!初CD化!!

STAはSEとしてデモ行進から流血の日までをそのままライブで再現。ミキサー・スタッフにも照明含めて協力してもらいました。

マニアは大喜び。知らない若者達は訳もわからず凍りついていました(笑)

B面は「一体、現実を把握している者はいるだろうか?(3:19)」

前回紹介したボビー作&VOのヒット曲。

つまり両面ともにメッセージ色濃厚なるヒット曲ですな。

ちなみに「流血の日」、初期段階では純粋なるラブ・ソングだったのでした。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋分の日2014

2014-09-23 23:43:57 | リハーサル

最近、ディ・ゲームの野球観戦に行くと入場時外気は暑いのに、帰りは震えがくるほどに冷え込んでいます。

最北に位置するドーム、札幌ドームは最大収容人数は53000人以上。

日本唯一の完全屋内天然芝。そして最大の売りは世界初のサッカー場移動方式フォバリング・システム。これによってサッカーと野球の併用活用を実現しました。

もちろんプロ・サッカー・チームの札幌コンサドーレ、プロ野球パ・リーグ北海道日ハム・ファイターズの本拠地。

コンサート会場の際にはセンター位置がステージなのですね。写真は裏側ドームの表情と、隣接するサッカーグラウンド。

写真ドーム下部からスタンド席が開いてサッカー・グラウンドが移動するのですね。

真冬の芝その他もろもろ管理も大変なんだろうなあ。

 

ピグスティーのライブ以来のSTAメンバー集合です。急に冷え込んだから毎度の様に風邪ひきメンバー続出かとおもったら体調不良は1人のみ。

6人がスタジオ入りです。クニは多忙移動で小樽、新千歳、そして函館(!!)、その後に札幌入りする予定でしたがやっぱり時間的に無理ということで泣く泣くスタジオ断念。改めて北海道はでデッカイドウです。

この間、英国からの独立が実現しなかったスコットランドはほぼ北海道と同じ面積だそうです。

スタジオ・セッティングしていると、3人が次々にトラブル。

ケンはドラム・セッティング中チューニング・キーが行方不明に。結局タム・ホルダーの付け根に乗せ忘れていただけだったんだけどカメレオンのように同化していて目の前にあっても中々発見できませんでした。

ノブはパワー・サプライの充電が出発前には満タンだったのに、スタジオ入りして経過したら、電気不足の事態に。カウンターでアダプターを借りてその場をしのぎました。

次にマサ。

恒例のヘッドセットワイヤレス・システムを装着しようと意気揚々とハード・ケースから取り出してみたところ「???」。

電源コードが入ってない・・・ちゃんと充電池は満タンにしてきたのに。

自宅に置き忘れたか??と不安に思いながら久しぶりにマイクスタンドを使用。

でも自宅にも見当たらず・・・・その夜の深夜2時(!!)にピグスティーの店長に電話してみたところ「シュアーの電源コードはお預かりしていますよ!」

おお、なんということか。買ったばかりで紛失したかとビビッタけど無事に次の日にマサの手元に戻ってきました。

言い訳がましくなりますが、機材がドンドンと増えてきて、更には軽量コンパクト化になり、その上このシュアー・ワイヤレスは受信機と電源コードが取り外し式なのでちょっとした油断が元でライブハウスのステージに置き忘れたのでした、反省・・・。

そうそう、去年の夏の小樽ライブでもエフェクターをケースごと丸々置き忘れた猛者もいたよん(笑)

譜面台やレパートリー全曲スコア、モニター・スピーカーの忘れ物、ピック、ガムテープ、ブレスレット紛失と細かい事言っていったら膨大な量になります。

そして、肝心の練習内容。

先週はリハ休みましたが、実験的に量よりも質を追求してみようと思います。

次回のライブは来月のクラップス・ホール。1年9ヶ月ぶり。

メンバー一同燃えております(新規メンバーもたくさんいるけどね)。その日を目指してマサが全員に発令した宿題1曲。こいつはSTA初期ライブに数回演奏したことがあったのですが、その時の面子が曲の理解度低く、テクもおぼつかなかったために散々な結果に。よってしばし封印したのです。

今の3人ほどしか本番経験がありません。しかもそのほとんどのメンバーが自分がやったのか、何処でやったのか、何回プレイしたのか、その時のメンバー達が誰だったのか・・・とピンボケ状態(ミツは練習で吹いた事あります)。

そのくらいに大昔の出来事、というか誰もが忘れ去りたい屈辱なのです。

でもマサは虎視眈々と再演に機会を一人狙っていたのです。

この曲はハモンドとソウルフルなボーカルが肝。もちろん徐々にヒートアップしていく見事なサウンドアレンジとブラス隊。エンディングでは遂にトランペットがハイノートでビブラート炸裂。

そうです、今の連中ならば、と、このタイミングで引っ張り出してきて各自で練りこんでもらいました。

ですから、この2週間の間のほとんどを全員がスコアの回覧(クニはトランペットのセカンド用やトロンボーンとのアンサンブルを考慮して独自に書き直し作業にも従事)

例の組曲も、もう一歩前進しようとおもったのですが、この日は珍しく9割がたをこの1曲に何度も何度もメンバー達で演奏討論会の繰り返しで進行したのでした。でもこれは正解でしたね。

マサの構想をまずはシンに伝達。「前の曲からそのまま途切れずにハモンドで引き継いでベースが乗ってドーンというイメージでいこう!!」

テンポに気をつけて前半はスタジオ0人だったブラスのフレーズをマサが口頭で演出。ノブが抑え気味だけど適格にリフで支えてくれます。

ミキはオリジナルにはないタンバリンで参加。出すぎず、地味すぎずでとてもいい塩梅。

曲を終えるたびに気づいたことを即座に話し合い。

「ここは抑え気味、ここは強く、また抑え気味に」

「ここはシンコペーション、ここ以降は突っ込みなし」「2番のこの箇所は1小節長いんだよね」「オリジナルエンディングはフェィドアウトだけど、こういった感じで決めるからさ」一旦、曲をバラバラ解剖までしてみました。

言葉でのやり取りでは不明な箇所もあるのでケンが音源を車内から持参、マサがスタジオ所蔵のCDプレイヤーを借りてきて皆でじっくりとオリジナルを聞いて見ました。

「あ!?ここで一瞬、音を切っている。なるほど、ボーカルと鍵盤が同時にコードチェンジしているところと別々に移動、先導しているところもあるね。こいつは譜割で解釈できん。フィーリングと阿吽の呼吸。何度もとり組んで感覚を把握するしかない」

ヴォーカルもオリジナルにはないことを試みました。

シン、マサ、シン、ケンと歌い繋いでいくのです。まだまだ手探り段階ですが徐々にいいムードで形になってきました。少なくともこの時だけで以前のSTAライブテイクの数十倍かっこよくなったような気がします。というかよくもまあ、あの頃あのレベルで、本番やったよなあ。クニも初めてこの曲をやるということでワクワクしながらじっくりと密かに聞いてみたところ、そのハイテクニックに衝撃を受けたとか。

そこにスタジオ終了10分前にミツも駆け込んできたのでトロンボーン加えてやってみたら、やっぱり効果テキメン。

ミキによる聖子ちゃん&山本リンダ&オノヨーコが合体したようなリード・ボーカルが冴え渡る曲をやった後の〆はミツのお気に入りシカゴ・リクエストで終了。最後の最後に風邪で咳込んでしまったメンバー1人あり。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BLACKMORE'S NIGHT/AUTUMN SKY

2014-09-22 00:10:48 | free form space

「秋空」というアルバム・タイトルがまさに今時期にはうってつけ。

このバンド・リーダーはあのディープ・パープル、レインボウで大活躍したカリスマ・ギタリスト、リッチー・ブラックモア。

へヴィーメタル、ハードロック界に多大なる影響と革命を巻き起こしたマエストロ、この現在率いるユニットが最も長く続いてるグループです。

長年内縁関係でもあったキャンディス・ナイト嬢とは2008年に結婚、エスメラルダちゃんという愛娘も授かっています。

リッチーにとって長年温めていたライフ・ワークでもあった中世フォーク音楽、アイルランド民謡、中近東の旋律や音階をモチーフに(衣装や使用楽器も含めて)歌姫キャンディスとともに活動を開始してからマイペースでツアー、アルバム発表を行っていますがメンバーは流動的。

パープル、レインボウでの蓄えを元手に決して派手ではない音楽創作を楽しんでいるそうです(収益は赤字だとのこと)。

その他にも映像作品、ベスト盤、ライブ盤、クリスマス・アルバムも発表。来日公演も実現。音源の中にはカバー、クラシックの導入、セルフ・カバーもこなしたりしてマニアックなファン達を心酔させてくれています。

で、この「秋空」は8作目、2011年リリースです。ブラックモアズ・ナイトというと厳冬、夜、古城、森、牧歌的なイメージがありますが、この作品でも

ジャケットが晩秋の雰囲気で季節感を醸し出していて心地よくムード満点。秀作です。

15曲入りですが日本盤はボーナス・トラック1曲入り。ジャケットも違います。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DOES ANYBODY REALLY KNOW WHAT TIME IT IS?(EP)

2014-09-21 18:51:15 | CHICAGO

シカゴ第5弾シングルは「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」というなにやら仰々しいタイトルの曲。

残念ながら日本ではシングルカットされてはいませんが全米最高ランク7位を記録、いま現在もライブにおける重要なレパートリーとして人気の高い曲です。

人間が定義付けた時間というモノに対する重要性、疑問を投げかけるという哲学的ブラス・ロックソング。

「一体、本当の時間を知っている者はいるだろうか?」

作者はご存知ロバート・ラム。

すでにこの時点ではセカンド・アルバムがリリースされていて、そこから2曲ヒットを出していたのに便乗して改めてデビュー・アルバムからカットされたのがこの曲です。

1970年10月発売。

もちろん編集作業が施されています。

ただ、この曲には同一音源に色々手を加えたものが存在します。

ステレオ、モノ、4チャンネルはもとより、3番の歌詞バックに入るニュース・トーク調のナレーションの在る無しとか、イントロがいきなりトランペットソロから入るものとか様々。

一時、ライブではイントロのリズムが変わってピアノがフューチャーされる部分をカットしたものが演奏されていましたが現在ではオリジナル・テイクに戻されています。

ボビーいわく「誰でも長いイントロは好まないだろう」とのこと。でも絶対にあそこはあの流れがベスト(私もそう思います)だと判断したのか原曲に修正されています。

写真3枚の説明。

アメリカ盤は3:17でB面はこちらもボビーの隠れた傑作「リッスン(3:22)」

ジャケット付きのモノはオランダ盤。レーベル穴はくりぬける様になっています。

ジャケット写真は「長い夜」フォトの別ポーズ白黒VER。

最後にはイギリス盤。

こちらもレーベル穴はくりぬき式。

針を落としてみてビックリしたのは、スタジオ・アルバムにはこの曲には前奏曲として「フリー・フォーム・ピアノ」というロバートのピアノ・ソロがあります。

(スタジオ・アルバムにはその部分にはタイトルはありませんでしたが初期ライブでは「フリー・フォーム・イントロ~一体、現実を把握している者はいるだろうか?」という正式名が付記されていてスタジオ以上に長尺なアドリブ、時にはダニーはじめメンバー達がバッキング参加なんていうテイクもありました。現在のライブでは時間の関係、時代性も考慮して割愛されていますが。)

そのオリジナル・スタジオ・テイクが丸々このイギリスEPには収録されているのです。感動的だなあ。

しかもこの曲はB面です。

A面はというとスペンサー・ディビス・グループの名曲「アイム・ア・マン」が収録されています。全米49位、イギリスでは最高ランク8位をマーク。

スティービー・ウィンウッドのペンによるこの曲もずっとシカゴがライブの後半で演奏している曲ですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

25OR6TO4(EP)

2014-09-19 13:29:58 | CHICAGO

シカゴ3枚目のシングル・レコード。

もちろん初期最大のヒット曲「長い夜」(松山千春氏にも同名異曲がありますね)

1970年7月発売、全米最高チャートは4位、UK7位、日本でも16位をマーク。

遂にワールド・ワイドで大成功のきっかけともいえる狼煙をあげたわけです。ここからシカゴの快進撃、名実共に第1期黄金期がはじまります。

現在でもコンサート最大の山場ではこの曲が登場、一気にヒートアップします。

メインのへヴィーな超有名リフ、切れ味鋭い完璧なるかっこいいブラスセクション、ハイトーンでシャウトしまくりのボーカル、そしてこれでもかというほどに鬼気迫る馬鹿テク・ギター・ソロ。

どこをとっても「これぞ、シカゴ!これぞブラス・ロック!!」

初期シカゴでもっとも多くカバーされたのもこの曲、そしてコピー演奏で当時のバンドによくライブ演奏されたのもこの曲でした。

もちろんラジオでのオンエアーを考慮してここでもエディット・バージョンが収録されていますが「ぼくらに微笑みを」のようなびっくりするようなハサミは入れられておらず、全く違和感を感じさせないような良心的編集が施されています。欲を言えばもっとテリー・キャスによるワイルドで豪快なワウワウを聞いてみたい気もしますが・・・。

写真の3枚、真ん中レーベルの穴は三叉と通常の円のタイプがあるのと、サンプル盤です。

ジャケット右端に立っているロバート・ラムの左肩から肘にかけてだけ細い黒マジックで線がひかれていますが、これってデザイナーが枠で囲おうとしてそれっきり忘れたのか、やっぱり途中断念してそのまんま放置したのか不明です。まあ、よほど気にかけていないとわからない点ですが。

裏ジャケの解説最後の部分に「4枚目のアルバムはアイル・オブ・ワイト・フェスティバル8月27日出演時のライブ盤を予定」と書かれていますが未だに実現していません。

早く聞いてみたいなあ。

さてこの奇妙な原題「25OR6TO4」ですが、リリース当時は時代背景も影響して、歌詞の内容、このアルファベットと数字から、一部の頭でっかちな連中いわく「ドラッグによるトリップ体験ソング」などと物議を醸し出しました。

タイトルは薬品番号、歌詞は幻覚症状・・・・う~~ん、なるほどねえ。

作者のロバート・ラムいわく「普段はまったくヒット曲を書こうと意識した事はないんだけど、この時はちょっとそういうことにもチャレンジしてみようと思ったんだ。で、曲はすぐに完成したんだけど、歌詞がなかなか思い浮かばない。夜はだんだん更けていくし、悩んで部屋の中をうろうろ、顔を洗ったり転げまわったりしていた時に、そうだ!この状況をそのまま詩にしてみようと思い立ったんだよ」

遂に「長い夜」が完成。その時に腕時計を見てみたら「4時25,6分前だったからそれもそのままタイトルに。僕の時計はいつも1,2分狂っているんだよ」

作品は2枚組セカンド・アルバム「CHICAGO(シカゴと23の誓い)」の2枚目A面2曲目に収録。

その前の「空想の色」が前奏曲的役割を努めています。一番ハードな曲の「長い夜」が終了すると次に出てくるのがテリー・キャスとピーター・マッツ共作クラシック組曲が厳かにながれて癒されます。裏面はこれまたメッセージ色濃厚なる反戦組曲へ。

ちなみにEPのB面は「約束の地へ」

アルバム23曲目最後30秒の空間後に、ゴスペル調で歌われるピーター・セテラ作の佳曲。

ピーター初の作品。まだ彼にとっては発展途上にある段階でのモノですが締めくくりにふさわしい味わい深い曲。

「ぼくらはここからどこへ行くのだろう?」と繰り返し我々に問いかけてきます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SO MUCH TO SAY, SO MUCH TO GIVE

2014-09-15 23:27:46 | STAのレパートリー

CHICAGOのセカンド・アルバム「CHICAGO」(邦題はシカゴと23の誓い)は1970年、1月リリース。

前年のデビュー作ではバンド名を「シカゴ・トランジット・オーソリティ」と名乗っていたのですが、シカゴ市長サイドからの訴えをきっかけに単にシンプルに「シカゴ」と改名。

デビュー作に引き続いてこちらもアナログでは2枚組、しかもトータル・アルバムのポスター付き。

メッセージ色濃厚な内容を反映してか反体制的バンドのイメージが益々強烈になりました。

このアルバムには3つの組曲が収録されていますが、中でも最高傑作と誰もが絶賛、今現在でもライブでは必ず演奏されるのがトロンボーン奏者、ジェームス・パンコウ作、7楽章からなる「バレー・フォー・ア・ガール・イン・ブキャノン」です。

ジミーが当時出会ったある女性とのラブ・ストーリーで構成されています。

ジャズ、クラシックなどの手法を大胆かつカッコよく取り込み、実に若さ溢れる超難解、テクニカルでエネルギッシュな一品に仕上がっています。一部の隙もないくらいの完成度の高さ。

男女のパルピテーションから度重なる障害、悩み、苦悩、不安、それを乗り越えて甘いひと時を迎え、お互いの愛を確信、そしてハッピー・エンドという筋書き。

まったく感心するくらいによく感情の起伏を表現しています。でも決してアバンギャルドな作法には走らず、そこそこの主張に徹してポップかつメロディアスなブラスロック、シカゴらしさを潔いくらいに貫いています。

組曲といっても小曲やインストゥルメンタル、バラードが交互に顔を出してだれることなくあっという間にエンディングに達します。「ぼくらに微笑みを」の残響音を引き裂くようにダニー・セラフィンの素早いドラム・フィルから、表題の「言いたい事が沢山」

こちらは59秒の橋渡し的曲。

第2楽章に位置します。

LPでいえば1枚目のB面3曲目。でもメンバー達のこだわりでトータル性を重視、CD同様に7曲目と言っておきましょう。

で、7楽章中、一番重苦しいパートです。

2人の愛に対して外部からの妨害勃発したのか憤りを表現。

前半はボビーとコーラスが交互に歌い、後半ではやや気持ちが晴れてきた感情を表現。今度はコーラスとボビーのパートが入れ替わります。

そして第3楽章のますますドラマチックで演劇要素をたぶんに含んだ感ありの更に表情豊かなインストに引き継がれていきます。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひき潮  矢沢永吉

2014-09-15 19:59:42 | free form space

「夏の終り」でのキャロルと永ちゃんセルフ・カバーを紹介しましたが、彼のソロ初期大傑作バラード「ひき潮」も忘れられない過ぎ去りし夏の日をテーマにした名曲。

なんといっても山川啓介・作詞の出だしが「さらば夏よ~~」。

イントロ無しでいきなり永ちゃんの悲痛なるパワー・ヴォイスが幕開けです。

歌詞のストーリー、メロディー、アレンジ、泣きのギター・ソロと何度聞いても感動的で涙、涙の傑作。キャロルの「夏の終り」をより洗練させてアダルトにした感あり。

この曲はB面も含めて、当時アルバムには収録されず1976年シングルのみの発売(この時点では2枚のアルバムを発表)。

キャロルのイメージを早くも払拭し、イメージチェンジのゴージャス・ロックで突き進みスーパースターの道を猛驀進している時の盤です。

ベストセラー自伝著「成り上がり」、芸能人長者番付1位になる直前。

でもライブでは歌わず、この頃はステージ終了後の会場にドラマチックに流されていたのです。ここで再び観客が大盛り上がり。その模様は日本のロック・アーティスト初の武道館公演、そして伝説の後楽園スタジアムでのライブ・アルバムの最後で聞くことができます。

この後楽園大成功コンサートの段階で、すでに永ちゃんは日本の活動状況に密かに見切りをつけて、アメリカに照準を合わせます。

3枚目の海外盤アルバム「フラッシュ・イン・ジャパン」は超一流現地ミュージシャン達が参加。

その中にはシカゴからもビル・チャンプリン、ジェイソン・シェフが2曲にコーラスで参加しています。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の終わり

2014-09-15 18:54:51 | free form space

もう窓を開けっ放しにしていて、つい油断したら風邪ひきそうです。

北海道の夏は一瞬で過ぎ去ってしまうのです。

今時期に聞きたくなるのが、タイトルからしてそのものずばり「夏の終わり」

同名異曲。

「わ」が入る、入らないの違いがありますが、両曲ともにしっとりともの寂しくも心に染み入る名曲ですね。

真夏の陽光輝きつけるエネルギッシュな雰囲気を終えての落ち着いたムード漂う曲調。大体初秋のテーマを扱った曲はこのようなタイプが圧倒的に多いです。

キャロルは3コードのロックンロールをリーゼントに皮ジャンで汗飛び散らせて演奏するイメージが強烈ですが、この曲は解散直前の頃、矢沢永ちゃんのシンプルな作詞、作曲で歌われています。(写真は1976年EP2:58)

浜辺で別れた恋人との過ぎ去った思い出を一人回想するという、もしかしたらキャロルの終局を目前にした心情もだぶらせているかのようです。

で、永ちゃんは自身も出演してシリーズ化された、あの超有名なコーヒーCM用にセルフ・カバー、1994年にCDシングル発売してもいます。(3:45)

永ちゃんのソロ・コンサートでも、時折アコースティック・コーナーとして披露することもあります。

 

森山直太朗君も2003年、オリジナル曲でマキシ・シングル発売しています。

初回盤特典にはミュージックDVD付き。

数年前にコンサートを観にいった時も、もちろん演奏されましたが、思っていた以上に素晴らしい内容で彼のほとばしる音楽的才能、エンターティナーとしての存在感に感動を覚えたものでした。

もちろん伸びやかで透き通るような歌声は群を抜いていましたね。時折見せるお茶目なトークも楽しかったよ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発売から40年の美味を堪能!

2014-09-15 17:33:13 | リハーサル

今週はスタジオ練習はお休み。

3連休、ノブの体調考慮、そして来月のライブまでは一ヵ月半あるので、ここいらで英気を養うべく一服。

でも抜かりなく、しっかりと全員に宿題があります。

大雪山系は紅葉が始まっておいて木々が色付いています。

今月末には初雪でしょうね。

 

ノブから大好物の北海道銘菓「三方六(さんぽうろく)」をいただきました。

第27回世界菓子博覧会「モンドセレクション」最高金賞受賞、十勝は帯広の人気銘菓。

特製バームクーヘンにホワイト・チョコレートとミルク・チョコレートをかけ白樺の木肌を演出。

お客様のご要望を取り入れて食べやすいように10切にカット。

北海道が生んだ氷点の作家、故・三浦綾子さんも随筆で絶賛しています。

北海道開拓時代、開墾のため、森林伐採。

建築用材木以外は厳しい冬用に薪として利用。

そのサイズが木口三方に対して、それぞれ六寸(約18センチ)であったために。三方六寸(三方六)という呼称は現在も薪の基本寸法、割り方の基準だそうです。

それから100年を経て誕生したのがこの思い出深いお菓子です(北の自然菓・柳月)より参照。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MAKE ME SMILE(EP)

2014-09-13 10:23:24 | CHICAGO

シカゴ2枚目のシングル「ぼくらに微笑みを」

1970年3月リリース。

全米最高ランク9位。

初のヒット曲ですが、ここ日本では残念ながら不発でした・・・。

日本盤リリースの時点では解説に記載されているとおり、4月11日付、キャッシュ・ボックス誌で49位赤丸上昇中とのこと。

めでたく今回のメンバー紹介では無事7人が担当楽器も含めて書き込まれています。

ただ、当時はビジネス上の都合上、3分以内が有利というラジオ・オンエアのことを考慮してレコード会社の意向によりぶっとびの大編集作業が施されています。

この曲、シカゴのセカンド・アルバム「CHICAGO(邦題:シカゴと23の誓い)」に収録されていますが、トロンボーン担当ジェームス・パンコウが出会ったある女性とのラブ・ストーリーを7楽章からなるバレー・フォー・ア・ガール・イン・ブキャノンという壮大なる組曲として書き上げています。(2枚組LPの1枚目B面6~12曲目まで。このアルバムはトータルアルバムのためバンドの主旨により通し番号で統一されています。)

その幕開けともいうべき第1楽章が「ぼくらに微笑みを」。このいかしたブラスセクションのイントロシングルでは丸々カットして、いきなりドラム・フィルから開始。

なんとこのシングルの後半には掟破りともいうべき第7楽章「愛は限りなく」を合体。ここも大胆にハサミが入れられています。

そして出来上がったのが2:58のEP。だから厳密には「僕等に微笑みを~愛は限りなく」というのがタイトルだと言ったら怒られるでしょうか。男女の出会いから突然ハッピーエンド。時間的制約でこれは仕方のない事。中間の紆余曲折ドラマに興味のある方は是非とも完全版を堪能してみてください。

ちなみにB面にも第5楽章「ぼくらの世界をバラ色に」(3:01)というウォルター・パラザイダーによるフルート・ソロが美しいメランコリック・バラードを収録。こちらも全米ヒットしています(VO担当決定までにはスッタモンダありましたが・・・)

シカゴはこの組曲を発表後、ほとんどのコンサートで全楽章を演奏していましたが、ヒット曲、持ち曲が膨大に増え、演奏時間の都合、時代が長い曲を求めていないという環境を踏まえて全組曲を演奏しなくなったのですが(なんとも複雑で贅沢な話ですね)現在では必ず全曲演奏、見事に完全復活しました。

セット・リストには絶対欠かせない重要な組曲、一切無駄のない完璧なるアレンジ、構成で組み立てられた最高傑作です。

写真のピンクジャケットが初盤(真ん中は三叉穴でサンプル)、黄緑ジャケットは再発盤。

ジャケット無しのものはイギリス盤。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする