さあ、いよいよこのブログの主人公でもある、S・T・Aが出てきますよ。
頑固一徹結成以来18年に渡ってシカゴを中心とした硬派なブラスロック一筋を基本コンセプトに掲げて,毎月ライブを敢行。
活動拠点はバンド名が示すとおりに札幌なのですが、今回は「江別市民会館大ホール」です。
ここにSTAが出演するのは2019年5月19日(日)以来。
でもその時は諸事情により「小ホール」でしたがね‥‥(-_-;)
もちろん、大ホールにも出演したことがありますよ。
意外と言ったら江別に対して失礼ではありますが、けっこうライブに適した箱が多い街なのですよ。
中々に江別の音楽シーンも熱いものがありますね。
8人編成にて、恒例ともなったSTAメンバーの顔ぶれに今回も入れ替わりあり。
ご他聞に漏れず、若干曲の変動もあります。
なんたって最大の話題といえば、ホーン・セクション以外のパートがほぼ固定化しつつあることです。
マサはSTA結成当初から、バンドの全てを見つめ続けてきた生き証人。
モッチンは酸いも甘いも噛み分けた、ダニー・セラフィン命の絶対的な信頼を仰ぐ凄腕ドラマー。
そして北海道ロック・シーンにこの男ありと言われるほどの名声を轟かせているニシヤン。
その他のメンバーにも続々と名を連ねている猛者達がいますが、それはそれで徐々にアナウンスしていきますね。
管楽器のメンバー達はライブごとに変動や出戻りがあるため、アンサンブルに多少不安があるようですが、いざはじまってみたら各自全くのブランクや、ふらつきなど感じられないし、一発目の音からエンジン全開でノリまくっています。
いや、もしかしたらSTAの全キャリア中でも2023年度が絶頂期なのかもしれませんね。
それぞれに「そうとう一人で鍛錬したんだろう?」と尋ねてみたところ涼しい表情で「いやあ全然・・・」と不敵な笑み。
案外、STA活動から一旦距離を置いて心身共にリフレッシュしたのが、功を奏したのかもしれませんね。
とにもかくにも、頼もしい存在達だ。
そしてもう一人、STAのジェームス・パンコウこと、ご意見番であり、ホーンセクションで陣頭指揮をとりながら、いつも気を吐いているトロンボーン奏者その名もミツが奇跡の復活合流を果たしたのです。
これは大事件ですよ!
真っ赤なヤクルト・スワローズのTshirtを着込んで、さすがの熱演を繰り広げてくれました。
彼は驚いたことに、この日の直前に参加が決定したという怖いもの知らず。
よほどの自信とやる気と度胸と高度なテクニックが備わっていなければ、こんな無謀な決断は下せないでしょう。
これで、またまたSTAのサウンドエナジーが大幅に増したよん!
おめでとう!
またもや、ライブへ病み付きになること請け合いさ。
ベテランのウパちゃん&多忙極まりないヤマちゃん&一番若いマッツというトリプル・サックス(各自の手腕には、おみそれしました!)。
特に職人気質のウパちゃんにとって、江別はホーム・グラウンドなのであります。
この日も沢山のファンが応援に駆けつけてくれましたよ。
嬉しい事だ。
良かったね!!
ファニーいわく「江別市民会館」はとても音がいいよ!と絶賛。
あのうるさ型の男が太鼓判を押すくらいだからもう安心だね。
そうなのですよ!
STAはライブ活動も一貫として江別大麻エポアホールには3度出演したのですが、ここ江別市民会館は何度立ってもとっても新鮮なのです!
以前の大ホール時には、主催者ナガクボくんの御厚意によってSTAのみブラス隊専用のお立ち台が設置されました。
本家シカゴ並みのセットに感動です。
今回はホーンセクションを擁するバンドが多数出演するので更なるグレードアップを図ったご様子。
以前にルチュさんも言ってましたが、テッチャンも同意見「STAには広いステージがよく似合う!」
ただ今回はトランペットが不在・・・・。
ナガクボくんもメンバー探しに奔走してくれたのですが結局は駄目でした。
でもねえ、その彼が素晴らしいサックス・プレイヤーを紹介してくれたのですよ。
前述のヤマちゃんがその人。
もうすでにセカンド・アクト「AOR LAB BAND」で出演済み。
長久保くんバンドのメンバーでもある実力派なのですよ。
春先のゴールドストーン・イベントでも「エロチカヘヴン」のメンバーとしてミキティと出演。
STAも出演していたので、その時に初めてメンバーともご挨拶を交わし合ったのですよ。
よって遠慮なしに見事な手腕を発揮。
全く違和感もなく、素晴らしいプレイを披露してくれました。
彼がSTAライブに参加するのはもちろんこれが初めてなんだけど、2回きりのスタジオ・リハで、けっこうコツも掴めてきてこなれた感あり。
シカゴに対する奥深き難解さは痛感しているようだけどね・・・・。
そして特筆すべきはウパちゃん。
管楽器アンサンブルを考慮してスコアをアレンジ。
トランペットのパート音域を自らのアルト・サックスにて再現してくれました。
ガンガンにハイノートをヒットする様は圧巻だったよ。
景気付けとばかりに情け容赦なきパフォーマンスの連続。
それもそのはずで、タイトルにも記していますが、今回がSTAにとって記念すべき200回目のライブなのだ。
力も漲るはずだ。
もう一つ・・・・残念なニュースではありますが、この日をもってギターのニシヤンは脱退します。
今までご苦労様でした。
色々とお世話になったし、相談にものってもらった。
お互いに切磋琢磨しにあった仲。
本人もガッツリと頑張るとのこと。
乞うご期待だ。
バンド入れ替え時間は15分。
まずは
各メンバーがそれぞれのポジションへと陣取る。
手際よくウオーミングアップも済ませてチューニング。
スタッフに指示に従い、パートごとのサウンドチェック。
そして軽く全体での演奏に興じる。
モニターへの返しやバランス調整を要求。
これでドンドン理想とする体制が整ってきた。
準備万端でオーケー。
マサがそれぞれに確認を入れてゴーサインを出す。
それでは前置きが長くなったのでそろそろ開演といこうかい!
ARE YOU READY!!
OH,YEAH!!!
***MEMBER***
MASA・・・B VO
MOCCHIN・・・DR CHO
AKI・・・KB CHO PER
MATTSU・・・TS
NISHIYAN・・・G
MITSU・・・TB
UPACHAN・・・AS
YAMACHAN・・・AS
***SET LIST***
1、INTRODUCTION・・・CHICAGO
2、SATURDAY IN YHE PARK・・・CHICAGO
3、I CAN'T TURN YOU LOOSE(お前を離さない)・・・THE BLUES BROTHERS
4、PETERGUNN・・・THE BLUES BROTHERS
5、FEELIN' STRONGER EVERYDAY(愛のきずな)・・・CHICAGO
6、GIMME SOME LOVIN'・・・SAM&DAVE
7、VEHICLE・・・IDES OF MARCH
8、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO
まずはアキ嬢がプログレッシブでスペイシーなシンセサイザーサウンドで、一種独特なる異空間を作り上げる
(彼女は何でも受け入れてくれるから調子にのったマサは無理難題をしょっちょう投げかけるんだけど、それら全てを軽くその場で仕上げてくれるんだよね。
その手腕は大袈裟ではなくゴッドハンドの如しだ!頼もしい。
このミステリアスなるSEも事前にスタジオで膨大なるシンセ内蔵音源からじっくりと時間をかけてセレクトしたもの)。
マサがすかさずニシヤンらに手拍子でテンポのメッセージを送ると、それに便乗するかたちで歯切れのよいギターコードミュートカッティング、剃刀のごとき小刻みなハイハットで応える。
マサは大股開きでふてぶてしく会場中をゆっくりと見渡しながら、頃合いを見計らう。
キヨミ嬢がワイヤレスマイクを手に、鮮やかなスポットライトを浴びながら会場の下手から落ち着き払った声で華々しくナレーションを告げる。
「たいへん長らくお待たせいたしました。
いよいよはじまりますよ!
今か今かとお待ちかねの皆さん。
そうですよね。
これから極上のステージをお届けして参りますよ。
もはやお馴染みの大所帯バンドが登場。
数年ぶりにSTAが江別に帰って来ました!
北国唯一無二の札幌発ブラスロックバンド!
ド迫力ホーンセクションの熱きサウンドを、心ゆくまでドップリとご堪能ください!
メンバー一同は、この日この時この瞬間を心待ちにしていました!
それではヨロシク!
レディース&ジェントルメン!
THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」
ジャストなタイミングで「1・2・3~!!」(思い切りミキサーがリバーブを深めにかけてくれたよ!)
波状攻撃へ、火蓋が切って落とされました。
猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。
さすが、この人数だけに勢いが桁違い。
プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。
すでに掴みはバッチリとオーケーだ。
普段は寡黙なモッチンもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに豹変するのです。
その上、5年前の4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が、相当感動的に残っているらしくて、ずっと刺激を受けている御様子。
如実にドラミングの随所にダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!
イントロの爆音が情け容赦なく多方面へと襲い掛かる!
ほほえましい光景に、常連組が客席でやや控えめに参戦。
写真&ビデオ撮影にと勤しんでいます。
皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリと手拍子をあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。
もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。
その中でもこの日ほど、迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!
出色の出来と自画自賛。
モニター・スピーカーに片足乗せて、マサが野獣のごとく吠えまくりながらも襲いかかる。
次いでアグレッシブなアクションを巻き起こす。(マサの正面最前列にイスで陣取ったカズちゃん&アベちゃん曰く、マサさんはスペースが広いから相当に動き回っていましたね、と言ってた。
スタッフのナガクボくんはマサのステージングをそれまでも見ているので、わざわざ動線を確保までしてくれた。
ありがたいことだよね)
以前のような、飛沫飛翔防止用のパーテイションもビニール幕もないので、自由自在に動ける。
コロナ騒動もようやく落ち着きだしてきたから嬉しい限りだ。
もちろん、そこそこに加減はしていますよ。
計算されつくしたニシヤン独特なるシャープな音色のギターが、モッチンのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく。
看板ともいえる4管によるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。
(本来はトランペットが在籍しているんだけど、都合により直前で離脱することに・・・つまり、アルト(x2)、テナー、トロンボーンという非常に珍しい編成に落ち着いた(´;ω;`)
舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。
後方サイドからは、ドラムが遠慮なしにグルーブを構築しながらの進撃展開。
会場をまるごと覆いつくすかのような、キーボードによる異次元模様の高鳴り。
なんという高揚感であろうか。
鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。
さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?
・・・・今回は一体全体、何を仕掛けてくるのか??
さあ、2番の歌詞がカットされたエディットヴァージョンから、第一関門の地獄にガッシリと突入だ。
先月の反省点は見事にクリア。
手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。
切り込み隊長はいきなりミツによる、やや食い気味かつ流麗なるトロンボーン・ソロで場面転換。
ほぼギリギリのぶっつけ本番だから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。
大した度胸の持ち主だ。
さすがに百戦錬磨の達人だからこそ成しえる技。
何事もなかったかのように振舞っていたよ(モッチンによる縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。
ここがミツの凄いところ。
なんと自宅に宿題として持ち帰り、3つのコードで繰り広げられるソロ・パートを、極上のエモーショナル・ラインで纏め上げてきて披露したのだ!!
能あるタカは爪隠す!と、昔の人はうまいことを言ったモノだ。
ねえ、ミツよ!(1回目のスタジオリハ前にブレイク部分による拍数の謎を解明するべく、独自でスコアを探しだしてきて見事に解明したのだそうですよ。
すさまじき探求心。
正直な話、この曲はトップがキツイとのこと・・・・それは、うなずけるねえ‥‥でもご挨拶ソングだからねえ。
不動のポジションなのですよ。
悪しからず。)
アキのピアノ旋律が、とびっきりに美しくて効果絶大さ。
マサによる、流麗なる美しきオクターブベースに導かれて場面転換。
マサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのモッチンが職人芸で猛然と先導しつつ、お次はベテラン・ウパの出番。
彼のアルト・ソロは熟練の極致なので、大船に乗った気分に浸れます。
一聴しただけで安定感抜群。
時折ヒステリックなハイノートなども懇切丁寧クールにヒットしていてニンマリ。
・・・実はトランペットのソロを、ウパが自ら手直しを施して、他の管楽器隊と意見調整しながら纏め上げてくれた・・・・。
バッキングによる強弱のサポートも効果覿面だ。
もうこのあたりに辿りついた時点で会場中の空気は一変。
なにやら恐ろしいくらいにもの凄いことがステージで起こっているぞ・・・てな感じでかぶりついている。
ニシヤンは臨機応変、歪みからコーラスサウンドまでコンスタントに幅広く音色をエフェクターで器用に切り替える(ここはスタジオリハ時に取り決めたこと)。
そして第3の男、そのニシヤンによるワイルドなギターが火を噴いた。
いきなり過激なハーモニクスを導入部分に一気呵成に飛び出して、益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。ただひたすらにエキセントリック。
序盤はテリー・キャスのフレーズに敬意を表する・・・・。
へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。
音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。
身をのけぞらせてイナバウアー・アクション。
チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。
あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。
(掛け持ちミュージシャンの西やんはリミックス、ミッドナイト・クライシスではベーシスト。
そちらの時は大股開きスタイルなんだけど、STAでは常に横向きポーズで全体を注視している。
これが彼の楽器別スタイルなんだね)
そして遂にテリー・キャスのギター・ソロを、ほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?
ビブラート、グリッサンドに至るまで再現しているよ。
この前面へのせり出しシーンは、ヒロリンのリクエスト。
間髪入れず、極めつけは第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝によるモッチンが、力漲る究極の稲妻フィルインで拍手喝采。
サンキュー!
いつもは沈着冷静なるモッチンもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。
すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。
いくつもの修羅場を潜り抜けてきたからこその、説得力ある支柱だ。
エンディングにおけるベルトーンも、アッキー渾身の1音を筆頭に見事な連携で繋がった。
ここで繰り出したニシヤン入魂のピッキングがジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。
これぞまさしくロックの原石。
いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。
アキからホーンセクションへと受け渡す流れへ。
マサが後方に設置されたバスドラムに左足を乗せ、右手を頭上に掲げてグルグルと何度も素早く回転。
モッチンと呼吸合わせ、雷鳴のような怒涛の連打をスリリングに交えて激しいジャンプでフィニッシュ。
以前、ASの女傑ミキティいわく「マサとモッチンは何かにとりつかれているようだった」とのコメントを述べていましたっけ。
度肝を抜かれた観客はため息混じりに唖然している。