1月15日(金)
横浜パシフィコ公演 第2部
休憩時間から暗転した途端にキース・ハウランドが一人で登場。
いきなりステージ中央で大股開きのポーズを決めて轟音のようなアーミングからネックを持ち上げギターヒーローよろしく超早弾きを披露。
へヴィーメタルコンサートでエディ・ヴァン・ヘイレンかイングヴェイJマルムスティーンを観ているよう。
その流れから「オールド・ディズ」のイントロ・リフを単独リフで轟かせた後にバンド全員で通常演奏に。(ジェイソンVO)
メドレーでDRフィルから「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」
当然のごとくリー・ログネイン堂々たるイントロTP・SOLOで大歓声。
エンディングでは入魂のTB・SOLOをオリジナルスタジオ・テイク以上に引っ張り気味に吹き込んでジミー・パンコウはドヤ顔。
ロバート・ラムのMC後、「忘れ得ぬ君へ」
オリジナルのツインVOメンバー達はもうすでに脱退しているけれど、ジェイソンとルーによるVOも絶品。全く違和感無くお見事の一語に尽きます。
しかしいつものことながらあの壮大なアレンジからなる楽曲をよくもまあ、ここまで細部にわたってパーフェクトに再現できるものですなあ。
「君こそすべて」とAOR全盛期のシカゴ楽曲がこれでもかと続き、観客はじっくりと身をゆだねて聞き入るのみ。
ロバートとキースの2人がアコースティック・ギターに持ち替えて4カウントから軽快にかき鳴らしたのは「ビギニングス」。
ロバートのVOも絶好調。忠実にスタジオ・オリジナルバージョンのラインを再現してくれます。
リーとジミーによる火花散るソロ・バトルでは観客全員の目が2人に釘付け。
すかさずジェイソンの渋いベースのフレーズがスタート。
「アイム・ア・マン」のはじまりです。
ブラス隊がここでは前面横一列順々に並んで次々とパーカッショニストへと変身。当たり前の話ですがそのエネルギッシュに打ち鳴らす姿はさすがプロ。全身全霊を込めてリズムを奏でます。
ロバート、ジェイソンのVOから(3番は無し)ウォフレッドのパーカッション・ソロ・タイム。前回の2012年初お披露目も凄かったけど今回は更に磨きがかかっていてライブ中、一つの山場を迎えた感あり。テクニックだけにとどまらずコミカルな演出,変拍子、客との掛け合い、複雑なリズム・コンビネーションと申し分なし。
普通このような単独ソロともなると、観客はトイレに行く時間か息抜きに費やされ(私は決してそんなもったいない事はしないで食い入るように見入りますが)るのですが、ウォフレッドの場合は一瞬の瞬きも惜しいほどのすご技連発。
トリスとの火を吹く攻防も凄まじい限り。
ドンドンと加熱していったと思ったらじらすようにペースダウン、そして再びパワーアップする様は言葉で表現できないほど。(私はウオフレッドに個別で会った際にNICE GROOVE!という賛辞を贈ったところニッコリと微笑んでTHANK YOU!と返してくれました。もっと私が英語堪能ならば色々な音楽談義ができたのですが、もうこれでいっぱい、いっぱい。せっかくのチャンスだったのに。情けない・・・)
また「アイム・ア・マン」に戻ってルーのボーカル。
矢継ぎ早に「ストリート・プレイヤー」へ。
2012年に初日本お披露目だったこの曲。あの時のジェイソンの力の入れようは半端ではなかったけれども、今回はこなれてきたのか風格溢れるスタイルで軽快に気持ちよく飛ばしていました。
(転調も鮮やかに)
珍しくリーお馴染みのハスキーヴォイスでMC。
「君と二人で」を紹介。中間部におけるソプラノ・サックス・ソロでレイ・ハーマンがこれぞ職人芸の真骨頂とばかりにアドリブを余裕で展開。
「素直になれなくて」。もう何もいうことはありません。この曲のヒットが無ければ今こうしてシカゴを目の前で見る事はなかったのですからね。
ああ、どこもかしこも美しい曲。
リーのファンファーレ風トランペット・ソロから引き継がれて「ゲッタウェイ」
ここいらからは完全に会場総立ち状態。老若男女、もう誰一人座っている者はいません。
シカゴ初のミリオンナンバー「サタディ・イン・ザ・パーク」
私は感極まって泣きそうです。
この曲を否定する人なんていないでしょうね。
定番「愛のきずな」は後半のハードパートからの導入プレイでダメ押し。
エンディングはザ・ビートルズ「ガット・ゲッツ・ユー・イントウ・マイ・ライフ」の一節。(この曲がシカゴ結成のキッカケでもありコンセプトだったのです)
メンバー達は一旦下がるも「アンコール!」の求めに応じて当然のごとく再び現れてくれました。
怒涛のブラスロック「自由になりたい」ではオリジナルの何十倍も過激に疾走。
ルーのボーカルも迫力いっぱい。
本当にこの人は色々なタイプの楽曲を器用に自分のものに吸収、消化して表現してくれますね。レイ・ハーマンのサックス・ソロは前回の時とはフレーズが変わっていて「おお~~~!!」と大興奮。
正真正銘のラストソング「長い夜」が鳴り響くと「ああ・・・もうこのステージもとうとう終わりなんだなあ・・・・」と切なくなってきて複雑な心境。
この際、完全燃焼した者勝ち。
一緒に歌いまくりです。大満足のコンサート。
やっぱりシカゴは別格です。
「ドウモアリガトウ!ニッポンダイスキ!!」とこなれた日本語でジミーから感謝のお言葉。
メンバー達が舞台袖に去った後、BGMと共に会場が明るくなり夢心地気分から一挙に現実へと引き戻されます。
アナウンスが流れるホールを出て、この後には日本中のシカゴ・ファン達が集う打ち上げのための居酒屋へ移動。
場所はコンサート会場から徒歩数分で格安、サービスも申し分なし。幹事担当は日本一のシカゴ・ファン用ブログ管理人さんです。ありがとうございました。
想像以上に物凄い人数のシカゴ・ファンでごった返していた綺麗な店内ではコンサートの余韻に酔いしれる中で祝宴が延々と繰り広げられていました(今は無きシカゴ・ファン・クラブで知り合ったご夫婦の結婚記念日もケーキでお祝い。おめでとうございます!)。