STA企画ライブ・イベント・・・・LIBERATION30
2013,11,9(SAT)
立冬を迎えた翌日に、ついに札幌の平地にも初雪が降りました。
モダンタイムに出演するのもちょうど1年ぶり。
そしてSTAが企画するこのライブイベントも第1回がここから。早いものですね。マスターと二人「もう30回目かあ・・・」と感無量でした。
さあ、今回も選りすぐりの6バンドが集結。
いつもにもまして、決して大げさではなくツワモノ集団が登場しました。
まず全てのジャンルがかぶることなくゴージャス、そしてなんといっても極めつけがどのバンドも超がつくほどのテクニシャン揃い。これに関しては皆が皆「どいつもこいつもバカウマだね、お互い物凄く勉強になるし飽きることなく釘付け状態になっちゃった」と言っていました。
更には観客の動員がけた外れ。開演前からもうビッシリ。入口からも溢れかえっています。
マスター曰く、まじとも冗談ともなく「STAのライブの時には店内を拡張工事しなきゃあ」と漏らすほど。
「店内BGMに何かノリのいいのを一発流してよ」と依頼したら、マスターの好み、ディスコミュージックが延々と流れました。この日の出演バンドにはない音楽なのでこれはこれで活気づきましたよ。
全バンドが最初から最後まで(50分ほど時間が押してしまったにも関わらず)共にずっと熱い声援を送り続けて観客と一体になっていました。
これが自主企画のだいご味だね。幸せなひと時でした。これ皆も一緒だよね。
午後6時スタートでしたが、そういうわけでお客様が続々と来店、カウンターへの注文が殺到したので8分ほどの押しでマサのいつもの司会進行にて無事スタート。
「SOYS」
ミキ嬢、シンの音楽仲間でもあるサイトウ氏率いる3人組(5弦ベースをフィンガー・ピッキングでプレイするのはモダンタイムのマスター、マル)。
そこから繰り出されるサウンドはとてもユニークでオリジナルを中心にほとんどがインストウルメンタル(ところどころにテクノ・プログレ風味が漂います)。
パソコンをミキサーに連結してバッキング・トラックを引き出しサウスポーから奏でられるギター・メロディーがあらゆる彩りを添えてくれます。
時にはボコーダーを使用、へヴィーなコード・ワークから高中正義を彷彿とさせるようなメロディーも繰り出されます。
オープニングからフェーダー、ハウリングによるトラブルがありましたがすかさず機転をきかせて、ノーマル音でサイトウ氏が松山千春「季節の中で」を即興で歌唱。そのまま、22年前に製作したというかなり個性的でぶっ飛びのいかした曲を展開してくれました。
リーダーの本業はファミコン・ゲームの作曲家。この曲もPCエンジンのテーマソングとのことでそれを聞いた会場内のゲーマー達が驚愕していました。
BNPのミキ嬢がここでレディー・ガガ顔負けのルックスに扮してゲスト参加。本当は打ち合わせで日本語のわからない外人シンガーになりきる約束だったのにサイトウ氏からの問いかけにうっかりと日本語で返答。そこがまたバカ受けでした。「パラレル・ラブ」を歌った後、もう一人のBNP女性シンガー、ジュン嬢が加わり彼女は通訳担当。
会場に向けて「北海道で好きな食べ物は?」、観客「ラーメン!」、ミキ「・・・」、「じゃあ、ジンギスカン!」「・・・・」「じゃあ、何が好き?」ミキ「石狩鍋!!」
ということで「石狩鍋」というアイドルチックなツイン・ボーカルをフューチャーした曲を振付入りで熱唱。この曲は石狩大手スーパー・マーケットの食材売り場で流れているサイトウ氏のオリジナル・ポップスだそうです。メンバー紹介も観客が納得、浸透するまで繰り返し行い(!?)スーパー・オバタ・ドラムソロになだれこみ。
通受けムード満点の坂本龍一インスト「1000のナイフ」に次いでラストは感動的な泣きのギター全開によるギター・インスト・バラード(私は虹伝説を思い出しました)。4曲入りで1000円の自主制作CDも限定5枚で店頭販売していました。
「YURIKOTIC SIX」
10PMでもSTAでタイバンを組んだこともあるショウジ君とマサはその後もラブコールを送りあっていたのですが遂にこの日、新たなプロジェクトでご一緒することとなりました。ここまで来るのに長い時が経ちましたが
それを埋めるに十分すぎるほどの内容に辛抱強く待った甲斐があったというもの。
リーダー、ショウジ率いるジャズ・ソウル・グループ6人編成。セクシーな女性シンガーをフロントに据えてバックを固める男性陣の作りだす音が極上の安定感で引き締まります。
ね、もう充分にこれだけで説得力あるでしょう。
またベーシストとして元サーベル・タイガー、そして講師としても多方面で活躍しているヤマズミ君が在籍していたのもビックリ。マサとは楽器店、スタジオでは顔なじみではありますが、お互いにプレイしている姿を見るのは初めてということで興味シンシンです。
セットリストもセンス抜群のセレクト。
1曲目ジャミロクワイのミディアムナンバー「ジス・ラブ」では中間と後半にピアノ・ソロを織り交ぜ、次いで意表を突くかのごとく寺尾聡の大ヒット曲「ルビーの指輪」を。中間にピアノ&サックスソロを披露、あれ!?聞き覚えのあるリフ・ブレーク・・・TOTOデビュー作収録「ジョージ―・ポーギー」だ!!嬉しいサプライズ。
ギター・チェンジに費やす時間、自然とバックがリズムを刻み始めさりげなくボーカルがMC。ころあいを見計らったかのように夏向け3曲目「ソング・フォー・ザ・ソウル」。このスムーズな阿吽の呼吸による繋ぎはそうそう素人にはなしえない高等技術。
このアップ・ナンバーでもサックス&ピアノソロがからんできますが決して全体のバランスを損なうようなでしゃばり方はしないところが大人の演者たる極意。
再度ギター・チェンジによるミディアム・バラードはスィング・アウト・シスターズの大ヒット「ナウ・ユア・ノット・ヒア」(あなたにいてほしい)。この曲が聴けたことも個人的に大きな喜びです。この曲は日本のテレビドラマ用にメンバーのコリーンらが書き下ろし日本でレコーディングしたといういわくつきの純東京産ロンドン・ポップス。マサにとっては彼らのデビュー曲でもある「ブレイク・アウト」と並びお気に入りの1曲でもあります。1960年代のバート・バカラックによるおしゃれなグルーブを内包したかのような珠玉の忘れられないラブ・ソング(もちろんサックス&ギター・ソロあり)。
アップ・テンポの「ミラクルズ」ではベース&ピアノ・ソロ。メンバー紹介をからめつつラストはこれまたびっくり井上陽水のミディアム・ナンバー「メイク・アップ・シャドー」
うるさ型の音楽通も唸らざるえないステージングでした。ヤマズミ君はさすがの一言、ショウジ君も全体を常に冷静に見つめつつも控えめにリードする姿勢に好感が持てました。ライブ終了後には歩み寄ってがっちりと握手。
他のバンド同士なんだけど、皆が皆、それぞれの同パートが自然に輪になって談笑しているシーンははたから見ていても微笑ましいですね。
「爆音戦隊DRIFT QUEEN」
次々にあらゆるジャンルのバンドが登場します、楽しいねえ!この非常にユニークなバンド名を名乗る6人組はキュートな女性シンガーをフューチャーした新旧織り交ぜてのアニメ・ソング・バンドでSTAマサとはスタジオでは旧知の仲。
曲もノーマルにではなく独自でアレンジを施しての披露となりました。膨大なるレパートリーの中から厳選しての6曲をお送りしました(もっと聴きたい曲がいっぱいあったよん)。
まずはその前に彼らからのメッセージを・・・「アニソンカバーバンドとして2012年より活動開始、札幌市内中心に年間数本のライブ。メンバーそれぞれがパーソナルカラーの衣装をまといどこかで聞き覚えのある楽曲で「お客さんと一緒に楽しめる」ショーを展開中!!」とのこと。」ちなみに色別紹介しますとボーカル・メグ(ドリフトピンク)、ベース・マル(ドリフトターコイズブルー)、ドラム・フクチャン(ドリフトレッド)、ギター・ミッキー(ドリフトグリーン)、ギター・ナオロー君(ドリフトオレンジ)、キーボード・ミツル(ドリフトパープル)とユニーク&カラフル。
それぞれが入念にリサーチした結果、完成にいきついたというステージ衣装に身を包み(もちろん各メンバーが独自のカラーで)オタク心をくすぐる貴重なライブを聴かせてくれました。
キーボードの配置転換や、ボーカル・ワイヤレスマイクのトラブル(マイクを綺麗にデコしていたのに残念・・・)で使用断念といろいろありましたが大熱演。トークも楽しく1曲1曲を懇切丁寧に解説してくれてアニメの世界のどっぷりと浸らせてくれました。
マサからのリクエストで特別に全員のコスチュームは何のアニメからのデザインなのか教えていただきました。
個人的には石森章太郎(石ノ森ではなく)「サイボーグ009」がツボでした!
曲目紹介しますね。
ジャニーズのカンジャニ∞村上信吾主演で遂に実写化テレビドラマで放映決定、話題の「ハクション大魔王」(は・は・・では客席と掛け合い)、ぐっと新しく女子学生たちのBAND物語、けいおんから「ノーサンキュー」、ふたたび昔懐かしの一休さんのエンディング・テーマ「母上様」でしんみり、一転してパワ―アップ、高橋留美子の出世作、うる星やつら「ラムのラブソング(好きよ)」、そして「エヴァンゲリオン」最後はマクロス「星間飛行」
文句なしにこの日1番のビジュアル大賞決定ですね、ゴヘイバンド以来の派手派手バンドでした。
ベースのマルは初めてベースを買うときからマサとは顔見知り、マルコシアス・バンプを敬愛しているだけあってベースは一貫してずっとブルーのEBベースを白の手袋はいて(北海道ではこう言います!)指弾き。彼が他のバンドに所属していた時も同じステージをご一緒していますが、相変わらずアクティブにステージ狭しと動き回り勢い余ってマイクスタンドをなぎ倒し(BNPのてっちゃんは応援を送りつつさりげなく立て直していました、さすが)。
演奏も熱く、衣装もがっちりと着こんでいたのでやっぱり熱かったでしょう。完全燃焼!
「山口隆洋トリオ」
マル達の紹介で参加してくれた初対面バンドです。
彼らからも前もってメッセージをいただきました。
「札幌のフュージョン・ロック・シーンを盛り上げるために生まれたトリオ!とっておきのオリジナル楽曲とカヴァーをお届けします。」
ドラマーのジュンジ氏は東京にも進出経験のある凄腕の持ち主。ギターのヤマグチ君(マル君の後輩)も終始にこやかに笑いをとりつつも難解なフレーズを軽々と弾きこなしていきます。オオツカ氏もチョッパー奏法、指弾きを巧みにこなしながらジャジーな展開でも安定したボトムでどっしりと構えています。また細かいことですが常に曲ごとにドンカマをヘッドフォーンから伝達してドラム・カウントに入ります。
マル達から前もって「彼らはめちゃくちゃに上手いよ」と聴いていましたが、想像以上でしたね。
一瞬たりとも目が離せないほどの離れ業の連続。あそこまで見事に決められまくっちゃったら手放しで拍手を送るしかないです、脱帽。
リズム、コードとドンドン複雑に発展していくオール・インストウルメンタルの洪水。
ヤマグチ君はモダンタイム名物のカレーライスを事前にエネルギー源として食していたのですが(マサが何度もマイクでオーダーのアピールをしたので)、そのスパイスがライブ中に効果を徐々に発揮して鼻と目にきちゃったみたいでちょっと辛そうでしたね。
マル君たちの厳しくも温かい声援に見守られながら、オリジナルの「ゴースト・カー・チェイス」で開巻から圧倒的存在感を示してくれます。
「次の曲は難しいので間違えないように気をつけて演奏します」と慎重な面持ちではじまった3曲目「ギャンブリング」、なるほどこれをこなしきるのはリズムによほどたけたミュージシャンでないと絶対に無理だと思います。
メンバー紹介のあとには「ピーセス・オブ・マインド」、そして最後は「異邦人」で締めくくってくれました。一糸乱れぬ沈着冷静なるプレイに絶賛の声が何度も上がりました。
「BRAND NEW POPS(B・N・P)」
毎度おなじみシン率いるSTAファミリー常連バンドとなりつつある7人組がまたもや賑やかに、かつ爽やかにトリ前を洋邦楽織り交ぜて飾ってくれました。
今回のセットリストの中にはマサのリクエストに応じてくれたナンバーも秘かに含まれていたそうでその優しさあふれる心配りに感涙。
テっちゃんは予備のギターとアコースティック・ギターと3本を常時スタンバイしています。(スペアを控えておくのはマサと同じ)シンも慎重に鍵盤ボリューム、低音のレベルをミキサーと打ち合わせ、照明がまぶしかったのは辛かったかも・・・・。
マサが今年の小樽北運河で、BNPの演奏を聞いて以来マイブームになるつつある「サニー」で今回もスタート(このバージョンはオリジナルではなくジャミロクワイのライブ音源がお手本とか。ミキ嬢のボーカルが光っています)。
何度聞いても琴線を震わす名曲ですね。意外なことにBNPのマニアックな選曲担当はテっちゃんがほとんどを占めているそうです。お次のスティーリー・ダン「リキの電話番号」もその一つ。(プリッツエル・ロジック収録。初期の名曲)
思えばホットタイムで予告なしに、この曲を歌うシンの姿を見たSTA全員が衝撃を受けてその後グッと音楽の幅が広がった、というエピソードがあります。
よくドナルド・フェイゲン独特の節回しまで歌いこなせるものですね、関心しちゃいます。
お約束のスターダスト・レビュー「思い出に変わるまで」ではジュン嬢がリード・ボーカルを担当。フロントに女性シンガーを2人もたたずませるなんてなんという贅沢なバンドなんでしょうか(しかもタイプ別のリードVOが4人もいるし。)
中盤ではミキ&シンのキーボード連弾による演奏で「次は今話題の曲、荒井由実の飛行機雲です(スタジオ・ジブリの作品「風立ちぬ」から)。
「耐えがたく甘い季節」、そしてミキ嬢がメンバー紹介をします。
このバンドは理屈抜きに純粋に音楽をバンド演奏を歌うことを、そしてライブを心底愛してやまないという気持ちが見ているこちらサイドにもうらやましいくらいに伝わってきますね。アット・ホームで仲良しなグループです。
最後は待ってましたとばかりにサンタナ初期の定番曲「ブラック・マジック・ウーマン」(このタイトルを告げた途端に感嘆のどよめきが・・・)
もちろんシンがほれ込んでいるテっちゃんによる官能的なボーカルとギターの独壇場。
中央前方の女性陣もパーカッションで応戦。ツインギターによるギター・バトルも後半に用意されていてプレイ・スタイルの違いもくっきりと浮かび上がり見せ場も豊富、アオキ氏のベースラインも好サポートに徹しています。ライブ後はテっちゃんとマサがロック談義に大盛り上がりで周囲も寄り付けないくらいに際限なく続いたことを付記しておきます。
なぜか今までにも例を見ないほどのタイム・テーブル押しまくり状態だったのですが、会場内は相変わらず和やかにも、しかし確実にヒートアップした状態を維持しています。
この日1番の大所帯ブラス・ロック・バンドSTAが8人編成でずらっとステージの並びました。何度見てもその図だけでも壮観であります。
相変わらず全曲が初期シカゴ1色で統一。
***SET LIST***
1、INTRODUCTION
2、QUESTIONS67&68
3、OLD DAYS(追憶の日々)
4、~SATURDAY IN THE PARK
5、MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)
6、~TO BE FREE(今こそ自由を)
7、~NOW MORE THAN EVER(愛は限りなく)
8、25OR6TO4(長い夜)
・・・・・ENCORE・・・・・
9、SE/PROLOGUE AUGUST29,1968(1968年8月29日シカゴ、民主党大会)
10、~SOMEDAY,AUGUST29,1968(流血の日、1968年8月29日)
***MEMBER***
MASA・・・B VO CHO
KEN・・・DR VO CHO
SHIN・・・KB VO CHO
MITSU・・・TB PER
TATSU・・・TP
NOBU・・・G
RAPPA-FUKI・・・TS
DAISUKE・・・AS BS PER
BNPが終了したころには会場内かなりのヒートアップ状態だったと思います。
シンはステージにスタンバイしたままで、それに加わる形でSTAメンバー達が続々とセッティングのためにステージへ。
テーブル席から後方席まで埋まった会場内にこだまするノブのカッティングにのってマサのマシンガン・アナウンスが延々と続く中、それに刺激されたのか早くもあちこちから歓声が。
タイミングを見計らったかのように絶妙のカウント(勇み足の時もあったので反省を踏まえて冷静に)。
「イントロダクション」、もう14カ月連続でSTAのオープニングに堂々君臨、鋭い輝きを放っています。
モニターなしで全ての音をダイレクトに出しているので(ブラス隊はマイクなし)こういった曲の場合はタイミングを聞き逃すととても危険です。特にSTAは人数が多い分、それだけ音が埋もれがちになる可能性大のため、表向きはノリノリにふるまいつつも油断しないで内面では周囲にアンテナを張り巡らせていないと取り残されて置いてきぼりをくっちゃいます。
「イントロダクション」は歌以外は繰り返し個所がなく次々と新しい難所(「展開」などという生易しい言葉はあえて避けます)が訪れるので中途半端な気持ちでトライすると必ずぶちのめされてしまうのです。
STAのライブを何度も見たことある人、久しぶりの人、はじめて見る人・・・と、演奏しながら眺めていますとなんとなくわかるものです。余裕でニコニコしている人、食い入るように見入っている人、体でリズムを刻みながら一緒に歌っている人。
「QUESTIONS67AND68」
ちょっとほころびが目立っちゃいましたが、何とかクリア、もう定番となったこの位置の常連曲。
やっぱり聴くほうも演奏するほうも飽きることなくかっこいい曲はいついかなる時もかっこいい!!これ理屈ではなくね。
STAのメンバー達にとっても各自思い出深き衝撃の青春ロック・アンセム。
ダイスケは曲ごとにアルト・サックスとバリトンサックスを使い分けて曲にもたらす今現在の最大効果を狙い撃ち。
この日はいつも以上に暑かったらしくてメンバーらは頻繁に水分の補給に余念がありません。
そうでもしないと乗りきれないくらいに過酷な状況でへヴィーな楽曲が間髪いれずに次々とやってくるのです。そしてマニアがにやりとしちゃうエンディングのシンによるピアノの余韻・・・・これがオリジナルなら30秒のところを時間の都合でシングル・タッチで(ザ・ビートルズのア・ディ・イン・ザ・ライフに対するオマージュらしいです)。
「OLD DAYS」
今回のセット・リスト中では一番地味な楽曲であることは否めませんが、シカゴにとっては今でも重要なライブにおけるレパートリーでもありSTAも不定期ではありますが中間部に演奏します。
比較的抑え目なアレンジで、ちょうどシカゴの日本での人気が1段落した時期のシングル・ヒットであること、ピーターがステージで歌うことを嫌っていた(子供っぽい詩の内容で)ので発表時はほとんどライブ演奏されなかった・・とのネガティブなイメージも災いして知名度が若干弱いのですが、演奏してみるとホーン・セクションのいきなりのハイノートがかなり至難の業、バッキングもちらちら隠し玉が飛んできます。
この曲のエンディング、オリジナルではフェイド・アウトなのでSTA独自のアレンジでフィニッシュ、ここではシンのハモンド残響音で引っ張り、拍手が一段落した空間に音色チェンジ後、メンバー達の手拍子に導かれて「SATURDAY IN THE PARK」
ここで一つの山場を迎えます。
会場中が一体となって手拍子を打つ中で打ち鳴らされる鍵盤シンコペーションのリフ。この曲もシン加入後、ライブでは絶対欠かすことのできない大切な曲となっています。
ダイスケは休むことなく、場面場面でサックスの持ち替え作業。
楽曲アンサンブルを突き詰めていった結果のバリトン、アルトの交互演奏。ラッパ吹きのテナーは中間に吹きならされるのですからそれはそれは音圧、ホーン・セクション全体のまとまり具合が極上の響きとなって一体化。
後半戦、ここからはスタミナ勝負(もちろんテクニック面でも)。
1ステージ分の体力を消耗するほどのハードな3曲メドレー「MAKE ME SMILE~TO BE FREE~NOW MORE THAN EVER」
ノーマルなロック・ソング構成をはるかに超越したともいえる迷路のようなこのスペシャル組曲(この日の出演バンド達も同じくらいにハードルの高い曲が多かったですが)も今回はけっこう調子よくいけた感あったけどどうかな??(個人個人では言い分もあるでしょうが)。
マサの後方向きカウント、愛用のCTA黒Tシャツを着こんだミツとマサによるユニゾンフレーズ後の「バッチリ決まったぜ!」ハイタッチ(自己満足と揶揄されようがジミー&ジェイソンになりきりのポーズで)、ケンのハイスピード・ツイン・フィルイン(本人のあいの手付き!)・・・。
次に何が出てくるのか予想不能な、それでいて大ヒット曲でもあるこの曲にむせび泣く方々も多数いたようです。
客席とステージとの距離がほとんどないのに等しいので、はっきりとダイレクトにリアクションを確認することができます。
メンバー間とのアイコンタクト、コミュニケーションも比較的円滑に執り行うことも可能なのでお互いの表情も手に取るように伝わってきます(さすがにSTAの場合は両サイド・メンの意思疎通が難しいけど)
一人ひとりをマサが指差しながら丁寧にメンバー紹介。
「さあ!泣いても笑っても、もうこれが最後です。今何時かな?10時過ぎ??え!?10時半!!(正面テーブルのてっちゃんが時間を教えてくれて、横のミツも腕時計を見せてくれる)最高だね。じゃあとっておきのお約束ミッドナイト・ナンバー、もうネタばれかな(笑)!25or6to4!!」
ノブによるシカゴの「長い夜」リフがいつもよりも迫力ある歪みでフィナーレを飾るのにふさわしいほどに加熱してゆきます。
ミツとダイスケはホーンを専用スタンドに立て掛け、すぐにパーカッション・プレイヤーに変身。ワウワウを大々的にクローズアップしたノブによる長尺ギターソロからおなじみのブラス・フレーズへ。
ここが最大のピークでしょうね。
タツらの管楽器から発せられるフレーズに絡みつくミツのトロンボーンは名手ジミー・パンコウのホーン・アレンジ・ベスト3に挙げられるでしょうね。
所狭しと動き回るマサ、スリムな体からは想像もつかないくらいエネルギッシュなビートをキープし続けるケン、STAサウンドの重要なキーパーソン、シンの鍵盤ワーク、それらが最後にスクラム組んでジャンプを合図に曲終了、時間となりました。
自主企画の場合、多くの方々の協力のもとにイベントを運営、いつもいつも大きなトラブルもなく感謝しています。
そのことに対するお礼の言葉を必ず最後にステージ・マイクから会場全体に向けてマサが述べさせていただいております。
またみなさん、ニコニコと笑顔で何度も温かい拍手を送ってくれるのですよ(泣)。
タイバン、スタッフ、そしてお客様全員びっしりと埋め尽くされた店内は達成感に満ち溢れていて「では、また次回元気な姿で会いましょう!風邪ひかないように予防接種をしましょう!!(笑)帰りはアイスバーンと熊に気をつけてね(爆笑)」
アンプの電源を切って後かたずけに取り掛かろうかと思ったら、予想もしていなかった「アンコール!アンコール!!」の声と手拍子。これにはSTA全員がまじめにビックリしました。
じゃあ・・・ということでこちらも予想外のアンコール・ナンバーでシュプレヒコールSEからはじまる「流血の日」
シカゴもこれをアンコールに使ったことはないでしょうね。「戦争反対!!」
重く不気味な効果音から極めつけのシンバル・イントロ、シンの軽快なピアノとボーカル、残った力を振り絞っての管楽器軍団4人による(メンバー中、半分が管なんだよね)全力プレイ。
劇的な(まさにドラマティック)エンディングで正真正銘、これが本当にこの日最後の曲となりました。
出演バンドの人たちが口々に「今日は本当にレベルの高いライブだったね。刺激にもなったし益々精進しなきゃあ」と充実感に満たされていました。
名刺交換をする者、次回のライブの宣伝に尽力する者、お互いの楽器自慢をする者、燃え尽きて安心したのかまったく関係のない話題で浮きまくりの者(笑)といつもライブ後のこの見晴らしも面白く拝見させていただいております。
各タイバンの人達の影響されたバンドやリスペクトしているミュージシャンを聞き出すのも楽しみの一つです。
驚きの名前や、「やっぱりねえ・・・」と納得のルーツを聞かせてくれたり、自分とピッタリはまる人なんかに出くわしたらそれだけで時間経過を忘れてしまうほどの感動です。
BNPのテっちゃんとマサはチャーを中心としたお話でライブの前にも終了後もネタが尽きません。
さあ、来月は今年のSTA集大成コンサートです。
気合いを入れて臨もうと全員が早速来たるその時に向けて照準を合わせています。
SPECIAL THANKS TO・・・MIKI&HITOMI&TETCHAN&SHIN&MARU&FUKU-CHAN&MR,MARI&STAFF&COCA-COLA&MR,SYOJI&009&CHAR&CTA!!!