THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,128 小樽・真夏の北運河サウンドエナジー5(PART,2)

2016-09-01 05:41:31 | Live Set List

さあ!第2部ライブ・レポートのはじまりだあ!

 

13、REPMAKE

17:20~17:45

札幌からの参加で北運河サウンド・エナジーは3年ぶり2回目。

この5人組バンドも先月の浅草橋オールディズ・ナイトに出演していましたね。

とにかくライブ受けの良い選りすぐりのナンバーを限られた時間内に演奏してくれましたよ。

編成は・・・・メタリックグリーン・カラーボディのジャズベースを所持しているベーシストに(ローズ指板)、ツインギター。

一人はエクスプローラータイプの変形ギター、もう一人はナチュラル・ボディのストラトキャスター(メイプル指板)。ドラマー、そして女性シンガー。

このバンドに限らずミュージシャン達って楽器の話題になると初対面でもグッと距離が縮まって盛り上がりますね。

初っ端からいきなりソウル界の帝王ジェームス・ブラウンの「アイ・フィール・グッド」で濃厚にしつこくぶちかまし。

これで掴みはオーケー!

「イエイ!懐かしのカバーで楽しんでいってくれい!!」

ただし洋楽を取り上げたのはこれだけで、残りは全てノリノリ邦楽ロック系で占めています。

ライブの中間部分ではこのバンドの王道アン・ルイスを3曲も連発。

「セヴンス・ヘブン」

ジャパニーズ女性ロックシンガーの草分け的存在のアン・ルイスが最も脂の乗っていた時期のナンバーをリスペクト精神注入でプレイ。

誠心誠意アン・ルイス大好き!なのがこちらにダイレクトに伝わってきますよ。

「ハニー・ドリッパー」

この曲をやるからには、一切の照れをかなぐりすてて派手にふるまうのが一番。

フロントの4人が横一列に並んで同じ振りで左右に揺らすアクションを公開。

ギターソロもステージ前方ギリギリにまでせり出して弾きまくり。

「さあ、まだまだ続きますよ。最後までお付き合いください!!」

出た!今か今かと待ち望んでいた「六本木心中」

しかしこの曲って全てにおいてよくできているね。

歌詞といいアレンジといいサウンドといい多くのレディースバンドが取り上げたがるのがよくわかるよ。

歌謡曲とロックが最もわかりやすくドッキングした好例ですな。

聞かせどころ、見せ場が随所に散りばめられています。

最前列の女性客にマイクを向けて掛け合いまで演じていました。

最後はサディスティック・ミカ・バンド「タイムマシーンにお願い」

世代を超越したお祭りロックソングは華やかで締めくくりにうってつけですな。

「1・2・3・GO!」のボーカルによるカウントもろとも色々な時代にワープだ。

「跳ねて!跳ねて!!~~」

エンディングではオリジナル同様にいきなりブレイクするというこだわりもみせてくれました。

 

14、G-BELTS

17:55~18:20

唯一旭川からの参戦でオールインストウルメンタル・フュージョン・バンドというのもここだけ。

もちろん初出演です。

男性5人組。

このバンドが出演する頃から照明が点きはじめて演出も派手になってきました。

照明担当の紅一点スタッフ、マッチャンの手腕が冴え渡るわけだ。

メンバー達がステージに現れはじめると、あれれれ・・・・?よくみたことのある顔ぶれだ。

「ダメンズ11」や「かなえと家来達」、「ヴィークルス」のプレイヤー大集結じゃあないのさあ!!

彼らが旭川からここの会場に到着した時がちょうどSTAのライブがはじまるところだったらしいよ。遠路はるばるご苦労様です。

メンバーの構成は・・・・・ベースにカミエくん(3トーンサンバーストのジャズ・ベース。ローズ指板)。売れっ子の彼でも今回が小樽初参加なのだそう。

ドラマーのソウマンくんは精神的支柱なのです。

アルトサックスとMC担当のイワサキ君は首に赤いタオルを粋に引っ掛けています。

ギターのツッチーは小樽超常連組。緑のストラトがイメージカラー(メイプル指板)。

キーボードのショウマくんも小樽ライブは初体験。若頭でもあります。

そういえば先月の浅草橋でも彼らの内何人かは「ダメンズ11」で出演していましたっけ。

1曲目「ジャスト・アラウンド・ザ・コーナー」はアメリカのスムース・ジャズ・アルト・サックス奏者エリック・マリエンサルの作品。

チック・コリアのグループに在籍していた彼の作品らしく早速イワサキくんの超絶技巧アルトサックスのソロがはじまりました。

それに引き継がれる形でギター、キーボード、そしてベースはチョッパーも織り交ぜたソロでバトンリレー。

失礼ながらもツッチーにこのような側面があるとは意外でした。なかなか堂にいったテクニック。

「ハイ、ありがとうございます。

第5回サウンド・エナジーに出演すべく旭川からやってまいりました。はじめまして!」

2曲目はミディアム・テンポの「アルゴリズム」

これは若き才能の持ち主、キーボード奏者ショウマくんのオリジナル。

スペーシーな鍵盤タッチのイントロからアルト・サックスがメイン・テーマを吹き込みます。

とてもじゃないけれども、これが彼らのオリジナルだなんて思えないくらいのクオリテイの高さ。

Yプロジェクトのスーパー・ボーカリスト、マッツも「このバンド上手い!」と即座に動画をフェイスブックにアップしていたほど。

再度、作者のキーボード奏者を紹介したあと「残念なことに最近は週末の天気が悪くて色々なイベントが中止に追いやられていますね。

それではそれらの憂さを晴らすかのような曲をやります。ではいきます!」

出だしはエモーショナルなアルト・サックス・ソロで咽び泣き・・・・日本フュージョン界の大御所ディメンションの「ステラ」。

その最中にドラマーは立ち上がって会場を写真撮影。

ツッチーもコーラスエフェクターをかけてのアルペジオで彩を添えています。

徐々に熱を帯びていくサックスはヒステリックにスリリングな展開に突入。

難易度強じゃんかあ、これってさあ。

「ビート♯5」もディメンションからの曲。

ツッチー新生面開花宣言の狼煙を遂にあげたね。

穏やかな午後のひと時を旭川から参上した個性派音楽集団が疾風のごとく駆け巡っていきました。

好感の持てる彼らの雄姿は鮮烈に焼きついていましたよ。

 

15、スウィングロード

18:30~18:55

小樽からの出演ですが初出演、男性ばかりの5人組です。

洋楽、邦楽問わず男性ならではの魅力溢れる楽曲ばかりを選んで披露してくれました。貴重な存在だ。

編成は・・・・キーボード、ナチュラル・カラーのベースを抱いたベーシスト(ローズ指板)、ドラム、ナチュラル・カラーのギターを弾くギタリスト(ローズ指板)、それらを一手に束ねるオーラ全開のボーカリストという布陣。

1曲目は男の色気ムンムンに「この胸のときめきを」

ボーカルの方は声はもちろんのこと、薄めのサングラス、カッチリと固まったリーゼント風ヘア・スタイルなどなど、どうみたってエルビス・プレスリーをこよなく愛しているのが透けて見え隠れしますよ。

ところがいざ歌おうとしたらマイクの音が出ない!というトラブル発生。

再度、気を取り直してムード満点、焦らしに焦らしまくったイントロから見事に歌い上げてくれました。

ダンスフロアでは早速プレスリー時代に青春を謳歌したであろうカップルがチーク・ダンスと洒落込んでいます。

2曲目「マイボニー」

これは世界的にはまだ無名のビートルズがトニー・シェリダンとのコラボレーションでシングルカットした作品。当たり前のようなヒット曲ではなく、こういうところに目をつけるあたりがおぬし只者ではないな!と勘ぐってしまいます。

静かな序盤から堰を切ったようにロックンロールする起伏の激しい展開に、今では当然のお約束とはいえロックバンド黎明期の熱き衝動に感情が揺さぶられてしまいます。

3曲目、矢沢永吉「コバルトの空」でもヴォーカルの圧倒的歌唱力にただただ引き寄せられてしまいます。

ただのコピーで終始することなく己のカラーを絶対的自信を持って貫きとおす強靭なる喉は別格ですね。

「主催者のサイトウさんとは付き合いが長いんだけど、そうですね・・・・この場所でやるのは初めてです。

雨も降らないで本当に良かった!それではアップテンポの曲が続いたので静かなのを1曲・・・・T-BOLANで離したくはない」

パワーバラードをオリジナルに負けないほど感情移入たっぷりにじっくりと懇切丁寧、歌ってくれました。

この難曲は一歩間違えたら滑稽な世界に埋没するリスクがあるのに、不安要素一切なしの熱唱でしたね。

「皆さん、踊ってください!ニック・ニューサーでお祭りさわぎ!!」

ここではギタリストがボーカルを担当。

ずるいなあ~~(笑)こういうタイプの曲をかまされたら誰もが踊り狂っちゃうのが明白。

タイトルどおりに会場はお祭り騒ぎの様相を呈しています。

守備範囲の広さの現れでしょうか。このジャンルでもなんの違和感無しに強烈アピールしてもいます。

それは次の曲「ヴィークル」でも同様(アイズ・オブ・マーチ)。

クィーネに続いてこの日2度目の演奏。これにはさすがの私もちょっとビックリしましたね、正直な話。

ああ、STAで今回取り上げなくて良かった。ブラスがいない箇所はキーボードとギターでメインリフ補足。

なるほど、こういう解釈やアレンジ方法もあるんだね、とじっくりと研究もさせてもらいましたよ。キニーネもスウイングロードもSTAも同じ曲に対しての取り組み方が全く違うんだから面白い。

しかも聞かせどころのボーカル・ラインが3者3様なのもユニーク。

参考にさせてもらおうっと。

ここではブラス隊不在の分をギターとキーボードがソロで穴埋め。

もはやブラスロックではなく、ハードロックに料理されているではないか。

ボーカルもイアン・ギランばりにメガトン・ヴォイスだしね(でもヴィークルです・・・ビーグルではなく・・・・)。

「プレスリーやオリジナルのリトル・リチャードでもなくビートルズのバージョンでやります!のっぽのサリー!」

後半にこの曲を入れるなんて、無謀・・・と普通ならば思います。

体や喉のスタミナ消耗を考慮するならばね。ところがこのバンドは全然衰え知らず。

「もう残り時間は僅かなの?もっとやりたいよう!」と訴えかけているよう。

特にボーカルのいきなりハイトーンシャウトで突入するイントロなんて伸び、厚み、安定感と益々凄みを帯びてくるほど。

そんなオーバーヒート気味の空気を冷ますかのように最後はつのだひろの「メリージェーン」で静かに幕引きとなりました。

ハード良し、バラード良しと器用なバンド。

しかし、こいつはしっとりと泣かせる永遠のスタンダードですね。

 

16、ワイプアウト

19:05~19:25

トリ前は札幌からの男性4人による常連組み。

バンド名を聞いた限りではザ・ベンチャーズのカバー・バンドなのかなあ・・・と思いますがGSを演奏してくれました。

STAとはここ小樽でずっとタイバンしているのでお互いによく知っている間柄。

お洒落なチェック柄のシャツでメンバー全員が衣装を統一。

編成は・・・・ジャズ・ベーシストは黒ボディを所持(ローズ指板)。ツイン・ギターの一人はワインレッドのレスポールともう一人は黒のストラトキャスター(メイプル指板)、そしてドラマーを加えた4人。

レパートリーはもうすでに何度も聞いているので展開も熟知しているつもりではありますが、名曲は何度聞いても良いものです。

「君だけに愛を」(ザ・タイガース)

もう気分はすっかりと60年代。

どこかで誰かが「ジュリー!!」と叫んでいます(笑)。

しかし本当にこの頃の沢田研二はかっこよかったね・・・。ちょっとミック・ジャガーを意識していたけど。

「花の首飾り」もザ・タイガースから。5枚目のシングルで彼ら最大のヒット。ドラマチックな展開がつい涙を誘う美しい名曲。ここではジュリーではなく加橋かつみが初めてリード・ボーカルを担当したのでした。

往年のGS少女だった人々がウルウルしながら聞き入っていました。

3曲目はザ・タイガースのライバルだったテンプターズの「忘れ得ぬ君」

あれ??シカゴのAOR大作と邦題が似ているけれど、気のせいでしょうね・・・・(笑)。

ここではベーシストがヨッチンになりきって「ノーノーノー~~~」(残念ながらショーケンがリード・ボーカルではありません・・・・)。

4曲目もテンプターズで「今日を生きよう」

これはショーケンがリード・ボーカルを担当していましたね。

テンプターズのデビュー曲ではありますが、実は「忘れ得ぬ君」のB面扱いでした。

そしてオリジナルは大ヒットしたグラス・ルーツだと、ほとんどの人達が思っていることでしょうが、イタリアを拠点に活動していたイギリスのバンド、ロークスが本家本元。

「シャラララ~・・・1・2・3・4~」が純日本風の掛け声でユニーク。

ギターのスプリング・リバーブの響きがエレキ・ギターを持っていると不良!と言われていた頃の反体制的咆哮にも聞こえないでもない。

「後ろの人、聞こえますか?飲んでますか?次、ツイストやりますよ!加山雄三で蒼い星くず!」

若大将の傑作を、ワイプアウトは細かい箇所まで忠実にコピー。まさに筋金入りのバンド。

コーラスから、フィルインに至るまでそっくりの再現。

「たどりついたらいつも雨ふり」(ザ・モップス)

ちょっと聞いた感じではジャパニーズ・ハードロックの原点かともとらわれがちですが、ジャンルとしてはGSのカテゴリーにわけられるのです。まあ、そんなことこの際どうでもいいですね。ザ・モップス12枚目のシングルで吉田拓郎の作品。

よくよく聞き込んでみるとやっぱり拓郎節全開。それをギタリスト兼名プロデューサーの星勝氏が洗練されたキャッチーな曲に仕上げて大ヒットしましたね。

ワイプアウトはもう一人のギタリスト、ストラトのオジサンがリード・ボーカルを担当。

鈴木ヒロミツになりきっていました。

次の曲、入り口でミスってもう一度演奏のやり直し。

「色つきの女でいてくれよ」(ザ・タイガース)

私はこの曲を聞くたびにお湯を入れてから1分で食べられるカップラーメンを思い出します。だってそのCMソングにこの曲がタイアップされていたんだもんね。もうそのラーメンは売っていません。当時は短気でセッカチな私はよく食べていましたが・・・・味は普通でした。

話が横道にそれちゃいましたが、ラストナンバーです。

「お名残惜しいのですが最後の曲で皆、やっちゃいましょう・・・・ああ・・・題名、忘れた・・・若さゆえ・・・ザ・ジャガーズの君に会いたい!」

ジャガーズのひときわ躍動的なステージで、当時のヤングの心を(!!)ガッチリと鷲掴みにしたそうですが、ここでも大合唱の嵐が吹荒れました。

「また来年お会いしましょう!!」

 

BGM「ストップ!イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ」(シュープリームス)、「オンリー・ユー」(ザ・プラターズ)

名カメラマンのイワネさんは表敬方面してくれた息子さん夫婦とアットホームな会話で和んでいます。乳母車の中の可愛い男の子2人はお孫さん。イワネさんは幸せいっぱいの表情でカメラをぶら下げたまま2人を抱っこして会場中を散歩。目の中に入れても痛くない!とはこのことなんだね。「俺もじいさんになっちゃったよ!」と言うイワネさん。最高にいかしたお爺ちゃんでしょう。

 

18、E.SANADA

20:05~20:30

美唄から唯一の参加6人組バンド。2年連続2回目、オオトリは去年の熱いステージも記憶に新しい矢沢永吉トリビュートバンドです。

彼らがセッティング中、すでにステージ前には観客が詰め掛けてきて永ちゃんコール(!?)

編成は・・・・ベース、ドラマー(彼はアース・シェイカーとの共演歴ありのタフガイ)、赤いモッキンバードを弾きこなすギタリスト、紅一点のキーボードは2段積みローランドを使用、アルト・サックス、そしてリーゼントをバッチリと決めたサナダ氏が永ちゃん担当のボーカル。

「皆さんを矢沢ワールドに誘います!」

オープニングはアルバム「ライジング・サン」からのヒット曲「ユー」

サナダ氏が颯爽と例のポーズをとって首のタオルを投げ捨ててマフラー&上下のスーツと白で統一した衣装でこれまた白いストレートマイクスタンドをがっちりと握ってアクション。

アルト・サックスのソロ中にも投げかける表情が永ちゃん風。

美唄にこれほどクオリティの高いバンドがいたなんて目から鱗ですよ。

コブシの回し方までよく研究しつくしている。感心しちゃうなあ、全く。

2曲目はアルバム「カバチ」から「レイニー・ウェイ」

ここではハンドマイクに持ち替えてのボーカル。

「ボーカルのレベルを上げて」と歌いながらもミキサー方面にジェスチャーで指示。

「E.サナダです!ようこそ~!いらっしゃい!!小樽の夜、サウンド・エナジー、今宵もはしゃごうぜ~!いつもありがとう!愛してるよ~!!」

観客から差し入れのビールをさりげなく受け取りMCも矢沢になりきっています・・・・「ロックンロール、もう一発いきます!」

ここで雷鳴のSEがキーボードから発せられます。

再度マイクスタンドを手に「サムバディズ・ナイト」

大人の男性の危険な色香を漂わせた力強い矢沢ロックをここでも余裕シャクシャクにプレイ。

北海道の永ちゃんここにあり!とでも宣言しているかのよう。なんのなんの小樽にもマッツ率いる「Y-PROJECT」があるよ。もちろんサナダ&マッツは懇意の仲で同い年。今度は美唄と小樽の永ちゃんバンド・コラボレーションなんていうのも観てみたいな。(マッツも熱烈に希望しているよ)

「サンキュー!いつもお世話になっております。ずっと観ているのもいいけど飲み物も食べ物も注文してね。皆ひとつになって~!俺たちを観たことある人も、観たことない人も、いくよ!いくよ~いくよ~!」

ここで白いジャケットを脱ぎ捨てて鮮やかなサテン地のシャツ姿に。

大傑作アメリカ・レコーディング・アルバム「E’」のトップに収録されていたスケール雄大な作品「逃亡者」

永ちゃんがワールドワイドに飛躍してから発表された貫禄に満ち溢れたこの曲は多くのファンが好む名曲。

ヨウスケ氏のサックス・ソロもバンドの中軸をがっちりと支えています。

「本当に楽しい!愛を届けたいけどいいかい?アイ・ラブ・ユーOK!」

大歓声沸く中、永ちゃんの記念すべきソロデビュー作だよ。

思い入れもひとしおでしょう。

誰の胸にも過ぎ去りし青春のほろ苦い思い出が蘇るパワーバラード。光るフレーズが散りばめられているギター・ソロも秀逸。

ベスト中のベスト・セレクションだあ。

「朝までやろうよ~!ドラムも歌うか?ロッキン・マイ・ハート!!」

ボーカル&ドラマーとのアカペラからはじまる強烈なアメリカン・ポップロック。

ドウービー・ブラザースのギタリスト、ジョン・マクフィーのペンによるキャッチーな曲だけど大丈夫。ばっちり何をやっても永ちゃんカラーが薄まる事はありません。

このハーモニー、けっこうやっかいなんだけどサラッとこなしちゃうんだね。

ドラマーはコーラスやりながら、ずっしりと重いビートは継続し続けるんだからやっぱり只者じゃあない。

サナダ氏はステージ狭しと左右に動き回りながらコブシを握ってアクセントを要求しながらも握手攻め。

何故だか犬も猛然と吠えています(笑)

「オーケー!楽しい時間は経つのもあっという間。

まだまだやりたい?」ハイハット・カウントからピュア・ゴールド!

矢沢祭り一色に染まっております。

ここでまた白ジャケットを着こんでタオルも首にかけ直します。

「小樽の街に感謝しようぜい!」

ギターから「音もらおうかな・・・・」チェック完了後、怒涛の「のっぽのサリー」

これは予期せぬ選曲だ。

矢沢以外のセレクトだけど、実は永ちゃんも無名時代は得意のレパートリーにしていたそうです(成り上がり:参照)。

喉が張り裂けんばかりのダイナマイト・ヴォイス爆発に大満足。

「投げる物ある?硬い物はダメだよ!(笑)布製品。ティッシュを投げてもそのまま帰らないように!止まらないha~ha!!」

もちろん会場中、空中にはタオルやら手ぬぐいやらがポンポンと放り投げられて小樽の夜は更けてゆくのです・・・。

 

会場BGM、ジェームス・ブラウン「イッツ・ア・マンズ・マンズ・マンズ・ワールド」、ミラクルズ「ユーヴ・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」

 

お待たせしました!STAライブ・レポートの時間です。

8番目に出演。14:35~15:05

このイベントのちょうど中間地点とも折り返し点ともいえる頃。

5年連続5回目ということだから、北運河サウンド・エナジー初回から参加している数少ない貴重なバンドでもあるわけだ(すべて顔ぶれにそうとうの変動があるのはご愛嬌。ちなみに皆勤賞はマサのみ)。

STAは夏になるとシティ・ジャズや各種屋外イベントにミュージシャンが出演するためにスケジュール調整が一番大変な時期でもあります。

この日もあちこちでライブが開催されていて客もどこに足を運ぼうか贅沢な悩みに頭を抱え込んじゃいます。

今回のSTAはただ1回のみの顔ぶれ、スペシャル編成でのぞんでみました(苦肉の策でもあり・・・)。

9人のラインナップ中ブラス・セクションが6人(3分の2!)。

もちろん全員野郎ずくめで骨太なブラスロックをぶちかまそう!というスローガンを掲げて綿密に打ち合わせをしました。

ヤスはいつものように一人黙々と本番直前まで控えスペースでヘッドフォン装着にての自己鍛錬。

MDはSTA初ライブのタカとスコアをテーブル上に広げてパート・チェック。

その時に以前の北運河ライブで洪水のような雨を浴びたライブでふやけたスコアの束を披露。

今となっては笑い話ですが、あの時は心底参りました・・・。

9人が9人、来たるべきその時に向けてウォーミング・アップに勤しんでいます。

 

***MEMBER***

MASA・・・B VO

NOBU・・・G

YASU・・・DR

MD・・・TP PER

KIMI ・・・AS

EBIーCHAN・・・TB

KURI・・・TP

KUNI・・・TP PER CHO

TAKA・・・TS

 

***SET LIST***

1、INTRODUCTION・・・CHICAGO

2、PETER GUNN・・・THE BLUES BROTHERS

3、~Ⅰ CAN’T TURN YOU LOOSE(お前を離さない)・・・THE BLUES BROTHERS

4、~GIMME SOME LOVIN・・・THE BLUES BROTHERS

5、QUESTIONS67&68・・・CHICAGO

6、SUNSHINE OF YOUR LOVE・・・CREAM

7、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

 

先月の小樽ライブではオープニングの段取りにちょっと戸惑ってしまったので今回マサがヤチヨ嬢とシンちゃんに文書や口頭で構想を伝達。

ブラス隊の立ち位置決めも数回入れ替え後に決定。マサがステージ上からイガラシ君やシンちゃん、前方のヤチヨ嬢、そしてメンバー達とアイコンタクトを送りあいながらバッチリ準備完了!

もう皆、日焼けで真っ赤。

ノブのギター・カッティングをバックにヤチヨ嬢による暖かくも優しい癒しのアナウンス「中盤に差し掛かってきましたが、後ろのお客様も真ん中のお客様も皆さん、ノリノリでよろしくお願いします。

さあ!長年出演を続けている小樽屋外ビッグ・イベント。今年もやってきました札幌唯一無二のブラスロックバンドです。ド迫力ホーン・セクションの熱きサウンドを心ゆくまでドップリとご堪能ください。メンバー一同、この日この時この瞬間を心待ちにしていました。それではよろしく!

THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY!!」

直後にマサが「1・2・3~!!」

ラフでワイルドでアグレッシブなパワー・グルーブが突き抜けた。

いきなり前方に飛びだしたマサが吠える。横一列に並んだブラスセクションが序盤から手抜き無しに炸裂。

「イントロダクション」はエビちゃん待望のライブ初吹きだから気合の入り方が半端ではありません。

そんな彼のトロンボーン・ソロが変拍子のあとにやってきた。切り込み隊長だ。

渾身の体勢で奏でる熟練のフレーズ(ずっとここを練習していたもんね)。

もちろんクニはさりげなく後方にてウィンドチャイムの豪華な音色を流してきます。他にも秘密兵器多数導入のクニは気合が入っていますね。必殺クラベスも会場を越えて遥か遠くにまで反響しているよ。

今度は南国ファッションに身を包んだ(サングラスとシャツとパンツが)MDがトランペット・ソロを披露する番だ。

片手でスコアを風から防ぐように吹いているのを見たキミさんが、さりげなくロックオン。気配りもきいているミュージシャンだ。

ノブはセッティング中、いまいち音作りに苦慮していて「ちょっと目立たないかも・・・」と嘆いていたけど、どうしてどうしてギター・ソロに突入した途端、普段の1・5倍のウネリをあげる歪みが駆け巡っていたよん。

ハード・ドライヴィングするリズム・セクションには定評がありますが、極めつけヤスによる鳥肌モノ渾身のフィンルインでは思わず会場からヤンヤの声援が沸き起こる。

それを追いかけるかのごとく、ホーンセクションの波状攻撃再開。

ベルトーンに至るまで息をもつかせぬ展開に凍りつく観客。

マサはドラムセットにまたがって右手グルグルからジャンプ一閃でエンディングのキメワザ。

ほとんど全員揃ってのスタジオ練習ができないままでの本番も、個人予習を怠らずに集結したSTAならではの完成度で乗り切りました。たいしたものだよ。

会場から「イエイ~~!!!」

マサも連動して「イエイ~~~!!」

快感の瞬間です。

「改めまして・・・THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYです!皆さん、楽しんでますか!?本日のライブ、ちょうど中間地点の重責をまかされてもいつものように頑固一徹ブラスロック街道まっしぐらに突き進んでいきますので、最後まで楽しんでいってください!よろしく!!NEXT NUMBER・・・・PETER GUNN!!」

オリジナルはロックではなくアメリカ・テレビ・ドラマのテーマソングなのですが(ヘンリー・マンシーニの作品)、リフがあまりにもロック向きなので膨大なカバーがあります。

STAはブルース・ブラザースのバージョンをエディット気味にて披露。

思い起こせばSTAが本格的に小樽へ進出したのもサイトウ氏主催の「雪明かりの路エンペラー(2月)」でした。

その時のオープニングもこれでしたね(2人のメンバーが急に参加できなくなりこれを導入)。

感慨深いものがあります。

ここでもエビちゃんが頑張ってトロンボーン・ソロで圧倒的存在感を誇示。MDも伝家の宝刀ミュートを駆使してエキゾチックなラインを連発。ヴィブラートの嵐。

観客がここいらへんからステージ最前列ど真ん中に陣取って両手を挙げながら喜びを爆発させてくれています。

ノブがコード・ストロークで切り込んでくるとマサはモニターに左足を乗せて野獣の雄叫びあげて挑みかかる。

間髪いれずマサのタイトル・コール「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」

ずっとヤスの的確なるカウントで開始する曲ばかりが並びますが、ここでも疾風のごとき光速ナンバーが登場。

そしてニュー・フェイスのタカによるテナー・サックス・ソロが満を持してはじまります。

戸惑うことだらけなはずが、タカの堂々たるテクニックはどうでしょう!信じられないくらいの肺活量だ。与えられた小節数をビッチリと猛アピール。

おみそれしました、エンターテイナー・タカ!

もうこうなったら怖いものなしだあ!「ギミ・サム・ラヴィン!(エディット・バージョン)」

このシンプルでアップテンポなロックンロール・ナンバーでは隠し玉が全員から打ち上げられました。

景気付けに「ヘイ!」のコール。オーバー・アクション気味にでも突き抜けられた者勝ちさ。

クニは相変わらずコーラスでマサに応戦。パーカションに本業のトランペットも抜かりなし。

どいつもこいつも頼りになる連中ばかりさ。

危惧していた箇所も難なくクリアして・・・マサが会場に話しかけます。

「皆、この曲知ってる?」客がうなずきながら「知ってるよ!」「サンキュウ!オールライト!!天才少年と当時言われたステーヴィー・ウィンウッドの作品ですね。スペンサー・ディヴィス・グループの代表作。3曲続けてのりの良いセットをお送りしてまいりましたが、じゃあお次は我々本来のコンセプトに基づいてシカゴの記念すべきデビュー曲。クエスチョンズ67&68(エディット・バージョン)」

この曲を聞いた女性ファンが「まさか今日聞けると思わなかった!」と感激していました。こちらとしてもそういっていただけるとやりがいあるというもの。

ヤスの微塵も揺るがないダニー・セラフィン直伝のイントロ・スティックワークがこの時にも冴え渡る。

ノブのギターが主旋律ホーン・セクションの間を縫うようにヒットする。

マサとクニは日本語バージョンの歌詞もバッチリ導入してニヤリ。

大活躍のクニは休む暇なくアクセントにタンバリンも刻みながら、厚み、ノリを加えてぬかりなし。

ナイス・クニ!

ホイッスルが、けたたましく吹き鳴らされている客席に向けてマサが「先ほど岩内からのバンド、セイラーズも取り上げていたサイケデリック・ロックバンドの曲をブラスロックではないけれど我々もやりたいと思います。台風にあたらなく晴天に恵まれたのにちなんで・・・クリームでサンシャイン・オブ・ユア・ラヴ!(エディット・バージョン)」

ここではクニはシェイカーとコーラスに専念。マサとヤスが屋台骨をズッシリと支えつつ、ノブのファズがかかったウーマン・トーン・ギターソロをバックアップ。もちろんこの日の彼の愛器はフェンダーUSAストラトキャスター・エリック・クラプトンのブラッキーさ!!

タイバン・ドラマーのショウコちゃんが楽屋からかけてきてステージ横にてずっと飛び跳ねて満面のスマイルを投げかけてくれています。これはSTAにとって最高のプレゼントさ。大歓迎、なあ、お前ら!。

なんたって去年は酔っ払った珍客がステージに乱入して一時騒然となったのですよ・・・・。

「ラストです!まだ昼過ぎですが、ここいらで極上のミッド・ナイト・ソングをお送りしたいとおもいます!25OR6TO4~!!」

定番ともいえる毎度毎度のお約束ナンバーですが、何回やってもいいものはいい!永遠のブラスロック最高峰です。

この日、パーカッション無し、ボーカリストは1人しかいないのでクニが薄くなりがちな箇所に神経を集中しながら研究の成果を注入。おかげさまで事無きを得ました。

ギター・ソロ中、MDもクニから手渡されたカウベルで即席パーカッショニストに変身。マサは膝まづいたり走り回ったり、体をくねらせたりジッとしていません。ショウコちゃんも最後まで熱狂!

全7曲中(1分ほどの曲も含む)6曲はショート・バージョンだったために持ち時間30分を25分で終了。

我を忘れた観客がこの日もオヒネリをくれました。ラッキー!(身内ですが・・・笑)

どこの会場で演奏しても浮きまくりのSTAではありますが、今回はプログレッシブ要素抑え目、難解な構成もできうる限り排除してごく限られた日数でまとめあげてみました。

しかしスタミナ消耗率は相変わらずで、あの炎天下の元、よくもまあ乗り切りました。立派!

来月から来年1月までSTAは本拠地でもある札幌中心に活動を戻していきます。

またずっと休んでいたSTA企画ライブ「リブレーション」も開催しますのでお楽しみに!!

 

VERY SPECIAL THANKS TO・・・HITOMI&CETERA&IKU&KOBA-CHAN&YOSSY&MATTSU&OHTA-FAMILY&TOMO&MR,MIZUMAKI&MR,SAITOH&MR,KUDOH&MACTHAN&MR,IGARASHI&MR,MIWA&MR,SHIN&YACHIYO&NISHIYAN&COCA-COLA&GUM&FRIED CHICKEN&FRENCH FRIES&TACKEY&KYON-KYON&KENNY&YOU TWIST&SEAGULL&MR,IWANE&MR,TSUTIYA&STAFF!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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