世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

君はなぜ海外に行かないのか!?

2014年06月28日 | 国際
昨日までベトナム航空のBig Bargen が行われていた。

ナント、37、500円で行けるのだ。

通常の半額以下。

年末年始だってこの金額で行ける。


ずいぶんアピールした。

問い合わせも多かった。

行きた~い!コールもたくさん聞いた。


なのに、なのに、申し込んだ人は たったの一人。


行きたいけどー・・・。

だけど、行かない。


何が君をそうさせているのか。

なぜ君は動こうとしなのか。


自分の小さな世界に閉じこもっているのか。


その答えは、

「今、ここ」主義にある。


何も海外にいかなくても、無理して起業しなくても

身近な幸せで十分、という感性だ。


コンサマトリー(consummatory)という言葉がある。


道具やシステムが本来の目的から解放され、

地道な努力をせずに自己目的的、自己完結的(ときに刹那的)に

その自由を享受する姿勢もしくはそれを積極的に促す状況のことをいう。


簡単に言えば、自己充足的思考である。


何かの目的のために邁進するのではなく、

気の合う仲間たちとのんびり生活を楽しむ生き方を好む。


まるで老後だ。

まるで、隠居だ。

生まれながらにリタイアしている。

つまり、既存の社会から降りているのだ。


だが、彼らはそれを脱落とか、恥ずかしいとかは全く思わない。

むしろ満足している。

幸せでもなけど、不満でもない。


日本の20代の生活満足度は、なんと8割にも達するという。

彼らはバブルを知らない。

生まれ落ちた時から不況のど真ん中。


だが、物はあふれかえっている。

物質的な豊かさの中で育った。


社会に成長にリアリティは持てないが、

今の日本の豊かさこそが彼らのデフォルト(default標準仕様)なのだ。



これでは何も無理して海外に出ようなどとは思わないだろう。

英語もできないし、

いくら安くてもタダではないし・・・。

おまけに疲れるし・・・。


生活そのものを減速化している。

だから彼らのことをダウシフターズ(downshifters)とよぶ。


生活のペースを下げて、ゆとりある生活に切り換えて いくわけだ。


これを成熟社会と呼べばそれまでかもしれない。


挑戦しない国民。

勝負から降りることを良しとする。


それでいてSNSなどでゆるく繋がっていたい。

なんとなく社会貢献したがる。


だが、いざとなったら一方的に繋がりを削除する。

活動だっていつの間にか、降りている。

いとも簡単に冷める(cooldown)。


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だが、我々はそうした現実を認識しつつ

戦い続けなければならない。


それが高度成長時代を駆け抜けた世代に課せられた宿命なのだから。



と、オジサンが粋がってみても、

多分、若者は動かないだろう。


彼らは彼らなりに静かなる変革(quiet marverick)を起こしている。


ただ危惧するのは、あまりにも世界を知らないことだ。


知識を詰め込んでも、行動に移さないから知恵がつかない。

彼らの小さな世界で、楽しけりゃいいのさ、的な日常に浸っている。


そんなピースボートがタイタニックにならない事を祈っている。

ボクはとっくに降りて乗り換えてるけどね。



【参考文献】

「だから日本はズレている」

一部この本の表現をお借りしました。