カンボジア経済

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カンボジアの縫製業界の先行きに懸念

2015年03月06日 | 経済
 カンボジア証券取引所に上場している、台湾系の縫製会社のグランドツイン・インターナショナル社(GTI社)の2014年第4四半期の財務報告書が開示されました。2014年(1月~12月)の売上高は、約2,307億リエル(約5,661万ドル:約67億円)と、2013年の約2,629億リエル(約6,581万ドル:約78億円)から12.3%減となりました。また、純利益は、約141億リエル(約347万ドル:約4億1000万円)と、2013年の約291億リエル(約730万ドル:約8億7000万円)から、51.5%の大幅減少となりました。株主資本利益率(ROE)は0.82%、総資産利益率(ROA)は0.70%まで低下しています。株価も、2014年5月のIPO価格の9640リエルから、2015年3月3日には5300リエルまで下がり、最安値を更新しています。
 商業省の発表によりますと、2014年の縫製品の輸出は伸び悩み、前年比4%増に留まったとしています。2014年の縫製品の総輸出額は、前年比2億ドル増の57億ドルでした。2009~11年の縫製品輸出は毎年25~35%の増加、2011~13年でも約10%だったことを考えると、大きなブレーキがかかったといわざるを得ません。一部では、2015年の縫製品輸出が前年比マイナスになることが懸念されています。
 2013年の選挙後のデモ、縫製業における大規模ストライキ、最低賃金の大幅引き上げ(2014年2月80ドル→100ドル、2015年1月100ドル→128ドル)等の影響を受けて、受注が減少していることに加え、周辺国との競争力に陰りが出ていることが原因と見られます。政労使の協調によって、バランスの取れた賃金上昇とその決定方法を確立し、海外投資家の予測可能性を高めていくことが重要なものと考えられます。

カンボジア証券取引所のサイト(GTI社の財務諸表等)
http://csx.com.kh/company/announce/viewPost.do?MNCD=5040&postId=235#.VOwpQCyrl2s


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