カンボジア経済

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アジア経済見通し2015春 カンボジア経済の好調持続

2015年03月27日 | 経済
 アジア開発銀行は、3月24日に「アジア経済見通し2015」を発表しました。
 カンボジアは引き続き順調な成長を続けており、2014年のGDP成長率は7.0%となりました。その要因として、好調な輸出に支えられる第2次産業と、訪問客増加により好調な観光に支えられる第3次産業(卸売・小売、観光、不動産等)の拡大をあげています。第2次産業については、EU向けの縫製品輸出が好調で、対前年比22%増の24億ドルとなっています。米国向けは、5,4%減の20億ドルにとどまりました。縫製品(靴を含む)の輸出全体では、対前年比10.7%増の60億ドルと好調でした。観光客数は前年ほどは伸びなかったものの、7%増の450万人となり、第3次産業の高成長(7.9%)を支えました。農業は天候不順もあって、コメの生産(籾ベース)が2%減の920万トンに留まりましたが、中国向け輸出が好調なキャッサバは41%増と急伸しました。第1次産業全体では対前年比1.8%増に留まりました。
 消費者物価上昇率は、3.9%と低いレベルにあります。原油価格の下落もあって2014年12月の対前年同月比では1.1%まで低下しています。民間貸付の伸びは、引き続き大きく、対前年比31.3%増でした。
 輸出は対前年比13.4%増の74億ドル、輸入は対前年比10.1%増の107億ドル、対外直接投資は9.9%減の16億ドルでした。貿易収支の赤字は、対外直接投資、援助、観光収入等で埋め合わされ、総合収支は黒字で、外貨準備は44億ドル(輸入の4.2か月分)に達しており、問題ありません。
 今後の予測では、成長率は2015年7.3%、2016年7.5%と引き続き高成長が続くと見ています。主要輸出先の米国、アジア諸国等が好調である縫製を中心とした輸出の伸びに支えられる第2次産業(2015年成長率9.7%)、観光や不動産の好調に支えられる第3次産業(同8.1%)がエンジンとなります。農業は大きくは伸びないものの、第1次産業は2.5%の成長を見込みます。物価上昇率は、2015年1.6%、2016年2.7%と引き続き低いレベルに留まると予測されています。
 リスクとしては、主要貿易相手先の経済状況や天候があげられています。対外債務の持続性については低リスクとしています。
 今後の課題としては、産業の多様化が必要とされ、そのための外国投資誘致のための努力、具体的にはインフラ整備と熟練労働者増加策が必要と指摘しています。

アジア開発銀行のサイト(英文です)
http://www.adb.org/news/adb-sees-strong-growth-developing-asia-2015-and-2016

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