カンボジア経済

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カンボジアのマイクロファイナンス 2015年も順調に成長

2016年06月07日 | 経済
 カンボジアでは、小口金融を行うマイクロファイナンスも重要な役割を果たしています。マイクロファイナンス機関も中央銀行の監督を受けています。カンボジアには、中央銀行認可のマイクロファイナンス機関が、2015年末現在58機関あり、このうち8機関は一般からの預金受入れを認可されています。
 カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)が発行した銀行監督報告書によりますと、2015年もマイクロファイナンスセクターは急速に拡大しました。2015年末の総資産は、前年比48.0%増の14兆6259億リエル(約36.1億ドル:約3865億円)に達しました。2015年末の貸付残高は、前年比49.9%増の12兆2444億リエル(約30.2億ドル:約3235億円)となりました。預金残高も、前年比47.3%増の5兆3009億リエル(約13.1億ドル:約1400億円)となっています。純利益も順調で、2014年の3632億リエル(約8913万ドル:約95億円)から48.1%増の5378億リエル(約1億3279万ドル:約142億円)となっています。総資本利益率(ROA)は3.86%、株主資本利益率(ROE)は18.76%と大変高くなっています。
 貸付先をセクター別シェアで見ると、農業35.2%、個人向け26.2%、商業19.4%等となっています。マイクロファイナンスはこれまで農村部での農業向けや小規模商店向けの小口金融が中心でしたが、近年では都市部でのオートバイやスマートフォン購入のための消費者金融も伸びてきています。
 2015年末の不良債権比率は、0.77%(2014年末0.59%)と、大変低いレベルとなっています。しかし、農村部では、マイクロファイナンス機関への返済ができなくなると、土地を失う等、大変厳しい状況となることもあり、複数の機関から借り入れを行う重債務者を防ぐことも重要です。このため、カンボジア信用機構(CBC)が設立され、法人・個人の借入状況、信用情報等を各機関に提供しています。

カンボジア中央銀行のサイト(英文です)
http://www.nbc.org.kh/download_files/supervision/sup_an_rep_eng/AnnualReport-2015_ENG.pdf



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