カンボジア経済

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雨期のカンボジア 空から見ると

2018年09月02日 | 社会・風土
 雨期のカンボジアを空から見る機会がありました。飛行機でプノンペンに近づくと、水に覆われた田畑が見えます。カンボジアは5月~10月が雨季です。この間には「バケツをひっくり返したような」スコールに襲われることもたびたびあります。メコン河やトンレサップ川、バサック川の周辺は、プノンペン等の都市や堤防沿いに作られた街を除き、田畑はほとんど水没します。国土の30%が水没すると言われています。
 しかし、この洪水は、ナイル川の洪水と同じで、田畑に様々な養分を毎年運んでくれる重要な役割も果たしています。また、カンボジアの水田は、灌漑が不十分なため、この洪水を利用した洪水農法もあります。洪水に覆われた水田から少しずつ水が引いていくのに合わせて、田植えを行い、稲を育てるというものです。また、コルマタージュと呼ばれる水路システムで、洪水を人工的に田畑に導いたり、貯水したりして、洪水の水を活用することも行われています。 
 5月以降じわじわと水位が上がり、10月以降はじわじわと水位が下がっていくという大きな自然の営みが毎年繰り返されています。プノンペンの目の前でも、乾季と雨期では水位が9メートルも上下します。洪水による被害も毎年起きていますが、その一方で農業に恵みももたらしてくれる洪水と毎年つきあっていくカンボジアのたくましさを感じます。
(写真は、プノンペンとコンポンチュナンの間のトンレサップ川流域。堤防の形で川が2本流れているのが分かりますが、その周辺も全て水没しています。)

プノンペンのチョロイチョンバー上流。メコン河とトンレサップ川に挟まれたこの地域は、元々は遊水地であり、水没しやすい地域でした。様々な開発で埋め立てられたところだけが水没していませんが、水は他の地域に押し寄せることとなります。


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