カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染が第3波を迎えて陽性者数が増加傾向にあります。7月4日の保健省の発表によれば、死者は720名(6月27日から180名増)です。累計陽性者数は5万4291名(同6642名増)となっています。治癒数は4万6740名(同4583名増)です。先週の新規陽性者のうち、5688名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は954名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(7月4日現在陽性者5万1116名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
在カンボジア日本国大使館からの連絡によりますと、「6月に入り再度感染者数が増え始め予断を許さない状況が続いています。」としています。また、在留邦人の陽性者も出始めており、10名程度が隔離されている模様です。隔離された邦人からの情報等によりますと、「カンボジア国内で感染した場合、無症状であっても政府が指定した隔離施設に収容されます。こうした施設では大きな空間に簡易ベッドが並べられただけで、入居者同士を隔てるパーティションもないためプライバシーが一切無いなど、日本人にとっては厳しい環境に置かれることとなります。」とのことです。また、症状が悪化した場合でも、医療が不十分であるとの情報もあります。このため、大使館では「日本政府は現在カンボジアに対して感染症危険情報レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)を発出しております。短期滞在中の方には帰国をお奨めします。今後カンボジアへの短期渡航を検討されている方は渡航を止めてください。」と注意喚起しています。
カンボジア政府では、早期発見も重要であるとして、工場等の各事業所で検査が可能なラピッドテストキット(抗原検査)を原価(1回分3.7ドル)で、事業者向けに販売することを決定しました。カンボジア日本人会では、会員向けにこのキットを代理購入すると発表しました。25回分入りで1箱92.5ドルです。ご入用の方は、日本人会のサイトよりお申し込みください。
7月1日、フン・セン首相は、テレビで国民向けに演説し、変異種(デルタ株)への対応強化、無症状・軽症の陽性者の自宅隔離推進等の方針を発表しました。自宅隔離については、保健省が方針を発表したものの、適用が進んでいなかったものです。プノンペン都では、約300人が自宅隔離となっているとしています。隔離施設の状況が日本人には耐えがたいものであることもあって、自宅隔離の推進が期待されます。
プノンペンでは、日本人も多く住む中心部のバンケンコン等でもクラスターが発生しています。200名以上の陽性者が確認されたバンケンコン市場は、6月29日~7月12日は閉鎖となりました。続いて、オリンピック市場も7月3日~16日の閉鎖が決定されました。
ワクチンについては、7月3日時点で、446万9661人への第1回接種を完了しており、2021年内に人口の62%に当たる1000万人への接種を完了するという目標は、11月中にも達成できる見込みであるとしています。しかし、バンケンコン市場では、中国製ワクチンを2回接種済にもかかわらず多数の陽性者が出たとの情報もあり、政府では3回目の接種について検討している模様です。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは終了したものの、新たな規制が導入されたり、州毎に状況が異なっていたりしますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット。閉まったままのお店も多いです。7月1日撮影)
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在カンボジア日本国大使館のサイト
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