カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染が第3波のピークを越えつつあります。7月25日の保健省の発表によれば、死者は1283名(7月18日から177名増)です。累計陽性者数は7万2923名(同5742名増)となっています。治癒数は6万5264名(同6334名増)です。先週の新規陽性者のうち、3972名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は2362名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(7月25日現在陽性者6万4793名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港や国境での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
7月23日、日本製のアストラゼネガワクチン33万2000回分がプノンペンに到着しました。先般、日本政府が供与を決定した100万回分の第1便です。ワクチン到着時には、フン・セン首相も歓迎式典に参加し、「日本政府の支援に心からの感謝を表明する。ワクチンの提供はウイルスと闘うための資源と能力が限られる国を助けようという日本の思いやりを示すものだ」と謝意を表しました。
ワクチンについては、米国もジョンソンエンドジョンソン製を100万回分供与することを決定したと発表しました。世界的な枠組みであるCOVAXを通じて供与される予定です。カンボジア政府は、目標だったワクチン2000万回分の調達を今月中にも完了し、更に中国製300万回分を8月に、200万回分を9月に調達する予定としています。7月23日時点で、655万2632人への第1回接種を完了しており、2021年内に人口の62%に当たる1000万人への接種を完了するという目標は、10月中にも達成できる見込みであるとしています。このため、これまで18歳以上としていた対象を、12歳~17歳にも拡大するとして、8月1日から接種を始める予定です。
感染防止のための各種規制も変更が頻繁に行われています。3密が起きやすい映画館、スポーツジム、バーやカラオケ等の営業停止は、7月24日から8月6日まで更に2週間延長されています。ショッピングモールや市場では、シャッターが降ろされたままのお店を多く見かけます。他方、7月16日、カンボジア縫製製造業協会やカンボジア日本人商工会等の業界団体からの要請を受け入れ、工場などでの新型コロナウイルス感染対策を緩和することが発表されました。また、海外から入国した旅客の2週間の隔離については、ホテルへの不満が強かったことから、試験的に、ソッカ・プノンペンホテルとコートヤード・マリオットホテルの2ホテルを事前に選択できるようになりました。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは終了したものの、新たな規制が導入されたり、州毎に状況が異なっていたりしますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、日本製ワクチンの歓迎式典。AKPより)
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