カンボジア経済

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2020年も計画停電か フン・セン首相が発言

2019年11月25日 | 経済
 11月7日、フン・セン首相は、メコン河等の水位が低いことを受けて、来年も乾季に水力発電所の発電量が減り、停電の可能性があるとして、企業や住民に準備を求めるとともに謝罪しました。
 2018年末のカンボジア全体の設備容量は、前年末の2322MWから14.1%増の2650MWに増加しました。2018年は、国内での発電量が85.4%、ベトナム、タイ、ラオスからの輸入電力が14.6%となっています。国内の内訳は、水力48.5%、石炭火力34.5%、石油火力1.9%、再生可能エネルギー0.5%等となっています。このうち水力発電所の発電能力の合計は約1330MWですが、ダムの季節調整能力(雨期に水を貯めて乾季に発電する)が不十分なため、乾季には実際の発電は184MW程度にまで低下する可能性があるとしています。
 この状況に対応するため、政府とカンボジア電力公社は、本年6月に200MWの火力発電機2機を購入し、2020年4月から5月までには完成・稼働させたいとしていますが、停電時期に間に合うかどうかは微妙なところです。また、乾季には出力が安定する太陽光発電所の建設も促進していますが、まだ大きな役割を果たすには至っていません。
 こうした中で、再び周辺国からの電力輸入に頼らざるを得ず、本年9月にラオスと覚書に調印し、段階的に2400MWの電力を輸入する計画です。本来は、2024年からの予定でしたが、電力ひっ迫のためこの計画を前倒しすることとし、ラオス南部のドンサホン水力発電所(2020年1月稼働予定)から送電線を建設する計画が進み、ラオス側は本年12月にも完成の予定です。カンボジア側もストゥントゥレン変電所からラオス国境までの約50キロメートルの送電線を建設中であり、エネルギー省によりますと、工事の進捗は90%とのことです。また、タイ王国発電公社(EGAT)とも交渉中で、現在の輸入量に300MWの追加を求めているとのことです。
 電力の安定的な供給は、経済発展の基本であり、海外からの投資の誘致にも必要不可欠であり、カンボジア政府の継続的な努力が期待されます。
(写真は、カンボジア北部のローワーセサン第2水力発電所)



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