カンボジア経済

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2021年 インターネット使用者 人口を上回る

2022年06月17日 | 経済
 2021年の携帯電話・インターネットの現状等について、カンボジア通信監督機構(Telecommunication Regulator of Cambodia: TRC)が統計を発表しています。発表によりますと、2021年末の携帯電話加入者数(SIMカード数)は、1989万9790台で、2019年末の2167万5523台、2020年末の2082万7435台から頭打ちとなっています。携帯電話は、カンボジア全土で普及しており、複数台・複数SIMを保有する人も多いため、携帯電話加入者数は人口(1555万2211人:2019年)を上回っています。他方、固定電話加入者数は減少を続けており、2014年の36万1056回線から2018年末には8万6354回線、2019年末5万7438回線、2020年末4万9381回線となり、2021年末には4万296回線にまで減少しました。インターネット利用数(移動体・固定合計)は、2014年の502万5945回線から、2018年末1385万9571回線、2019年末1612万6356回線、2020年末2034万480回線となり、4倍以上に増加しました。しかし、2021年末は、1787万2173回線と、頭打ちとなっています。インターネット使用者数も、スマホの普及に伴う個人向けインターネットの浸透により、人口を大きく上回っています。TRCが公式に発給しているインターネットカフェのライセンス数も、スマホが十分浸透していなかった2017年の251件から、2021年には20件に激減しています。
 カンボジアは、世界で初めて携帯電話の契約者数が固定電話の契約者数を上回った国といわれています。携帯電話は、固定電話のように電話線の引込み等の工事や固定設備を必要とせず、手軽に利用を開始できるため、通信インフラ基盤が十分に整備されていなかったカンボジアでは、固定電話が普及する前に携帯電話が浸透したと見られます。このようにカンボジアは、固定電話を飛び越えて、最先端の光ファイバー、ワイヤレス、インターネットプロトコール(IP)で、低コストで全土に通信網を構築し、農村部にまでインターネット環境を広げてきました。途上国では、先進国が一歩一歩進めてきた技術革新を一気に追いつく「蛙飛び」という現象がみられることがありますが、カンボジアの通信セクターは、まさにその好例と言えます。
 また、カンボジアの大手携帯会社であるマレーシア系スマート、地場セルカード、ベトナム系メットフォンの3社に加え、中国系のキングテルやシンガポール系のシーテル等合計5社が、5Gの試験的運用を開始済であり、早急に本格的使用が開始されることが期待されます。
(写真は、全国どこにでもある携帯電話アンテナのタワー)

カンボジア通信監督機構のサイト(英文です)
https://www.trc.gov.kh/



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