カンボジア経済

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カンボジアはマネーロンダリングに脆弱 引き続きグレー・リスト

2019年11月08日 | 経済
 マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(Financial Action Task Force on Money Laundering: FATF)は、10月16日~18日にパリで総会を開催し、カンボジアを引き続き「戦略的欠陥はあるもののFATFと対応策を策定済の国」に分類したと発表しました。この分類は、一般に「グレー・リスト」と呼ばれており、他には、パキスタン、モンゴル、アイスランド等が含まれており、合計12カ国です。カンボジアは、2015年に一度この分類から外れましたが、マネーロンダリング及びテロ資金対策の新基準に基づいた評価で、2019年2月に再びグレー・リスト入りすることとなり、今回もグレー・リストから抜け出せませんでした。なお、この下に「ブラック・リスト」があり、イランと北朝鮮が含まれています。
 FATFはカンボジアに対し、不動産取引・カジノに対する監視強化、金融機関・送金機関に対する監視強化、技術的欠陥に対処するためのマネーロンダリング・テロ資金対策法の改正、マネーロンダリング監視のための体制強化、マネーロンダリングの取締り件数・訴追件数の目に見える増加、国連制裁措置を実施するための法規制・体制強化等を求め、カンボジアはその実施を進めていますが、さらに努力を継続する必要があるとしています。
 マネーロンダリングやテロ資金の技術は、日進月歩で進化しています。また、カンボジアでは、中国からの投資も盛んですが、その資金には様々なものが含まれていると言われます。また、カンボジアと北朝鮮は、長く友好関係にあり、プノンペンには北朝鮮の大使館や北朝鮮レストランも存在しています。カンボジア経済は高度にドル化しているため、ほとんどの取引がドルで行われ、市中にはドル現金が一般に流通していることもマネーロンダリングを行う側にとっては目をつけやすいところと見られます。FATFと協力しつつ、各種対策を順次進めていく必要性は高いものと見られます。

FATFの発表(英文です)
https://www.fatf-gafi.org/publications/fatfgeneral/documents/outcomes-plenary-october-2019.html




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